百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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71 来部ボクサー、赤い衝撃!

「……ヘイ、ベイビー! 俺はまだ、こんなところで終わるわけにはいかないぜ!」

 

 爆発の中から歩み出てきたクロードは、満身創痍ながらも戦闘不能に陥ってはいなかった。いつの間にか、彼の右手にはメーターとボタンが付いた小型デバイスが握られている。

 

「百合・BLレンジャーがグリイザの奴と総力戦を行い、警備が手薄になったときを狙って、俺はBL警察本部へ忍び込んでいた。で、そこに保管されていたハザード性癖トリガーを失敬してきていたってわけだ! アンダースタンド?」

「お前、やることがいちいちせこいな……」

 

 ヒョウガは半ば呆れていた。

 

 

「バイザウェイ! お前の必殺技を受ける寸前で、俺はトリガーを起動。『年上好き』性癖のデバフを瞬間的に強化することでお前のバフを相殺し、技の威力を抑えたのさ。おかげでまだ生きてるぜ!」

 

「首の皮一枚繋がっただけで、虚勢を張るな」とダレン。

 

「ハザード性癖トリガーは元々、超次元ライダー系の原典と使った方が相性が良い。だが、貴様の原典は違う。トリガーで力を増幅したところで、そう長くは持つまい」

「ああ、そうさ。持続時間が短くなるのは俺も知ってる。だから、ここぞというときのために温存していたんだ」

 

 そう言うと、クロードは電池型アイテムにトリガーを近づけた。増幅した力で、電池にエネルギーを充填させていく。

 

 

「ゼアフォー、デバフがまだ効いているうちに、もう一つ面白いショーを見せてやる。……ブレイブ、イン! 来い、『プテラクロードン』!」

 

 空へ向かって投げた電池型アイテムが、ぐんぐん巨大化していく。そこへ、雲を切り裂いてプテラノドン型の巨大メカモンスターが現れた。黒と金のメタリックな皮膚を持つモンスターは、電池を飲み込むと同時に変形をスタートさせる。

 

「レッツ、『カミナリ変形』!」

 

 

 クロードの声に応じ、どこからか三味線風メロディーも流れ出した。

 プテラクロードンの体が前後に分離し、それぞれが少しずつ形を変えていく。やがて人型の巨大ロボとなった相棒のコクピットへ、金の戦士は高くジャンプして乗り込んだ。操縦桿を握り、高らかに宣言する。

 

「完成。『クロードライデンオー』!」

 

 黒と金のロボの胸には、プテラクロードンの顔部分が付いている。そのくちばしから百合・BLレンジャーへ向かって、いきなり雷撃が発射された。

 

「蹴散らしてやるぜ、エブリバディ!」

 

 

「そうは行くかよ」

 

 稲妻をかわしつつ、裕介は叫んだ。

 

「珈琲ライナー、来部ファイヤー、来い!」

 

 猛牛とサイを模した巨大トレーラーが、遥か彼方から駆けつけた。珈琲ライナーが主に上半身、来部ファイヤーが下半身を担当するように変形合体し、来部ボクサーとなる。

 

『ダン、ダン、ダンダダン! パンチが飛ぶぞ! でっかい未来をその手で守れ!』

 

 裕介と美明日が飛び乗った操縦席では、これまでと異なるBGMが流れていた。音量設定を間違えたのか、外にも少し漏れ聞こえている。

 

『ビュン、ビュン、ビュンビュビュン! 嵐を呼ぶぞ! 炎の拳に誓いを込めろ!』

 

 

「ワット? 何だ、その暑苦しい曲は⁉」

 

 困惑しているクロードに、美明日は「ふふん」と得意げに説明した。

 

「ルーカスが設定した曲をいつまでも聴いているのは、性に合わなかったの。私がちょっと改良しておいたわ」

「ユーアーキディング! BGMが変わった程度で、この俺に勝てると思ったか。ていうか、もっと他に改良すべきところあっただろ⁉」

 

 クロードライデンオーは、両腕のカッターを武器に斬りかかってきた。バックステップでそれを避け、来部ボクサーがテンポよくパンチを叩き込む。

 

 

『奴を切り裂く 俺たちのジャブ 友情貫く ストレート 企み砕く アッパーカット そら来い! カモン! 勝負だ!』

 

 左のジャブで牽制し、怯んだところで本命の右ストレート、さらに右のアッパー。洗練された動きで、クロードを追い詰めていく。

 

「改良したのは音楽だけじゃねえ。ロボの俊敏性とパンチの威力も、以前よりぐっと上がってるぜ!」

「ルーカスのアレンジを取り去り、私たちの手でアップデートした来部ボクサー。その真の力、受けてみなさい!」

 

 二体合体のロボが跳躍した。空中できりもみ回転し、両手をピストン運動させる。

 

 

「「『来部パンチャー』!!」」

 

 一分間に約三千発のパンチを撃ち出す、来部ボクサーの新たな必殺技である。凄まじい速さで放たれた殴打は、さすがのクロードライデンオーにも防ぎきれない。衝撃で大きく後退する。

 

『真っ赤な闘魂 来部ボクサー!』

「ぐっ……」

 

 ちょうど、曲が終わりに差し掛かった頃だった。どうにか耐えたクロードは、コクピット内でハザード性癖トリガーを掲げる。

 

「トリガーに残っている、最後の力よ。俺に強化合体を授けろ!」

 

 

 すると、ヴェロキラプトルとパラサウロロフスに似た姿の、緑色と黒色のメカモンスターが登場。クロードライデンオーの両腕に合体した。左腕に爪、右腕に銃を装備している。

 

「完成。『クロードライデンオー・ウエスタン』!」

 

 合体完了するやいなや、恐竜型ロボは銃撃を放った。来部ボクサーの脚部にダメージを与え、怯ませる。

 

「フン。足が使えないボクサーなど、敵じゃないぜ!」

 

 左腕の爪で悠然と仕留めようとしたクロードだったが、仲間のピンチを見過ごすほど戦隊は馬鹿ではない。次に飛び出したのは、ナオヤだった。

 

 

「――ボイスフォーメーション、『BLレックスロボ』!」

 

 赤い恐竜型ロボが自動操縦によって爆誕し、両肩から低温レーザーを発射する。

 

「『マックスBLブリザード』!」

 

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