うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

73 / 129
66話 真の悪

 

 

「よかったね……よかったね、カラカラちゃん……!」

「キュキャ~♡」

「うん、いいお話の展開だと私も思うんだけど、さ……うん。

 ガラガラ、あんたも巻き込まれたようなもんよね……」

「ゴーガゴ?」

「えっとね……あなただけじゃないのよ、世界の倫理ぶっ壊れてるの。

 このタツヤ君の周りね、わけのわからない進化とか理念がぶっ壊れてるのばっかなのよ」

「(゜д゜)」

「せっかくの感動が台無しだよもっさん。飯奢れ」

「もっと台無しよっ?!」

 

 

おまっ、せっかく綺麗に纏め上げたのに巻き込まれたとか失礼すぎる。

 

 

「……。」

「ん、どしたんだガラガラ」

「ゴーガゴォン」

 

【それでも、ワタシはアンタに感謝している。

 この子の傍に居れるのは、やっぱワタシの望む幸せの形だ】

 

そんな意思が垣間見える視線を俺に向けてくれていた。

 

「ん、そうか……そいつもまだまだ人生これから長いんだ。きっちり見守ってやれや」

「ゴガッ!!」

 

 

良い返事である。さて用事も終わったし───

 

 

「────ッ、────!!」

「──?! ────! ──。」

「────!! ───!?」

 

 

 

「あん?」

「ドレディーァ?」

「えっ?」

「ん、なに今の声」

「ギャゴーン?」

「キュー?」

「メッサツ……?」

「ォッス……?」

 

なんやら階段の上が騒がしいようである。この階段の上に何が……? って、あ。

 

 

「ああ、そうか……なるほど、うんうん」

「え、えっと……タツヤ君は何があるかわかったの? 一体今の声って……」

「ほらあれっすよ、レッドさんですよこれ。でもってレッドさんが追っかけてる相手。

 もうここも次の階で終わりなわけですし、必然この上に居るって事に」

『あー。』

 

 

なるほど、と全員が納得の表情。

 

……とすると、……ふむふむ、よし。

 

 

「おーい。俺の手持ち全員集合。あとついでにカラ&ガラも来いー」

「ディーァ?」

『─────???』

「キュキャー?」

「ゴーガ?」

『……オッス?』

 

よし、全員が集まったのを確認。

あ、もっさん達も多分後で活躍出来るから、一旦引っ込んでおいて。

 

 

「えっとな、多分だけどこれからロケット団が逃げ降りてくる」

『!?!?!?!?』

「ああ、大丈夫だ安心してくれ。多分無防備だから」

『?????』

「いいか?レッドさんがさっき俺らを無視して。

 俺らを無視して。俺らを放置して。俺らをそのままにして。俺らをry上に上がっていったわけだろ?

 なのに出てくるのはロケット団のみ……どういう事かわかったか?」

「……アー。ディア、ディア」

 

【……あー、なるほど、なるほど】

 

「ドレディアさんはわかったようだね。

 ネタ晴らししちまうと、だ……多分ロケット団はレッドさんに手持ち全滅させられてる」

『!!』

「ということはですね……やりたい放題なわけですね^^」

『^^』

 

「ハーイ全員配置につけーwwwwww」

 

『イヤッホォォォォオオオゥッ!!』

 

うふふのふ、全員すてんばーい。

特にガラガラ、あの時の恨みを別人かもだが晴らしてしまえッ! でも成仏すんなよそれで!!

 

 

 

そして待つ事5分程度。

 

 

「だーくっそぉッ!! なんなんだあのキメぇピッピはッ?!」

「やたらバカでけぇドラゴンポケモンまで居るしよぉ……! あんなの聞いてねえぞッ!」

「ちっくしょう、こんなのやって……ら、れ……」

 

「はーい♡ いらっしゃいませー♡」

「ドレーディァー♪」(ゴキッゴキッ

『♪♪♪♪♪♪』

「キュ♪」

「ゴガ♪」

『ガチムチパラディンオッスオッス!!』

 

おいハカイオウとゴウキ、なんだその鳴き声は。お前等本当なんなんだ。

 

俺らの手持ち+カラガラ親子が全員、良い笑顔に加えて

背景にDEATHオーラを背負い、その黒い何かが燃え盛る中

哀れな羊どもはレッドさんに追い立てられ、こっちの縄張りにダーイヴ♪

INTO YOUR HEART ってな♡

 

「な、なん、お前ら……?!」

「んー、まあ、あれだよあれ。誰だっていいじゃん♪」

 

ひゃっひゃっひゃ、人数差で押し潰すのはたーのしいねぇ♪

さぁ……お祭りの時間だぁ~♡

 

NO(ノー) ESCAPE(エスケープ)!!

 FIGHT(ファイツ)ッ!!」

 

『ウォォォオオオオォォォォォォォッッ!!!!』

『ぎゃぁぁぁあああああぁぁぁーーーーーーーーっっ?!!?』

 

 

 

 

ててててーん♪

 

 

お、別にポケモンと戦ったわけでもないのに経験値も入るのか。

今回は誰がレベルがあがったんだろうか。

 

そうして立体画面が浮かび上がり、俺は文字を確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[> ポケズは

   レベル4ていどに あがった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前かーーーーーーーーーーーいッッ!!」

 

ポケズを取り出し、全力で墓場のどっかに投擲した。

 

「キャーーーーーーー!!!」

 

なんかの断末魔が聴こえたが知ったことではない。とりあえず……

 

目の前のぼろっべろにしてやったロケット団三名を見やった後、俺はガラガラに視線を移す。

あちらもこっちの目線に気付いたらしい。

 

「おう、ガラガラ。やりたい放題やってやれたか?」

「ゴーーー!!」

「うむ、そうか、よかったよかった」

「─────。」

「うぉおおおおおおおおいッッ!? もう思い残す事は無いじゃねえよお前ッッ!?

 体透けさせんなっ!! 戻ってこぉおおおーーーーい!!」

「ッ!?」

 

なんとか体が透明化するのを防ぎ、一安心。

やんなっつってたことやるとかマジ勘弁してくださいガラガラさん。

 

「カラカラもよかったな。お前と母ちゃんいじめたやつ、倒せたぞ?」

「キュキャーォン!」

「うむうむ」

 

ご褒美に頭をぐりぐりとしてやる。まだまだ子供だからなのか嬉しそうである。

 

 

「あ、相変わらずえぐいわね、タツヤ君……クチバのあの短パン小僧の子を思い出したわ……」

「キュー♡」

「タ、タツヤ君……その笑顔……怖いっ……!」

「ギャゴーン」

 

 

なんだと。

 

 

「ドレディー、ディーァ?」

「ん、こいつらどうすんだって?」

 

ドレディアさんが完全にボロッベロになったロケット団について尋ねてくる。

んん、どうしよう。まあいいか。

 

「そこの窓から捨てちゃっていいよ」

「ちょっ?! タツヤ君それは駄目よ! いくらなんでも死んじゃうわよ!」

「ぇー」

「ゴー」

「ガラガラもッ! いくら殺されたっていってもやり返すのは駄目よ!!」

「ゴー……」

「つまんね」

「……ったくもう。ごめんゲンガー。その三人なんだけど……

 ちょっと窓から下に降りて警察に届けておいてくれない?

 ここに置いておいたらタツヤ君達に殺されかねないわ」

「ギャゴーン!!」

 

聞き届けるが速しと言わんがばかりに、ゲンガーは颯爽と頭のとげに三人の服を引っ掛け

窓からスパパパパパパとロッククライムして降りていった。それシンオウ地方の秘伝技じゃねえの?

 

 

「さーて」

「うん、私達の用事も終わったし」

「これからどうするんですか?」

 

「は?」

 

「へ?」

「え?」

「ディ?」

 

何言ってんだこの人ら。

 

「まだ仕事、ありますよ? 何言ってんですか」

「え、え」

「えっと……まだ何かあるんですか?」

「そりゃーありますよ。

 

 

 

 

 

 

 ───まだ、上にレッドさんがいるでしょ?」

 

 

 

 

『あ。』

 

 

そう。

俺らをゆうれいの前で放置した「愚か者」が。

 

 

 

 

「───……っとと、おじいさん、階段に気をつけてくださいね」

「おぉ、すまんね、レッド君……おや? この方達は君の友達かい?」

「ん……? あ! みんな! おじいさんは無事に救えたよ!!」

 

「はーい♡ 寝言は寝てから言えー♡」

 

「え」

 

「ドレーディァー♪」(ゴキッゴキッ

『♪♪♪♪♪♪』

「うふふ♪」

「うふふ♡」

「キューキュー♪」

「キュ♪」

「ゴガ♪」

『やらないか』

 

おい、破壊号。お前等そのベンチどっから出した。

胸元はだけてんじゃねえ。てか普通に喋れてんじゃんか。

 

 

「いや、えっと。何?どうしたの?」

「ほほう、言わなきゃわからんかこの血便め。

 

・ゆうれい

・放置

・俺らも放置

・危険度無視

・自分は悠々とおじいさんといちゃいちゃ

 

 ……弁解があるなら先に聞いておこうか?」

「えっと、あの、目の前が見えてなかったっていうか、その。」

「目の前が見えてなかった……ねぇ───……むしろ真っ暗にしたるわこのくそったれぇッッ!

 テメーの血は名前の通り赤色だぁーーーーーーーーーー!!!」

『ゥオォォォォオオオォォォォッッ!!!!』

「ぎゃーーーーーーー!! ごめんなさーーーーーーい!!!」

 

 

 

 

 

                :みせられないよ!: 

 

 

 

 

 

とりあえず愚か者をフルボッコにして、俺達はポケモンタワーを降りた。

帰り道、あなぬけのヒモを用意していなかったため

再び幽霊とバトルアスリーテスになってしまったんだが、まあそこは割愛。

具体的に言うと、俺があまりのウザさにキレてLv22になってしまった程度である。

きとうしの人まで蹴り飛ばしたのはやりすぎたかな?

 

「……さて。カラカラ、ガラガラ。これでお別れだな」

「キュ。」

「ゴ。」

「お前等は元々野生なんだ。人に縛られるより野生のが気楽に生きていけるだろ?」

「キュー」

「ゴー」

 

ガラガラ自体、ゲームで捕まえられないやつなのだ。

それが混ざったカラカラも必然捕まえられない法則になる。

元より、俺も俺で子連れ狼になる気はサラサラ無いからな……

原作ではついぞ、再会すら叶わなかった親子なのだ。のんびり暮らしてほしいものである。

 

「じゃ、またな!」

「またね、ガラガラちゃん」

「元気でねー」

「キュー!」

「ゴ!」

 

 

そうして、俺らは(きびす)を返す。今回も幸先悪しといった感じの事件だったが

とりあえず悲しい原作寄りのイベントを多少のハッピーエンドに持っていけたのはよかった。

 

 

「△▲☆★~♪」

「うん、そうだな……何事もハッピーエンドが一番だよなやっぱ……」

「ディァー」

「たまにシオンに寄って、あの親子の様子を見るのもいいかもしれないですね。

 探すのが難点そうですけど……」

「んーそうっすねー。ポケモンなんて同じ姿のヤツ、ザラに居るしなぁ」

 

でもあいつらの場合、ガラガラが後ろで浮いてるカラカラを探せば

案外すばやく発見出来るんではなかろうか?

 

「ま、ともあれ……これで全部の用事は終わりました。

 レッドさんも気重ね無くぶっ殺したし、カズさんとコクランさんが待ってるかもしらん。

 俺はポケモンセンターに戻らせてもらいますね」

「んー、私は警察の方に寄ってゲンガー回収してから戻るわね。

 あの子多分ポケモンセンターの場所知らないと思うし」

「じゃ、私もそっちに付いて行こうかな。

 すぐにポケモンセンターで合流出来ると思うけど……一旦お別れですね」

「りょっかーい。んじゃまたあとでー」

 

ポケセンへ向かう道での分かれ目で、俺は二人と別れた。

そしてミュウとミロカロスが待つポケモンセンターへずんずんと帰って───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「△▲☆★~♪」

 

 

 

 

あれ? なんでムウマージまだ居んの?

 

 




というわけで、カラ&ガラの代わりに固定ファンも多そうなムウマージが参戦です。
異常についてはあまり考えていませんが、本編でカラ&ガラが空気過ぎたため
多少マシにならんかと思って交代させました。

一応異常についてはひとつだけ決めてます。
●●です。














降板になったカラカラのステ。


√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√

No.104★突然変異★
カラカラ Lv12程度

タイプ1:じめん
タイプ2:ゴースト

せいかく:マザコン 成長変動無し
とくせい1:ははのあい  (弱点属性無効)
とくせい2:スタンドイン (守護霊の母親を幽波紋化。別行動可能。一人ダブルバトルOK)

親:ガラガラ

こうげき:━━━ + ━━━━━━━━━━━━━━
ぼうぎょ:━━━━━━ + ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
とくこう:━ + ━━━━
とくぼう:━━ + ━━━━━━━━━━━━━
すばやさ:━ + ━━━━

現努力値
なし

わざ1:なきごえ
わざ2:しっぽをふる
わざ3:ホネこんぼう
わざ4:オーバーソウル (母が覚えている技を使用可能。PP5)

√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。