うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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このハーメルンで、評価10が減るのって俺ぐらいなんだろうなぁ。


77話 方針。

 

「───既に、『ロケット団』という組織は、限界まで来てしまったのだッ!」

 

 

 

地下施設のとある広いホール。

サカキの声がホール全体まで響く。

 

 

「残念な事に世の中は全て、金、金、金だッ!!

 金が無くては全てが回らない、慈善行為だけで動く団体など夢の中ですら存在しないッ!」

 

 

集められた団員総計110人程の前に立ち、サカキはずっと大演説を繰り返している。

 

 

「君達が私に対して献上してくれた金が足りない、というわけではない……

 だがしかし、今のままでは負の連鎖しか生まないのだッ!!

 我等が、法を犯して金を稼ぎ続ければ……

 いつかどこかから、その流れを断ち切るべく……法の番人がやってくる!!」

 

 

現状のロケット団は、どうなのか。

そしてこれから先の未来も、どうなのか。

 

 

「君達はほぼ全員、何も出来ない自分に打ちひしがれて居た所を私が手を差し出した……

 それは……視点によっては、救いであったかもしれない。

 しかし、それでは駄目なのだッ!! 自分で立ち上がらなければ何にもならないのだッ!!

 このままではこのロケット団が救いようが無い程腐り

 人の世において負の面のみを強調されて語り継がれ、消え落ちて行くだろう……」

 

 

話の内容が本当に重大な内容だと気付き始め、話を聞いている団員達は多少ザワザワし始める。

 

 

「だが、そうなる前にっ! 私達の故郷となったこの基地に居るためにッッ!!

 今一度だ……今一度ッッ!! 自分達が出来る内容を振り返ろうではないかッッ!!

 その中には諸君が好きではないもの、気に入らないものがあるかもしれない……。

 しかし、そんなものはこの世界で生きている人間全てに当て嵌まる事を忘れるなっ!!

 好きで仕事を選べる人間など本当の少数だッ!!

 殆どの人間は職を選ぶ事すら難しいものなのだからっ!!」

 

 

会話の内容も、一応は俺が手を加えてある。

暴論ばかり振りかざしたところで違和感が出てしまう……

なら、言葉だけでも聴いている全員の立場に立ったが如く進めれば

聴いている人たちも会話の内容を自然と吟味し始めるのだ。

 

 

「故にっ!! 我等は、犯罪を犯してしまった悪の集団である我等は、解散するっ!!」

 

 

 

どよっ!!

    ざわざわ

  どよどよ   どよどよ

      ざわざわ

 

 

「そしてここにッ!! 新しい概念とシステムを用いた新会社……

 有限会社・弾頭の設立を宣言するッ!!」

 

 

 

シ……ン。

 

 

 

 

   う   お

 

 

ウオオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーッッ!!!

 

 

 

 

まだ全てが終わったわけではないが……

ひとまず団の中身の改革は、何とかこれで一区切りが着いたと思う。

 

 

ん、急に話が飛びすぎとな。

 

あーまぁ確かにそうだったな、すまない。

私にとってはつい昨日の出来事だが、君達にとっては多分───

 

 

───明日の出来事だ。

 

 

 

 

朝飯を食い終え、朝の散歩に出かけていたのだろうか

珍しく朝食同席を欠席したドレディアさんが大急ぎで飯をかっくらった後

俺達は再びゲームセンターに行き

 

 

 

 

 

 

 

 

スロットしてた。

 

 

「んーむ、出ては飲まれての繰り返しだなー」

「ディァ~(ニヤァ」

「ぐ、くっそ……初日の大爆発で味を占めやがって……!

 今日限定ならドレディアさんだって俺より出てねえじゃねえか!!」

「ディッ……!」

「ホ~ァ~♪」

 

 

ぺち、ぺち、──ぺち。

 

□<でーん! でれれーん! でれれーん!!

 

「~~~~♪」

「……ちくしょう、ミロカロスめ」

「レディァ……!」

 

しっかり目押しすら覚えおってからに。

しかもあの馬鹿でかい尻尾でつつくようにトントントンと。

 

【おいっ!! 貴様ァッ!!】

「あん?どしたミュウツー」

【一体なんなのだこの騒がしい場所はッッ!!

 貴様らの真似をして動かしてるのはいいものの、私の箱だけ何も出てこないぞっ!!】

「……ご愁傷様、もうやめとけ。

 それぞれ運の向き不向きってのもあるだろうから」

【グ、グググ……!

 何故ミュウはあんなに出ているのに私の台はずっと静かなのだッ!!】

 

ん。

試しにそちらを見てみたらミュウが既に4箱目を作っている所だった。

ちょっと待てお前。まだ開店から1時間半も経ってないぞ。

恐ろしいほどの回収率である。

 

 

「……何をしているんだね君達は。団員に連絡を受けてこちらに来てみれば」

「アァ、サカキさん。いやまぁやっぱここに来たら一回は打ちたいから……」

「まあ、良いといえば良いか……

 キリがついたら、また下に来てくれると助かる」

「了解ー、そろそろやめておきます」

「ディァー。……アッ?!」

 

ビシッ、ビシッ、───ビシッ。

 

□<でーん! でれれーん! でれれーん!

 

「ド~レ~ディァ~♪」

「…………チ。」

 

そろそろ行くか。

ドレディアさんがボーナスを消化してる間にみんなを集めよう。

 

 

 

 

「うむ、急かした様ですまないね。飲み物はお茶で良いかな?」

「あ、はい」

「わかった、すまんがお茶を二個頼む」

「了解しました!」

 

部屋の入り口のロケット団員にお茶を頼み、俺らは昨日の話の続きを話し合う。

 

「今日はもっと話を進めるために、議題を決めておこうと思うんだ」

「ん、議題ですか……」

「一応それらしいようにホワイトボードも物置から引っ張り出した。

 というわけで……今日の議題は『どこまでやれば改革が成されたか』としようと思う」

「んむ……どこまでやれば、か」

 

確かにこれは重要な点であろう。

ほぼ無いと思うが、行き過ぎて突っ走る事も有り得るから

今のうちに明確な基準を決めておくのも悪い事ではない。

 

そして今、ザラっと考えてみたわけだが……

俺の最大の目的達成内容は、ロケット団に蔓延(はびこ)る屑共の駆逐だ。

そして、屑共を駆逐したとてロケット団自体に自活能力が無ければ

また団員が犯罪事を繰り返しかねないし

追い出された屑共も、再び団に戻って変な事をやらかしかねんと思う。

 

となると……

 

「団全体で考えて、僅かながらでも利益を上げた上で

 団員全員の生活が可能な状態に持って行く……かな」

「なるほど……

 私としてはそのような内容で問題はないが……具体的には?」

「それはさすがに今から考えるんですよ。

 俺も内政に関わった事があるわけじゃないですし……

 流石に10歳ではないですけど神みたいに長生きしてるわけではないですからね?」

「う、む……やはり上手い事行くというのは夢想過ぎたか」

 

 

そんなこんなであれやこれやと話し合っていき─────

 

 

「ふむ、ひとまずはこんなところだろうか?」

「大体意見も出尽くした感じがありますね」

 

 

 

・【ロケット団自体は犯罪組織として終わらせるため、解散】

 

「これは昨日も話した内容だな」

「ええ」

 

 

 

・【解散する前に人員整理を行い、明らかに寄生でしかない屑を引っこ抜いて排除】

 

「こちらは昨日君が話していた内容だね」

「ま、選別と区別についてはこっちに案があるんで大丈夫っす」

「そうかい」

 

 

 

・【再び集合する場合は会社として再結成する】

 

「なるほどな……構成員をそのまま社員とするわけか。

 人員整理の後だから、モラル的なものも健全化している者達で構成される、と」

「そういうことです」

 

 

 

・【基地の家具を大改築、団員の住まいにする(家賃節約)】

 

「これは、全員を管理しきれということかな?」

「いや違います。

 それぞれで家賃とか借りているより、いっそここを下宿扱いにすれば

 全体的には微額でしょうけど……節約にはなるはずですから」

 

 

 

・【資本金はポケモンリーグより限界まで借り受ける(内容は悪人更正のための会社設立)】

 

「……これは、さすがに無理じゃないかな?」

「いや、可能だと思います。

 だってサカキさんがロケット団のボスって知ってる一般人なんて俺ぐらいでしょうし。

 前にこの基地に突撃しかけてきた子だって、サカキさんは見たかもだけど

 サカキさんって存在がボスと明確に知ったわけじゃないですよね?」

「あーそうか、なるほど。確かにその通りだ。

 遭遇してバトルはしたが、年上目線で少し語って終わらせただけだな」

「君のポケモンは君に非常に懐いているな……でしたっけ」

「……ふふふ、あの会話ですら知られているとは……ね。君が敵のままでなくてよかったよ」

 

 

 

・【団員は可能な限り派遣会社の登録扱い、それぞれの適応を考え無理なものは無理とする】

 

「これは……一体どういう事かね?」

「いや、単に人って言う資材を提供する会社って事ですよ。

 派遣された人員の管理はこちらの仕事、保険関係やらなんやらとね。

 派遣される会社は金銭都合や面接の手間も省けますし、人が逃げたとしても派遣会社の責任に出来る。

 その代わり、人一人を雇うよりは若干高い金を派遣会社に払う。

 派遣会社はその金の中から仲介費用、派遣された人員への給料に(あて)がうって感じです」

「う……む?」

 

 

 

・【食事に関しても、最低限度の出資で済ませられるよう基地で朝昼晩を提供

   個人的に食したい場合もあるだろうと思われるので、その都度ルールを改正】

 

「これは、基地を住居にするという案件と似たようなものだね?」

「はい」

 

 

 

・【スタート時は、とにかくすぐに金になるような内容を選び、片付けて行く】

 

「これは具体的に言うと?」

「専門的な内容の仕事を選ぶのではなく……

 とにかく団員の生活の安定を心掛けて、そうですねぇ……例えばシルフカンパニーではなく

 シルフカンパニーが卸している下請け会社の倉庫とかに人を入れるんですよ」

「そうか、技量がそこまで必要が無い職なら……!」

 

 

 

・【派遣法に加え、自社でのアイテムや道具、家具、メディアの開発を視野に入れる】

 

「こ、これは……?」

「派遣の体制だけではきっと限界が来ると思います。

 だからこそ自分達で金を生み出せる基軸を作らないと、会社としては長生き出来ないはずです。

 それこそ研究員とかでも会社の体制に反りが合わないって人も沢山居ると思うんですよ。

 その人達を招いて希望する研究をさせてあげれば、ただの馬鹿でなければ成果が出ると思います」

「しかし研究といえば無駄に金食い虫なイメージがあるが……」

「だからこそ最優先は前述の団員の生活安定が最優先です」

「そうか、わかった」

 

 

 

以上の内容となった。

他にも重要な点が出てきた際には、その時に考えれば良いだろう。

 

「しかし、派遣というのは……こんな事が可能なのかね」

「まぁサカキさんの人脈次第ですかねぇ。

 実際んとこ、団員全てが全て無能なわけも無いと思いますし

 労働の喜びを知らないだけってのも結構居る気がするなーって思ったんで」

 

話している最中にわかった事だが、なんとこの世界『派遣会社』というものが無いらしい。

だったら多分、穴だらけにはなるかもしれないが

前世のテキトー知識を知っている俺が色々伝えれば、利益に繋がるかもしれない。

 

「そして、この基地は完全に居住区にする、と……」

「はい、まあ違法建築っぽいらしいし、団員全員の住所をここにするのは

 少し問題ある気がするから、そこはサカキさんが調べておいてください」

「わかった」

「すずめの涙かもしれませんが、俺も手持ちの金も投資しておきますんで

 とりあえず使ってやってください、しばらくの飯代ぐらいにはなると思います」

「……すまん、恩に着るよ。

 子供の姿の君からお金を借りるのは正直人生やめたくなるほど悲しいが……今回のでよくわかった。

 なりふりなんぞ、構っていられん事はいくらでもあるとね」

「良い事です」

 

ズズズ、と茶を飲み一息。

ぁー、軽く渋くてうめぇー。

 

【おい、貴様】

「あ、いたの?」

 

横に存在していたらしいミュウツーが俺らの話に割って入ってくる。

 

【……殺されたいのか?】

「いやーあっはっは、      ごめんなさい。」

【ふん、分かれば良い……それで?

 こんな下らん会議に我等を同席させたのは何故だ。

 ミュウなんぞ机に突っ伏して寝ているではないか】

「Zzzzz」

「ハハハ……なかなか可愛いじゃないか。

 すまん、小さい枕的なものを探して持ってきてもらえないか?」

「ハッ、了解です」

 

ミュウはよだれを机に広げ、爆睡していた。

まぁ、内容は後で伝えても問題なかろう。

 

「お前たちにはな……心が読めるのを利用して、人員整理に協力してもらいたいんだよ」

【ほう……?】

「今回の会議からまず第一に動くのは解散前の人員整理だ。

 俺の最大の目的はここにあるから、ここで手を抜くわけには行かない」

【うむ、そうか】

「別にそこから先は頼む事も多分発生しないだろうし

 暇ならロケット団に付き合うも良し、ハナダに帰るも良し、ってところだな」

【わかった、まああの書類整理よりは楽そうで一安心だ】

 

まーうん、そうだろうけどもね。

自分で脳筋宣言して楽しいのかな。

偏らせるとろくなことにならん、という事だろうか……

 

 

っと、忘れないうちに金を出しておこうか。

 

「えーと……」

「む、どうしたのかな?」

【何をしているのだ、金という単語が貴様の頭に見えたが……】

「あぁ……さっきの投資の話か、本当にすまない。

 必ず、出してもらえる金額以上にしてみせるから」

「いや、別にいいっすよ。

 俺自身そこまで浪費するタイプじゃなかったみたいなんで……

 それに俺はいざとなればテキトーに路上で芸やれば金稼げますから」

「君が芸……となると、音楽関連か。

 アレは確かに、聴くものを惹きつけるだろうな」

【ほう、貴様そんな事が出来るのか】

「ま、パクリだけどね。頭ん中覗いたお前ならわかるだろ」

 

 

よし、財布発見と。

 

というわけで、現金公開ー。

 

 

256,891円。

 

「        」

【ふむ……? これは多いのか。そこに居るモノの心を読んだ上での判断だが】

「まぁ、うん……改めて考えたらありえねーなこれ」

 

小学5年生が25万持ってるとか、どんだけカツアゲのカモネギだ。

 

 

とりあえずそこから一万拾い上げ、ひとまずの生活費とする。

 

「それじゃ、これを収めてください。

 くれぐれも、妙な方向性に使わないでくださいね?」

「わかった。今更細かい事を気にしても駄目だな。

 本当に有難う、必ずだ。必ず有効に使わせてもらうよ」

 

最近俺の異常性を知った上で復活するのが早い人ばかりだな。

きっと母親のせいだ。あれがぶっ飛びすぎてるんだ。フウロかよ。

 

「お前達もすまないな、みんなで頑張って稼いだ金なのにこんな所に使って」

「ディァディァ~」

「ホァ♪」

 

【気にするな】、と伝えてくれる二人。

まぁその分しっかり美味い飯作ってやるからな、勘弁してくれ。

 

 

 

 

これが会議終了の当日の様子である。

 

それからは時間軸もそこそこ素早く動いて行った。

 

まず翌日に所属団員全てを集め、俺が適当に描いた心理テストをやってもらう。

運良く全国に散らばっていた団員も全員タマムシに居たようで、漏れは無いらしい。

 

そしてそのテストの用紙を参考程度に使い

サカキさん、ミュウツー、ミュウを一緒に並べた上で、全員と面接。

 

テストに関してどういう内容を思って書いたか、自分はどう思っているか。

嘘やら差異やらはミュウとミュウツーにテレパスを送って貰い、俺はそれらを用紙に書いて纏めて行く。

 

結果、本気でどうしようもないと思われる快楽犯罪者が15名程見つかり

こいつらを呼び出し、こいつらの起こした全概要を曝け出し追放。

相手も相手で嘘やら何やらが全く通じない状況だったため、把握は容易かった。

 

 

そして、まだ世間でのロケット団解散には漕ぎ着けていないものの……

一区切りが着いたがために、現在の大演説である。

 

 

「私達は今宵を持ってして、全員が運命共同体だッ!

 反りが合わない者もいるだろう、性格的に無理というものもいるだろう……

 だが、我等は共に歩まなければ……私も含めて全員がそこで共倒れだッッ!

 何か疑問、不満があれば遠慮なく私を捕まえ、それを報告してくれッ!

 君らが動く上で無理が少ない指針へ、必ず持って行く事を約束するッ!

 組織というものは小さい亀裂から大きな傷跡になり、瓦解する事もよくあるのだッ!

 それらを防ぐのは、まさに運命共同体の君達しかいないッッ!!」

 

 

全員、真剣にサカキの話を聞いている。本当にすごいカリスマである。

この姿なら原作でのあのワイルドさもよくわかる。パジャマの件は忘れてあげてください。

 

 

【なかなか堂に入った演技だな?】

「あぁまぁ……お前等あの姿見てるもんなー」

【クックック……あの姿はきっちり記憶しているからな。念写でもして紙に現像してやろうか?】

「あれ、そんな事出来るの?」

【ふふふ、私にそれぐらい造作も……って、おい。

 貴様何を考えている!? 私にこれ以上労働をさせるつもりか!?】

 

あぁ、やっぱ頭の中で色々考えるとすぐにばれるのね。

しかーし、そんな便利な能力があるなら使わない手は無い。

せいぜい頑張ってもらおう。紫色の労働者様★

 

【う、く……くそっ……! 余計な事を喋ってしまったか……!】

「まぁ、諦めろ。人生うまく行かない事ばっかだよ」

【貴様が言うなぁッ!! しかも私は人ですらないっ!!】

【もう今更じゃん~。もっと楽しく生きようよ、ミュウツー】

【ッチ……お前も同じ事が出来るんだから、同じく働けッ!】

「いや、ミュウはなんかすっげー万能そうだから他に回ってもらうわ」

【          】

 

今の俺の台詞は、逆に言えば「お前にはそれしか能が無いwwww」と言っている様な物だ。

 

 

哀れ、脳筋。

 

 

ま、これでやっとスタート地点だなー。

堅実に稼いで行って、とっととあいつらとの約束を果たそう。

 

 

 

 

 

 

 

~~おまけ~~

 

『ムウマージさん』

 

色々な会議やらなんやらを終えて、一度俺らはポケセンに戻り

のんびりと眠っていたムウマージが起きてそこらをふよふよしていたので

一緒に散歩をする事にした。

 

「ま、なんとか一区切り付きそうで安心したわ」

「△▲☆★~♪」

 

そんな風に話しながら道を歩いていると

なにやら異様に威勢が良いガーディが俺らに向かって吠え出した。

横にはトレーナーらしき人も見受けられる。テメェ躾ぐらいちゃんとしとけコラ。

 

突然吠えられて、ムウマージはとてもびっくりしてしまっている。

 

「こーらっ、やめなさいポチッ!

 ごめんなさい、驚かせてしまって……」

「いや、まあいいっすけど……」

「ムウマージちゃんもごめんなさいねぇ、攻撃しないであげて───」

「はぁ、行こうかムウマーj───」

 

 

後ろのムウマージに振り返ると、涙目になりながらガーディに攻撃をしかけようとしていた。

とても怖かったのだろう、ってか……あれ? こいつの攻撃って確か……

 

そんな事を考えているうちに光はどんどんムウマージの手のひらに集約されていき───

 

 

 

 

「────え?」

 

 

 

か く ば く は つ

 

 

 

199X年、ポケモンが生息する世界は、核の炎に包まれたッッ!!

全ての海はかくばくはつの火力で干上がり、生物は全て死滅した様に思えた……

 

 

 

だがッッ!! 人類は一人だけ絶滅していなかった!!

 

 

その名はッッ! ケンシr……レンカッッ!!

 

 

そしてムウマージは雄だったので種族の壁を越えて繁栄ッッ!!

 

 

地球上に新たなアダムとイヴが誕生したのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ~ うちのポケモンがなんかおかしいんだが ~

 

 

                BAD END 2   人類滅亡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       fin

 

 

 

 

 

 

 

 





ムウマージは、これから暇があれば世界を破滅に導いていくと思います。


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