百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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第22話 その幻想をぶち壊す!

「……ねえ、あれは一体どういう武器なのよ」

 

 あたしたちBL警察にも教えなさい、とツカサがカイリに囁く。

 

「イマジン・ブレイクハンドって言ってな。『幻想破り』と書いてそう読ませるらしい。高次元生命体の体から放たれる次元エネルギーを無効化することで、敵の能力を一時的に封じられる。おそらく、ムラムラの吸収能力も無効化できるはずだ」

 

 実は、BL警察にBLファイヤー・ナオヤが加わったのを見て、怪盗側も焦りを感じていた。共に戦う仲間に負けてはいられないと、新しい武器の開発を秘密裏に勧めていたのだ。武器はまだ試作段階で、一度使えば自壊する。それでも、大切な仲間を守るために、百合ブルーは貴重な新装備を持って戦場へ馳せ参じたのである。

 カイリの説明が終わる頃にはもう、トウマはムラムラの懐へ潜り込んでいた。妖怪の繰り出すパンチをかわし、「イマジン・ブレイクハンド」を敵の顔面へ叩き込む。

 

「お前がチートな吸収能力を使い続けるっていうなら、まずはその幻想をぶち壊す!」

 

 マジックハンドの一撃を受けて、ムラムラが吹き飛んだ。同時に吸収能力が解除され、中に取り込まれていた百合イエローとBL2号が放り出される。

 

 

「あり得ない。俺の作った最強の分身体が、人間ごときに攻略されているだと⁉」

 

 大魔王はわなわなと両手を震わせている。それを一瞥してから、トウマはムラムラに追撃を仕掛けた。

 マジックハンドはあちこちからスパークや煙を吹き出し、自壊寸前。敵の能力を無効化する機能はもう残っていなかったが、シンプルに敵を殴り倒すのには十分だ。

 

「歯を食いしばれよ、最強。俺の最弱は、ちっとばかり響くぞ!」

 

 ゴン、と鈍い音がして、ムラムラの頭部にマジックハンドが命中する。妖怪の体がぐらりと揺れ、地面に膝を突いた。

 

「助けてくれてありがとう。でもトウマ、いつもとちょっとキャラ違わない⁉」

「ウミカ、細かいことは気にするな。奴の能力を封じているうちに、一気に決めるぞ!」

 

 イマジン・ブレイクハンドを放り捨て、百合ブルーが指揮を執った。彼に合わせ、七人の戦士が必殺技を発動する。

 

 

「スペリオル・受け攻めショット!」

「エクセレント・ネコタチエックス!」

「『BLディフェンダー・ファイナルモード』!」

「BL・一撃ストライク!」

「百合・イタダキストライク!」

 

 仕上げに、それぞれが放つ技の破壊エネルギーを一つに融合させ、強烈な合体技を繰り出した。

 

「「百合&BL・ラッシュストリーム!!」」

 

 宝石のような輝きを放つ光弾が、ムラムラの肉体を爆発四散させた。

 

「……チェック・メイト」

 

 爆炎を背景に、BLファイヤーがボソッと呟く。ツンデレキラーを撃破した際にも「ゲーム・セット」と言っていたが、戦闘後に決め台詞を吐くのが彼本来のスタイルなのかもしれない。

 かくして、百合&BLレンジャーは勝利を収めた。次元大魔王の誘いに乗らず、ムラムラの吸収能力にも屈さず、最後まで諦めずに戦ったからこそ勝てたのだろう。

 

 

 けれども、喜ぶのはまだ早い。

 

「お前たち、よくも俺の分身を倒してくれたな。次はこの俺、次元大魔王が相手になってやろう!」

 

 怒り狂った大魔王が両手を広げ、全エネルギーを解放して巨大化した。身長五十メートルほどの巨人に変化し、七人の戦士を遥かな高みから見下ろす。

 

「ムラムラの能力を封じたことは褒めてやる。だが、その妙な武器ももう壊れてしまったようだな。つまり、今のお前たちには、俺自身の力を封じる手段が残っていないということだ。お前たちに勝ち目はない!」

「……すまない、皆」

 

 大魔王の台詞を受け、百合ブルーは沈んだ声音で言った。仮面の下で見えないが、トウマは顔を歪めていた。

 

「本来、あの武器は大魔王を倒すために作ったものだった。それを俺一人の判断でムラムラ相手に使ったのは、失敗だったかもしれない」

「落ち込むことないわよ。あんたが助けに来なかったら、あたしたちは全員吸収されていてもおかしくなかった。そもそも、今生きていれたかどうかも怪しいわ」

 

 さっきカイリに励まされたように、今度はツカサがトウマを勇気づける。

 

「さあ、いよいよ最後の戦いよ!」

 

 

 三機の戦闘機と三機のマシンが出撃し、合体してそれぞれ百合カイザーとBLカイザーとなる。さらに、BLファイヤー専用のティラノサウルス型ロボ・「BLレックス」も発進した。変形して「BLレックスロボ」となり、計三体のロボットが都心に降臨する。

 百合カイザーはカイリたち三人の怪盗が、BLカイザーはツカサたち三人の警察がコクピットに乗り込んだ。なお、BLレックスロボのみ、ナオヤがBLコマンダーの音声入力で遠隔操縦している。

 

「もはやお前たちと交渉する余地はない。邪魔な戦隊を蹴散らし、俺の侵略計画を進めさせてもらうぞ! 小賢しいガキどもめ!」

「ガキってのは、あたしたちのことかしら。今までのあたしたちと思ったら、大間違いよ!」

「俺たちは、百合文化とBL文化の後継者なんだぜ!」

 

 ツカサとカイリが雄叫びを上げ、操縦レバーを強く引く。動き出した巨大ロボが、影となりて悪を討つために大魔王へ突進する。

 はたして、勝つのは魔王か。それともヒーローか。最終決戦の火蓋が、今切って落とされた!

 輝く未来を守り抜くため、戦え、百合&BLレンジャー!

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・ハリケンジャー
・とある魔術の禁書目録
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