百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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52 虚無の光との再会!

「前回の戦闘で、虚無英雄会の大体の戦力は掴めた。まず、役員ワラカスフンド。奴は『薔薇』、つまりBL性癖を植え付けた機械怪人を量産する能力を持っている。といってもその戦闘能力は大したことはなく、ヒョウガや裕介たちの攻撃で瞬殺できていた。本人の戦闘能力は高いが、俺たち全員でかかれば苦戦することはないだろう。したがって、そこまで脅威ではない」

 

「もちろん怪人を大量に連れてこられたら厄介ですけど、英雄会が『リボンダークモノス』量産に着手したことから察するに、あの怪人たちはリボンダークモノスほど強くないんじゃないかと思われます」とサクヤが補足した。

 

 

「ワラカスフンドの怪人軍団だけじゃ心もとないから、リボンズを元に何やら作ってるんですよ、きっと」

「次にシール。彼については、前回ダレンが引き分けに持ち込んでくれた。それ以前にも、オメガ珈琲シルバーと超次元ライダー来部の二人に一度追い詰められ、ノン・プリシャスの援護で事なきを得たことがある。以上から推察するに、シールもまたそこまでの脅威ではないだろう」

 

 数人がかりで挑めば倒せるはずだ、とケイイチロウは言う。

 

 

「封印能力も、種が割れていれば対処法はある。何より、奴は自分自身では戦闘能力をほぼ持たず、ノン・プリシャス経由で得たドライバーばかり使用している。要は攻撃力がさほど高くないんだ。キック技を当てないようにさえ気をつければ、勝機はある」

「すごく的確な分析だな。まるで総集編か何かを見てる気分だぜ!」

「問題は虚無英雄会会長、グリイザだ」

 

 茶々を入れたカイリだったけれども、的確にスルーされてしまった。

 

 

『私が今使用している原典は、原作では「無」そのものを無理やり実体化させたものでね。この形態でダメージを受けたシーンは一切ない。私はそれを、自分自身の持つ莫大な虚無によって使いこなすことに成功した』

『君たちがいくら攻撃したところで、私に攻撃をまともに当てることも、ダメージを与えることもできないよ。一方的に蹂躙されるだけだ』

 

 

「途方もない量の虚無を抱えるグリイザには、俺たちの攻撃が一発も当たらなかった。しかも攻撃力も高く、奴の撃ったビームを一、二回受けただけで俺たちのロボットは戦闘不能になるほど損壊した。あのとんでもない回避性能を何とかしない限り、勝つのは難しいだろうな」

「厄介なのは」

 

 今度は真面目に口を挟んだカイリ。はたして、スルーされなかった。

 

「ワラカスフンドやシールは単体ではそんなに強くないかもしれないけど、『グリイザの補佐』みたいなポジションに収まった場合は結構手強いってことだよな。グリイザをアタッカーに据えて、相手が反撃しようとしたら封印能力や量産した怪人たちで妨害する。たったそれだけのシンプルな戦術で、俺たちは追い詰められちまう」

「何か、良い方法はないかしらね」

 

 

 ツカサをはじめ、一同はううむと考え込んだ。

 

「……あの、先輩方」

 

 ややあって、ヒョウガが挙手する。

 

「グリイザの虚無の量を減らせばいいんじゃないですか? そうすれば、会長さんもあの原典を扱えなくなるでしょうし」

「悪くないアイデアね。で、どうやって虚無を減らすの?」

「それは……」

 

 口ごもってしまった零騎士に変わり、口うるさい三人組が「はい! はい! はい!」と手を挙げる。

 

 

「美味しいご飯を食べさせて、心を豊かにすれば良いのですわ~!」

「ごめん却下」

「秒でNG出ましたわ⁉」

「あんたたち、考えてもみなさいよ。英雄会の会長は、あたしたちよりずっと年上なのよ。あたしたちよりも遥かにバリエーション豊富な食事をしてきて、それでも人類に絶望して虚無まみれになってるおじさんを、ちょっと美味しそうなご飯を奢ったくらいで救えると思ってるわけ?」

「ぐうの根も出ないほどの正論ですわね……」

 

 がっかりしてめそめそしてしまったゴークイーンズは、太陽みたいに笑ってはいなかった。

 

 

「第一、あいつが人類に絶望した具体的な理由がまだ分からねえんだよな」と裕介がぼやく。

「前回の戦いで、虚無を抱くようになったわけが語られたのはリョウマ、ノン・プリシャス、シールだけ。会長とワラカスフンドについては不明だ」

「――分からないなら、聞いてみれば良いんじゃないか?」

 

 それまで腕を組んで沈黙を貫いていたナオヤが、助け船を出した。

 

「リョウマとノン・プリシャスの二名は、現在BL警察刑務所内で拘束中だ。彼らを尋問すれば、あるいは会長の過去について何か分かるかもしれない」

 

 ノン・プリシャスによって処刑されたはずのリョウマだったが、彼女が倒されて原典の効果が解けた影響で心臓を取り戻し、奇跡の復活を果たしたという。現在はアメリカから日本へ送還され、刑務所内で安静にしている。しぶとい奴だ。

 

 

「いいわね」

 

 無貌と戦ったとき、自分たちは彼女の過去を知らないまま倒した。ルーカスのときは、最後まで分かり合えないまま倒した。だから今度こそは、敵である英雄会と分かり合いたい。心の虚無を埋めて救いたいと、ツカサは思った。

 

 

「よし。そうと決まれば、戦いの場所は心の中だぜ。コスモース!」

「何で唐突に叫ぶのよあんたは⁉」 

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・忍たま乱太郎
・ウルトラマンコスモス
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