うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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さぁ始まりました、ポケモンいらねーじゃんシナリオ。
果たして付いてこれる人はどれだけいるのだろうか。


78話 ロケット団繁盛記 属性はなんだ?

 

 

「団員が得意な事の識別?」

「ええ、スキモノこそ上手なれっていうじゃないですか。

 労働力の基本がポケモンからなるとは言え、人間にしか出来ない事も多数あると思うんで

 一覧的なもんを作っておきたいんですよね」

「なるほど、な。

 確かに自分が好きな、もしくは活躍出来る仕事なら……労働欲もかなり上がりそうだな」

「まあ、多分ですけども」

 

やはりというかなんというか、手始めに行う事は団員に収入源を持たせる事となっている。

 

基地の住居化はポケモン辺りを使えば結構迅速に出来るのだ。

それに人間二、三日なら適当にきつい環境で寝ても死なん、案外丈夫に出来ているのである。

 

 

というわけで得意そうな事、これならやれそうだという事、逆に絶対無理だという事を纏めてみる事にした。

 

 

とはいってもこの文面で表すのは非常に難しい。

ので簡単に表現するとこうなった。

 

・肉体労働OK60名程度 駄目20名

・事務会計、接客OK40名程度 駄目35名

・俺は孤高のトレーナー 10名程度

・その他、他に才能が秀でてそうな人15名程度。

 

なお、どちらもOKという人もそれぞれに割り振っているため

細かい人数の合計に差異がないかと思う人は、まあ、その、なんだ? 考えるな。感じろ。

 

 

「ふむ……肉体労働がOKの者はすぐにでも派遣、というものをしてみるべきか?」

「有りだと思いますね、加えてその中で忍耐が結構強そうな人を選びましょう」

 

仕事から逃げ出したら、責任はあくまでこっちなのである。

申し訳なさもあるが、出来る事ならちゃんと持続出来る人を派遣してやりたい。

Win×Winは全てにおいて大切なのである。

 

 

「事務の方はどうなのかね?」

「何人かは、安定してきたらこの……本部? で使った方がいいでしょうね」

「あーうん、あの地獄はもうこりごりだな。

 なるほど……ああなってしまう前に担当者を入れておかないと、あの地獄が生まれるのだな」

 

俺もアレは結構トラウマです。なんであれが一日で片付くんだ。

 

「事務の方は色々ときついかもしれませんね。

 どうなるかはわからないけど、基本的に企業が取り扱う数字に該当する内容って

 殆どの場合『社外秘』とか『企業秘密』のレベルですから」

「難しいものなんだね?」

「多分ですけど……」

 

下手すれば肉体労働系でも、『作業内容の手順』が社外秘とか言いかねんからな。

凄いところだと本当に真似されたら困るレベルでやってるから、あるにはあるんだけどね。

 

「ふむ……ちなみに資金と解散の手順はどうするべきだと思うかね。

 やはり目の前のものが無くては駄目だから、先にリーグに資金提供かな?」

「いや、乗り込んだ子供見つけるのが先だと思いますね。

 先に資本金借りたら矛盾が生じると思います。ロケット団がまだ生きてる的な」

「あー……やはりあの子供の捜索が最優先か……」

「相性悪いんですか?」

「うん、まあ、なんていうか……とにかくピッピが強すぎたイメージかな。

 あのピッピは確実に場慣れしてたよ」

「……?」

 

まあ、気にしない方がいいか。

 

「じゃあ順序としては

 

1.早急に収入源を

2.子供を発見

3.資本金の申請

 

 って具合でいいっすかね」

「そうなる、かな? ではまずは手近なところからか」

 

 

方向性が可決されたので、互いの知り合いを通じて労働者の派遣が可能かどうかを確かめる事になった。。

 

 

 

 

 

だが互いの知り合いといったところで、俺は基本的に旅ガラス。

根を張って頑張っている知り合いなど殆ど居ない。

 

今までので列挙するに……

 

・トキワの露店お兄さん

・ジムリーダーのマチスさん

・ポケモンタワーの監督さん

・寝てたカビゴン

 

ぐらいのものである。っていうか最後のなんだよ、おい。

 

なおコクランさんがこの中にあげられていないのは

地方が違うという関係上、ポケモンのそらをとぶを使っても日帰りがきつい点にある。

住み込みという形でも良いのだが……今回はちょっと置いておこう。

 

まずはトキワのお兄さんから声掛けてみようか。

でも一人で食って行くのでなんたらっつってたし、希望は薄いな。

期待しないで声を掛けてみよう。

 

 

 

 

というわけで。現在トキワシティ。

 

移動手段はロケット団内部で鳥ポケ持ってる人から借りて、ひでん02使った。

懐かしさもあるだろうという事で今回はドレディアさんを連れている。

みんなの紹介は、また機会があればってことでいいよね。

 

本当は基地に備え付けられてた電話で連絡しようと思ったんだが

俺、あのお兄さんの電話番号知らなかったんだわ。

だったらもう直接行くしかねー!! ってことで。

 

「ディーァー!」

 

【懐かしいーーー!】と、気合を入れて叫んでいるドレディアさん。

うむ、ここは俺らにとってスタート地点にも等しい場所だからな。

 

まぁ本当に懐かしいものだ、あれからもう65話ぐらい進んでるんだぜ。

あの時、17円なんて金しか財布になかったのに、今じゃ(既に大半はサカキに渡したが)25万。

えらい出世したものである。

 

「ディッ! ドレディァッ!」

「あーはいはい、わかったわかった。そんなに引っ張らないでくれ~」

 

ぐいぐいとドレディアさんに引っ張られ、お兄さんが居ると思われる所へ向かって行く。

 

 

「お、居た。何だ結構繁盛してるっぽいね」

「ドレディー!」

 

お兄さんが露店を出している所へ行くと、

今もお客さんが二人程、品物が出来るのを待っている所だった。

 

「はい、毎度どうもですー。またお越しください」

「うん、お兄ちゃんまたねー!」

 

小さい子が、母親に引き連れられながら露店のお兄さんに挨拶してた。

なんとまあ微笑ましい光景だろうか。俺も将来これぐらいのんびりしてぇわ。

 

 

……。

 

俺は、ふとその可能性が現実的かどうかを考えて

横にちらりと目をやってみた。

 

「ディァ?」

 

うん、無理だな。彼女が居る限り。

 

「#」

 

ベシンっ。

 

「おふぁ。なんか殴られたの久しぶりだ、何すんだよぅドレディアさん」

「ディァ#」

 

【なんかすっげぇ不快なオーラを感じた。】

 

ちくしょうこいつタイプ3にエスパーでもあるんじゃないか。

 

 

「……あれ? 君達……タツヤ君にドレディアちゃんじゃないか!」

「あ、ばれた。こんにちわーお兄さん」

「ドレディァー!!」

 

騒いでいたのが災いしたのか、お兄さんに気付かれてしまった。

まあ別に隠れるようなもんでもないんだが。

 

「っとと……はい、お待ちどうさまです。

 ちょっと熱いのでお気をつけてくださいね」

「えぇ、ありがとう。また来るわね」

「毎度有難う御座いまーす!」

 

そうして今いる最後のお客さんに売り物を渡し、客が途切れた。

 

「やぁ、本当に久しぶりだね! 元気にしてたかい?」

「ええ、お久しぶりです。新しい仲間とかも出来たし旅は順調って感じですよ」

「ディーァ」

「ん、そうか。いい事だね!

 今日はまた、一体どうしてここに? ここら辺に用事でもあったのかい」

「ああ、えーと……用事自体はお兄さん本人ですね」

「え、あれ? 僕?」

 

 

「ふむふむ、新しい会社の方向として『人材の提供』を……か」

「ええ、俺の知り合いっつっても本当に少ないんで

 少ないんだったら片っ端から当たってしまえって感じでここに来たんです」

「んー……前にも言ったけど僕の露店は基本一人で十分だからな……。

 ごめんね、僕のところはこれ以上の人間は必要ないかな」

「やっぱそうですよね……まあそう思ってはいたんですけど」

「あれ……でもちょっと待って? その会社って、色んな仕事を求めてるの?」

「ディァ?」

「ええまぁ……といっても誰にでも出来る仕事じゃないと……って感じですけど」

「……事務と雑務に強い人間って居ない?」

「へ?」

 

 

事務……? この露店でか?

いや、一人で回してるって話だし税金だのなんだのの帳簿も一人で書いてるって事だよな。

なんで事務寄りの人間が必要なんだ?

 

 

「いやね、僕の関係してるところで最近事務員さんが二人減ってって話でね。

 一人は応募が来て労働力の確保は出来たらしいんだけど

 もう一人の方が足りてなくて、手が回ってない内容があるらしいんだよ」

「なるほど、それでですか」

 

俺はもしかしたら必要になるかもと思い、事前に団員の方向性をまとめていた書類を取り出し

事務関連希望者の項目をざらりと読み流す。

 

うん、よし。普通に事務と雑務を一緒に考えている人達ばかりだ。

これなら誰を引っ張っても大丈夫そうだな。

 

「大丈夫ですね、多分すぐに何とか出来ると思います」

「本当かい?! すぐに働いてもらう事は出来そう?」

「多分二、三日あれば問題ないと思いますけど……。まあここで断言出来る話じゃないだろうし

 正式な契約にする必要もあるから、ここではあくまでも『多分』としか言えないです」

「わかった、それじゃあ僕もそこに連絡入れておくから

 明日にでも、いや……今日でも良いかな?

 まだ午前中だし、面接ぐらいならしてくれると思う」

「ドレディー」

 

もっしゃもっしゃ。

話の途中ですがお兄さんの露店の元マスコットは

腹いっぱい食いモンを食べております。俺にもくれ。

 

「わかりました。

 本拠地がタマムシなんで、ちょっととんぼがえりになるから時間掛かりますけど……

 その面接って確実に今日いけますかね?」

「きっと行けると思う。もし駄目だったら僕が責任持って一日の宿は用意するよ」

「了解です、じゃあ俺一旦タマムシに戻りますね。

 どうせもう一度来るし、ドレディアさんは使ってくれてて構わないですから」

「あれ、いいの? うれしいな!

 また君と働けるとは思って無かったよ、ドレディアちゃんはそれでいい?」

「ディッ!」

「うん、わかった! 頑張ろうね!」

 

 

いい話になっている。

第78話、完!

 

 

 

 

 

 

「って話になったんで、さっそく一名派遣は出来そうです」

「仕事が速すぎるよタツヤ君……こっちはまだ約束を取り付けてる程度なのに。

 ……本当に、ありがとう」

「まあ、大丈夫ですよ。これは俺自身のためでもありますから」

 

 

タマムシに到着した後基地に速攻で駆け込み、事情を説明。

見事会社第一号の労働権利者の獲得となった。

 

ちなみに謎と思われているかもしれないので小ネタを二つほど。

 

有限会社は株式会社と違い、そこまで設立に手間は掛からない。

全く掛からないというわけではないが段違いであるのは間違いないと思われる。

 

……まあ俺が生きてた前世だとその辺りでもなんかかんか裏技が出来たみたいだけどもな。

逆に株式会社の枠組みで敷居を下げる目的での起業は無理だのなんだのってもあったかもだし。

 

まあ文句言われてから考えれば良いと思う。

 

そしてこの世界、ポケモンという存在がメインでそこらに跋扈しているため

ここら辺の法の整備が穴がありまくりなレベルでおざなりであり

昨日、サカキさんが宣言した後本人が役場に出向き

会社の設立に関する手続きを全て終えているので、こちらは堂々と有限会社を名乗れる状況である。

 

次に、基地の入り口だが。

既にあのゲーセンの棚の裏とは別の入り口を作成し、団員達はそこを利用するように働きかけた。

最近基地の方へと移動する件が非常に多いので、毎度毎度あそこを使っていたら

客に怪しまれてそこから芋づる式にバレかねない。

俺が今回使った入り口も、もう一つの作った方である。

 

ダグトリオ、ご苦労さんっした。

 

 

そんなわけで、俺ら二人で厳選した団員を一人呼び出し『仕事が決まりそうだ』という内容を伝える。

ちなみにロケット団員(女)となっている。お姉さんである。

 

「というわけで、昨日の今日ですまないがさっそく働いてもらう事になると思う……。

 君は、この会社の運命を左右する存在だ。

 君の仕事内容次第で、私達の明日は『大部分』でこそ無いものの、評価という意味で揺れ動く……。

 ──先陣、頼んだぞ!」

「は、はいっ! が、がががんばりますっ!!」

 

サカキに神妙に説明され、思わず硬くなってしまうお姉さん。

 

「お姉さん」

「は、ひゃぃっ!!」

「ああ、そんな硬くならず……俺は所詮ただのガキですから。

 それに今日はあくまでも面接です、そういう時こそ落ち着かなきゃね」

「え、ええ……」

 

まずはリラックスしてもらうのも大切だからな。

 

「……お姉さん、今回第一号とかなんとかが重なってしまって

 無駄にプレッシャーが掛かってしまう状況が成立してしまってますが……。

 ひとまずは、自分らしさを忘れないでください」

「自分らしさ……?」

「会社の方針に従うのは社会人として当然です。

 でも、『会社のために』と思って自分を犠牲にしすぎないでくださいね。

 本当にきついことなら、サカキさんに言えばちゃんと対応してくれるはずです。

 こんな事でボスの手を煩わせられないとか、私一人でやりきれる、とか……

 そういう深みに嵌らないで。ヤバイと思ったらすぐに言ってください。

 きついと思ったら気にする事なく遠慮なく言っていいんです。

 サカキさんは……ロケット団は、貴方を絶対に見捨てません」

「───はいっ!!」

「よし、話は済んだな? ではさっそく面接の準備に取り掛かってくれ!」

「了解しました、ボス!!」

 

 

うむ、ここまでハキハキしていれば問題はなかろう。

あとはお兄さんの話を信じるだけである。

 

 

 

 

 

そしてお姉さんをトキワに送り、しばらくお兄さんのとこでだべってたのだが

4時間ほど後に電話連絡で基地に連絡があり

お兄さんのツテの会社から、採用の通知をもらったとの報告があったそうである。

 

 






どうやら最近主要の閲覧層は全て招き入れてしまった気がする。
新規にポケモン小説を読むとしても本作は向いてないだろうし
ここら辺が需要の限界なのかのう。


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