怪しい訪問販売買った骨董品は実は恐竜の卵でした!?   作:k9suger

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※野生動物などを捕まえる際罠などを使用した狩猟方法は、条例などで禁止されていることがあり刑罰を受ける可能性があります。

 実際恐竜を捕まえる際罠などを使用する場合は予め大丈夫かどうか調べから行ってください。


恐竜探し

「ふむ......七時半にしては人が多いな」

 

 例の恐竜事件があった山の麓。まだ朝だと言うのに既に多くの人が山の中に入り例の恐竜を探しているようだった。

 恐竜ハンターの中には大きな捕獲用の機械だと思われる道具を持った大柄な外国人グループみたいな本格的な人もいれば、虫取り網を持っただけのよくわからない人も居た。

 

 因みに俺たちは完璧に“ちょっと運動する為に山登りに来た人”みたいな格好とではたから見れば恐竜ハンターかも怪しいレベルの見た目だった。

 

「取り敢えず目的地は北側だ、この道を抜けて奥の山道から登る」

 

 長尾の計算では、恐竜は最初山の南側(事件があった付近)でよく目撃されたが時間が経つにつれその目撃情報は減り、その後山の北側で、少しではあるが目撃情報があったらしい。

 そのため恐竜は恐竜ハンター達の気配に気が付き、身を隠すため山の南から北側へ移動しているのではないかという見立てだ。

 

「あぁ疲れた......どれぐらい登った?」

 

「まだ10分ぐらいしか経ってないぞ」

 

「うぇえマジ?」

 

「お水いる?」

 

「ありがとう日毬」

 

 スマホの地図アプリによると、俺達が今いる位置は大体山の北東側......このペースで行けばあと30分ぐらい進めば山北側、つまり長尾が見立てを立てた場所ぐらいに到着できる計算だ。

 山と言っても、そもそも恐竜事件が起こった場所が山の奥ではなかったので、急な斜面を頑張って登るという感じではなかった。

 

「でもあんまり人居ないね」

 

「殆どの恐竜ハンターは目撃情報の多い南側に集中しているからな」

 

「まぁでも偶にすれ違うよねそれっぽい人。さっきも網持った人いたし」

 

「あんな網で捕まえられるのかは疑問だけどな」

 

「そんな事言ったらあたしたちなんにも持ってきてないけどね」

 

「まぁ罠は持ってきてるけどな」

 

 恐竜と正面から対峙して捕まえるのは危険が伴うという事で、六個ほど罠を持ってきた。罠とってもロープとよくわかんない金具だが、長尾いわくこのふたつがあれば即席の罠は作れるらしい。

 

 それを仕掛けるために俺たちはこの山に登っている訳だが、その道中で恐竜に出会ったとしてもどうすることも出来ない。

 

「網のひとつでも持ってくればよかったかな?」

 

「相手は昆虫じゃない。網があったところであまり意味はないだろう」

 

「それもそうか」

 

「もし出会ったら、そこら辺に落ちてる木で殴り掛かるしかないな」

 

 

 >―< >―< >―< >―< >―<

 

 

「これで三箇所目だな」

 

 山を登り始めてから二時間ぐらい経過して、俺たちは目的の山の北側に到着し予定通り罠を仕掛けていた。ただ罠を仕掛けるだけでは心許ないので、今日の朝買ってきた鶏肉とロープの糞を近くに置いておく。

 

「別の動物が掛かったら問題だよな」

 

「その時は逃せばよいだけだ」

 

「鶏肉はわかるんだけど、なんでロープちゃんの糞も一緒に置くの?」

 

「もしかしたら恐竜の匂いに反応しやすいかと思って置いているんだが、正直効果があるかどうかはわからない」

 

 罠は木のしなりを利用して動かすもので、動物が鶏肉を食べようとして餌の付いた木の棒を動かすとストッパーが外れて作動する仕組みだ。

 

「これ風とかで動いたりしない? 大丈夫な......ってあれみて」

 

「なんだ?」

 

 杏が指を指した先に恐竜が......と思いみんなその方向を見たのだが、別に恐竜らしき姿はなく、なにに驚いて指を指したのかがわからなかった。

 

「何に驚いている?」

 

「あれ見えないの? 血の跡」

 

「あれって......あぁこれか」

 

 罠を仕掛けた場所から10mぐらい離れた場所に生えている木に少し......いや他の血痕を見たことがないので多いのか少ないのかはよくわからないが血が付いていた。

 

「誰か襲われたのか?」

 

「襲われたにしては血の量が少なすぎるんじゃない?」

 

「言うとおりだ......この血痕は人のものではない」

 

「なんでわかるだ?」

 

「血と一緒に羽毛のようなものが付着している。この時期にコートを着て登山する習慣がある人間なら別だが恐らくは動物がこの木にぶつかり付着したのだろう」

 

「たしかに、動物っぽい足跡もあるしね。これとか」

 

「......ふむ地面が固すぎて正確な足跡は判別できないか。ただこの足跡の並びから二足歩行の動物である可能性が高いここら辺で見られる二足歩行が可能な動物といえば、熊や猿......そして恐竜などが挙げられるな」

 

「この足跡の大きさは熊ではないな」

 

 熊の足跡を見たことはないが、流石にこんな小ささではないだろう。

 

「じゃあ猿?」

 

「この羽毛の色は猿っぽくはないけどね」

 

 血と一緒に付着している羽毛の色は少し赤みがかった茶色。よく目にする猿の色よりは明るく派手な印象だった。

 

「この感じだと流血しているのか?」

 

「人を襲った時逆に怪我をしたとか?」

 

「可能性は考えられる。この血痕を追えば恐竜にたどり着けるかも知れない」

 

「んでもあたし達なーんも道具持ってないよ。四人で飛びかかるわけにも行かないし」

 

「縄で縛ればなんとかならないか?」

 

「カウボーイみたいに出来ないでしょ」

 

「ふむ......何か良い案はないか?」

 

「じゃあ殴って気絶させる」

 

「他」

 

「捕獲は諦めて、見つめても捕まえずに種類とかだけ調べて帰る」

 

「それが一番現実的だな」

 

「そうしよう......そうと決まれば血痕を追うぞ」

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