百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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57 輝くほどアカデミック!

「『NTR界氷結』!」

「『オメガ十字衝』!」

 

 ネトルティ来部がクリムゾンシールを凍てつかせ、その隙に斬撃を見舞う。抜群のコンビネーションで、二人は猛攻を仕掛けていた。

 

『シールアップ!』『クリムゾンインパクト!』

 

 けれどもシールは、斬撃が命中する直前に必殺技を発動した。ナックルが放つ高密度エネルギーで氷の牢獄から脱し、十字衝に必殺のパンチを合わせて相殺する。

 

「君たちコンビと戦うのは二度目だな。いい加減、終わらせようではないか」

 

 悪魔のようなアーマーを纏った男は不意に、ナックルを握る手をだらりと下げた。そして勝ち誇り、宣言する。

 

 

「……たった今、君たちの変身能力を封印した」

「嘘でしょ⁉」

「そんなのありかよ!」

 

 途端に変身が解け、動揺する裕介たち。携帯電話やベルト型のアイテムを操作しても、再変身することは叶わなかった。

 

「無駄だ。君たちが使っていた変身アイテムは、私の力でロックがかかり使用不可になっている。これで君たちは二度と変身できない!」

 

 無防備な生身の肉体を晒した二人へ近づき、クリムゾンシ―ルが片手を差し出す。

 

「さあ、大人しく原典の力を虚無英雄会へ差し出せ。そうすれば悪いようにはしない」

「……なあ」

 

 

 それには答えず、裕介は逆に質問した。

 

「変身自体をできなくするチート能力を持っているのに、お前、なぜ今までの戦いでは使わなかったんだ?」

「……原典を差し出せと言っている。早くしろ」

「答えたくねえみたいだな」

 

 オメガ珈琲シルバーが不敵に笑う。

 

「俺の推測はこうだ。てめえの封印能力は段階的にしか封印できず、一度使うとしばらくインターバルを空けないと使えない。けど、封印対象の能力にも強いのと弱いのがあるはずだし、その強弱にかかわらずインターバルが一定っていうのも何というか不公平な感じがするよな」

 

 

 つまり、と一呼吸おいて続けた。

 

「変身能力そのものを封じる大技をぶっ放した後、てめえはかなり長いインターバルを空けないといけないんだろ? だから隙が生じるのを恐れて、今の今まで使うのを渋っていたんだ。違うか?」

「察しが良いな」

 

 はたしてシールは、彼の指摘が正しいことをあっさりと認めた。

 

「だが、それがどうしたというのだ。からくりが分かったところで、変身できない君たちに勝ち目などない!」

 

 生身の早川裕介を完全に舐めてかかっているのか、悪魔はナックルを持っていない手で軽いジャブを繰り出した。殺すためではなく、相手を痛めつけるためのパンチだった。

 

 

「――誰が変身できないって?」

 

 その腕にリボンが巻き付き、絡めとる。はっと空を見上げたシールの目に、全身を赤いリボンで覆った男が映った。手首から伸ばしたリボンで体を振り子のように揺らし、こちらへ近づいてくる。

 

「り、リボンダーマン⁉ 来日していたのか?」

「当然さ。ノン・プリシャスに手痛い敗北を喫したからには、英雄会へきちんと借りを返しておきたかったからね」

 

 華麗に着地し、ピーター・バーガーは美明日の元へアタッシュケースを滑らせて寄越した。いそいそと開けてみると、中にはまだ見ぬドライバーが鎮座していた。なぜか正面に「50」と数字が書いてある。スタンプを押せそうなスペースもあったので、たぶん美明日用だろう。

 

 

「あの、これは一体?」

「コピー能力持ちが相手なら、新しい変身アイテムで意表を突くのもありだと思ってね。アイロンマンに頼んで作ってもらったんだ。元々は対ノン・プリシャス用に開発したんだけど、シールにも有効なはずだよ。彼が封印したのは、『現在使用中のドライバー』だけだからね」

 

 別のドライバーで変身すれば問題ない、ということか。なかなか強引な解決方法である。

 

「美明日ちゃん、ピーター、これを!」

 

 さらに、お菊も二人に新開発のスタンプを投げ渡した。それぞれ、大型の蝙蝠とギラファノコギリクワガタの模様が付いている。

 

 

「シールが足フェチの力でクリムゾンにパワーアップするのなら、こっちも強化変身よ。この日のために用意したとっておき、使ってみて!」

 

 あれよあれよと言う間に態勢を立て直していく戦隊たちを前に、シールは慌てふためいていた。

 

「お、おのれ~。最近のヒーローの原典は外伝作品やVシネマがたくさんあるから、ドライバーごとに封印してもきりがないというわけか⁉ いや、この作品のドライバー数が異常に多いだけか?」

 

 携帯電話型デバイスで変身する裕介の分まではさすがに用意できなかったが、これで美明日は再変身可能になった。ピーターもオーバーリボンズを超えた新形態に変身すべく、二人同時にスタンプを押印する。

 

 

「来部美明日、準備は良いかい?」

「ええ、ピーターさん。……ネトル、足引っ張らないでよね!」

「ハッ、どの口が言ってるのよ」

 

 美明日の周囲を、大きなスタンプ型エネルギーを抱えたネトルの幻影が飛び回る。どういう原理なのかは不明だが、バックにはL○NEのトーク画面のようなものが映し出された。

 

「「「――変身!!!」」」

『輝くほどアカデミック! 激しくなるカーコルド!』『Crossing Crossing!』『超次元ライダー来部~! &ネトルマーベラス!』

 

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