百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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7 RealなGame!?

 対する二人は目で頷き合い、ブレス型の変身アイテムを装着した。

 

「言われなくてもそのつもりだ。行くぞ、トーマス!」

「おうッ!」

 

 ブレスを操作すると同時、アダムは牛の意匠の黒い戦士へ、トーマスはサイの意匠の緑の戦士へと変わった。

 

「『アダム・バイソン』!」

「『トーマス・サイ』!」

「「二人合わせて、『超次元戦隊・アダマスマン』!」」

「……どうでもいいけどお前らネーミングセンスなさすぎな」

 

 

 アダマスマンって何だよ。アダムとトーマスを足しただけじゃないか。ロリーニンジャーはこめかみを押さえ、ため息をついた。

 まあでも、原典のチョイスは悪くない。原作においてバイソンとサイの戦士は、悪の組織に家族を殺された弟たちが、復讐のために変身して戦っていた。ダレンとキャサリンを殺害され、自分たちも一度は命を奪われたことへのリベンジを、原作同様に果たしたいという意図は理解できる。

 

 

「ロリーニンジャーとか名乗っているお前に言われたくはない!」

 

 そう叫び、アダムが突進してきた。ロッド型の武器を召喚し、素早い突きを繰り出してくる。

 

「君を倒して、全部話してもらうよ!」

 

 トーマスも彼に続き、ブーメランを召喚。しかし投擲するのではなく、小型ナイフのように使って斬りつけてきた。

 二人の猛攻を、ルーカスはソードガンで迎え撃つ。やがて攻防はスピードアップし、エネルギーを帯びて光るロッドとブーメランと激しく斬り結んだ。

 

 

「『ウイニング・おねスター』!」

 

 ギター型武器中央のダイヤルを捻り、「おねマジック!」と音声を鳴らしてから技を発動。竜巻とともに斬撃を放ったルーカスを見て、二人は咄嗟に後方へ跳んで避けた。

 

「……この格好であまり注目を浴びると、今後の俺の立ち回りに影響が出かねないんでな。趣向を変えさせてもらうぜ」

 

 間合いの確保に成功したロリーニンジャーは、別の変身アイテムを取り出した。大きなゲームカセットか何かのような形状で、丸いダイヤルが付いている。

 

「それに、二対一じゃ少々やりづらい。分身も可能な原典で行く」

 

 

 アダムたちは知らなかったが、キンジ・オネガワという偽の人格を創造する際、ルーカスはこの原典のパワーを一部借りていた。これまでは戦闘以外の目的で使ってきた原典だが、別に戦闘能力が低いわけではない。使ってみるのは全然アリだ。

 雪山で死んだと思わせ、ほとんどの超次元生命体の記憶から消えることによってルーカスは多くの虚無を得ている。原典のストレージが豊富な彼にとって、様々な原典を状況に応じて使い分けることは造作もなかった。

 

 腰に巻かれたドライバーへアイテムを差すと、「デュアル・ガシャット!」と認識音声が鳴った。さらに、ルーカスの背後にゲームのスタート画面に似たエフェクトが登場し、「The Strongest NINJA!」「What's The Next Tragedy?」と音声が続く。ちなみに日本語訳すると、「最強の忍者!」「次の悲劇は何だ?」である。

 

 

「――マックス大変身」

 

 ロリーニンジャーの変身を解除し、謎の掛け声とともにルーカスがベルトのレバーを操作。右手を無造作に伸ばすと、パズルが砕けて弾け飛ぶエフェクトをバックに、金色のパズルと黒い炎の紋様をアーマーに刻んだ戦士が現れた。

 

『ガッチャーン! マザルアップ!』『金の忍び、嘘さ! 真の姿、罪さ! 嘘と罪の交差! パーフェクト・ノックア~~ウト!』

 

 専用武器「ルーカスパラブレイガン」を右手に構え、彼は楽しそうに笑った。

 

「さあ、第二ラウンドだ。心が踊るぜ!」

 

 

 なお、ルーカスパラブレイガンとは、斧と銃の二モードに変形するマルチウェポン。雪山で斧と拳銃で応戦しようとしたアダムやトーマスに対し、「お前らが使ったのと同じ武器でまた殺してやる」という最悪な意趣返しをするルーカスだった。シンプルに性格が悪すぎである。

 

 

『ズ・ガーン!』

 

 パラブレイガンのボタンを押し、ガンモードに変形させる。そのままボタンを連打し、「十連鎖!」の音声とともに強力な光弾を放った。

 

「うわっ⁉」

 

 トーマスらが怯んだ隙に、ベルトから引き抜いたアイテムを武器へ装填。ルーカスは必殺技を発動させた。

 

『パーフェクト・ルーカスフィニッシュ!』

 

 ゲームっぽいエフェクトとともに、大量の破壊光弾がパラブレイガンから連射される。アダムはロッドに光を集め、レーザービームのように放ったが威力で競り負けた。衝撃で吹き飛ばされてしまう。

 

 

「まだまだ行くぞ、死にぞこないども。もっと俺を楽しませろ!」

『ズ・ゴーン!』

 

 今度は武器をアックスモードにして、ルーカスがトーマスへ斬りかかる。攻撃の最中、どこからか大きなメダル型の何かが飛んできて、ルーカスの肉体へ吸収された。「TS化!」と音声がする。

 

「な、何だ⁉」

「言い忘れていたが、この原典は単にパワーでゴリ押すだけじゃないぜ。周囲の人間が持っている性癖のパワーを実体化し、『性癖アイテム』として自分が使うこともできる。恨むなら、TS好きなその辺のアメリカ人を恨むんだな!」

 

 

 どんな性癖のパワーを使えるかが完全に周辺環境へ依存してしまうのがネックで、百合・BLレンジャーとの戦いでは使わなかった特殊能力。何なら「パーフェクトノックアウト」自体使わなかったまである。

 

「いや、その理屈はおかしい」

 

 トーマスのツッコミを無視し、ルーカスはTSのパワーを発動した。これにより、攻撃がヒットした瞬間だけ相手の性別を逆転させることが可能になる。のちにTSライジャーやTSカイザーも使った性癖だが、相手を動揺させるのにはもってこいの能力だ。

 

「喰らえ!」

『ノックアウト・ルーカスフィニッシュ!』

「ひゃんっ⁉」

 

 

 斧が腹部に触れた刹那、あら不思議、トーマスはインテリ系男子から眼鏡っ娘へチェンジしてしまった。今は戦闘用スーツを着ているため生身の様子を確認できないが、ちょっと見てみたい気もする。

 

「な、何なのこれえっ!」

 

 可愛い悲鳴を上げながら、トーマスは強烈な斬撃を受けて吹っ飛ばされた――筋力が衰えてパワーダウンした一方、身長も縮んで攻撃の狙いがややブレたのが残念ではあったが。

 ビルの外壁に叩きつけられた頃には、元の性別に戻っていた。呻いているトーマスを、アダムが「大丈夫か」と助け起こしている。

 

 

「諦めるなよ、トーマス。俺たちは学生時代からの腐れ縁。友情の力を見せてやろうぜ!」

「……ああ、そうだねアダム。僕たちは性格も好みも全然違うけど、共に学び、共に高め合ってきた仲間だ!」

「くだらん。学校なんて所詮、近所のガキの寄せ集めだろうが」

 

 再び並び立った戦士たちを見て、ルーカスは失笑した。

 

「仲間などというものに精神依存している弱者に、いいことを教えてやる。この世で最も自分のことを理解しているのは自分自身。友情ごっこに甘んじているお前らごときが、俺に勝てると思うな!」

『おねロリシスターズ・XX(ダブルエックス)!』

 

 

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