百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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68 発動!クロードの性癖

『Black・General! 武神ソード!』

 

 刀が一閃され、アーマーに付着した氷が消し飛ぶ。

 虚無英雄会から回収した中古原典「武神ソード」にチェンジし、クロードは美明日の拘束から脱した。ルーカスを参考にして金色の戦士の原典を使った割に、すぐに緑と黒の鎧の姿に変わってしまったのがちょっとアレな気はするが。

 

「ジャパニーズ・サムライの力、見せてやるぜ!」

「何がサムライよ。武神ソード使いの青年は、以前零騎士が倒したと聞いているわ。今さらあなたが使ったところで、私たち全員を相手取るのは難しいと思うけれど」

「ノー、ノー。違うんだな、これが」

 

 クロードはチッチッと指を振った。

 

 

「『武神ソード』は本来、作中最強クラスの戦士ともある程度渡り合えるほどの強さを持つ。あの青年の虚無の量では使いこなせなかっただけのことだ。バット、俺なら完璧に力を引き出せる!」

 

 繰り出すのは、ただ純粋に速く、強烈な斬撃。近接戦闘に特化した形態で、クロードがネトルティ来部と互角に斬り結ぶ。否、彼が徐々に優勢に立っている。

 

『武神ソード・ストライク!』

 

 円を描くように剣を振り回したのち、赤い月のエフェクトをバックに斬りつける。美明日はマントと翼で防御したが、衝撃を殺し切れずに吹き飛ばされた。

 

 

「……さて、そろそろ切り札を発動するぜ。アーユーオーケイ?」

 

 百合・BLレンジャーとルーカスの決戦を目撃していたクロードは、ツカサやカイリたちの「百合」「BL」性癖の真の力を知っている。同性とタッグを組んで戦うことで、戦闘力を大幅にアップさせるそれを使われたら、まともに戦っては勝ち目がない。

 ゆえに彼は、力押しで勝とうとは思っていなかった。イレギュラーな力には、同じくイレギュラーな力で対抗するまでである。

 

「俺の性癖は『年下好き』。そして、その能力は――」

 

 勝利を確信した笑みを浮かべ、クロードは告げた。

 

「相手が自分より年下である場合、年齢差に応じて相手にデバフをかける」

 

 

 刹那、彼の肉体から目には見えない波動のようなものが放たれた。それを浴びた一同の装備が、みるみるうちに変化する。

 

「超次元生命体である俺は、人間よりも遥かに長く生きている。俺からすりゃガキ同然のお前らに、とびっきりの弱体化をプレゼントしてやるぜ!」

「……う、嘘でしょ。あたしたちの強化フォームが⁉」

 

 百合ブラック、BLホワイトへ強化変身していたカイリとツカサは、百合エックスとBLエックスの基本フォームに戻った。推し推しカノンや珈琲サイブレードなど、召喚した武器もいつの間にか消滅している。

 

 

「クソッ、そんなのありかよ。ある意味、シールの封印能力よりチートじゃねえか!」

 

 VS・スワットモードへ変身できないかカイリが試したが、これも無理。警察手帳型アイテムを操作しても、装備が転送されてこなかった。

 なお、ダレンとお菊にはあまり効いていないようだ。二人とも姿が変わらない。おそらく、二人ともクロードと同じ超次元生命体だからだろう。

 

「オー、マイ! お前たちには効き目が薄いようだな!」

 

 肩をすくめた武神ソードに、ダレンマジェスティが胸を張る。

 

 

「当然だ。伊達に六百年生きていない」

「ダレンの言う通りよ。私だって、ざっと五百年は……って、乙女に何言わせるのよ!!」

「貴様が勝手に喋り出しただけだろう。それに、乙女という歳でもない」

「ナチュラルに逆鱗に触れるなっ!!」

 

 涙目のお菊が、ダレンをぽかぽか叩いた。

 途中から「オクトパス」のリボンミックスも発動し、機械アームを使って思いっ切りぶん殴ろうとしてくる。が、リボンミックスは発動直後に解除され、光の粒子となって消えてしまった。

 どうやら、リボンズ自体の戦闘能力が下がったわけではないけれど、追加装備を使える時間が極端に短く設定されてしまったらしい。事実上、リボンミックスを封印されたに等しい。

 

 

「私もあまり効いてないみたいね。超次元生命体のネトルと一体化しているからかしら」

 

 ネトルティ来部の姿のままの美明日が、小首をかしげた。

 現状、無事なのはお菊、ダレン、美明日の三名のみ。「年下好き」のパワーで、クロードは百合・BLレンジャーの戦力を大きく削ぐことに成功した。

 

「いいなあ。僕なんか、オーバーリボンズにもゲットオーバーリボンズにもなれなくなったよ」

 

 仕方がないので、ピーターは全身にリボンを巻きつけたリボンダーマンの姿に戻っている。ゲットオーバーリボンズの活躍した期間が短いのは、原作通りと言うことなのだろうか。

 

 

「ハハハ! ザッツ・ファニー。基本フォームにしかなれない戦隊どもを倒すなんて、ベイビーの手をツイストするようなものだぜ!」

「いや普通に『赤子の手をひねる』って言いなさいよ。どんだけ英語で喋りたいのよ」

 

 弱体化した一同を見て大喜びしているクロードに、ツカサは冷静にツッコんだ。

 

「基本フォームにしかなれねえだと? 最終回で、基本装備だけでラスボスを圧倒するのはヒーローあるあるだ。つまり、お前は自分で死亡フラグを立てちまったのさ、クロード!」

「馬鹿なことを言うな。その戦力で、一体何ができるって……ん?」

 

 カイリの台詞を笑い飛ばそうとした武神ソードだったが、彼の視線はある一点に吸い寄せられた。

 

「ヘイ、零騎士。お前、なぜ弱体化していない?」

 

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