百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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48 放送できない触手プレイ!

 救世主の濡ラジラが爆誕したことで、LFO内部にも動きがあった。

 

「濡ラジラの奴、ちょっと強くなったからって調子に乗り始めてるよ。ここは一つ、私たちもやるときはやるんだってところを見せとこうじゃないか」

 

 湖上の船へとアポなしで押しかけてきたBリアン女王は、入墨ドウコクに熱弁を振るっている最中であった。

 

「LFOを、濡ラジラのワンマン組織にされちゃあ困るからね」

「俺はいつだって濡ラジラの役に立とうとしているつもりだ。この前だって、奴が『誅伏湿死』を完全発動させていたら、とどめは俺が差す予定だったんだが……まあ良い。濡ラジラだけに頑張らせないということなら賛成だ。俺の三味線の先生を行かせよう」

「なら私も、部下のはぐれ者の超次元生命体たちを派遣するよ」

 

 Bリアンは悔しそうに口元を歪めた。

 

「濡ラジラめ、私の作った可愛い怪人たちのことが気に入らないらしいからね。今回だけは趣向を変えてあげるよ!」

 

 

 ということがあって、Liberation from Originから三人の刺客が放たれたのだった。

 前回の戦いから一週間後。BL警察本部近くの自然公園へ降り立った彼らは、居合わせた人々へと無差別攻撃を仕掛けた。当然、すぐに市民からの緊急通報があり、百合・BLレンジャーが駆けつける。

 

「あんたたち、LFOの一味ね。今すぐその暴挙をやめなさい!」

 

 ツカサを筆頭に六名の基本メンバーが、続いてナオヤ、裕介、美明日、さらにはヒョウガも到着した。

 

「ほう。思ったよりも早いじゃなイカ」

 

 イカの足に似た触手で人々を縛り上げていた男性怪人が、彼らに気づいて触手を引っ込める。怪人は顔や肩に髑髏状のクリスタル部があり、頭からはイカ足が生えていた。

 

「よく来たな、このタコ!」

 

 イカ怪人の横に立つ女性怪人も、タコ足っぽい触手で市民を吊るし上げるのをやめ、適当に放り捨てた。ベレー帽を被っており、顔はタコそのもの。頭部と右肩からはタコ足が垂れ下がっている。

 

 

「いやタコはあんたでしょ」

 

 ツカサのツッコミを無視し、二体は順に名乗った。

 

「我々はLFO三英雄が一人、Bリアン女王より遣わされた刺客。私の名は『イカーショク』だ」

「同じく、『シューダッコ』。お前たちを抹殺しに来てやったわよ!」

「そして、ミーこそが」

 

 と、今まで公演のベンチに腰掛けていたサラリーマン風の男が、おもむろに腰を上げた。内ポケットから緑色のボールを取り出し、光に包まれて変身を遂げた。

 十字手裏剣のような形状のアイレンズを持つ、緑の忍者戦士である。上半身には金色のプロテクターを羽織っている。

 

「アイアム、LFO三英雄が一人、入墨ドウコク様のセンセイ・オブ・シャミセン。緑の光弾! 天空忍者、『コスケンジャー』参上!」

 

 

 並び立った敵を眺めて、カイリがぽつりとコメントした。

 

「なんつーか肩書きがパッとしないよな、お前ら。刺客はまだいいとしても、三味線の先生が何で前線に出てきてるんだよ」

「ユーたち、それは聞かないでくれ」

 

 マスクの下で渋い表情を浮かべ、コスケンジャーは俯いた。

 入墨が率いている元無貌支持派の派閥では、かつて下位序列に甘んじていた入墨のことをあまり良く思っていない者も一定数いる。濡ラジラが入墨をリーダー格に取り立てたから渋々従っているだけで、隙あらば下剋上を狙おうとしているメンバーも普通にいるのだ。そんな状態なので、入墨が心から信頼できる部下はかなり限られてくる。

 三味線のレッスンをしていた自分に白羽の矢が立ったのは、定期的に顔を合わせることで入墨と信頼関係を築けていたのが一因だろう。気軽に戦場に送り込めそうな兵隊が、他にいなかったとも言う。

 まあ端的に言うと、友達が少なかったのだ。隣人部に入って、残念な美少女たちと仲良くなれそうなくらいには少ない。彼は友達が少ない、略して「はがない」。

 

 

「あんたがもしここであたしたちに倒されちゃったら、その入墨ドウコクって人はもうあんたのレッスンを受けられないじゃない。本当にそれでいいわけ?」

 

 揺さぶりをかけるツカサ。できればこのまま帰ってくれたら嬉しかったのだが、コスケンジャーは「ノープロブレム」と返した。

 

「人間界へ来る前、入墨様にはミーが教えられる限りのすべての奏法を伝授してきた。指南書も既に渡してある。もう思い残すことなんてないさ、……さあ、自己紹介はこの辺でいいだろう。命のやり取りの時間だぜ、ベイビーたち!」

 

 パチンと指を鳴らし、緑の忍者は一歩下がった。入れ替わりにイカーショクとシューダッコが前に出る。彼らの足元の影からは、おびただしい数のイカ足やタコ足が湧き出てきていた。

 

 

「私とシューダッコの性癖は、ともに『触手プレイ』。その名の通り、無尽蔵に発生させた触手によって敵を拘束することができる。喰らうがいい、百合・BLレンジャー!」

「うわーっ⁉」

「きゃーっ⁉」

 

 鈍重そうな見た目に反し、イカ足とタコ足は恐るべき速度で影の中から飛び出し、戦士たちに絡みついた。変身する間もなく体の自由を奪われてしまい、一同はさっそく苦戦を強いられる。

 

「ちょ、ちょっとあんたたち、どこ触って……ひゃあっ⁉」

 

 手足に巻き付かれて宙へ持ち上げられた格好のツカサへ、さらに触手が迫った。触手は控えめな胸部を一周し、下半身までも伸ばされる。イカとタコの吸盤に敏感なところを強く吸われて、彼女は喘ぎ声を殺せなかった。

 

「ちょ、ダメ、ダメだってえ……あっ♡ ヤバい♡ これすごいっ♡ これじゃ日曜朝に放送できない♡」

「う、ウミカはウミカは、濁点の付いた声が出そうになるのを懸命に堪えてみたり。やばやば♡」

 

 同様に捕まってしまった小柄なウミカも、悶絶しかけている。

 

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・「僕は友達が少ない」
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