百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

158 / 394
47 「RE:BIRTH」せよ!ルーカスの猛攻

「じゃあ、何で最初から『サウザー』を使わねえんだよ。この世で嫌いなものが二つある。糸こんにゃくと、舐めプで尺稼ぎをする男だ!」

 

 今まで大人しくしていたカイリが、ツッコミを入れた。

 

 バトルものの漫画なんかで、たまに見かける展開だ。主人公が敵を追い詰め、「これならいける!」と思った瞬間、敵は「フッ、そろそろ本気を出すか……」なんて言い出し、真の力を解放、次回に続く。冷静な読者なら「いや最初から本気出せよ!」と思うかもしれない。ちなみに、真の力を隠していた理由に説得力がある場合は、こういう展開も全然ありだと思います。

 はたしてルーカスもまた、説得力のある理由を用意していた。

 

 

「ダレンは手札を隠していた。性癖の能力が謎に包まれている上に、クワガタの原典以外にも強敵対策をされている可能性があった。だから、チャンスを窺っていたのさ。『死体嗜好症』の発動条件が限定的なのを確認し、他に用意していたバイクの戦士の原典を出したのを見計らって、やっと『サウザー』を出せた」

 

 そう告げ、マジェスティ状態の第二位へ向き直る。

 

「ダレン。確かにお前は強い。俺を殺すために、さぞかし鍛錬したのだろう。だが、その強さゆえに俺に奪われ、俺に敗北するのだ!」

 

 強敵対策として用意していた原典の力を使用できなくなったダレンに、ルーカスへの対抗措置はない。なすすべもなく、ただふらふらと立ち上がった第二位目がけ、ルーカスは金色の破壊エネルギーを纏った連続キックを浴びせた。

 

 

『サウザンド・ディストラクション!』

 

 ベルトのカードキーを押し込むことで発動する必殺技だ。怒涛の勢いで跳び蹴りを連打する。なお、なぜか攻撃の後に空中には金の文字が浮かび上がり、「LUCAS ENTERPRISE」と綴られていた。

 

「おのれ……」

 

 しかし、ダレンもただではやられない。数メートル吹き飛ばされこそすれ、倒れずに踏みとどまっている。反撃とばかり、赤い救世主の姿のまま、別の原典の力を解放した。

 

「貴様につけいる隙を与えた私の弱さが、私の罪だ!」

 

 ダレンの背中から、六枚の青い翼が生えた。

 

 

「貴様の間違いは、私が正す!」

 

 叫び、ベルトを操作。七つの大罪をイメージした七種類の大技が、連続発動された。

 

『シン・ダレンカイガン! ラスト・バレット!』

 

 長篠の戦いにおいて、織田信長は足軽鉄砲隊に三段撃ちを行わせ、武田の騎馬隊を打ち破ったと言われている。それを思わせるように、空中に火縄銃型の武器が無数に浮遊。エネルギー弾の一斉掃射を行った。

 もっとも、最近の研究では「信長の鉄砲の所持数はもっと少なかったのではないか」「武田軍の主力は騎馬隊ではなく長槍隊だったのではないか」などという説もあるそうだが、まあそれはそれとして。

 

 

「俺がお前から奪った原典の性質を忘れたのか? 相手が強ければ強いほど、俺の力も増大する!」

 

 嘲笑し、ルーカスは信じがたいほどのスピードで駆けた。トンボの戦士の原典で超高速移動を行っているわけでもないのに、次々に放たれる光弾をすべてかいくぐってダレンの懐へ踏み込む。

 

「ならば、貴様の順応スピードと私の攻撃のスピード、どちらが速いか勝負といこうではないか」

『シン・ダレンカイガン! プライド・フィスト!』

 

 続けて、第二位は新たな技を繰り出す。突進してルーカスを迎え撃ち、両手に宿した青い光とともに拳を撃ち込んだ。

 

 

「無駄だ」

 

 だが、ルーカスはそれを素手で難なく止めてみせた。強敵キラーの能力を得た今の彼を、単純に力で倒すことは不可能に近い。死角のない、完璧な強さを誇っている。

 

「そのテクノロジーも頂くぞ」

 

 もう片方の手で構えた短槍を素早く振るい、先端をダレンのベルトへ接触させる。「ジャック・ライズ!」の音声とともに、七つの大罪モチーフの形態の力を奪い取った。第二位の背の翼が、光の粒子となって消滅していく。

 

「くっ……」

 

 不利を悟ったダレンは距離を取ろうと後ずさるが、ルーカスの攻撃範囲からは逃れられない。六枚の翼を生やしたルーカスは飛翔し、短槍のトリガーを引いた。

 

 

『ジャッキング・ブレイク!』『デッドリー・オメガドライブ!』

 

 右足にエネルギーを集中させ、真下の敵へ踏み潰すような必殺キックを放つ。

 

「俺の生きざま、見せてやろう!」

「ぐ……ぐあああああっ!」

 

 両腕をクロスさせて防御するダレンだが、高威力のキックに太刀打ちできなかった。膝を突き、呼吸を荒くしている第二位の眼前へと、ルーカスは翼を一旦消滅させて優雅に降り立つ。

 

 

「『サウザー』も万能ではない。原典の力をジャックするには、敵の変身アイテムに自分の武器で触れる必要がある。ゆえに、アイテムを必要としないタイプの原典や、原典ではない性癖のパワーまでは奪えない」

 

 だが、とルーカスは笑った。

 

「お前はベルトを使う系統の原典に頼りきり、性癖のパワーもごく限られたシチュエーションでしか発動しないときている。お前では俺に勝てない。俺に取ってお前は、格好の得物なんだよ!」

 

 再度槍を突き立て、「ジャック・ライズ」を発動。今度はマジェスティ本体の力を吸い取り、ダレンを強制的に変身解除へ追い込んだ。

 青ざめ、慌てて他の原典へ切り替えようとする第二位。けれども、ルーカスが技を繰り出す方が早かった。

 

 

『ジャッキング・ブレイク!』『エル・サルバトーレ・ルーカスバースト!』

 

 歴代全ての二号戦士の力を脚部へ結集させ、第二位の必殺技をコピーして放つ。

 

「死ね、ダレン。俺は今ここで、お前の道を終わらせる!」

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・Vシネマ「ゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクター」

※次回の更新は一週間後です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定