百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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12 初めての王冠

 BARLNOCXというのは、BLACON・RXのアナグラムだろうか。

 眩しい光に包まれたのち、彼は緑と黒の戦士に変わった。全体的なカラーリングはBLACON・RXに似ているが、胸部には時計の革ベルトのような装飾がある。そして顔には、赤い文字で「兄妹」と大きく書いてあった。

 

「俺と同じ、ブラコン性癖の使い手か。許さん!」

 

 BLACON・SUNが一歩前に出る。なぜ許さないのかはよく分からない。

 

「お前の相手はこの俺だ!」

「面白い。退屈させるなよ!」

 

 

 バールノクスは光り輝く長剣を召喚し、BLACON・SUNに斬りかかった。黒いバッタ戦士の方は徒手空拳のため、単純にリーチが違いすぎる。しかもバールノクスの使う長剣は、原作で主人公サイドのキャラを一度は殺害したことがあるレベルで強力だった。

 

「あたしたちを無視するつもり⁉」

 

 憤慨したツカサ――BLエックスが、エックスチューナーから銃撃を放った。けれども、繰り出した弾丸はなぜか、バールノクスへ命中する寸前で砕け散ってしまう。

 

「無駄だ。平成という時代自体に、意味がないからな」

「いや意味分かんないんですけど……」

 

 

 ケイイチロウやサクヤ、トウマとウミカも援護を試みたが、やはり銃弾が相手に届かない。困惑している戦隊側へ、光球は得意げに語った。

 

「――バールノクスに与えた原典には、平成生まれの原典のパワーを無効化する能力が備わっている。君たちがいくら足掻こうが、彼に一切のダメージを与えることはできない。そこで大人しく見物しているといい」

「平成も終わったってのに何のギャグよ⁉」

 

 ツカサたちの原典はギリギリ平成生まれなので、無効化に引っかかってしまったのである。

 幸い、BLACON・SUNの使用原典は令和生まれらしい。パンチやキックが、バールノクスへ全く効いていないわけではなさそうだ。しかし押されていることに変わりはない。

 

 

「私たちが加勢しますわ~!」

「あのときバイクに乗せてもらった恩、忘れてはいませんわ~!」

 

 助け舟を出したのは、デリシャスパーティ・ゴークイーンズだった。強化変身する際に使う原典が令和産で、無効化の影響を受けていないらしい。

 

「『イエロー・バリカッターブレイズ』!」

 

 ラーメンの麺に似た細い刃を飛ばし、まずイエローが攻撃。バールノクスが怯んだ隙に、BLACON・SUNを助け起こしに向かった。

 

「大丈夫ですの~?」

「ああ、問題ない。ありがとう」

 

 黒い戦士は頷き、三人の女王と並び立った。

 

「一緒に戦おう。今再び、愛が止まらない!」

 

 

 さて、バールノクスがBLACON・SUNとゴークイーンズの相手を引き受けたわけだが、あだまだ戦隊側のメンバーは残っている。さらに戦力を分散させるべく、自称「神」は別のマネキンを出現させた。それも、十五体同時に。

 

「――ダレン。君がほぼ全ての二号戦士の力を使えるというのなら、その性質を逆利用してやろう。自らの複製体と遊んでいるがいい」

 

 マネキン人形たちはダレンと瓜二つの姿へ変化すると、紫色の丸っこいアイテムを取り出した。ベルトに装填すると、認識音声が流れ始める。

 

『Dive to Deep!』『ギロットミロ~! ギロットミロ~!』

「「変身」」

『Get Go! 覚悟! レ・プ・リ・カ・ゴースト!』

 

 

 素体となる銀色のアーマーの上に、紫色の鎧を羽織って変身完了。頭部に二本角を生やした、強そうな戦士になった。

 

「……なるほど。私が所持している原典の中には、原作において、自分のコピーと何度も戦ったものもある。それを再現したというわけか」

 

 ダレンもT字型のアイテムを召喚し、ベルトへ装填。「セブンシンカ!」の音声に続き、透明感のある水色のアーマーを纏った。

 

「あなただけに戦わせないわ」

 

 さすがに十五対一はきついだろうと、お菊も彼に加わる。リボンズへ変身したのち、例のスタンプを押印した。

 

 

『オオクワガタ! リボンミックス!』『オオクワガタ! リボンズ・レクイエム!』

「さあ、これを使って」

 

 オオクワガタのスタンプには直接攻撃ではなく、武装の召喚で間接的なパワーアップを図る効果がある。黄金の長剣、さらには金色の王冠を顕現させ、ダレンへと差し出す。

 

「……いや。それは貴様のものだ」

 

 だが、彼は拒んだ。

 

「その剣はさっき一度使ったが、いまひとつ威力を引き出せなかった。やはり、自らに二号戦士の原典のみを使う縛りを課している私では、原典のパワーを活かし切れないのだろう。お菊、貴様が使え」

「わ、分かったわよ。じゃあ、遠慮なく……『始祖、光来』!」

 

 

 王冠を頭に載せてそう呟くと、意外なほどリボンズの頭部にぴったりはまった。肩や胸、腰など、各部に重厚な黄金の鎧が重ね着されていく。元々のアーマーも、原作に寄せて一部が灰色に染まった。

 

『We are the! We are the KING! キング・リボンズ!』

 

 王冠の効果なのか、黄金の長剣に加えてさらにもう一本、赤き剣が現れた。お菊はそれらを二刀流に構え、ダレンと背中合わせに立った。二人を取り囲むは、十五体のダレンのレプリカである。

 

 

「自称『神』よ。貴様の間違いは、私たちが正す!」

「私たちが、世界を支配する!」

 

 お菊が斬撃を飛ばし、ダレンがエネルギーを帯びたパンチを放つ。怒涛の勢いで、二人の戦士は敵を薙ぎ払っていった。

 

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