怪しい訪問販売買った骨董品は実は恐竜の卵でした!?   作:k9suger

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恐竜事件

『次のニュースです。千葉市美浜区で、絶滅したとされる海棲爬虫類と思われる生物の死体が発見された件で専門家の間では白亜紀前期に生息していたクロノ......』

 

「なんか色々と大変だね」

 

「そりゃそうだろ、絶滅してた恐竜が見つかったんだから」

 

「拓也、厳密に言えばクロノサウルスは海棲爬虫類の首長竜だ。生息時代は恐竜と同じだが恐竜とはまた別の存在だ」

 

「へぇ」

 

 大森教授とあった次の日世間では絶滅生物発見のニュースで持ちきりだった。

 今まではなんとかその存在を隠し通せていたが、千葉県の人目につきやすい浜辺に打ち上げられてしまったクロノサウルスをなかった事には出来なかったらしい。

 

「あっ大森教授が」

 

 杏がそう言ってテレビに映った大森教授を指差す。

 

「教授も大変だよ、こんな事態になっちゃってさ」

 

「しかしいづれは世間に知れ渡る。それが少し早くなっただけのことだ」

 

「まぁそれもそうか」

 

 最初に見つかったテノントサウルスの発見は今から約二ヶ月前。たった二ヶ月の間にロープや今見つかったクロノサウルスなどを含め14種類の恐竜が発見されていることになる。

 もの凄く単純計算だが、一ヶ月で7匹のペースで発見されていくとなると一年後には84種類もの恐竜が見つかる可能性がある。

 

「拓也、残念ながらその計算は外れる可能性が高い」

 

「まぁ多分そんな頻繁に恐竜が......」

 

「いや大森教授から聞いた話を元に考えれば、恐竜出現の頻度は段々と高くなっている。テノントサウルス発見から、二匹目のエウロパサウルス発見までの期間は約4週間、それから三匹目に発見されたマシアカサウルスはエウロパサウルス発見化から約一週間後......それからは4〜5に一匹のペースで発見されている」

 

「恐竜が増えてるってこと?」

 

「増えているのか、行動範囲が大きくなり人目に触れるようになったのか」

 

「どちらにせよ異常事態だな」

 

 

 

「おじゃまします......大学の講義長引いちゃって」

 

 三人でそんな話をしながらニュースを見ていると、玄関の扉が開き日毬の声が聞こえる。何故か最近俺の家が皆のたまり場と化している。

 まぁ家が賑やかなのは嫌いじゃないから俺も許している。

 

「なんか恐竜のニュースでも持ちきりだよね......どうしよう家の近くとかにティラノサウルスが出たりでもしたら」

 

「可能性はゼロではないが、今の所大型の獣脚類発見の報告はない。突然街にティラノサウスルが出現する可能性は限りなく低いだろう」

 

「そうだよね」

 

『只今入ってきたニュースです静岡県に住む男性から恐竜に襲われたという通報が警察にあり、今日の午後1時40分頃に......』

 

「嘘だろ?」

 

「うわぁTwittorでも大騒ぎだよ」

 

 杏がスマホを差し出して俺にTwittorのトレンド欄を見せてくる。トレンドは上から恐竜、恐竜被害、静岡恐竜......と1位から22位までその話題で埋め尽くされていた。

 

「ふむインターネットの方がテレビよりも情報が早いな。信用に価する情報かは些か不安な点が残るが」

 

 インターネットニュースによると、今日のお昼過ぎ静岡県の山間で山菜採りをしていた男性が恐竜らしき生物に襲われ左手首と右太腿に大きな怪我を負ったらしい。

 男性はなんとか抵抗し、その恐竜から逃げ山を下り警察に通報したという。

 

 男性の腕には証言通り噛み跡があり、まだ専門家などでも意見が出ていない為恐竜の物かは断定できないが、熊や犬などの歯型とは大きく形が違うとのこと。

 

「男性の証言によると、恐竜の大きさは自分の背丈よりも小さいぐらいで全身に羽毛が生えていたんだって」

 

「もしかしてトロオドンだったりしないよな?」

 

「その可能性は捨てきれない......ただ人間の背丈よりも小さい肉食恐竜は少なくない。他の種である可能性もある」

 

「そもそも肉食恐竜かもわからないんでしょ?凶暴な草食恐竜の可能性もあるよね」

 

「そうだな......頭ではトロオドン以外の可能性もあるって理解してるんだけど、どうしても」

 

「んじゃあ確かめに行こうよ、あたし達夏休みなんだから少しぐらいの遠出しても良いんじゃない?」

 

「いや、危ないだろ」

 

「そうだよ襲われる危険だってあるんだよ」

 

「わかったよ......でもね、もう恐竜を探しに沢山の人が山に入ってるんだよ」

 

 そう言うと杏は『恐竜ハンターが静岡の山に詰め掛ける』という見出しのインターネットニュースを俺達に見せる。

 

「ふむ......軽率な行動だが魅力的だ」

 

「先を越されたらどうするの? もしかしたらこの子のお母さんかもしれないでしょ。変な人に捕まって雑に育てられたりしたら......」

 

「言いたいことはわかるけど」

 

「それにトロオドン以外の新しい恐竜に会えるかもしれないんだよ?」

 

「ふむ......非常に魅力的だ」

 

「まて長尾、恐竜欲に流されるな」

 

「そんな事言う君も少し揺らいでいるだろう?」

 

「まぁ......」

 

「ねぇ行こうよ恐竜探し‼︎ だって明日から夏休みんだよ!!」

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