百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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32 お宝Darren・パイレーツ

「くっ。ならば!」

 

 他の原典に切り替え、ダレンが蝙蝠モチーフの騎士の姿になった。剣型の召喚機にカードをセットすると、「トリック」と音声が鳴る。

 分身の効果を発動し、四人へ分裂したダレンがフィリーレン・ファイヤーを包囲。一斉に斬りかかろうとしたのも束の間、フィリーレンの技が炸裂した。

 

「『スコポフィリシュート』。」

 

 盾に付いている、眼のような模様から連続で光弾が放たれる。くるりと一回転しながら光弾を撃ち放ち、エルフは瞬く間に分身すべてを吹き飛ばしてしまった。

 

 

「お生憎様。近接攻撃だけじゃないんだよね、この形態。」

「……なかなかやるな」

 

 怯んだダレンは、後退しつつ変身解除。懐から取り出したウエットティッシュで手を入念に拭いてから、携帯電話型のアイテムを構える。

 

『standing by』

「変身」

『complete』

 

 彼の全身を黄色い光のラインが覆い、アーマーが装着されていく。頭部にはX字の模様と、紫色のアイレンズが備わっていた。

 

 

「私のことを好きにならない人間は、邪魔なんだ」

 

 同じくXの形をした専用銃を、腰のホルスターから抜き放つダレン。「exceed charge」と音声が流れたのち、銃から光弾を撃った。

 フィリーレンはそれを盾で防いだ。が、ダメージこそ殺せたものの光弾の特殊効果でロックオンされ、全身が黄色い光に包まれて上手く動けなくなってしまう。

 

「――ハアッ!」

 

 

 専用銃から光の剣が伸びる。腰を落として剣を構えたダレンは、フィリーレン・ファイヤー目がけて高速突進した。ターゲットの体内を通過するかのように斬りつけ、その背後に着地する。

 刹那、赤い騎士の体にX字のマークが浮かび、爆発が起こった。

 

「まだまだ行くぞ!」

 

 続いて、ダレンは青いスクリーン状のものをくぐり抜けてクワガタムシモチーフの赤い戦士へ変身。銃へ三枚のカードをスラッシュし、必殺技を発動させた。

 高くジャンプし、空中で二人へ分身。火炎を纏った足でオーバーヘッドキックを繰り出した。

 

 

「おっと。」

 

 フィリーレンは左のキックを剣で、右のキックを盾で防御。ダメージを最小限に抑え、反撃の機会を窺っている。

 

「あまり効いていないようだな。貴様が全力で攻撃してきていないこのタイミング、対強敵特化の原典を使うにはまだ早かったか」

 

 独り言ち、ダレンはまたもや変身解除。全部乗せのマジェスティが使えなくなってからというもの、彼はフォームチェンジを多用する傾向にある。まあ、本人が楽しそうなので何も言うまい。

 

 

「たまには、これを使ってみよう」

 

 手の中に出現したのは、鬼の面のような装飾のあるホイッスル。それを吹き鳴らすと、ダレンの周囲に竜巻が起こった。

 

「ハッ!」

 

 手刀で風を切り裂き、変身完了する。歌舞伎役者のように青で縁取りされたマスクと、上半身を覆う管楽器の管のようなものが特徴的な、鬼の戦士だった。

 トランペット型の武装を召喚し、フィリーレンの方へ向ける。バルブを操作して石のような弾丸を浴びせたのち、トランペットを口に当て、演奏を始めた。

 

 

「『疾風一閃』!」

 

 清めの音を奏で、妖怪変化を爆散させる必殺技である。

 けれども、防戦一方のフィリーレンではない。彼女もまた竜巻を、それも炎の竜巻を巻き起こすと、熱風と共に剣を振り下ろし、斬撃を飛ばした。

 

「『スコポフィリ・ストームスラッシュ』。」

 

 ダレンの「疾風一閃」を凌駕する、圧倒的な破壊力。炎の太刀は一瞬で清めの音を弾き飛ばし、ダレンの胴へ炸裂した。

 

「チェックメイト。」

 

 静かに告げ、フィリーレンが剣を収める。ダレンの体表からスパークが乱れ飛び、大爆発が起こった。

 

 

「……まだだ」

 

 全身にカードが刺さったデザインのアーマーへ変わったダレンが、爆風の中から躍り出てくる。彼の手には、やや小型のタブレットが握られていた。

 

「たとえマジェスティにはなれなくとも、私にはこれがある」

 

 タブレットの画面に浮かぶ謎のマークを順番にタッチしていき、最後に腰のベルトへ合体させる。「ファイナル・ジゲンライド! ダレン!」と音声が鳴り、頭と胸に9枚のカードが貼りつけられた。手足の装甲が、一部銀色に変わる。

 

 

「何なの、その格好。」

 

 カードには様々な超次元ライダーの首から上だけが描かれていて、まるで遺影のようである。引き気味に尋ねたフィリーレンにダレンは、「現時点での私の最強形態、その名も『コンプリートフォーム』だ」と答えた。

 

「マジェスティよりも扱える原典の幅は狭いが、戦闘力自体は折り紙つき。とくと味わうがいい」

『ジゲン・ライド! 劇場版!』

 

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