百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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番外編④ けっとうオールスター

「『BLディフェンダー・ファイナルモード』!」

「エクセレント・ネコタチエックス!」

 

 ナオヤが飛ばした斬撃が、モンスターたちの肉体を凍てつかせる。動きを封じたところへツカサが光弾を命中させ、氷ごと敵を粉砕した。たちまち、お供たちは全員やられてしまった。

 

「やるな。だが、これならどうだ。『アバターチューン』!」

 

 仲間が倒されても動じた素振りを見せず、超モモタロウは銃型アイテムの側面に、歯車のようなメダルのようなものを装填した。刹那、モモタロウの全身が光に包まれ、別の姿へ変わる。

 

『ゴークイーンズ! よっ、特命女王戦隊!』

 

 銃が江戸っ子口調で喋ったかと思えば、モモタロウはゴークイーンズの一人、レッドクイーンに似た姿になっていた。女性用のSM衣装が男性用にアレンジされているという変更点こそあれ、黒一色でレッドも何もないスーツと、武器の鞭はオリジナルと同じである。

 

「女王なれども忍ばない。忍ぶどころか、暴れるぜ!」

 

 ゴークイーンズっぽさを残した台詞とともに、超モモタロウ(レッドクイーン)は鞭を振るった。ツカサたちは跳び退き、間一髪でかわす。

 

 

「高次元生命体の開発した武装をコピーし、自分のものとして使えるのか。面倒な能力だな」

「今回は特に性癖に関係ない敵かな~って安心してたのに、これまでに倒した奴らの力を全部使えるわけ⁉ これ、どうやって倒せばいいのよ」

 

 二人は策を練ろうと必死だった。

 

「俺はゴークイーンズと戦ったことがないから分からない。前回はどうやって倒したんだ?」

「彼女たちとは二度戦ったわ」

 

 一度目は、カイリとツカサが同時に必殺技を放った後、続けざまに推し推し砲を発射し、敵のSMフィールドとかいうバリアを破って勝利している。二度目は、鳥類が苦手だという弱点を突き、動物園に誘い込んで倒した。

 

「なるほど、連続攻撃が攻略の鍵か。よし、推し推し砲を試してみよう!」

「了解よ!」

 

 バズーカを二人で構え、超モモタロウへ向ける。普段はカイリと連携してこのバズーカを撃っているから、レアなシチュエーションと言えるかもしれない。

 

「推し推し砲、発射!」

「無駄だ。『アバターチューン』!」

 

 

 しかし、エネルギー弾を放つより前に、モモタロウがフォームチェンジした。東京卍帝国のリーダー・マイティーの変身した卍レッドへ変わる。

 

『卍レッド! よっ、魔法&不良戦隊!』

 

 そして、飛来したエネルギー弾目がけて、卍レッド(超モモタロウ)が渾身の蹴りを見舞った。

 

「喰らえ、核弾頭キック!」

 

 ズガン、と凄まじい音が轟き、推し推し砲の一撃は明後日の方向へ飛んでいった。なお、卍レッドは無傷である。

 

「まさか、推し推し砲を跳ね返すだなんて」

 

 この卍レッド、おそらくオリジナルよりも遥かに強い。ツカサは動揺を隠せなかった。

 

「動物園に誘い込む作戦……は、無理よね。さっき視察した東山動植物園、親子連れとカップルでにぎわっていたわ。あんなところへ卍レッドを招き入れたら、大変なことになるに決まってる」

「諦めるな。同時攻撃で行くぞ!」

 

 もう一度「BLディフェンダー・ファイナルモード」による圧縮冷凍の斬撃と、「「エクセレント・ネコタチエックス」による破壊光弾を発射した。が、レッドクイーンに再びチェンジした超モモタロウは、鞭を回転させることで完璧に防御してみせた。

 

 

「そんな。同時攻撃も通じないの⁉」

「どうした、終わりか? 今度はこっちから行くぞ!」

 

 二人がわたわたしている隙に、モモタロウはさらにアバターチューンした。

 

『レッド・ピュアッシュ! よっ、超純粋な超新星!』

 

 見たことのない戦士だった。赤を基調としたアーマースーツに、大きなゴーグルのついたヘルメットを被っている。最後にモモタロウが「シャット・ゴーグル!」と音声コマンドを入力することでゴーグルが下がり、変身が完了した。

 けれども二人は、レッド・ピュアッシュのことを知っていた。大魔王が泥人形として作り、自分たちをおびき寄せる餌に使った「超新星・ピュアッシュマン」。彼らのリーダー格だったジンがもし変身していたら、こんな姿だったかもしれない。

 

 実際に彼らがピュアッシュマンへ変身することはなく、百合・BLレンジャーを異国の地へ誘い出した時点で五人の役目は終わり、土へ還ってしまった。そのため何の根拠もないのだが、ツカサは「レッド・ピュアッシュはジンだ」と思った。

 鍔がなく、長細いクリスタルのようにも見える剣型の専用武器「プリズム純粋剣」を構え、レッド・ピュアッシュは二連続で必殺技を繰り出した。

 

「受けてみろ、『ファイヤー・サンダー』! さらに、『スパーク・カッター』!」

 

 炎と雷のエネルギーを刀身に集め、何度も斬りつける。BLファイヤーとBLエックスは大ダメージを受け、装甲が浅く抉られるほどだった。

 

 

「くっ……」

「とどめだ。『ローリング・ピュアバルカン』!」

 

 オメガコーヒー本店の駐車場で大暴れしている超モモタロウは、止まるところを知らない。五連装砲を召喚して肩に担ぎ、ターゲットの二人をロックオンした。

 

「じゃあな。お前たちとの縁もこれまでだ! ハーッハッハッハッ!」

 

 豪快に笑うモモタロウ。ピュアバルカンから光線が発射されるのを、ツカサとナオヤはなすすべもなく眺めていた。ダメージが大きすぎて変身解除され、力尽きて倒れた彼らには、もはやどうすることもできなかった。

 

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