百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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3 何はともあれ祝勝会

「昨今はテレビ番組の規制が厳しくなってきて、飲酒や喫煙のシーンをおいそれとは入れられなくなってきている。でもだからこそ、比較的規制の緩い、小説という媒体でしかできないことがあるんじゃないか?」

「いや誰に向けて喋ってるのよ⁉」

 

 居酒屋に集まった百合・BLレンジャーの一同。乾杯の音頭を取る予定だったカイリが妙なことを言い出したので、ツカサは呆れている。

 虚無英雄会との戦いの祝勝会と、超次元界へ戻るダレンとお菊の送別会を兼ねて、今日は皆で楽しく飲むことになっていた。

 

 

「ていうか、小説だからって無理にそういうシーン入れる必要はないわけであってね。Vシネマだって、無理にテレビ版より血生臭い演出を入れなくて良いんだし。……皆、カイリのことはスルーして乾杯よ、乾杯! お疲れ様でした!!」

「「乾杯!」」

 

 全員分のビールやハイボールが届いたのを確認し、彼女はさっさと乾杯を済ませた。そして、隣の席の相方へ向き直る。

 

「何なら、前にも飲みに行ったときあったじゃない。今さら、変な理屈を持ち出して飲み会を正当化するのやめなさいよ⁉」

「ああ、あれは」

 

 カイリは言いかけて、少し照れくさそうに付け足した。

 

「俺とお前のサシ飲みだったっけな」

「……そ、そうね」

 

 

 ツカサがぐいっとジョッキをあおったのは、頬が熱くなったのを酒のせいにするためだったかもしれない。

 まだ彼と付き合う前の、微妙な距離感の頃を思い出してちょっと感慨深くなりかけてしまった。あれから、本当に色々なことがあったものだ。

 

「あのときは焼き鳥を二人で食べてて、ネギまについてあんたが語ってたっけ……って、噂をすれば!!」

 

 ネギまをはじめとする、焼き鳥の盛り合わせが運ばれてきた。

 

「おう、もちろん俺が頼んだ」

 

 ドヤ顔で、我先にとネギまを手に取るカイリ。

 

「いつ食っても美味いよな」

「……そうね」

 

 これからも二人で楽しく飲める仲でいようと思いながら、ツカサも微笑んだ。

 

 

 海鮮も運ばれてくる頃になると、皆良い感じにお酒が回ってきた。

 

「お兄さん、この『煌めいたホップ』という名前のお酒をお代わりですわ~!」

「お姉さん、私にはこの『爽やかなステップ』を!」

「『晴れ晴れとしたジャンプ』をお願いしますわ~!」

 

 虚無英雄会との決戦ではグリイザに瞬殺されたゴークイーンズらであったが、今はあまり落ち込んでいないようである。サングラスを外して整った素顔を晒し、存分に楽しんでいる。

 

 

「失敗は成功の母! いきなり必殺技をぶちかまさないことを学習した今の私たちは、確実に強くなっていますわ~! そう、無限に広がる、あの青い空のように!」

「今の私たちは、かつてのSMプレイ集団とは違う。ふわりとした優しさと、天高く輝く勇気を併せ持ったヒーローガールですわ~! 英語で書くとHero Girl!」

「お酒が回って、気分もアゲアゲ! アゲて広がるワンダホーですわ~!」

 

 ただし、うるさいのは相変わらずだった。

 

 

 他の面々は割と静かに飲んでいたけれども、一部ざわついていた箇所もある。

 

「うち、ちょっと酔ってもうたみたいやあ。ヒョウガくん、もたれかかってもかまん?」

「は、はい!」

 

 ヒョウガに付いてきて同席していたサヤが、ほんのり頬を染めていちゃつき出したのだった。ヒョウガはというと、緊張した面持ちでその柔肌を受け止めている。

 カイリいわく、「百合・BLレンジャーの歴代で一番正統派なヒロイン」なサヤ。グリイザの心を動かし、勝利に貢献したことで、彼女は戦隊関係者として一同から認められている。だから今日この席にも参加できたのだが、その破壊力は想像以上であった。

 

 

 何しろ、ただでさえスタイル抜群な上にノースリーブワンピースを着ている。狐みたいに細い目をさらに細めてにへら~と笑い、左隣のヒョウガへ寄りかかっていた。柔らかいものをむぎゅっと押し当てられ、青年は赤面している。

 

「あの、サヤさん。当たるとまずそうなものが当たってるんですけど……」

「え~、何で当たったらあかんの? うちらもう付き合ってるわけやし、別にええやん?」

 

 サヤは薄目を開いてにまにましている。本当はほとんど酔っていないであろうことは明らかで、年下の恋人をからかって楽しんでいるようだった。

 

「あっ、今ヒョウガくん、ちょっとえっちなこと考えたやろ? もう、可愛いわあ♡」

「か、考えてませんよ⁉」

 

 

 その瞬間、他の女性陣へ激震が走った。

 

(こ、この人……何という可愛さ! あざとすぎず自然に甘えるシチュエーションを、いとも簡単に作っていく⁉)

 

 サヤは英雄会との決戦の場で初めて戦隊メンバーと顔合わせしているため、皆とはそんなに面識がなかった。しかし、接点の少なさを補って余りあるほど、凄まじいインパクトである。ツカサは謎の敗北感を覚えた。

 

 

(自然な感じを装いつつも、実際は寄りかかる角度をかなり計算しているわね。なるほど、あの位置なら良い感じに上目遣いできる。今度、早川くんにやってみようかしら)

(決して露出が多いわけではないのに、あれほどの可愛さと色っぽさを出せるだなんて……!)

 

 美明日はふむふむと頷きながら何やらメモを取り、お菊はファッションの方向性の違いに軽いショックを受けている。特にお菊の場合、外見のベースになっている原典が胸を常に部分的に見せているようなキャラであるだけに、衝撃はでかかったようだ。

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・ひろがるスカイ!プリキュア
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