幸せの為の遠い道   作:HANAMINA

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どうもHaNAMiNaと申します。
初めましての方は初めまして。
知ってる人は今まで全然更新してなくてサーセン。
今回色々文章力に挑戦するために新しく作りました。できれば続けたい作品ではあります。

ではどうぞ。



全てを失って、新しく得た物

 

 

 

 

両親が死んだ。

 

 

両親が研究していた赤い石のネックレスを託されたとき、頭の中に歌が浮かんだ。

 

 

私は訳の分からないままその歌を謡い、訳の分からないまま両親を殺したノイズを殲滅した。

 

 

後には私と灰しか残らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生存者だ!」

 

 

誰かが叫んでいる。どうやら助けに来たらしい。

 

 

何で今更来たの?

 

 

「大丈夫か!?…ッ!君は結城夫妻の…」

 

 

もっと早く来てくれれば…

 

 

「遅れてすまない…。もっと早く来ていればッ…!」

 

 

パパとママは助かったかもしれないのに

 

 

「とにかく二課の方で…俺は風鳴弦十郎。君は結城風(ゆうきふう)君だね?君を助けに来た」

 

「…助けに?」

 

「あぁ。結城夫妻の事は残念だと思う、その後の君について「ふざけないで…!」ッ!」

 

 

「あなた達が少しで早く着いていたら…!私がもっと早くこの力を使えていたら…!パパとママは助かったかもしれないのに!」

 

「パパとママの事は残念?残念なんかで済む訳ないでしょ!私の唯一の家族が死んで私は独りぼっち!あなたなんかに何が分かるの!?」

 

「風君!落ち着いて「もう私に関わらないで!」風君!」

 

 

私は無我夢中になり飛び出した。もうどうでもいい…なんにでもなれと思い適当なところで過ごした。

 

家もなくなって、学校も行けない。頼れる人もいない。あいつらは頼りたくもない。

 

 

なんで?

 

 

なんでパパとママは死んだの?

 

 

なんで私だけ生き残ったの?

 

 

もういいや…疲れた…。

 

 

・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結城夫妻が亡くなって一年が経った。俺があの子に取り返しのつかない傷を付けてしまった瞬間を思い出す。

 

「俺は…間違えたんだろうな」

 

風君が飛び出してから一年。彼女は今13歳、本来中学生になる年だ。しかし行方を捜し、情報を掴むも、行方を晦ます。それの繰り返しだった。あの時俺達がもっと早く動ければ…あの子にかける言葉を間違えなければ…。後悔が絶えない。

 

「司令、お疲れのご様子ですが…。…それは結城夫妻の娘さんの…」

 

「あぁ…。ここまでくると心が折れてしまいそうだ」

 

「そんなこと言いながら、今でも根強く探しているではないですか。諦める気はないんでしょう?」

 

「当然だ。子供一人救えなくて何が大人だ。意地でも見つけ出して、今度こそ…!」

 

ビーッ!

 

「ッ!ノイズか!」

 

「「叔父様(司令)!ノイズですかッ!」」

 

「翼!響君!頼むぞ!」

 

「司令!ノイズ出現地点にて新たなアウフヴァッヘン波形を観測!この波形は…」

 

 

curtain

 

 

「カーテナー…、だと…!」

 

 

あれは結城夫妻の研究していた…!まさかそこにいるのか…風君!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼と響が現場にたどり着くと、そこは既に何も無くなっていた。灰と双剣を持った「独り」の少女以外は。

 

鮮やかな緑髪、幼さが残る顔。明らかにまだ子供といわれる様子の少女だった。

 

「これは…君がやったの?」

 

「…。」

 

少女は言葉を無視し、去ろうとする。

 

「待て、話がしたい。二課まで同行してもらおう。それにそのギア…それは一体どこで入手したものだ?」

 

「あなた達と話す事は何もない。話したくもない」

 

「話し合おうよ!その力があるなら、協力してノイズを倒そうよ!」

 

「…フッ。守ることもまともにできないのによくそんなこと言えるね。あの風鳴弦十郎とかいうヤツと似ていて虫唾が走る」

 

「こちらにも事情があるのでな…!実力行使で行かせてもらう!叔父様を愚弄した言葉、訂正してもらうぞ!」

 

「これだから嫌いなんだ二課は。都合が悪ければ何でもする…。…大っ嫌いだ!!!!大人もあんたらも!皆信用できない!!!」

 

「翼さん!待ってください!君も話し合おうよ!なんでそんなに私たちのが信じられないの!?」

 

翼が切りかかる。それを避け、切り付ける。響も応戦するが、自分よりも明らかに幼い少女に攻撃するのは躊躇いがあり、おざなりになる。その隙を逃さず響を蹴りで吹き飛ばす。

 

「立花!中々どうして手強い…!」

 

「この力があったはずなのに…!パパとママは死んだ!私は私が嫌い!あなた達も嫌い!みんなみんな大っ嫌いだぁぁ!!!!」

 

「っ!」

 

少女の泣きながらの攻撃に翼が動揺する。それはまるで癇癪を起す子供の様で。翼は対峙してる相手に…死んでしまった奏のことを思い出した。

 

(この少女は…昔の奏だ…)

 

翼は少女に対し、無力な自分を許せず、力を求め散っていった奏を重ねた。

 

「そこまでだ翼」

 

「叔父様!」

 

「…。」

 

泣きながらの攻防の中、ノイズによる心配がなくなったため風鳴弦十郎が現れた。少女は弦十郎を睨む。それを弦十郎は真摯に受け止める。

 

「風君。君の感情はもっともだ。俺達の対応の不足が原因で君の両親を失わせてしまった。君が俺達を憎むのも分かる。ただな…だからといって君を不幸にしたままにしていい理由にならないんだ。一度だけ、一度だけでいい。俺達を信じてくれ。結城夫妻の宝である君を不幸にしたとなっては、俺はあの人たちに顔向けできない。」

 

「これを君に渡したかったんだ。それで君をずっと探していた」

 

「…パパとママからの…手紙?」

 

手紙の封を解き、少女…結城風は泣き崩れた。手紙に書かれた両親の思いを知り、自分に託された願いを知ったから。

 

 

 

 

 

私達の愛しの子 風へ

 

 

この手紙が君に渡らないを望みますが、これを風鳴司令から渡されたという事は私達はあなたを残して死んでしまったのでしょう。聖遺物の研究、ノイズの研究をしてるからには、いつ死んでもおかしくないので私達はこうして遺書を残すことにしました。

 

風にお願いがあります。

優しいあなたはきっと自分を恨んでしまうでしょう。どうか自分を恨まないで、そしてどうか幸せになってね。皆を救うような立派な人間を目指してね。

 

きっと風鳴司令があなたを支援してくれます。彼は私達の信頼のおける上司です。きっとあらゆる面で助けてくれるでしょう。

 

 

一緒にいられなくてごめんね。風がずっと幸せでいられるようパパとママは祈っています。

私達は、ずっとずっと、風を愛しているからね。

 

 

 

                            パパとママより

 

 

 

 

 

 

「あ…あぁ…っっ!!」

 

「君の両親の願いを…叶えてやってはくれないか」

 

泣き崩れる風を、弦十郎は我が子を抱くように抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

この夜、風は少しだけ世界を信用することにした。

 

 

 

 

 

 

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