文字だけではイメージがいまいち浮かばない人も多いと思います。
元ネタの単語は全部作中初登場の際に入れていますが、それで検索するのも面倒という人もいるはず。
そういう人用のために、小説家になろう関連ページである挿絵投稿サイトの「みてみん」に
リンダさんシュートの際、どうやって動いているかの図説をペイントで作って掲載しました。
ダグ達の素晴らし(くキモ)い動きをさらに想像したい方は
みてみんのページで右肘に違和感という投稿者を探してみてください。
そこに載ってるはずです。
「ふー……」
全力での遠投を終え、俺は一息ついた……んん、肩の調子が下がってるかな……?
肩といえば、パワフルプロ野球のサクセス久しぶりにやりてーなぁ。
この世界には無いからまず無理だが……シルフカンパニーに企画でも持ち込んでみようか。
「やっぱタツヤんが原因やったなwwwwwwwwうちは君しかおらんと思っと───」
「ゴウキ。あれに瞬獄殺。」
「ムンッ………!」 - = Ξ Ω ギュォォォオン
「え、ちょ 」
そ、その動きは、トキ……!?
15HIT COMBO!
K.O
天
「南無三……アカネさん、今はゆっくり眠れ……」
「あ、アカネちゃーーーーーんッ!?」
ゴウキがやっぱり覚えていた瞬獄殺で、アカネさんを黙らせる。
まあ音を聴く限り、ちゃんと手加減も出来ていたようだし問題なかろう。
「はー、本当にいつも通りすぎるわねぇ。今日も平和な一日になりそうだわ」
「失礼な。俺もポケモンじゃないのが進化するなんざ初めてですよ」
「どっちにしろ原因はやっぱりタツヤ君だよ……」
「そうね」
「アカネちゃーーーーーんッッ!! しっかりしてぇーーーーッッ!!」
「わ、我が生涯……一片の悔い無し……」
まあ確かに原因俺だったんだけどな、不名誉すぎて納得いかねえ。
っと、そういえば……?
「出かけるって話でしたっけ? ミカンさん」
「あ、そ、うん、そうだけど……もう買い物終わってるんじゃ……?
っていうかッ! アカネちゃんに攻撃させちゃダメじゃないですか!!」
「大丈夫だ、問題ない」
「大問題だよーーーーーーーぅ!!」
綺麗な笑顔でエルシャダイをする俺に、腕を振りながら詰め寄ってくるミカンさん。
あーこれサーナイトだったら幸せだったのになー……
どっすっ。
「はぐっ?!」
べちこーん。
「おにゅぁッ!!」
何故かいきなりボディーに顔面にと連続で攻撃を食らった。
な、なんじゃっ……?! アカネさんの怨念か!?
「ディ~#」
「ホォァァァ#」
また貴様らか犯人は! なんでそういきなり殴って来るかね貴様らはッ!
もういいわッ! 俺、体は子ども、頭脳は大人のあの子呼んでくるからッ!
「ははは……相変わらず、懐かれてるみたいだね」
「どこがやっ?! おもっくそ殴られとるやんけ!」
思わず関西弁になってレッドさんに反論してしまう。
これで懐いてるとか有り得ねえよ。むしろ手頃なストレス発散のサンドバッグじゃねえか。
ガサガサガサガサガサガサガサ。
「あん?」
「ん……?」
「え……?」
「あら……」
なんか妙な音が聞こえてきた……なんだろう、虫が這い寄るような。
「何も投げ捨てなくてもいいじゃないですか……」
「はっ?」
え、投げ捨てる?
俺は声がしたほうに振り向いてみる。するとそこには───
誰も居なかった。あれ?
「ミカンさん今俺に話しかけてないですよね?」
「は、はい。というか私も今、聞こえました」
「あれぇ?」
もっかい声がしたほうを見てみたがやはり何も居ない。
「下。下です。アンダー。その視線から目線を下に向けてください」
あん?
言われた通りに地面を見るように、目線を下げてみる。
そこには元ポケモン図鑑がいた。
なんか図鑑全体の四つ角に、鋭く尖った蜘蛛みたいな機械足が生えている。
俺はそれを拾う。
「いきなり投げ捨てるのは流石に酷いですよ? これからはちゃんと」
肩と腕、背中に力を振り絞り、今回は助走をつけて全力で投球した。
アァ
ァ
ァ
・
・
■
「うん。まあやっぱ気のせいだったっす。ごめんなさい」
「え、えーと……」
どうしたんですかミカンさん、そんな私、どうすればいいのみたいな顔して。
「まあここにいても気絶したアカネさんしかいませんし……
まずはポケモンセンターにでも帰っておきますか。出歩くにしても風呂位は入りたいですし」
「わ、わかったよ。じゃあセイリュウに乗せてもらおうか」
「んですね、よろしく頼むわセイリュウ」
「ギュガ~~」
ハカイオウにアカネさんを背負ってもらい、全員でセイリュウに乗り込んだ。
ふわり、と重力を無視し、蒼の龍は華麗に空へと舞い上がった。
◇
「わぁーすっごーい……空ってこんなに景色がいいのねー」
「キューキューッ!!」
「私のハガネールもこんな風に飛べたらなー……」
なにやらコタツさんがかなり怖い事を想像している。
ミカンさん、そりゃさすがに無理ってもんです。
しっかし相変わらずの大スペクタクルだ……空飛ぶポケモン、俺もゲットしておこうかなぁ。
「わ、我が生涯……一片の……」
もうええっちゅーねんそれは。
「私を置いていかないでくださーいッ!!」
そんな時、横手からなにやら苦情が聞こえてきた。
……ん? 全員揃ってるよな……別に誰も置いてってなんか───
横を見てみたら俺の元ポケモン図鑑が、図鑑の一部から炎をジェット噴射しながら飛んで来ていた。
しかもセイリュウの動いている速度にこの小型で付いてくるとか。
「セイリュウー、ちょっと頼みあんだけどー」
「ギューガー?」
「尻尾さ、軽く左右に振ってみてくんね?」
「ギュガ?」
【こうかな?】という感じに尻尾を軽く振ってくれるセイリュウ。
うん、それでいいよ。ありがとうー。
なんかぺちんって音がしたのはきっと気のせいだからね。
ア
ァ
ァ
・
・
。←
◇
んで結局……元ポケモン図鑑は振り切れずポケモンセンターに到着した辺りで
割かし普通に追いついてしまい、俺の頭の上にスチャっと着地しやがった。
馴れ馴れしすぎたが故にドレディアさん達が嫉妬でもしたのか
ポケズを頭から叩き落として後ろでボコってたが。
『─────。』
【主殿も大変であるな……】
「やっぱ俺の味方、お前だけだわ……」
やさしくぽんぽんと肩を叩かれ、思わずしみじみと呟いてしまっていた。
ダグトリオ、お前らは本当に俺の清涼剤だよ……
ほら……小遣いやるよ、これでなんか好きな物買って来い。俺コーラね。3分な。
「ふっふっふ! Ver2.0の私には衝撃吸収装置も防水性能も付与されているのですッ!
あなた達が何をしたところでこの私をあ、ちょ、それは反則、やめてッ!」
後ろをふと見てみたらどっから持ってきたのか
ドレディアさんがマイナスドライバーを手に持ち、ポケズを分解しようとしてた。
なるほど、やはりそういうことか。
「ドレディアさん」
「ディーア?」
「はいこれ」
俺はそういってレジャー道具の中から常に持参していた、十得ドライバーを手渡しておいた。
「なにやってんの?! ねえマスターなにやってんのあなた!?
別にいいじゃないですか!! 私が進化してもいいじゃないですか!!」
俺には何も聴こえない、手渡してポケモンセンターの中に入っていく。
「あ、あれ……本当に良いのかい? オーキド博士から貰ったものなのに……」
「俺、思うんです……物事には限度ってもんがあるって。
俺もう生きるのに疲れました」
「そこまで疲れちゃったんですか……タツヤ君……;」
「まー、あれだけ濃いのに囲まれてたら流石に私も疲れそうだけど、ね」
「キュー」
皆さんから色々な意味での同情をもらい、俺の心の切なさはマッハです。
ま、風呂入るべ風呂。そっからだ。
◇
うむーさっぱりしたのである。やはりお風呂は最高やってん。
小銭を使い、俺は受付の横にある自販機でミックスオレを買って飲んだ。
「うめぇーーーー」
「それは僕も認めよう。風呂上りの乳製品はうまいよねー」
「あー、うちのミルタンクのミルクも結構うまいんやでー? 今度飲んでみる?」
『是非!!』
「おぉぅ……!? 即答レベルまでッ?」
風呂上りにうまいミルクなんて、至上の贅沢じゃねえか。
ていうかいつの間に復活したんやアカネさんよ。
「ん……まあゴウキやっけ、あの子も多少手加減してくれたみたいやしなー」
「メッサツ!」
「と、口では怖い事を申しております。」
「メッサツ?!」
鳴き声だから仕方ないけど、漢字にしたら滅殺ですからね。
まあ空気はしっかり読める子に戻ったようである。
あの時の俺の股間の一撃は間違っていなかった事が今証明された。はず。
「うう……体中いじくりまわされた……私もう博士の元に行けない……!」
「あぁ、そう。」
「冷たっ!?」
なにやら機械の癖に寝言をほざいているのがいるが、まあそんなんどうでもいい。
ドレディアさんとミロカロスは何故かツヤツヤテカテカしている。
良いストレス発散にでもなったんでしょーかね?
「んで、これからどうするんすか?」
「あーそやねぇ、うちらは生活用品でも買った後にこの街の名物……でええんやろか?
ポケモンタワーて所に行ってみよっかなーって」
「ああ、あそこっすか」
みんなのトラウマシオンタウン。今まで俺が訪れたこの街ではトラウマイベントが一切なかったが
子供ながらにあの怖い音楽で恐怖していた覚えしかない。
あと演出上仕方が無いとはいえ、きとうしがゴースに乗っ取られてるって表現が
ずーっとおかしいと思っていた位しか頭に残っていない。
乗っ取られてんのにゴースを繰り出したってさwwww
ボールで管理出来てますwwwwwって感じ。
「んーそうだねぇ、僕もポケモンタワーの方は興味があるかなぁ?
なんかゴーストポケモンがたまに出てくるらしいし」
「何気になんでそんなポケモン出てくる危険地帯を
普通に一般人に開放してんですかね、街の人は」
「そ、それは私も街の人じゃないからわからないかな……」
「今思うとなんでやろねぇ」
「別にいいんじゃない? そこまで深く考えなくても」
論文でも発表してみようか。
危機管理がなっていないこの世界の実情、的な感じで。
ま、とりあえずは今日のこの後の予定は皆を連れてポケモンタワーかな?
ゴースとか空飛べねーかなぁ。捕まえるのも一考だろうか。
でもま……あそこは一応お墓なんだし、大騒ぎしないように皆に言い聞かせておかないとな。
>>でもま……あそこは一応お墓なんだし、大騒ぎしないように皆に言い聞かせておかないとな。