灰色のネズミ もしも雨取千佳並のトリオンモンスターが戦闘狂だったら   作:マイクロトフ卿

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太刀川さんとの普段の絡み


妹弟子

「灰原の腰のライン、やっぱりたまらないな」

ごふっ

太刀川の思いがけない発言に迅は口に入れていたぼんち揚をすんでのところで吐き出さすところであった。

迅「何言ってんの太刀川さん…」

太刀川「いや、実際あいつかなりスタイルいいぞ。対戦してると、こう、腰をガッと捕まえてたくなる。」

風間らと模擬戦を終えたらしい灰原の後ろ姿を見て太刀川は顎に手を当てうなる。その様子に迅はドン引きの様子だ。

迅「うわぁ…太刀川さんがいうと犯罪者っぽいよ。それにそんなことしたらぶった斬られるでしょ。」

太刀川「お前の尻触りと同じようなもんだろ。というか全然俺のがマシだし」

もはやタケノコの背比べであるが、実害の出る迅の方がより凶悪であるか。

迅「雪は全然無理だよ。なんかこう、すごく未来が不確定で読みづらい。絶対行けたと思っても避けられ続けてるし」

太刀川「いや、諦めろよ」

そうくだらない話をしている二人の元に、風間と灰原が歩み寄ってくる。

 

灰原「太刀川さーん、ソロで模擬戦しましょう。今日こそ勝ち越しますよ」

灰原は不敵な笑みを浮かべる。しかしその目はギラギラと闘志を秘める。

太刀川はウキウキとした様子で立ち上がる。

太刀川「よし、灰原の後は風間さんもやろーぜ」

風間はわずかに嫌そうな顔をしているが、太刀川はそんなこと気にしないのである。

ウキウキとした様子で太刀川はブースに入室する。可愛い可愛い妹弟子との対戦は、今や迅との対戦に並んで太刀川を楽しませてくれる。

 

太刀川慶は思い出す。

すっかり一戦から退いた忍田が、ある日弟子を取ったと聞いた時は驚いたものだ。この時期に弟子をとるとは、そんなに筋がいいものかと期待して、その弟子との顔合わせをした。

あの忍田が取った弟子は、まさか女であるとは。

忍田「この度B級に昇格した、灰原だ。私は本部の仕事であまり稽古をつけてやれそうにない。灰原、こちらは太刀川慶で、孤月をメインに使ってる。慶、時間があるときに見てやってくれないか?」

見たことがないと思ったが、まさかB級に上りたてなのか。なぜ忍田は彼女を弟子にしたのだろう。

灰原は鎖骨まである長い髪を揺らしながらペコリとお辞儀をする。

灰原「灰原雪です。18歳です。よろしくお願いします。」

こちらを見つめてくる灰原の目は、どこか生気がない。身長は165センチくらいだろうか?女にしては上背があっても、こんな大人しげな女がネイバーと戦えるのだろうか。

忍田「慶とは一つ違いだな。灰原はこれまで射手だったが、孤月も使い始めたそうだ。小さい頃から剣道をやってるみたいで筋はいい。」

忍田は笑いながら灰原の背中に手を当てる。

忍田「さっそくで悪いが、私はこの後会議でな…あとはよろしくな!」

灰原の背中をポンと押し出し颯爽と去る忍田。

太刀川と灰原は困ったように顔を見合わせる。つい先ほど顔を見合わせたばかりの二人は性別差の問題もあってどこか気まずそうである。

太刀川「あー、じゃあせっかくだし10本勝負でもやるか?」

太刀川の提案に、灰原は頷く。

 

ブースで対峙した灰原は孤月を中段に構える。剣道をやっていただけあって、隙がない構えである。さらには、先ほどと変わらぬ生気がない目はどこを見ているのか、ぼんやりとこちらを観ている。

太刀川は灰原がB級ということもあり旋空孤月を使わないという縛りを設けた。

太刀川は大きく踏み出し一本目の孤月で切り掛かるが、灰原は剣を交えずに後退することで避ける。返す太刀で灰原の胴に斬りかかろうとした。

ゾクリ。

太刀川は思わず大きく後退をする。灰原は太刀川の小手を狙って鋭く孤月を振り下ろし、太刀川の左手に浅い傷を作っていた。まさか初撃を喰らってしまうとは。

太刀川「剣道やってたってのは伊達じゃないな。」

太刀川は2本目を抜く。

灰原「2本目を抜く前に左手落とせると思いましたが。」

無表情な灰原の痛烈な返しに、太刀川は笑う。

この女、さっきと全然雰囲気が違うじゃないか。

生気がないと思ったその目はギラギラと光っているではないか。

飛んだ妹弟子を持ったものだ。

太刀川「楽しくなりそうだ。」

今度こそ油断もなく太刀川は飛びかかる。迅がいなくなりどこか腐っていたが、この妹弟子の兄弟子を名乗るのは骨を折そうだ。

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