百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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㉘絆の戦い!!

「一体、何の真似でございやす。そんな弱そうなカードばかり集めて、何がしたいんで?」

「弱そうだと? 笑わせるな。無貌様の名を冠するこのカードたちは、五枚揃ったときに恐るべきパワーを発揮するのだ!」

 

 キースの指が、自身のデッキの一番上を指し示す。

 

「SSソルジャーの能力で、俺はさっきデッキの順番を操作した。次のターンに俺が引くカードこそ最後の一枚、『封印されし無貌』。無貌様の名を冠した五枚の聖なるカードが俺の手札に集結したとき、俺は無貌様の加護によってこのゲームに勝利するぜ!」

 

 気づくのが遅かったな、とキースは高笑いした。

 

「もうお前のターンは終了する。今更、足掻いても無駄だ。次のターン、俺が山札からカードを引いた瞬間に、俺の勝利は確定するのだからな。ガーッハッハッハ!」

「……まだ終わっちゃあいやせんよ」

 

 

 ターンが入れ替わり、さっそくデッキからドローしようとするキース。それを制し、キンジはよく通る声で宣言した。

 

「ヤンデレ坊ちゃんがドローする直前、あっしはセットしておいたトラップカードを発動させていやした。その名も、『おねロリの封殺剣』。相手の手札をランダムに一枚選び、ゲームから除外する効果を持っていやす!」

「ば、馬鹿な⁉」

 

 動揺するキースの手札を、キンジはじっくりと眺めた。

 

「さっきは手札を見せていただき、ありがとうございやした。おかげで、この中の四枚は無貌のカードだと分かっておりやす。つまり、八割以上の確率で坊ちゃんのキーカードをゲームから除外できる。無貌のカード効果による勝利が、このターン中に発動することはありやせん!」

 

 

 はたして、彼が選んだのは「封印されし無貌の右腕」だった。右腕のカードが手札を離れ、消滅する。直後にキースはドローしたが、もちろん手札に五枚の無貌カードが揃うことはなく、勝利は遠ざかってしまった。

 

「て、てめえ! 調子に乗ってんじゃねえぞ!」

 

 怒りに顔を真っ赤にした金髪の男は、無貌カード以外に手札に残っていたマジック、『超次元からの侵略』を発動した。

 

「こうなったら、無貌様の効果で勝つ作戦は中止だ。代わりに、他のモンスターの超攻撃力で押し潰してやるぜ!」

 

 墓地に高次元生命体のカードが五枚以上あれば、「超次元からの侵略」はデッキから超次元生命体を三体まで特殊召喚できる。アマエマックス、超ブラゴクウ、超次元ライダー・ネトルの三人が、一気に場に躍り出た。

 

 

「アマエマックスでオメガ珈琲シルバーを破壊。さらに、ブラゴクウとネトルでダイレクトアタックするぜ!」

「ぐあああっ⁉」

 

 またしても大量にモンスターを展開され、総攻撃されてしまった。かろうじて生き延びたものの、キンジのライフポイントは残り一〇〇しかない。

 

「削り切れなかったが、構わん。次の俺のターンで、お前の命運は尽きる!」

 

 並び立つ三武神の立体映像の後ろで、バンダナ男は言い放った。

 

 

「だったら、あっしは……このドローに賭けやす!」

 

 覚悟を決め、キンジはデッキの上のカードに手を伸ばした。

 現時点での彼の手札には、三武神すべてを倒せる手段はない。足りないピースを埋めるためには、どうしてもこのドローで切り札を引き当てる必要があった。

 思いを込め、引き抜く。そのカードを見た途端、キンジは破顔した。

 

「どうやら切り札は、常にあっしのところに来るようでございやすね。――召喚! 『ロリーアイズ・ニンジャドラゴン』!」

 

 全身を金ぴかの鎧に覆い、翼に手裏剣を装備した巨竜が舞い降りた。これこそが、ロリーニンジャーの魂が込められた最強クラスのカードである。

 

 

「ロリーアイズ・ニンジャドラゴンの効果発動! あっしの墓地に百合エックス、BLエックスが存在する場合、手札とデッキから指定のモンスターを特殊召喚できやす!」

 

 金の竜の左右に顕現したのは、ローブに身を包んだ黒魔導士と、白いボディーに青い眼をした竜。絆と愛の力でパワーアップを果たした、二人の戦士を象徴するかのような姿だった。

 

「降臨。『百合ブラック・マジシャン』&『BLアイズ・ホワイトドラゴン』!」

「ぶ、ぶっちゃけあり得ないぜ~⁉」

 

 百合ブラック・マジシャンの攻撃力は二五〇〇、BLアイズ・ホワイトドラゴンの攻撃力は三〇〇〇。いずれも、キースのモンスター群をなぎ倒すのに十分なパワーだった。

 今にも泡を吹きそうになっているキースに、三体のモンスターが襲いかかる。攻撃力の差分だけダメージを受け、彼の残りライフポイントは二〇〇〇。キンジの一〇〇ポイントに比べれば随分多く思えるが、問題は、次のターンにキースがドローするのが「封印されし無貌」だと確定していることだ。さらに悪いことに、彼の他の手札は、単体ではほとんど役に立たない無貌カードばかり。僅かに残っていたマジックカードも、さっきのターンで三武神を特殊召喚するのに使ってしまった。

 

 

「……俺の負けだ」

 

 ドローするより先に、キースは投了した。これ以上決闘を続けても勝つ方法はなく、敗北の可能性しか残されていない。潔く、負けを認めた。

 勝敗が決したのと同時、カードの立体映像が消える。

 

「なぜだ。これだけデッキを圧縮し、無貌カードを探しまくったにもかかわらず、俺は勝てなかった。なのになぜ、これといった圧縮もサーチもしていないお前ばかりが、最後の最後で切り札を引き当てられたんだ。よりによって、己の魂が込められた最強カードを⁉」

 

 うなだれたまま、キースが呟いた。

 

「カードを信じていたから、でございやしょうか」

 

 キンジにも本当のところは分からない。ただ、肩をすくめた。

 

「これが結束の力。怨念の力に、絆の力が勝ったんでございやす」

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・仮面ライダーW
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