百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

232 / 394
59 玉砕!?SMジューシーミキサー

 美明日たちがシールに勝利していた頃、他の面々はグリイザ相手に大苦戦していた。

 やはり、ゆらゆらと不規則に揺れるボディーには一切の攻撃が当たらない。逆に、向こうが放ってくるビームは全然当たる。ワンサイドゲームな展開に、ツカサたちは疲弊していた。

 

「このままでは埒が明かない。態勢を立て直すぞ」

 

 言うが早いか、ダレンはマジェスティから別形態へと変わった。頭部と胸部に何枚ものカードが刺さったデザインの、青と黒の戦士。まだ彼が百合・BLレンジャーと敵対していた頃にも、一度使った姿である。

 

 

「私が時間を稼ぐ。その間に作戦を立てて、突破口を開いてくれ」

『ジゲン・ライド! スワッピング・セイレーン!』『武神ソード!』『リボンダークモノス!』

 

 銃型アイテムにカードを装填し、トリガーを引くことで過去に登場した戦士を召喚する能力は健在だ。本来は虚無英雄会側のはずの三人の剣士が、グリイザに斬りかかる。

 そう長くは持たないだろう。戦隊は顔を突き合わせ、作戦会議を始めた。

 

「挑戦状に従って出撃してはみたが、正直、かなりまずい状況だ。尋問の結果分かったことも特になく、グリイザの過去は謎のまま。奴の虚無の総量をどうにかする方法は、まだ見つかっていない」

 

 仮面の下で、ケイイチロウが渋面をつくる。

 

 

「攻撃自体が当たらないんじゃ、ルーカスのときみたいに性癖のパワーでゴリ押すのは無理そうね」とツカサ。

 

 あのときは百合・BL性癖の真の力が目覚め、同性でペアを組んで攻撃することで奇跡的に勝てたのだった。男女混合チームで戦隊として戦うことが多かったため、今まで覚醒していなかったパワーがついに出たのだ。

 そこに美明日たちも合流。彼女はさっそく、頭の良さそうな意見を口にした。……いや、実際に頭良いんだけどね! 大教授美明日と呼ばれた女なので!

 

 

「私たちの攻撃が当たらなくて、向こうの攻撃だけ当たるなんて非科学的だわ。もしかして彼、攻撃を放つ瞬間だけ実体化しているんじゃないかしら?」

「そういうことなら、私たちが試してみますわ~!」

 

 時間がないと焦っているからか、ゴークイーンズの三人が元気よく挙手した。

 

「こういう『誰かが犠牲にならないと先に進めない』系のイベントには、後輩としてぜひ参加させていただきますわ~!」

「これで先輩方からの好感度爆上がりですわ~!」

 

 心の声ダダ漏れで名乗りを上げ、美明日が止めるのも聞かずに特攻する。

 ちょうど武神ソードら召喚戦士を撃破したところだったグリイザは、無謀にも突っ込んできた彼女たちを「愚かな」と嘲笑った。頭部からビームを発射する。

 

 

「今ですわ~! 皆、『SMジューシーミキサー』の準備はよろしくて?」

「もちろんですわ~!」

 

 素早く散開してかわすと、三人はミキサーに似た形状の光線銃を召喚した。デリシャスパーティ・ゴークイーンズに強化変身できるようになったことで、彼女らは新たな武器を獲得していたのである。

 

「『トリプルミックス』! 『SMチャージ』!」

 

 ミキサーのダイヤルを回し、レバーを押し込み、トリガーボタンを押すことで合体技を炸裂させる。ピンク、水色、黄色の三色の光が混ざり合いながら放たれ、グリイザの体を貫いた。

 

 

「「「『SM・ミックスハートアタック』!」」」

 

 そう、文字通り貫いた。すり抜けた、とも言う。

 

「まるで、透明になったみたいですわ~! 全部の攻撃が、グリイザをすり抜けていきますわ~!」

「……少し静かにしたまえ」

 

 残念すぎる結果に騒いでいるレッドクイーン・プレシャスらを、英雄会会長は容赦なく殴り飛ばした。こめかみにクリーンヒットしたらしく、三人は秒で気絶してしまう。

 かくして、美明日の仮説は間違っていたことが尊い犠牲の上に証明された。グリイザは常に透明で、接触不可能な存在なのだ。

 

 

「あの人たち、以前より強くなったのは確かだけど、ここ一番の大勝負でボコボコにされるのは相変わらずね……」

 

 ツカサがため息を吐き、皆も苦笑した。すると、カイリがおもむろに口を開く。

 

「中学のときの話だ。つまらない冗談ばかり言って、ウケないと機嫌を悪くする奴がいた。俺はそいつのことがどうしても好きになれなかった」

「どうしたのよ急に」

「人間ってのはさ、笑いのレベルが合わない奴とは性格も合わないことが多いんだ」

「あー、分かる気がする……。あたしも、昔愛読してたマンガで、巻末のおまけ四コママンガのギャグのノリが合わなかったことがあるわ。で、だんだんストーリーも合わなくなっちゃったのよね」

「何だかんだで、こんなときでもツカサと一緒に笑える仲でいられて、俺は嬉しいぜ」

「うん。あたしも嬉しい」

「……ゴホン」

 

 

 ナオヤがわざとらしく咳払いした。

 

「いちゃついてる場合じゃないぞ、二人とも。打開策を考えなければ」

 

 なおもダレンは雑兵の召喚を続けているが、撃破されるペースが速すぎて徐々に追いつかなくなってきている。ゴークイーンズの特攻も失敗した今、何もしなければ全滅するだけだ。

 

「だよな。過去に出てきた敵を召喚して操るだけだと限界が……」

 

 そこまで言ってから、カイリは「ん?」と首を傾げた。

 

「待てよ。『過去に出てきた敵』? なあダレン、もしかしてお前って無貌とかルーカスとか無貌支持派とか全部出せるのか??」

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・仮面ライダー響鬼
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定