うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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完全ギャグパートです。




62話 最終日

 

 

 

「はい、それじゃテストを返します。」

「ディーァ」

『ッbbb』

「ホーァ」

「ミュィ」

「あいー」

「は~い」

「はい。」

「キュー」

「メッサツ!!」

「ッシャオラ!」

 

 

 

全員、誰が誰だかわかるかな?

三番目は多分俺だわ。

 

 

「えー、では今回のテストの平均点ですがー。

 47点でした。お前等マジ俺と一緒に何を学んでたの? ねえ舐めてんのこれ?」

「ディァー……」

『orzorzorz』

「ホォ~ン……」

「ミュー……」

「すんません……」

「す、すみません」

「ごめんなさい……」

「キュー……」

「オッス……」

「オッス……」

 

 

まったく……一体どういうことだこのボロボロな成績は。

お前等平均65点位取ってくれよ。この一週間なんだったんだよ。

 

 

「はー……じゃあまずドベから発表だー。

 この1週間でいっちばん何も学んでないヤツなー。覚悟はいいか?」

『『『GOKURI(;゜A゜)』』』

 

 

 

全員予想は出来ているだろうか? さぁ、成績最下位は誰でしょうかー。

 

ポケズ。演出頼む。

 

 

 

でん♪でん♪

 

でん♪でん♪

 

でん♪でん♪

 

でん♪でーっ♪

 

 

 

「───最下位は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アカネさんだぁーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!」

 

 

 

 

「えええええーーーーーーーーーー!?

 ウワぁぁぁぁぁーーーーーーー!! う、嘘やぁーーーーーーーーッッ!!」

 

 

 

 

 

アカネさんが頭を抱えてぶんぶんと体を振る。

 

学力試験、人間がまさかのポケモン以下へと甘んじた瞬間である。

まあこの人途中からの参加者だけどいくらなんでもこれはねえわ。

明らかな脳筋のハカイオウとゴウキに負けているとかどういうことなの……

 

他の面子は明らかにほっとしている。

 

 

「ちなみに得点は……  1 7 点 ! お前本当張っ倒すぞ?!

 俺が教えた内容全然頭に入ってねぇじゃねぇか!!」

「そ、そんな……

 うちのアイデンティティーが……うちは実は出来る子って設定やのに……」

 

知らねえよそんなもん。

そんな事より教師役の俺の深い悲しみを何とかしろ。

 

 

 

 

 

 

 

ん、おっと……すまん。

何の説明もしてなかったな、そういえば。

 

 

まあ今はご覧の通り、ポケモンセンターの一室を借りて育て屋の最終日をお送りしております。

 

 

俺の理念は、だな。能力だけ高くても駄目なのだ。

その場その場で臨機応変に対応出来る順応力が大切なのな。

 

んだから最終日は学力テストにしてやった。

 

 

 

 

 

 

事の起こりは朝に関わっている。

 

俺が朝、起きる前に、だな。なんか前世の夢を見たんだよ。

 

んで、高校でテストやってたんだわ。

 

そしたっけさー。数学が何故か50点50点の2枚で出てきてな?

一枚で100点満点にしろよって話なんだけどさ。

 

俺数学苦手でさ。二枚合わせて合計で7点しか取れなかったんだよ。

情けないにも程があるんだが、内訳がもっと酷いんだわ。

 

 

 

1枚目が6点。2枚目が1点。しかもおまけ的な意味で1問目だけ△付いてた。

 

 

 

此処まで来ると笑い話になるレベルなんだがよ。

やっぱ本人としてはプライドが崩れ去った瞬間なわけよ。

夢の中とは言えなんか悔しいじゃんか、な?

 

 

 

んだからベッドから起きて歯磨きして飯作る前にソッコーで問題作り上げて

人数分コピーさせてもらって、最終日の育て屋ジャンルを学力試験にしてやった。

 

 

 

俺は悪くない。

 

 

 

 

 

 

とまあ、こんな理由で学力テストを終わらせて、今なわけである。

 

「ま、アカネさんの脳みそはとりあえずカスって事が判明しました」

「う、う、うぅー……orz」

 

「───が……だ。他にも恥ずかしい成績を取りやがったやつが居るっっ!!」

『『『ッ!?(;゜д゜)』』』

「続いてブービーを発表する……

 

 ───ドレディアッ!!

 

 お前24点とか舐めてんの?! ねえ舐めてんの!?」

 

「ディァァァァァッ?!?!」

 

【そんな馬鹿な!?】と言わんばかりに席から立ち上がるドレディアさん。

 

「とりあえず解答欄の答えを読み上げる!!

 

 Q.街中で財布を拾いました。どうする?

 A.全力でぶん投げる。

 

 とかなにこれ! ねえなんで投げ捨てんの?!

 届けろよッッ!! 投げる位なら交番に持ってけよッッ!!」

「ァー……」

「他にもまだまだあるッ!

 

 Q.スライムが現れた!! コマンド?

 A.メガンテ

 

 なんでいきなり自爆呪文なんだよッッ! おかしいですよカテジ○さんッッ!!」

「ディァッ!! ディーァ!!」

 

【自爆はロマンだろ!!】だと!? お前マジでドラクエやったらそれしろよ!?

 

「最後にッッ!!

 

 Q.自分のトレーナーが大怪我を負ってしまいました。まずやる事は?

 A.かいふくのくすりを叩き付ける

 

 お前これただ凶器でぶん殴ってトドメ刺そうとしてるだけじゃねえかーーッ!」

「ディァ?! ディァ、ドレーディァ!」

 

ドレディアさんはその答えに対して全力で抗議の声を上げる。

【違う! それは違う!! 蓋を開ける手間を惜しんだだけだ!!】とか抜かしてやがる。

 

「けどな……こんだけ珍回答してんのに

 アカネさんより上とかどういう事なんだよ……。

 おいそこ、目逸らすな。どういう事なんだよ、おい」

 

ちくしょう……なんかもう、傷口を抉られる思いだ。

こいつらにとって俺ってなんなんだろう。

 

「んで、酷いドレディアさんは置いといて……

 意外なところでダグトリオ、いやダグONEにTWO、Ⅲ。

 お前等だけは信じてたのにどういうことだこれ……」

『─────;;』

 

ダグトリオ達の得点は28、29、33点の順である。

 

「俺、お前等のトレーナーである事が悲しくなってきたよ? この悲しみ、何処に捨てればいいの?

 限りのあーるー、学生(仲間)なんてー僕ーはー……要ーらーなーいよー……」

 

 

俺の手持ちの酷さを話そうか。

                                    ゜

 

「さて、ここからはまだ比較的頑張ってくれたやつらになる。

 えーまずは、意外に好成績……。ハカイオウ! 64点ッッ!! ゴウキ! 71点ッッ!!」

 

『オォオーッスッ!!』

 

突然こんな方針に切り替えた上でのこの結果。修行の成果としては上々ではなかろうか?

 

「んーただ……確かに点数はよかったんだが。

 二人共……わからないところの回答を適当に答えるのは頂けないな」

「「(ギクッ)」」                          ゜

「本当に……なんなんだこれは?

 

 Q.シンオウ地方のご当地品は何か?

 A.台所に干してあるパンツ

 

 Q.ジョウト地方における伝説のポケモン2種を答えよ。

 A.タツヤ カトレア ゜

 

 Q.アンノーンのZ文字タイプの出現率を答えよ。 

 A.焼きもろこし150円                      ゜

 

 これ、明日にでもそれぞれの持ち主に晒しておくから」

 

『( д ) 』

 

お前等、目どこに吹っ飛ばしてんだよ。

 

「さて、こいつらはこの辺にしておいて……次! ミロカロス79点!」

 

「ホァ~~~~♪」

 

「やっぱお前の存在は癒しだ。うん。これからもよろしく頼むな、お前は俺の救いだよ」

「♡♡♡♡」

 

ちなみにこいつは口で紙に答えを書いてました、器用なもんさねー。

俺は流石に口で文字は、うん……かなりきつい。

 

 

「ではここからはトップランカーになる……

 突然テスト形式にしたのに対応したその適応力は見事と言える!

 第4位! サンドパン、88点ッッ!」

 

『おおぉおおーーーーー!!』

 

一般的なポケモンの中では意外にもこの子がインテリだった。

やっぱこの子も俺の癒しだわぁ……クチバでも教えてたしな、この成績は先生としてはとっても有難い。

 

「サンドパンはあとでご褒美を上げるからな~。お前本当いい子すぎるだろ、さすが俺の」

「私の子よ?」

「さすが俺のポケモンだ」

「言い直すなッ!!」

 

なんやら横で寝言をほざいているガールスカウトがいるがとりあえず放置だ。

 

「んで、第3位だ…… 第3位!! もっさん!! 96点ッッ!!」

 

『おぉぉおーーーーーーーーーーーー!!』

 

「ふふん、ざっとこんなもんよ♪」

「まあぶっちゃけ解答欄は非常に面白みに欠ける常識的なものしかありませんでした。

 答えられてない問題がフェルマーの最終定理ぐらいだしな」

「いや、そもそもそんな法則聞いたこともないわよッッ?! そんなもん、どう答えろってーのよ!!」

「適当に塩味とかカラメルソースがベストとか答えりゃいいじゃんよ」

「食べ物だったのそれッ?!」

 

会話は突っ込みがしっかりしてんだけどなー。

なんで紙に書くと模範解答にしかならないんだろう、このお姉さんは。

 

「では次、第2位……!!

 もうここら辺まで来ると呼ばれてない人もたったの二人しか居ないわけだ……

 さて、どっちがどっちだろうな……!!

 

 では……

 

 第、2位だ!!

 

 ミカンさん、99点ッッ!」

 

『あぁぁおおおぉおおぉおーー!!』

 

 

惜しい……実に惜しい、後一点が届かなかったミカンさん。

でも結果は素晴らしいよ、見事と言える。

 

「おめでとうミカンさん。

 後一点届かなかったけど99点はとっても立派だと思う。ベストオブ常識人だね」

「あ、ありがとう……///」

「なぁなぁ、タツヤん。採点したのタツヤんやろ?

 残りの一点で届かなかったのってなんの問題やったんや?」

「ん? 別に何も間違ってませんよ」

『え』

「なんかその場の気分でちょっとノリが悪いなーって思ったんで

 俺独自の採点で1点マイナスにしておきました」

『ひどっ?!』

「う、うう……間違ってないのに99点って……ひどいよぅ……」

「まぁまぁ、いいじゃないですか。

 つまりは俺が採点してなきゃ100点って事なんですから」

「いや、そういう問題じゃ済まされないわよこれ……

 

 って、あれ? てことは1位は……タツヤ君の気分でマイナスもされないで

 ミカンさんの99点を超えたって事よね……つまり満点……!?」

「うむ、その通り!

 

 ではもう残っている人も一人しかいないが発表だッッ!!

 良くぞ人間の頭脳を抜いたッッ!! さすが技を全部覚えられるだけある!!

 

 

 第 1 位 ! !

 

 

 ミュウ!!

 

 

 

 

 

 

 

 1 0 8 点 だと……!?」

 

 

 

 

 

『えええーーーーーーーーーーーー!?』

 

 

 

 

 

おいなんで100点満点のテストでこいつ108点も取れてんだよ。どういうことなの……

 

 

「ミュミュ~♪」

「いやちょっと待てお前ッ! まさかお前……!

 俺が一旦採点した紙引っこ抜いて、エスパーの技かなんかで文字変えやがったなッ?!」

「ミュ~ミュミュ~♪」

 

【勝てばいいんでしょ~?】だと……

 

「た、確かにその通りだ……。

 そういう意味ではお前は確かに俺の修行を事細かに理解している事になる……!」

「(ドヤァ)」

「うわうぜぇ! その顔やめろ!」

「あかん、その手があったか!!

 ミュウちゃん、うちのテストの点数の改ざんも頼むで!!」

「おいやめろ! 採点者の前で堂々と宣言してんじゃねえ!!」

「ディァ、ディーァ、ドレディ!!」

「おめーも頼んでんじゃねえ! いいから隅っこでメガンテしてろや!!」

「ディー#」

「うるせえッッ! この件に関してはお前は一切正しくないッ!!

 いいから隅っこ行って『ディーフェンス!! ディーフェンス!!』とでも言ってろ!!」

 

なんなんだよこれもうー!

俺はこんな事を覚えさせるために修行をしてたのか?!

思わぬ追撃に俺がK.Oされてしまいそうだ!

 

「ミューミュミューゥ!!」

 

と、気合を入れてミュウが叫んだ後に

俺が持っていた採点用紙がふわりと浮いて……ってお前マジでやる気か?!

 

「ちょ、やめ、やめろ、ミュウーーーーーー!!」

「よっしゃああーーーー!! 頑張れぇーーーー!!」

「ド、レディァーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてミュウがいじった解答用紙を見てみたら

 

 

ドレディアさんが4点に。

 

 

アカネさんが2点になってた。

 

 

二人して隅っこに行って『ディーフェンス……、ディーフェンス……』ってやり始めた。

 

 

さて、これで育て屋全行程が終了した。

明日はコクマロさんとカズさんにあって、出来栄えを見てもらうだけだー。

結構充実した一週間だったなぁ……。こういうのもいいもんだねぇ……。

 

 

 

あ、やべ。コクマロさんじゃねえ、コクランさんだった。

 

 


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