百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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6 零騎士の決意!

「私も同行しよう。この形態には飛行能力も備わっているから、ブラッコを追うのに適している」

 

 聖騎士モチーフの姿になっているダレンが言った。

 

「気をつけてね。私はここに残って、洗脳された仲間たちの動きを封じておくわ」

 

 拘束した者らが勝手なことをしないか、お菊は見張るつもりのようだ。彼女に見送られ、零騎士ブルブラックとダレンが深い穴の中へ身を投じる。

 

「よし、行くぞ」

「おう!」

 

 ダレンは羽を展開して降下したが、零騎士は重力に身を任せた。つまるところ、自由落下である。自信満々に出発した割には危なっかしいな、とダレンはひやひやしながら見守っていた。もしもミスってマグマの中とかに落ちそうになったら、助けてやらなければ。

 

 

 けれども、自由落下の方が移動速度が上がるのは事実だ。ものの数秒でブラッコに追いついたブルブラックは「待て、悪党!」と叫び、力いっぱい長剣を振るった。

 

「何だ、お前は。邪魔をするな!」

 

 浮遊しながら穴の中を下降していた超次元ライダーは、見知らぬ敵に奇襲されて怯んだ様子だった。だがすぐに冷静さを取り戻すと、手のひらからバリアを展開。零騎士の攻撃を防いだ。

 

「俺は無貌支持派の第零位、零騎士ブルブラック。ギンガの光が、我を呼ぶ!」

「……同じ名乗りを繰り返すな。くどいぞ、後輩」

 

 そこにダレンも合流し、ブルブラックに続いて剣を振るう。衝撃でバリアが砕かれた。

 

 

「くっ」

 

 二人の同時攻撃を凌ぎきれず、ブラッコは横方向に吹き飛ばされた。奇しくもそこは、かつて零騎士が転落した地下空洞であった。まるで奇跡のように、地底深くに鍾乳洞に似た空間がぽっかりと口を開けている。

 零騎士たちが妨害したことによって、ブラッコの穿孔能力は一時的に停止したらしい。その証拠に、穴は今以上に深くなる気配を見せない。

 

「あとは貴様さえ倒せば、超次元界崩壊の危機は完全に去る。全力で行かせてもらうぞ!」

 

 時計型のアイテムをベルトへ装填し、ダレンは「マジェスティ」と呼ばれる最強フォームに変身した。いきなり必殺技を発動し、ブラッコにパンチを叩き込む。

 

『エル・サルバトーレ・ダレンバースト!』

 

 

「……フッフッフ」

 

 しかし、超次元ライダーは彼の拳を片手で受け止めてみせた。何のダメージも受けていない。それどころか、必殺技の威力を吸収して自分のパワーに変換している。

 

「お前のその形態は、歴代二号戦士の力をほぼすべて使える。だが生憎、俺の原典には、その中の一人を洗脳した後で体内に取り込んだシーンが存在するのだ。一対一で戦えば、俺の原典の方が強い」

「……何が言いたい?」

「要するに、お前は俺と相性最悪ってことだ!」

 

 ダレンの拳を払い除けると、ブラッコは二体の青いコブラを召喚した。彼の持つエネルギーを動物の形に実体化させたもので、そのサイズは成人男性を軽く上回る。

 

 

「やれ」

 

 超次元ライダーの合図で、二体の大蛇がダレンへ何度も体当たりし、ダメージを与えていく。

 ダレンも二号戦士の力で防御しようとするも、「マジェスティ」が司る力のうち一つが相性が悪いためか、どうも調子が出なかった。思うように武器を召喚できず、ほとんど攻撃されるがままになっている。

 

「加勢する!」

 

 零騎士がコブラに斬りかかり、どうにかダレンから引き離した。

 そんなこんなでわちゃわちゃしている二人と二匹を見やり、ブラッコは仮面の下でにやりと笑う。ベルトのレバーを再度回転させ、必殺技を放った。

 

『ブラブラコンコン・ズッタンズタン! ブラブラコンコン・ズッタンズタン!』『Ready Go!』『グレート・ブラコニックフィニッシュ!』

 

 

 賑やかな音声が流れた直後、コブラ二体が消滅。彼らをも吸収し、全エネルギーを右足に集中させてブラッコは跳躍した。蛇の顎を模した黒と赤の破壊エネルギーを纏い、二人へキックを炸裂させる。

 大爆発が起き、零騎士とダレンは地下空洞の端まで吹っ飛ばされて倒れた。ダレンは変身解除されただけで済んだのに対し、ブルブラックは解除されていないものの満身創痍。全身の鎧がひび割れてしまっている。

 

(そういえば、零騎士が変身を解いたところはまだ見たことがないな。……いや、今はそんな些細なことを気にしている場合ではない)

 

 常に黒い鎧を着込んでいる後輩を庇うように、ダレンは立ち上がろうとした。けれども痛みで足がふらつき、座り込んでしまう。

 

 

「どうした。もう終わりか?」

 

 ブラッコが二人を嘲笑する。

 

「やはり、超次元界のレジスタンスなど取るに足りん。結局お前らは、人間界の者に助けてもらえなければ何もできないのだ。秩序を維持できるだけの強者がいないのであれば、無貌一派に超次元界が蹂躙されたのも当然だな」

 

 その言葉に、零騎士はしばし黙り込んだ。やがて、重々しく口を開く。

 

「……助けてもらえなければ何もできない、強者がいない、か。確かに、俺は無貌に単身挑んで負けた。彼の力を借りなければ、復活することも叶わなかった惨めな男かもしれない。だが、だからこそ、俺はお前を倒さなければならない。俺自身の力で!」

 

 

 うおおおおっ、と雄叫びを上げ、零騎士はブラッコへ猛然と向かって行った。走りながら長剣を大上段に振り上げる。

 

「無茶な真似はよせ!」

 

 ダレンの制止も振り切り、ブルブラックは渾身の斬撃を繰り出した。大ジャンプし、空中で一回転して稲妻を帯びた剣を振るう。

 

「『零の一撃』!」

「……さっきから、訳の分からんことをごちゃごちゃと。潔く死ぬがいい!」

 

 ブラッコは右手でバリアを展開して必殺技を受け止め、同時に左手から衝撃波を連発した。零騎士を地下空洞の壁に縫い止め、力にものを言わせて叩き潰す。ガガガガガ、と壮絶な音が響いた後に残ったのは、粉々に砕かれた黒い鎧だけのように見えた。

 

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