百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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27 ルーカスvs第一位!究極の対決!!

 裕介は第三位を甘く見ていた。少なくとも、第一位ほどの脅威ではないと思い込んでいた。

 敵を強制的に三角関係にする性癖は厄介だが、これは相手が二人以下なら何の効果も発揮できないわけだし、使いどころが限られる。必ず命中する技も対処が面倒だけれども、喰らえば即死するレベルではない。総じて、決定打に欠ける印象だった。

 しかし、彼にはまだ奥の手があったのだ。裕介が必死の思いで放つ光弾を、着弾と同時にすべて灰に変えてノーダメージで近づいてくる。

 

 

「分かった? 無駄なんだよ。僕は世界で三番目に強いんだから」

 

 竜人の大きな腕が、オメガ珈琲シルバーの喉元を掴んで軽々と持ち上げた。銀色の装甲は灰化して消え失せ、珈琲ブレイザーも同じ結末を辿る。

 アーマーが灰になって無理やり変身解除された裕介を見て、デルタはニヤリと笑った。

 

「さっきの台詞、そのままお返しするよ。人間の姿で、僕に勝てるとでも思ってるのかい?」

「クソ……ッ!」

 

 間もなく、裕介の肉体も灰化させられるだろう。自分の無力を呪い、彼は絶望の只中で吠えた。

 視界の端には、第一位の攻撃で瀕死になっている先輩たちがいた。

 

 

「冗談じゃねえぞ。これじゃ、原典無しの奴が殺されたときと同じじゃねえか。俺が……俺が護るんだよ!」

「護るだけの力のない奴が言っても、説得力がないね」

 

 竜人の手に、一層の力が籠る。裕介の喉がじりじりと焼き焦がされ、灰に変わらんとする。

 ここまでか、終わりだ、という思いが脳裏をよぎる。物陰に隠れて戦いを見守っていた人々も、戦士たち自身さえも、絶望に吞まれていた。

 誰もがヒーローの敗北を悟り、希望を失いかけたとき、彼は現れた。

 

 

「――風はどんな奴にも吹く。たとえ、それがどんなに嫌な奴でも」

 

 一同は最初、彼が誰なのか分からなかった。無理もない。ウィッグを付けて化粧をし、女物の服を着た人物だったのだから。彼が服とウィッグを脱ぎ捨て、カウボーイを思わせるウエスタンルックへ変わってようやく、正体が判明する。

 

「ルーカスか」

 

 とどめを刺そうと振り上げていたバトンを下ろし、ビッグ・ファーストはマスクの裏でほくそ笑んだ。

 

「百合・BLレンジャーを始末しようとしていたら、目障りな虫けらまで出てくるとはな。飛んで火にいる何とやらだ」

「君一人で、僕とリーダーに勝てるとでも?」

 

 裕介を乱暴に突き飛ばしてから、竜人も乱入者へ向き直る。

 

 

「歴史上例を見ないほどの身の程知らずだね」

「馬鹿言うな。邪魔な支持派の親玉が出てきて、親切にもヒーローたちを蹴散らしてくれたんだ。あとは俺が親玉を倒し、ヒーローたちに引導を渡せばゲームセット。これだけ好条件が揃っている状況を、俺が逃すわけがないだろう」

 

 強敵二人を前にしても怯まず、ルーカスは悠然としていた。

 

 喉を押さえ、激しく咳き込んでいる裕介を一瞥し、不本意そうに付け加える。

 

「勘違いするなよ。別にお前たちを助けたわけじゃない。倒す順番が少し変わっただけだ」

 

 

 新世代のヒーローになるため、ルーカスはしばらくの間、人間界での戦闘を避けていた。だが、女装して正体を隠して現場に向かい、かつロリーニンジャーの姿にならなければ「キンジ・オネガワ=ルーカス」と民衆に認知されることはないと判断し、今回出撃したのだった。

 そもそも、ロリーニンジャーの素顔を知る人間は限られる。少し用心しすぎたかもしれない、と今では反省していた。

 

「変身」

 

 ルーカスの肉体が光に包まれ、横側から見たトンボのような意匠を持った戦士の姿に変わる。「女装」という性癖の影響を受けたからか、原作にはないスカート状のアーマーパーツが追加されている。

 同じくトンボの形状をした銃を構え、彼は「『クロックアップ』!」と発声した。

 

 

 この形態の名は「超次元ライダー・ドレイク」。ルーカスが所持している原典のうちの一つを使い、変身した姿である。クロックアップしたドレイクは、人間を遥かに超えるスピードで活動することができるのだ。

 目にも止まらぬ速さでビッグ・ファーストの死角へ回り込み、ルーカスは銃を使った必殺技で仕留めようとした。けれども信じられないことに、第一位は彼と同等のスピードと恐るべき動体視力で反応し、振り向きざまにバトンを振って銃を叩き落としたのである。

 

 

「残念だったな。お前がどんな原典を使おうが、どれほどの速さで攻撃しようが、俺は最強無敵の存在。お前が俺に勝つことは不可能だ!」

 

 さらに連撃を繰り出し、ドレイクの装甲から激しく火花を飛び散らせる。ルーカスが苦痛の声を漏らした。

 

「……どうやら一筋縄ではいかないらしいな。超高速移動も効かないとなると、別の原典を使った方が良さそうだ」

 

 トンボの装甲が消えたかと思うと、今度は白虎の意匠の、白銀と青の戦士へと変身を遂げる。

 

「俺はお前たちを倒す。そして、新世代の英雄になるんだ!」 

 

 大振りな斧を両手で握り、ルーカスは雄叫びを上げてビッグ・ファーストへ突進した。

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・仮面ライダー龍騎

※次回の更新は1週間後の予定です。
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