百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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25 ゲームをやろう!突撃ダブル戦士

「喰らえ!」

 

 渾身の力を込め、ビッグ・ファーストがバトンを叩きつけた。オーバーリボンズの装甲から派手にスパークが散る。

 そのとき、蓄積されたダメージが許容量を超え、ついにお菊の変身が解除された。

 

「くっ……」

 

 悔しそうに膝を突いたお菊。彼女へとどめを差すべく、第一位は再度「ビッグ・ファーストボンバー」を繰り出した。

 

 

「――危ない!」

 

 身を挺してお菊を庇ったダレンリバイブ剛烈は、エネルギー弾の直撃を受けてしまった。お菊は無事だが、今度は彼までも変身解除される。

 

「ダレン、あなた……」

「良いんだ。私のことは気にするな」

 

 肩で息をしながら、傷を持つ男は言った。背後にお菊を庇うようにし、ふらつきながらも闘志の火を絶やさない。

 

 

「ともに助け合う。それ自体は素晴らしいことだ。だが、助け合うということはすなわち、己の弱さを認めるということ」

 

 無防備になった二人を眺め回し、ビッグ・ファーストが仮面の下でニヤリと笑う。

 

「弱いからこそ、一人では勝てないからこそ助け合おうとする。弱者がいくら足掻いたところで、俺に勝つことはできん!」

 

 もう一発バズーカ砲を撃ち、二人を葬らんとする第一位。しかし、彼の敵はダレンとお菊だけではなかった。

 

 

「――そいつはどうかな?」

 

 バズーカを何発も撃って攻防を繰り広げた結果、付近の大地はところどころが隆起し、まるで岩山のようにそそり立っていた。その岩山の頂上に、いつの間にか二つの影が現れていたのである。

 

「お前が俺たちのことを弱者だと見下すのなら、せいぜい弱者なりに足掻かせてもらうぜ!」

「ここからは、私たちのターンだ!」

 

 一人は、白と黒をメインカラーとした、赤いアイレンズを持つ翼竜モチーフの戦士。もう一人は全身を銀のメタリックな鎧で覆い、胸部と頭部には金の装飾が付いていた。アイレンズは、同じく赤色。

 

 

「何者だ、お前たちは⁉ レジスタンスの増援か?」

 

 高所から見下ろされていることで微妙にプライドを傷つけられたのか、ビッグ・ファーストが苛立ったように問う。

 

「増援? 違うな。騒ぎを聞いて駆けつけた、野次馬みたいなもんだ」

 

 翼竜モチーフの戦士は腕組みをし、不敵に笑った。

 

「俺の名は『ヤンデレキラー』。すぐそこの電話屋の店主にして、ヤンデレンワニの上司だ」

「ヤンデレキラー? ツンデレキラーとよく似た名だな」

「察しがいい奴は嫌いじゃないが、一緒にされるのは心外だぜ。確かに俺は、かつて高次元生命体アルバートが使ったのと同じ原典を中古で入手し、使用している。けど、強さは別格だ」

 

 

 羽ペンのような形状の専用剣「ヤンデレペンタクト」を召喚し、ヤンデレキラーは言う。

 

「アルバートは二種類の原典を組み合わせたが、どちらも活かし切れていなかった。俺は原典を一つに絞る代わりに、性能をフルに引き出している」

「能書きを垂れるのはそのくらいにしたらどうだ? どのみち、俺には通用しない。……ちなみにお前、名乗りとかはやらないのか?」

「ハッ、ダセえんだよ、そういうの!」

 

 原典の影響で、名乗りに関しては否定的なヤンデレキラーだった。

 そこで一瞬会話が途切れたので、もう一人の戦士も簡単に自己紹介をした。

 

 

「――星を浄める、宿命の騎士。イセイナイト! 超次元界を破壊する者は、この私が許さない!」

 

 こちらはきちんと名乗るタイプのようである。

 

「私の性癖は『女体化』。その能力により、男性に攻撃をヒットさせたとき、1/2の確率で相手を女体化させることができる。もう一度同じ相手にヒットさせると元に戻るという欠点こそあれ、敵の体格を変えて、思うように戦えなくさせるのだ!」

 

 ついでに性癖の能力もバラしてしまったが、第一位は「フン、馬鹿め!」と一笑に付した。

 

 

「俺の『最強無敵』の力を忘れたか? そんな小賢しい能力、俺には効かんわ!」

 

 ビッグ・ファーストがバズーカ砲を発射し、二人を狙った。ヤンデレキラーは左へ、イセイナイトは右へ素早く跳び、華麗に着地を決める。

 

「俺をときめかせてくれよ、ビッグ・ファースト!」

「私のターンだ!」

 

 エネルギー弾による爆発をバックに、二人の戦士は武器を構えて第一位へ突進した。キラーはヤンデレペンタクトから光の矢を、ナイトは専用の銃から光線を連射しながら走る。

 

 

「愚かな。勝てないと分かっていながら、この俺に挑むか!」

 

 ビッグ・ファーストは、二人の攻撃をかわそうとすらしなかった。何せ、当たったところでまるで効かず、ダメージはゼロに等しいのだから。

 

「思い上がりも甚だしい。死ね!」

 

 横薙ぎにバトンを振り、一撃で致命傷を与えようとした第一位。しかし、彼には誤算があった。

 まさか、二人が一撃で倒れないと思っていなかったのだ。

 

 

「……ハハハハハ! 驚いたか、第一位!」

 

 バトンが腹部にめり込んだはずのヤンデレキラーだったが、すぐに傷が塞がり、再生する。

 

「俺は原典の特性により、不死身の肉体を得ている。もっとも、ノリノリで名乗りをやるとじきに不死の力を失うという制約つきだがな。さっき名乗らなかったのはそのためだ!」

「何っ⁉」

 

 動揺するビッグ・ファースト。刹那、翼竜の戦士の全身から、黒いトゲのようなものが伸びた。

 

 

「こいつは『ヤンデレモード』という戦闘形態だ。ヤンデレとはすなわち、愛情の暴走。ヤンデレモードの攻撃力を性癖のパワーで底上げして、超弩級の一撃をお見舞いしてやるぜ!」

 

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