怪しい訪問販売買った骨董品は実は恐竜の卵でした!?   作:k9suger

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まったくお前はなんの鳥なんだ?

 

 家の近くにあったペットショップに駆け込むと、まず最初に可愛い子犬や子猫が俺を出迎えた。ボールかなんかで遊んでいる様子は可愛かったが、そんなのには目も呉れず店の奥にある鳥のコーナへ行く。

 

「小鳥用の餌はこれなのか?」

 

 色々棚に並んでいてどれが良いのかわからない。大学で一人暮らしをするまで住んでいた実家が動物禁止だったので鳥はおろかペット自体飼育したことがない。

 

 そんな俺が棚の前でどの餌が良いのか悩んだって正直時価の無駄だ。

 

「あの、すいませんヒナ用の餌ってどれが良いですか?」

 

「ヒナですか、種類は?」

 

 そう言えばあのヒナの種類ってなんだ? そもそも大人になった鳥の種類もわからない俺が産まれたばかりのヒナを見て種類がわかるはずもない。

 

「それが知らなくて......友人から譲ってもらった物で」

 

「それなら御友人に話を聞いたほうが良いかもしれませんね。種類によっては餌が合わず食べてくれないこともありますから」

 

「いやその友人なんですけど昨日沖縄に引っ越しちゃって、しかも音信不通で連絡もつかないんですよ。夜逃げみたいな奴で最後のヒナを俺に託して......」

 

 自分でも何を言っているのかわからない適当な嘘を並べてなんとか店員さんを納得させる......というか丸め込んだ。

 

「なるほど種類がわからいのは不安ですが......これが良いと思います。使う時はお湯に溶かして小さいスプーンで口に流してくださいね」

 

「わかりました」

 

 

 

 >―< >―< >―< >―< >―<

 

 

 

「温度は完璧......後は食べてくれるかなんだよなぁ」

 

 餌に付いてきた説明書を頼りに、粉状の餌をお湯に溶かしてからヒナが食べられる温度になるまで冷ましていく。

 説明書によると適温は40℃前後だそうだ。

 

「待たせてごめんな......ほら御飯だぞ」

 

 ヒナの口に餌の液体を着けたスプーンの柄を近づける。焦っていた為餌やり用の小さいスプーンを買うのを忘れていたが、これでも何とかなりそう。

 慎重にヒナの口元に近づけると、口をパクパクして餌を飲み込む。

 

「良かったぁこのまま食べなかったらどうしようかと思った」

 

 俺が御飯を忘れていたせいで、お腹がかなり空いていたらしくヒナは適量よりも少し多く餌を食べ、ひと通り食事を済ませたら、そのまま眠ってしまった。

 

「ふぅ取り敢えずひと安心だな......さてこの鳥の種類調べるか」

 

 今は何とかなったが、今後こいつを育てていく上で種類を知っておかなければ、適切な飼育方法などが調べられず、万が一の事態に繋がる可能性がある。

 

 俺はインターネットでオウムやインコのなどの可能性がありそうな鳥の雛の姿を片っ端から確認する。特徴とかが一致していればそのヒナである可能性がある。

 

 

 

 

「これも違うなぁ......こっちも違うなあ」

 

 ヒナ調査はかなり難航していた。

 

 卵から生まれたヒナは一見文鳥やカナリアなどヒナに似ているが、よく見るとおしりの部分がこれらの鳥よりも長い。

 

 もしかしたら本当は文鳥とかだけど、個人差ならぬ個鳥差のせいでお尻が長いのなのかぁとも思ったが、それにしても長く、まるでトカゲの尻尾みたいだ。

 

「わからん!」

 

 1時間ほどスマホの画面とにらめっこをしていたが、それらしい鳥は探すことが出来なかった。そもそも情報量が少なすぎるのだ。

 もう少し時間が経って体毛が生えてくれば色とかで大方の予想はつくだろう。

 

「まったくお前はなんの鳥なんだ?」

 

 と小さく寝ているヒナに呟いたところで大切なことを思い出した。

 

「まずい、このヒナに名前つけてないじゃん」

 

 折角ペットとして育てようとしているのに、名前を着けずに「鳥」とか「ヒナ」とかで呼ぶのは少し違う気がする。

 

 鳥だからピーちゃん......というのは安直すぎるな。訪問販売で買ったからホ―......いやダサい名前になる未来しか見えないからこの路線はやめよう。

 

 うーん種類もわかんないからなぁ......

 

「あっ尻尾長いよな」

 

 尻尾が長い......尻尾が長い......尻尾が長い......長尾? いや高校の時の友達の名前を思い出してどうするんだよ。

 もっとこうセンスがいい名前はないのか?

 

 と、頭を悩ませていると小学生の記憶が蘇る。小学校の時俺は飼育係で、教室の隅にある小さな水槽で飼っていたメダカの飼育当番だった。

 

 確かその時にメダカにつけた名前は、全体的に体が黄色いのがキイ、背びれの部分に切れ込みがあったのはオス、頬が赤かったのはアカ、だったような気がする。

 

「俺には子供の時から絶望的にネーミングセンスがないのか」

 

 でもなぁ人に頼って付けるのも嫌だしなぁ......なんか良い名前ないかな。この尻尾が長いのをいい感じに表すには......蛇みたい? スネーク......

 

 いや、鳥のことスネークって呼んだだら紛らわしいだろ。

 

 でもまぁ方向性は悪くない。

 

「あっ尻尾が蛇の鳥みたいなモンスター居たよな?」

 

 昔見た漫画の記憶を頼りに調べる。

 

 コカトリスかぁ......格好良いけど可愛いイメージだからなぁ。

 

 略してコカ......コカト......コカトリ......全部微妙だ。トリスもなんか違う。

 

「あっコトリ! 可愛いし特徴そのまんまだし......」

 

 いや、結局最初と同じ呼び方じゃねぇか。

 

「ダメだ名付けは保留にしよう」

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