うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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いやぁ、やはり71話だけは別格の破壊力があるんだなぁ。
なろうよりユーザー数が遥かに低いこちらでも同じぐらいの感想が来るとは嬉しい事よ。

そしてこれも悲しい事実なのですが……
残念ながら今の現状、俺の力ではおそらくアレを超えるギャグは出せません。

今回のお話も含めて、完結までギャグパートで「あれ以下だなー」としらけてしまうかもですが
どうかご閲覧の程をお願い致します。

ああ、ついでにお気に入りから最新話でここに飛んだ方へ。
夜中に1本投稿しているので、まずは前の話へどうぞ。


73話 改革案

 

落ち着け。       

落ち着いていられるか?

 

うろたえるな。

うろたえずにいられるか?

 

今、この私の。

 

 

ロケット団の基地に。

 

 

 

私の『天敵』が、目的すら述べずに現れるのに。

 

 

内線を伝え聞いた私はそのまま見張りの者に全体放送の言伝(ことづて)を頼み

急ぎ基地内に待機している団員を、B1Fに集めさせる。

 

私も私で、早急にB1Fまで上がらなければならないのだが

その前に彼がここに現れた理由を考えなくてはならない。

 

これから起こる事のひとつに間違いなく交渉事というものがあるためだ。

 

 

……何故、わざわざここに現れたか。

それはすなわち、何か目的があるからと思われる。

私がレンカ師匠の弟子という事柄のみで、ここに現れる事は断じて有り得ない。

まずどこでここに基地があるという事を知ったかも問題になる。

 

おそらくは……情報の漏洩元はあのレッドとかいう少年であろう。

いくらで情報を買い取ったかはわからないが……つまりはこの施設に存在するモノの中で、

彼がレッドという少年に支払った金額以上に価値がある何かがあるという事になる。

 

もしその何かが私達の損益に繋がらない何かなら、何一つ問題はないだろう。

だが……施設の中から切り取らなければならない何かだった場合は

 

 

 

 

おそらく、今日がロケット団の解散する日となるだろう。

 

 

 

 

人の中で生きる以上、金という対価は絶対に必要だ。もしくは金になるものでも良い。

綿密に伝え聞いたわけではないが、この悪の組織『ロケット団』には

現在130~150名からなる人員で構成されている。

 

彼ら一人一人には最低限度の給料しか与えられていないし、幹部ですらほぼ同等の給料。

それでも、支出として人件費はどうしても掛かってしまう。

この組織を支えている彼らとて、飯を食わねば戦えないのだ。

 

そして今、私の組織の資金繰りは最悪であり……

何かを切り取られ、それを補修、補充しなければならない事態に陥った際……

 

 

私は、その金額を工面する事が出来ない。

 

 

くそ、頭が上手く回らない……! 彼がここに何を求めて、現れてしまったのだ……!?

私に今必要なモノは組織の運営状況ではない。彼との交渉の場でアドバンテージを取れる何かだ……!

 

思わず顔が、苦虫を噛み潰した様な表情になってしまう。

考えれば考えるほど、『タツヤ』という存在を何一つとして理解する事が出来ない。

睡眠時間が圧倒的に足りていないのもあるかもしれんが……

 

 

今改めて考えても、タツヤ君に関しては本当に『よくわからない』。

昔、師匠の家で食事を馳走になった事があり、その時に彼と初めて出会ったのだが……

昔と表現する程に彼が小さかった時から、既に彼という存在は把握が難しかったのだ。

 

年相応の子供のように振舞っては居たが……どうしてなのかはわからない。

しかし最初に逢った時から既に、彼の眼力は力を感じられず枯れ果てており

全てに絶望した眼差ししか周りに向けていなかった。

 

まさかそんな子供が、今……私の天敵となって現れるなどと誰が思おうか。

 

 

「ボス、まもなくB1Fに到着致します」

「……あぁ、わかった」

 

 

……クックック。時が過ぎるというのは早いものだ。

なんとかアドバンテージをと思い考えに耽っていたら、その間にタイムオーバーとは……。

 

時間は、もう残されていない。

私達の命運は、ここで尽きるのだろう。

 

いや、案外それも良いかも知れんな。私も犯罪者として刑務所に入った後になるだろうが……

 

 

 

【何にも縛られずに、私は私として。ポケモンバトルだけを考えられる】

 

 

 

うむ、なかなか良いのではないだろうか。

今の私は表も裏も立場に支配されていて、自由に自分を振舞える事が殆ど無い。

 

ロケット団が解散してしまえばこの秘密基地も不要になるのだ。

不動産として売却すればそれなりの値段になるかも知れん。

その売却額を、最後まで残ってくれていた団員に配布して人生のリスタートをしてもらえば

最後まで私に付いて来てしまった者達も、少しは救いがあるだろう。

 

 

「君」

「 ? ハッ、何か御用で御座いましょうか」

「今まで、迷惑を掛けたな」

「え、あ、ハッ、いやッ! わ、私は今までボスに迷惑を掛けられた事などありません!」

「いや、畏まらずとも良い……

 おそらくだが、今日の客人がここに訪れた事で───ロケット団は、消える」

「……ッ?! そ、そんな……?! ───……いえ、もしそうであっても。

 私のボスに対する忠誠は絶対に変わりません」

「……そうか」

 

所属する全員に対して、碌な給料すら渡せなかった私に対して

名前も知らぬのにここまで忠義を尽くしてくれるのか……───

 

「───ありがとう、私についてきてくれて」

「…………!」

 

目の前の団員の眼に、涙が浮かんでいる

やれやれ、解散する前に酷い事を抜かしてしまったか。

すまん……名前すら知らない団員よ……そして───今まで、本当にありがとう。

 

 

 

ピッコーン。

 

 

 

「───ついて、しまったか」

「は、はい゛っ、最後まで、おどもいだしますっ!!」

「あぁ───よろしく、頼むよ」

 

その瞬間、私は久しぶりに……自然と『笑顔』になれたと思う。

名は……聞く必要も無いか、今必要なのはそんなものでは無い。

 

 

名など知らずとも、後ろを任せられる信頼と信用のみだ。

 

 

さぁ。

最後の戦場に───出向こうか。

 

 

「タ、タツヤ様、ご来訪なされましたァーーーーー!!」

「…………。」

 

 

ついに、来てしまったか。

 

 

今の私の人生の中で、最も恐れる強敵が。

 

 

そして、ゲームセンターコーナーに繋がる階段から次々と現れる彼のポケモンと(おぼ)しき子達。

 

 

あの白長い蛇のような子は、どこかで見た事があるな……?

 

ああ、あれは確かホウエン地方が原初のミロカロスという存在だっただろうか。

 

以前、ジムリーダー達の集いで訪れた美術館で確認した事があるな。

そして種族としても、非常に優れた種であったはずだ。

 

 

次に現れたのは、……ディグダ? だったはず。

私にとっては悪夢でしかないサントアンヌの人質を集めた部屋で

緑の姫君、ミロカロスの前身であったはずの魚ともども確認している。

こちらに歩いて来てるディグダは間違いなくその時の子だが……三(匹?)に増えている。

 

ん。三(匹??)……三(匹???) いや、そんな。まさか……

あれは───ダグトリオ? まさか……───あれらはダグトリオなのかッ?!

 

う、ぬ……地面系のジムを運営している私としては、ああいう系統も欲しいところだな……

もしかしたらイロモノというだけでなく本気で強いかも知れん。

 

 

次は……ムウマージだな。

……なにやら私に対して視線を送りつけているが……なんだろうか?。

 

……ん? そういえば、私が最初にレンカ師匠に出会った際にも

あの方の手持ちにムウマージがいらっしゃったが……いや、まさかな。

 

 

そして、その後ろから───

私達に爆弾を産み付けた存在、そして……出来損ないの悪夢(レンカ師匠)の息子。

 

タツヤ君が、隣に連れ添う緑の姫君、ドレディアと手を繋ぎ。

 

ゆっくりと一歩ずつ、階段を降りて来る。

 

 

 

そうして私達はあのサントアンヌの件以来、久しぶりに顔をあわせた。

 

私の中では完全に諦めも付いているため、動揺や緊張も無く、私は彼と普通に相対出来ているようだ。

 

 

「やぁ……タツヤ君、ようこそ、私の城へ」

「ふぁぃ、いふぃなりすふぃふぁへん」

「いや、構わないよ。何故この基地の存在を知っていたのかは非常に興味があるが……」

 

 

興味はあるのだが……それよりもっと気になる点がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タツヤ君、君は何故……顔面に致命傷を負っているんだい?」

 

「前が見えねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故か、彼は顔面が何か凄い物を正面から受け止めたかの如く、潰れていた。

 

 

 

 

◇◇◇

 

うっす、タツヤだ。

俺はあの後見張りのロケット団員に案内されて、地下の秘密基地にまで到着した。

 

見張り役と軽い別れの後に自分の手持ちの子と合流したのだが

待ち時間の間に、俺がスロットをやっていたという事実を話したところ

最初に禁止されてなおかつ恥ずかしい縛られ方をしたドレディアさんが

 

【私は遊ぼうとして縛られてんのに、なんでテメェは遊んでんだコノヤロォォォォ!!】

 

と、縄を体全体に力を込めて千切り飛ばし、怒りのメガトン(がんめん)パンチを、俺の顔面に放ち。

それをモロに貰ってしまい、現在進行形でおもっくそ顔面がへこんでしまっている。

おかげで目線がえらいことになってしまい、マジで視界がブレてよくわからん。

まさかサカキから同情まで貰ってしまうとは。

 

俺のあまりの風体に、B1Fに集合でもさせていたのかそこに居たロケット団員達がすっごいざわざわしている。

 

 

……なんなんだ、あのポケモン達は

……白いのと緑のは綺麗だな

……ていうかその主人のちっこいの、人間やめてねえか

……あの怪我でなんで気絶もせずにこっちに歩いて来れてるんだ?

……つかボスの客人だし救急車呼んでおいた方がいいんじゃねえのこれ

……バカ、俺らはとりあえず現状待機だ

 

 

お前等もうちょっと声抑えるとかしろよ……丸聞こえでございますよ。

 

 

「う、む……とりあえず治療も兼ねて私の部屋に招待しよう、歩く事は出来るのだね?」

「いふぇ()ます」

「わかった……では、こちらのエレベーターに来てもらいたい。

 君……すまないがエレベーターの使用準備を頼む」

「りょ、了解致しました」

 

そうして、俺らは入り口の奥へ一人のロケット団員が消えて行くのを確認し

団員が行った道をゆったりと上書きしながら歩いて行く。

ちなみに俺の歩調はドレディアさんに引っ張ってもらってなんとかなっている。

だって足元見えねえんだもん。

 

 

「ではボス……俺は引き続き部屋の前に待機していますんで、何かあったら言ってください」

「うむ、何かあればすぐに呼ぼう。

 そうだな、まず先に茶を出しておいてもらおうか。持ってきてくれるか?」

「了解しました、では一旦失礼します」

 

エレベーターから一緒に降りてきた団員と部屋の前で別れ

俺らはサカキさんの……事務室? に入る。

 

「散らかっていてすまない。ここがこの基地で私が使っている部屋だ」

よふみえふぁいんへ(良く見えないんで)もんあいありあふぇん(問題ありません)

「……よかったら、ここに治療班を呼ぼうか? 最近私設した部隊なのだが……」

「いや、へっこーっふ(結構っす)

 

 

そして俺は顔面に力を入れ始める。

そろそろ自然治癒的な意味で戻しても大丈夫のはずだ。

 

んぐぐぐぐぐぐ……

 

 

ポンッ。

 

 

「     」

「(;゜д゜)」

『(;゜д゜)』

「(´д`)」

「(゜д゜)」

 

誰がどの反応なのかは想像に任せる。

まあともあれこれで顔の形も元に戻った。

 

 

「んで……一体どうしたんですかこの紙の山は」

 

 

 

 

 

 ……ハッ?!

 

 

 

 いや、すまないね……色々な意味で。君が訪ねて来るついさっきまで、団体の資料を閲覧していたんだよ。

 どこかに無駄はないだろうかと思って、ね」

「……そうっすか」

 

気のせいでもなんでもなく、サカキの後姿は

疲れがイナバガレージ100人の如く、どんよりとしたものを背負っている。

むしろ後ろに見える雰囲気が人の形を纏ってイナバウアーすらしている気がする。

 

経費等の無駄を省くという部分は

経理などに居なかった俺としても、やる必要のある作業なのはわかる。

 

しかし……それを組織の長自らがやらなければならないぐらい、ロケット団は逼迫(ひっぱく)しているらしい。

 

……完全なただのMOB、一構成員ですら、意識せざるを得ない程に。

 

 

そう考えている間に、サカキは部屋にあるソファーへと腰を下ろし

同時に俺も対面にあるソファーに座るよう促され

ソファーに合うテーブルを挟み、互いに顔を向き合わせる。

 

そのタイミングを狙っていたのか、静かに団員が入ってきて

俺らにひとつずつ、お茶を置いていってくれた。

 

俺の顔を見た時にすんごいビビった顔をしてたが、どうしたのだろうか。

 

「───それで、今日は何故こんなところへ来たのかな?

 色々聞きたい事はある……しかし、まず最初にこれを聞いておきたい」

 

出されたお茶に手もつけず、真剣そのものの顔つきでサカキは俺に問いかけてくる。

 

「君は……

 

 私の敵なのか?」

 

「味方です」

 

俺はサカキが投げかけてきた質問に対し即答で答える。

 

 

 

 

「……どういう、事かね」

 

俺の言った、たった5文字の発音が想定の範囲外だったらしく

サカキはややどもりつつ、再び俺に尋ねてきた。

 

「俺達の間で、色々とすれ違いはあると思います。

 俺はサカキさんの質問に一つ一つ答えて行きますんで、不安な内容から尋ねてみてください」

「……わかった。では最初は……

 サントアンヌ号で私達の仕事を邪魔した上で、何故今回は味方と言い切れるのかな?」

「基本概念の違いですよ」

 

そう、ただの概念のすれ違いである。

 

「……概念、か? よくわからない例えを使うね」

「えーとですね……サカキさんは、俺があの件で邪魔したから

 ロケット団に対して嫌悪感を持っていると思っていますよね?」

「まあ、そうだね。そう言って問題ないと思うが……それがどうしたのかな」

「俺はロケット団自体にそこまで嫌悪感は持っていませんでした。まあ今は若干持ってますがね……」

「あの時は違った、と?」

「ええ、そうです。あの時はぶっちゃけると……何かしら大事になってしまって

 予測出来ない被害が出ると思って、船に乗り込んだようなもんなんです。

 つまりは嫌悪感じゃなく、ガキの振り回す正義の暴論に近いわけです」

 

原作では欠片も見当たらなかったイベントだからな……先を予想する事など出来なかった。

 

「あの時点では嫌悪感ではなく……

 うーむ……? 言い換えると『邪魔だったから排除した』という感じでいいのかな」

「その解釈でOKです。なので俺はロケット団自体はそこまで憎んでません。

 途中でゴミの如きクズが居たのも認めますけど」

「そう、か。……わかった。次の質問、いいかな」

「はい」

 

一応は一通りの理解は得られた様である。

まあ誰だって何度も往復する道にゴミ箱が横に転がってたら片付けるだろう。

規模を小さくして例を出すとそんなもんと一緒なのである。

 

次にサカキはこう尋ねてきた。

 

「君は……どこでこの基地の存在を知ったのかな?」

「生まれた時から、としか言えないですね」

「……んー、さすがに寝なければ駄目らしいな。

 今妙な幻聴が聞こえてしまったよ、ハッハッハ。

 年は取りたくないものだね……───もう一度聞いてもいいかな?」

「一万年と二千年前から愛してる」

「……わざわざ来てもらった上でこんな事を言うのは、本当に申し訳ないんだが。

 人の言葉がまともに聞き取れなくなってしまったようだ。

 すまないが、一度睡眠を取ってから改めて話し合いをしたいんだが……構わないかね」

 

おっと、ボス自らが組織の粗探しをしなければならない状況だったのを忘れてた。

先程のイナバウアーは幻視でもなんでもなく、割とマジで疲れているようだ。

 

「ごめんなさいサカキさん、少し冗談が過ぎました。

 ただ、生まれた時から知っていたって部分は本当です」

「それこそ問題が有りすぎる気がするんだが……

 君が生まれた時には私はこの団体を運営してすらいなかったよ?」

「んー……厳密には全然違うんですけど、未来予測みたいなものだと思ってください」

「……少なくとも結果は知っていた、という事かい?」

「はい」

「そうか……そうだったか」

 

何故かとてつもなくほっとしたような感じで、サカキは溜息をついた。

俺が発言した内容が空耳じゃなかったのがそんなに嬉しいのだろうか?

 

まぁ……俺も俺でこの世界じゃ異端中の異端だからな……。

言葉通りに説明したところで、御覧の様に理解されない場合の方が多い。

 

「俺からも質問いいでしょうか? ここに来た理由にも繋がるんですけど」

「構わないよ。こちらとしては最大の懸念だった事が、今の質問二つで一旦消えてくれたからね。

 こちらの質問は君の聞きたい事を聞いた上で、疑問があれば改めて質問させてもらうよ」

「ご配慮どうもです。では……

 

 サカキさん───ロケット団は、既に金銭面で追い詰められていますよね?」

「───どこで、それを? その情報は一般世間では、まず耳に入る事が無い情報だと思うが」

 

と、サカキは述べ、お茶を一口飲む。

顔にあまり驚きが見られない、どうやらもうこっちが何を知っててもおかしくないと諦めたらしい。

 

そしてサカキが俺に投げかける疑問も、そんな情報を一般民衆が耳に入れたところで

【へーそうなんだ】で終わり、そのキッカケを元に崩壊したら

【ああ、やっぱそうだったんだ】的な事を思い浮かべて頭から消し去る。

そんな程度の情報でしかない。

 

「俺はつい最近までシオンタウンに居ましてね……。そこで、色々と縁があったんですよ。

 その中に邪魔だったというか、憎かった団員がいまして……」

「うむ、そうか。あちらで私の団員が三名ほど連絡が取れなくなっているが、君だったのか」

 

また、サカキがお茶を一口飲む。

 

「留置所送りにしたのはいいんですが、俺も別件で留置所送りになってしまいましてね」

 

 

ッブーーーーーーー

 

 

サカキが盛大にお茶を噴き出した。おい俺に掛けんなコノヤロウ。

 

 

「バフッ、コフッ、ゴホッ……す、す()ない。続けてくれるかい?」

 

 

鼻からお茶垂れてますよ、サカキさん。

 

 

「とりあえずティッシュどうぞ……。

 んで、俺が留置所送りにしたその3人と少し話す機会がありましてね……。

 随分尊敬されているみたいじゃないですか」

「いや、なに……ただの偶像だろうさ。私はそんなに立派な人間では無いよ」

 

ティッシュで鼻をフキフキしながら、俺にCOOLな事を伝えてくるサカキ。

ごめん、正直さっきの噴き出しで全部台無しっす。

 

「なるほどね……その時に、団の経営状況を聞いたという事か」

「ええ……一構成員に心配されてしまう程の状態だ、とね」

 

 

まあさっきのお茶の件は忘れよう。

そうでないと思考がドつぼにハマって俺まで噴きそうになる。

 

 

「さて、結論から述べてもいいですかね」

「ああ、今のところは聞き返したい事も無い。

 言ってみてくれるかい?」

「はい」

 

 

そして俺は、あいつらの約束を守るために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺に……───ロケット団を管理させてみませんか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、発言した。

 

 

 

 





元々連載していた時もプロットなんて一切立てずに書いていたのですが
それでもポケモンってジャンルに関わらず、原作の敵対組織を
ココまで深く掘り下げたモノはあまり見なかったと自分で思っていました。

SEEDとかで、最初っからザフト勢力とかなのは除いてね。
要はアンチでもないのに敵対組織に肩入れ?とかなんかそんなん。


故に個人的にはここから先、かなり力を入れて執筆してます。


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