百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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2 でたァーッ!悪魔の子ルーカス&クロード

「馬鹿な。ルーカスとクロードが復活しただと……⁉」と、動揺するケイイチロウ。

「復活させたわけではない。私が用意したかりそめの肉体に、彼らの残留思念を受肉させただけだ。――さあ行くのだ、我が子たちよ。生前使っていたものに近い原典を、既に用意してある」

 

 二人は黙って頷くと、ルーカスは腰のベルトに手裏剣型のプレートをセット。クロードはブレスに電池型のアイテムを装填し、前回キョウリュウクロードになったときとは異なる、足を巧みに使ったダンスを踊り始めた。

 

 

『誰じゃ? 俺じゃ! 忍者!』『ルーカス! 見参!』

 

 ルーカスの背後に紫色のガマが出現し、ガマが口から吐き出した紫色の防具を身に纏うことで変身完了。顔には手裏剣の意匠、首にマフラーを巻いた忍者モチーフのヒーローとなる。おそらく、原作の演者繋がりでこの原典が選ばれたものと推測される。

 

 

「『超竜チェンジ』! ファイヤー!」

 

 一方のクロードは、外見はキョウリュウクロードとほぼ同じ、しかしながら海外版の別の原典を使った戦士へと変わった。

 

「おねロリと書いて、姉妹の心! 超次元ライダー・ルーカス!」

「この形態、名付けて『ブレイブキョウリュウクロード』! ヘイ、ミスター・ゴッド。戦ってやる見返りに、大金をプリーズするぜ!」

「さ、最悪の展開だぜ……」

 

 珍しく、あの楽天家のカイリでさえも青ざめている。

 

 

「よりにもよって、俺たちが今まで戦った中でも最強クラスの敵二人が疑似的に復活しちまうなんて。ジゲン・ライドを使えるダレンでさえ、ビビッてそんなことできなかったってのによ」

「――呼んだか?」

 

 ハッとして見上げると、巨大な光球の真下、虚空にゲートが開いたところであった。金の装飾付きの桃色の扉から、顔に大きな傷跡を持つ男が舞い降りる。

 

「ダレン⁉」

「やばやば! ダレンが来てくれたの?」

 

 トウマとウミカは驚きつつも喜んでいる。当然の反応だろう。神がチート能力で強敵を送り込んでこようとも、ジゲン・ライドの召喚能力を持つダレンが味方についてくれれば安心だからだ。

 しかし奇妙なことに、彼は百合・BLレンジャーの方へ近づこうとしなかった。それどころかルーカス、クロードの横へ並び、砂時計型のアイテムを構える。

 

 

「勘違いするな。貴様らに味方するなどとは言っていない。……変身」

『ダレンリバイブ・疾風!』『リバイ・リバイ・リバイ! リバイ・リバイ・リバイ! リバイブ・疾風~! 疾風!』

 

 そのまま、顔に平仮名で「だれん」と書かれた、青い戦士へと変身を遂げた。これには皆大混乱で、「ええ~~っ⁉」と悲鳴を上げている者もちらほらいる。

 

 

「どうしちゃったのよ、ダレン。何で自称神なんかの味方に⁉」

「ふざけんじゃねえぞ⁉ 大体、家族をルーカスに殺されたお前が、残留思念とはいえそのルーカスと共闘ってあり得ねえだろ! 俺はご都合主義なストーリー展開でも割と許しちゃうタイプだけど、いくら何でもそれはねえよ。たとえ設定は矛盾しても、キャラの感情を矛盾させるな!!」

 

 ツカサとカイリは必死に呼びかけた。なお、後者は途中から厄介オタクみたくなっている。

 まあ、それを言うならクロードだってルーカスの被害者の一人なのだから、共闘するのは普通はあり得ないのだけれども。

 

 

「私は神の御心に従う。エリザベスを……私自身を一度殺した男との共闘も、神の偉大な力の前では些細なことだ!」

 

 ダレンの態度は変わらず、戦う気満々である。百合・BLレンジャーはためらいがちにそれぞれのアイテムを操作し、変身した。

 

「怪盗チェンジ!」

「警察チェンジ!」

「『BLファイヤー』!」

「インストール、『オメガ珈琲シルバー』!」

『パーフェクト・アップ! 超次元ライダー・ネトルティ来部!』

「騎士転生!」

「レッツ、モーフィン!」

 

 両勢力のすべての戦士が変身完了し、ほどなくして激突する。

 今ここに、身勝手な神とちっぽけな人間たちによる決戦が幕を開けた。

 

 

 百合・BLレンジャー側の作戦は、「一度倒した相手なら同じ戦法で倒せるはず!」だった。

 すなわち、対クロード要員としてはヒョウガが抜擢され、それ以外のメンバーはルーカスの対処に集中する。また、裏切った(のかどうかよく分からない)ダレンの真意を探る役目は、精神干渉できる美明日とその相方の裕介に任せられた。

 

「ヘイヘイ、ベイビー! 俺の年下性癖で、デバフをかけまくってやるぜ。アーユーレディ?」

「悪いが、それは俺には効かない。なぜなら俺は、年上の方が好きだからだ!」

 

 

 案の定な展開で、クロードの攻撃を平然と受け流しているヒョウガ。「零の撃弾」、「零の衝撃」など多彩な必殺技でカウンターを決め、じりじりと敵を追い詰めていく。

 本物のクロードは中古の原典を複数所持していたが、この残留思念もどきは海外版の原典一つしか持っていないようだ。攻撃パターンがさほど多いわけではなかったため、対処は楽。勝敗は既に決しているようなものである。

 

『忍法・斬り捨て!』

 

 ルーカスはというと、専用武器らしき短刀を召喚し、百合・BLレンジャーへ素早く斬りつけていた。

 

 

「異世界転生系の原典は持っていなかったはずだが、なぜか意識だけが甦っているようだ。……ま、せっかく娑婆の空気を吸えたんだ。一暴れと行くぜ!」

『ストロング・忍法!』『メガトン・忍法!』

 

 さらに手から炎を放ったり、竜巻を出したりと芸が細かい。

 

「俺を殺していいのはレベッカだけだ。この間はよくも殺してくれたな、戦隊ども!」

「――エマージェンシー! 百合・BLレンジャー!」

 

 ルーカスの猛攻に、ツカサたちは主に防弾ベストとマシンガンから成る強化装備で耐えた。散開し、紫色の忍者を囲んで一斉に銃口を向ける。ゴークイーンズたちも「デリシャスタンバイ!」と叫んで強化変身し、SMジューシーミキサーを構えていた。

 

 

「観念しなさい、ルーカス。あんたの性癖、『他殺願望』の能力と発動条件は分かってるわよ。瀕死状態になったときに発動するっていうのなら、ゴークイーンズも加えた大火力で一撃必殺にするだけよ!」とツカサ。

「あるいは『他殺博徒』を使う気かもしれねえが、お前が当たりを引き当てるよりも先に撃ち抜いてやる!」

 

 カイリもそう言い、「ストライク・アウト!」とマシンガンの引き金を引こうとしたそのときだった。不意にルーカスの姿が煙に包まれて消え、代わりにクロードが現れる。

 

「何っ⁉」

 

 零騎士も当惑していた。何せ、さっきまでクロードのいた位置に突然ルーカスが出てきたのだから。

 

 

「――諸君の考えなどお見通しだ」

 

 遥か頭上の光球から、くぐもった笑い声が響く。

 

「ルーカスには今回『他殺願望』以外に、生前以上の『おねロリ』性癖のパワーも与えてある。つまり、忍者が変わり身の術を使うように、お姉ちゃんと妹に見立てた二者のポジションを自在に入れ替えることが可能なのだ」

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・RIDER TIME:仮面ライダーシノビ
・獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ
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