百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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2 謀略!スロットでフィーバー!

 店の営業をアルバイトに任せて巨大マシンへ乗り込み、あっという間に名古屋へ現着。

 

「来たな、オメガ珈琲シルバー。超次元ライダー来部!」

 

 オメガ珈琲本店の駐車場で待ち構えていたのは、カマキリの特徴を備えた怪人であった。マグマのように赤く硬い皮膚が全身を覆い、両腕には手の代わりに鋭い鎌がある。上半身には、銀色の鎧のようなものも装着していた。

 

 

「てめえが流星のツンデレプタだな」

 

 マシンから降り立った二人は、既に基本形態への変身を終えている。裕介は珈琲ブレイザーを、美明日は来部ガンをカマキリ怪人へ向け、じりじりと距離を詰めた。

 ツンデレプタの右腕は、久保社長の首根っこを掴んでいる。社長は大怪我こそしていないけれど、顔に複数のあざがあった。

 

 

「社長を離せ。抵抗するのなら、ネトルの精神干渉でてめえの動きをコントロールして、強制的に離してもらうことになるぜ」

「……フン、いいだろう」

 

 やけにあっさりと、怪人は社長を解放した。突き飛ばすようにして、駐車場の隅へ追いやる。

 裕介が軽く脅したからとはいえ、意外な行動だった。精神干渉が使える相手では不利だと踏んだのだろうか。それとも、人質作戦ではなく真剣勝負の方が好みなのか。

 裕介たちへ小さく頭を下げ、急いでこの場を離れる久保社長。その姿を見送りつつ、シルバーはツンデレプタに言った。

 

「俺たちが神奈川へ引っ越したのを知らなかったってことは、やっぱり人間界の住人じゃねえな。どうせまた超次元生命体なんだろうが、懲りない連中だぜ」

「超次元生命体? クックッ、違うな」

 

 

 カマキリに似た大きな眼でヒーローたちを眺め、怪人が失笑する。

 

「違う……? じゃあ、何者なんだよ」

「お前たちが知る必要はない」

 

 言い放ち、ツンデレプタは両腕の鎌を振り上げ、二人へ突進した。

 

「その名の通り、俺の性癖は『ツンデレ』だ。通常は『ツン』モードで攻撃力が上がるが、たまに『デレ』モードに突入して防御力がダウンする、ランダム性の高い性癖だ。さあ、俺のツンデレを攻略してみせろ!」

 

 あまり使い勝手の良さそうな能力には思えない。人質をあっさり解放したことといい、こいつ、本当に自分たちを倒す気あるんだろうか。

 念のため先輩方にも応援要請を出してから来たけれど、その必要はなかったかもしれない。

 

 

「『BANG・解』。『喫茶斬月』!」

「『大紅蓮NTR丸』!」

 

 同時に「BANG・解」し、裕介は刀身が黒く染まった珈琲サイブレードで、美明日はNTRブレードで鎌を受け止めた。

 

「俺もツンデレは嫌いじゃねえけどよ」

 

 怪人を睨みつけ、シルバーは告げた。

 

「女の子ならともかく、男のツンデレはちょっとキモい気がするぜ?」

「黙れ!」

 

 一旦バックステップで距離を取ると、ツンデレプタは「流星弾!」と叫び、隕石のような見た目の破壊光弾を次々と発射してきた。

 

「今の俺は『ツン』モード、攻撃力はマックスだ。お前たちごとき、すぐに粉砕してくれる!」

 

 

 ツンデレプタが百合・BLレンジャーのうち二名を交戦を始めて、間もなくのことだった。

 超次元界にて、今日も今日とて植林に勤しむレジスタンスたち。彼らの前に突如、カラフルに輝く扉が出現した。

 

「な、何だ、あれは……?」

「貴族専用ゲートとも違う、別のゲートだと⁉」

 

 超次元生命体が使うゲート、「どこにでも行けるドア」ないし「本当にどこにでも行けるドア」には共通点がある。金の装飾の有無という差こそあれ、桃色のドア一枚から成るのは同じなのだ。

 しかし、今回のゲートは異質だった。まず、扉が両開きで、正方形に近い形をしている。通常ならば、縦に長細い長方形のはずなのだが。

 さらに、装飾がない代わりに、非常にカラフルな発光パターンをしていた。まるでゲーミングキーボードか何かのようだ。

 

 

「――ここがレジスタンスの拠点か。案外、殺風景なところだね」

 

 開いた扉から出てきたのは、金髪碧眼かつ長身のイケメンだった。若い男性の見た目だが、髪を肩くらいまで伸ばしているのはあまり今風ではない。

 

「誰だ、お前は!」

 

 レジスタンスの構成員に取り囲まれる青年。けれども彼は、男たちの腰に巻かれているのが量産型のリボンズドライバーなのを見て取り、ほくそ笑んだ。

 

「君たちが相手じゃ、準備運動にもならないよ。ボスはどこにいるのかな? さっさと倒して帰りたいんだけど」

「何をっ!」

「馬鹿にしやがって!」

 

 

 一斉にスタンプをベルトへ押印し、本家リボンズより簡易的なアーマーの戦士へ変わるレジスタンスたち。

 

『RISE! RAGE! REQUIEM! アメリカン・ファイター!』

 

 日本刀に似た武器を構え、男たちは侵入者を包囲した。

 

「ボスを倒したいとか言ったな。何者か知らないが、まずは俺たちが相手になってやる」

「……だからさあ」

 

 

 金髪碧眼の若者は、オーバーリアクション気味にため息をついた。いつの間にか、彼の腰にもドライバーが装着されている。

 

「聞こえなかったのかな? 準備運動にもならないって」

『SET! FEVER!』

 

 ドライバーの左右に、スロット付きの金色のバックルと、骨のような模様のある紫色のバックルを装填。片手を掲げるポーズをして、青年は呟いた。

 

「変身」

『ZOMBIE! HIT!』『FEVER ZOMBIE!』

 

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