百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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35 集結!地球と超次元の戦士たち

『ダレン・マキシマムドライブ!』

 

 T字型メモリが音声を発し、ダレンもまた超高速移動を発動した。

 彼が使用する原典は、ルーカスのトンボ型戦士とは異なり、十秒間しか高速移動できない制限がある。十秒のタイムリミットをオーバーすると肉体へ多大な負荷がかかるため、諸刃の剣だ。おまけに、スピードに特化して防御性能をかなぐり捨てた形態ときている。反撃を受ければひとたまりもない。

 

 けれども、競り勝ったのはダレンだった。猛スピードでルーカスへ接近し、マシンガンのごとき勢いで音速の蹴りを叩き込む。初撃で腕から銃をはたき落とされたルーカスは、ほとんど何もできないままキックの雨を浴びた。

 遠距離からの狙撃ならともかく、近接戦闘ならダレンが有利。またしても吹っ飛ばされて変身解除されたルーカスは、呼吸を荒くしていた。

 

 

「俺の力を分析したというのは本当らしいな」

 

 斧を構えた白虎の意匠の戦士へ変わり、苛立たしげに吐き捨てる。

 

「だが、決定打に欠ける。第一位もそうだった」

「普通の超次元生命体なら、今の攻撃で死んでいた。貴様がタフなだけだ。もっとも、決定打を与えたら与えたで貴様の『他殺願望』が発動し、私がそれを攻略するだけだがな」

「口では何とでも言えるぜ。……ん? 何だ?」

「どうした、出し抜けに空を指差して。そんな古典的な引っかけに、私が騙されるとでも?」

「いや、ゲートが開いたんでな」

 

 

 誰かが超次元界側からゲートを開き、人間界にいる何者かを招き入れようとしている。ルーカスはその者たちに心当たりがあった。

 ダレンも訝しげに空を見上げる。はたして、天空に出現した桃色の「どこへでも行けるドア」は、九人の戦士を吐き出した。

 

『オクトパス! リボンミックス!』

 

 リボンズへ変身したお菊が、落下してくるヒーローたちを機械アームで器用にキャッチする。しかしアームは四本しかなかったので、残り五名のうち一名はお菊が両腕で抱き止め、四名はリボンダーマンに変身したピーターがリボンで絡めとり、受け止めた。

 

 

「そ、そんな! 早川くんが、お菊さんの胸に顔をうずめているなんて!」

「誤解だ、美明日! 彼女に抱き止められたら、たまたま頭がそこに当たっただけで……ていうかお菊さん、わざとやってるだろ⁉」

「はいはい。二人とも、私がスタイル良いからって喧嘩しないでね♡」

 

 登場して早々に夫婦漫才を始めた美明日と裕介を、お菊がゆっくり地面に下ろす。

 

「時空を超えて、俺たち参上!」

「時を超えて、空を駆けるわよ! この星のために!」

 

 相変わらず騒々しいのは、カイリとツカサ。ナオヤ他五名は比較的落ち着いていた。いや、この人たちが本来なら普通なのだ。

 

 

「貴様ら、百合・BLレンジャーか。私の復讐の邪魔をするな!」

 

 突然現れたヒーローどもを睨んで、ダレンは叫んだ。

 

「誰だよお前」 

 

 対して、カイリはひどく冷静に突っ込んだ。この日会った敵の名前を、戦士たちはまだ知らない。

 

「私は無貌支持派の序列第二位、ダレン。この男のせいで、私は両親と妻を失った。ルーカスだけは絶対に許さぬ。それゆえ、復讐に割って入るような無粋な真似はやめてほしいのだが」

「うわあ、めちゃくちゃ可哀想な奴じゃん。何なら無貌支持派でトップクラスに悲惨な過去持ってないか……? なあツカサ、こいつは見逃してやろうぜ!」

「あんたはもう少し人を疑いなさいよ⁉」

 

 

 はあ、とため息を吐き、今度はツカサが問う。

 

「ダレンって言ったわね。あんた、無貌を憎んでいるのに支持派に入ったわけ? 矛盾してるわね」

「力を得るためには仕方のないことだった。仇を殺せるほど強くなるためにはな」

 

 ダレンは両腕を広げ、尊大にも宣言する。

 

「だが、私の復讐はルーカスを殺した程度では終わらない。むしろ、そこからが真の始まりと言っていいだろう。……支持派のトップに立ち、超次元界で誰も反逆できないほどの権力を手にした後、私はこの世界の在り方を変えるつもりだ。かつての私のような弱者が踏みにじられない世界を創造する。そのためには、既存の世界を一度滅ぼしても構わぬ」

「前言撤回。やっぱり、こいつとは分かり合えそうにないな」

 

 眉をひそめ、カイリがぼやいた。

 

「戦うしかねえか。ルーカスとも、ダレンとも」

 

 

 行くぞ、と仲間たちを見やる。九人の戦士はピーターとお菊の横に並び立ち、銃型やブレス型、ベルト型のアイテムを一斉に操作した。

 

「怪盗チェンジ!」

「警察チェンジ!」

「『BLファイヤー』!」

「インストール! 『オメガ珈琲シルバー』!」

『パーフェクト・アップ!』

 

 同時変身を遂げた一同は、順に名乗りを上げていく。一人が口上を述べ終えるとバックで色とりどりの爆発が巻き起こり、いつも以上に派手な演出がなされた。

 

 

「「孤高に煌めく怪盗。百合エックス!」

「百合ブルー!」

「百合イエロー!」

「「怪盗戦隊・百合レンジャー!」」

 

 各々がビシッとポーズを決める様は壮観だった。

 

「気高く輝く警察官。BLエックス!」

「BL1号!」

「BL2号!」

「二十世紀が泣いている。BLファイヤー!」

「「警察戦隊・BLレンジャー!」」

 

 思えば、全員勢揃いして名乗りを上げるのは、無貌との決戦のとき以来ではないだろうか。久々の口上に、自然と戦士たちの士気も上がっていく。

 

 

「才を磨いて、己の個性を見つけ出す。アメイジング・オリジナリティー! オメガ珈琲シルバー!」

「あなたには聞こえないのかしら? 激しい風の囁きが。超次元ライダー・ネトルティ来部!」

 

 全員が名乗り終わると、ルーカスは「馬鹿め。お前たちに何ができる」と嘲った。

 

「前回、俺は第一位に勝利した。少し前には第三位も屠ってきたところだ。ビッグ・ファーストにすら歯が立たなかった百合・BLレンジャーごときが、俺やダレンに勝とうなどと思い上がるな!」

「そっちこそ思い上がるなよ」

 

 負けじとケイイチロウが言い返す。

 

「第一位に敗れてからというもの、俺たちは死ぬ気で特訓を重ねてきた。あのときの俺たちとは違う!」

「――そこまで言うなら、見せてもらおうではないか。貴様たちの本当の力を!」

 

 

 バイクモチーフの戦士への変身を一度解き、ダレンは頭部と胸部にカードが何枚も突き刺さったようなデザインのアーマーを纏った。専用の銃型アイテムにカードをセットし、引き金を引く。

 

『ジゲン・ライド! アマエマックス!』『超ブラゴクウ!』『ガードノイド・マッシュ!』

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・仮面ライダーW
・仮面ライダーディケイド
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