百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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44 救世主の濡ラジラ

「ハットマンに使ってもらおうとしたんだけど、彼、虚無英雄会のシールのと似たような形のドライバーを使うのがどうしても気に食わないらしいんだ。だから、これは返そうと思う」

 

 戦友の瞳を見つめ、ピーター・バーガーは真剣な顔つきで言った。

 

「お菊さん。また、僕と一緒に戦ってもらえませんか」

「私が『ダメです』って言うと思う? いつだって共闘は大歓迎よ」

 

 微笑を浮かべ、ドライバーを受け取るお菊。久々に復活したリボンズコンビは、同時変身を行った。

 

『UNKNOWN! UNLEST! UNLIMITED! アメリカン・ファイター! オーバーリボンズ!』

『GET OVER NOW! GET OVER PAIN! GET OVER MIND!』『JUMP UP! アメリカン・ファイター! ゲットオーバーリボンズ!』

 

 

 それぞれ、クワガタムシとギラファノコギリクワガタの意匠を持つ戦士に変わった。オレンジに近い銅色のアーマーを持つゲットオーバーリボンズは、クロードとの決戦で一度登場して以来の出番だ。

 二人のリボンズも、レジスタンスのメンバーへ続く。

 二十人以上のレジスタンスが濡レドラン目がけて次から次へ攻撃を浴びせているため、傍から見ればリンチみたいな状況になっていた。

 濡レドランも肩から放つ「濡レドランチャー」や、ブーメランを投げつける技「濡レメラン」で反撃し、構成員を吹っ飛ばすなどして果敢に応戦している。ただ、いかんせん敵の数が多すぎた。ダレンと同じくらいの強さの戦士が二十人近くいるのだから、やりづらいことこの上ない。

 

 

「……お、お前たち、一人を相手に二十人以上で戦って、卑怯だとは思わないのか⁉」

 

 体の各所を銃で撃たれ、剣で斬られ、満身創痍になった怪人が叫んだ。

 

「貴様の相手は、二十人ではない!」

 

 ダレンも叫び返し、ベルトを操作する。

 

「私たちは、平和を願うすべての命の想いを背負って戦っている。貴様の敵は、人間界、超次元界、高次元界に生きるすべての命だ!」

 

 これで終わりだとばかりに、レジスタンスの面々は連続で必殺技を炸裂させた。

 

『カイジョシマス』

『ファイナル』

『Exceed Charge』

『ネクロフィリア・ディバイド』

「『疾風一閃』!」

「『ライダーキック』!」

『フル・チャージ』

『ネ・ク・ロ・カリバー ラ・イ・ズ・アッ・プ』

『ファイナル・ジゲンライド!』

 

 ここまでが平成一期組だ。まず近接技を使う者が攻撃し、急降下して槍で貫いたり分身してオーバーヘッドキックを喰らわせたりと大暴れしてから、ビームなどの中距離技が放たれる。

 続いて、平成二期。なお、ルーカスとクロードの残留思念を倒すために使った形態はダレンの元を離れているため、存在しない。

 

 

『ダレン・マキシマムドライブ!』

『セル・バースト』

『ダレン! リミットブレイク!』

『ダレン・スカッシュ!』

『必殺・フルスロットル! ダレン!』

『オメガドライブ!』

『ネクロナイト・クリティカルストライク!』

『Ready Go! ネクロフィリアフィニッシュ!』

『一撃・ダレンバースト!』

 

 最後に、令和生まれの原典を分配された者たち。 なお、ユニコーンモチーフの戦士だけはアーマーが女性型である。

 

『ダレン・シューティングブラスト!』

『必殺読破! ダレン一冊撃! ウォーター!』

『必殺・承認! ダレン・ジャスティスフィニッシュ!』

『Darren Strike』

『アルケミス・リンク! ダレンユニコーン・ノヴァ!』

 

 

 とどめに、二人のリボンズも加わった。同時に「リボンズ・フィニッシュ」を発動し、クワガタの顎型の破壊エネルギーを帯びたダブルライダーキックを繰り出す。

 

「俺を忘れるとは、許さん! 『BLACON・ライダーキック』!」

 

 そこへ黒いバッタの戦士も続いたため、ダブルではなくトリプルキックになった。総勢二十名以上による必殺技の連打を浴び、堅牢な濡レドランの装甲にもついに風穴が空いた。

 息も絶え絶えに、青い怪人は絞り出す。

 

「これで勝ったと思うなよ、レジスタンスども。たとえ私を倒しても、私は必ず復活する!」

「早く、静かに眠れ。……グッドラック、濡レドラン」

 

 ダレンが呟いたのと、怪人が崩れ落ちて大爆発するのがほぼ同時だった。

 

 

 しかし直後、奇妙な現象が起こった。爆発の煙が拡散せず、映像を逆再生したかのように収束していったのである。

 ほどなくして爆発の煙と炎は、最初から存在しなかったかのごとく消え失せた。そして、その煙があったはずの場所には、新たな姿で甦った怪人が顕現していたのだった。

 

「残念だったな、ダレン。原典の特性上、今回に限ってはすぐに復活できたよ。――そう、この私の真の姿でな!」

 

 これまでとは打って変わって、ゴテゴテした重厚な装甲は身に纏っていない。幾筋も青いラインが刻まれた皮膚が露出している。胸部と肩には、簡素なデザインの金色のアーマー。さらに頭部や背中からは、白い羽のようなものが伸びていた。

 

 

「それが貴様の正体か、濡レドラン!」

 

 堕天使のごとき姿へ変貌した敵を、レジスタンスらが睨みつける。

 

「もはや濡レドランは、私にとって過去の名だ。これからは、『救世主の濡ラジラ』と呼ぶがいい」

 

 球状のオーブを召喚し、濡ラジラは優雅な所作で、胸のアーマーへと装填した。

 

「『彗星の濡レドラン』の形態では、武力を。『チュパカプラの濡レドラン』では、幻術の力を。『サイボーグの濡レドラン』では科学力を手に入れてきた。救世主たる私が最強の力を得た今、機は熟した。一度世界を破壊し、生まれ変わらせてやれるのはこの私だけだ!」

 

 堕天使が伸ばした手の先で、三角形の紋章が展開される。瞬間、光が溢れた。

 

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