百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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10 放て!戦隊の底力!

「小賢しい!」

 

 悪態を吐き、無貌は片手を突き出した。柄にもなく、感情を剥き出しにしている。

 手から衝撃波が放たれ、爆発を巻き起こす。しかし、ヒーローたちは左右に跳んで見事回避していた。

 

「BL・一撃ストライク!」

「百合・イタダキストライク!」

 

 まず、BL1号と2号、百合ブルーとイエローが先行した。四発のビームを放って挟撃し、無貌を怯ませる。もはや「無貌通行」も効かず、ダメージを無効化することはできない。

 

 

「スペリオル・受け攻めショット!」

「エクセレント・ネコタチエックス!」

 

 次に、正面からBLエックスと百合エックスが、VSチューナーから金銀の光線を発射。顔を持たない敵を後退させ、ツカサは仲間たちに声を掛けた。

 

「皆、力を合わせるわよ。推し推し砲、発射!」

「行くぜ! 豚の角煮~!」

 

 バズーカからエネルギー弾を射出。無貌は両腕でガードしたが、ダメージを殺せていないのは明らかだった。

 

「そんな技で、私を殺せると思うな」

 

 また別の原典の力を使おうと、無貌が手を振り上げた。けれども、背後から忍び寄った冷気が、その腕を凍結させて動かなくしてしまう。

 

 

「――『BLディフェンダー、ファイナルモード』!」

 

 ナオヤのナイスアシストにより、無貌の反撃は封じられたのだった。

 BLファイヤーの必殺技は、二パターンある。使い勝手の良い凍結技が多用されがちではあるが、決定打となり得るのは主にもう一方の技。ここのところ使っていなかった二パターン目を発動し、ナオヤは疾駆した。

 

「借りは返させてもらうぞ、無貌!」

 

 敵に接近し、ソードモードにしたBLディフェンダーを素早く振るう。X字の赤い閃光が煌めき、無貌の上体を切り裂いた。

 

「ぐっ……」

「まだまだ行くぜ。推し推しカノン、全力集中!」

 

 ダメ押しとばかりに、百合&BLレンジャーが再びバズーカ技を放つ。小型飛行機のような形状に変わった推し推し砲を構え、オーラの力を込めた一撃を繰り出した。光を帯びた砲弾を受け、爆発に包まれたのち、無貌は大きく吹き飛ばされた。

 

 

「ブレイザー・珈琲インパクト!」

『ホーリー来部・ジャスティスフィニッシュ!』

 

 珈琲ブレイザーから光弾を連射しながら、シルバーが無貌に肉薄。ホーリー来部も、背中の翼で滑空して一気に距離を詰めた。前者は斬撃を、後者は跳び蹴りを浴びせ、無貌へさらにダメージを与える。

 

『オクトパス! リボンミックス!』

 

 体勢を立て直す隙を与えず、リボンズも畳みかけた。四本の機械アームを背から伸ばして無貌の四肢を掴み、動けなくした状態でキック技を発動する。

 

『リボンズ・フィニッシュ!』

 

 リボン状のエネルギーが脚部に絡みつき、蜘蛛の脚のような形を取ったそれを、相手の胸部へ思い切り叩き込む。散っていった仲間たちの無念を、お菊はこの一撃に込めた。

 

『トカゲ! リボンミックス!』

 

 さらに、トカゲの尾に似た武装をも身につけ、一振りで無貌を吹っ飛ばす。ふらつきながらもどうにか立ち上がった侵略者を待ち受けていたのは、ゴークイーンズたちによる連撃であった。

 

 

「行きますわよ~! 『女王+α・一斉忍烈斬』!」

 

 クイーンたちがブレス型アイテムを操作し、「イッツ・タイムフォーSMプレイ!」と必殺技音声らしきものを響かせる。五色に輝く鞭と蠟燭、それに忍者激推し刀を構え、六人の戦士は目にも止まらぬ速さでダダダ、ダダダと力強く駆けた。

 

「忍ぶどころか、暴れますわ~!」

「シェギナベイベにやってやりやしょう!」

 

 六連続で各々の武器を無貌へ打ちつけ、空高くジャンプ。回転しながらの落下と共にさらに一撃ずつ浴びせ、ゴークイーンズとロリーニンジャーは着地した。今や、敵は全身から青い血を流し、真っ白だった皮膚が醜く汚れている。

 

 

「……貴様ら、よくもやってくれたな。絶対に許さぬぞ」

 

 怒りを露わにし、叫んだ。

 

「『BANG・解』。『無火(むか)の太刀』!」

 

 炎の力を極限まで高めた、黒く焦げたような外見の刀を召喚。それを振り回し、刀身に触れた者を焼き尽くさんとする魂胆だ。

 

「この原典の力は、何種類もある『BANG・解』の中でも最強格。刀に触れただけで、相手を戦闘不能に追い込む代物だ。貴様らごときに敗れるものか」

「分かった。触れなきゃいいんだよな」

「楽勝ね!」

 

 しかし、相手が悪かった。一時的に無敵状態になった今の百合&BLレンジャーは、移動速度も攻撃の威力もこれまでの比ではない。最強には最強で対抗すべく、カイリとツカサはVSチューナーを投げ捨てて手を繋ぎ、強化変身を遂げた。

 

 

「「――デュアル・百合&BL・ウェーブ!」」

 

 天空から降り注いだ光に包まれて、二人が変わる。金銀のアーマーの上に、新たに白と黒のフリルがついた衣装を重ね着した。

 

「光の使者、百合ブラック!」

「光の使者、BLホワイト!」

「闇の力のしもべたちよ!」

「とっととおうちに帰りやがれ!」

 

 百合ブラックとBLホワイトへの二段変身を遂げ、ツカサとカイリは跳躍した。無貌の眼前に着地するやいなや、猛スピードでパンチとキックのラッシュをお見舞いする。壮絶な打撃の嵐を喰らい、無貌の体が大きくよろめいた。二人の攻撃スピードは圧倒的で、刀で触れることすら叶わなかったのだ。

 

 

「――『BANG・解』。『喫茶斬月』」

 

 珈琲サイブレードの刀身を黒く染め、シルバーもまたパワーアップを果たした。二人の横に並び立ち、声を掛ける。

 

「そろそろ決めようぜ、先輩方」

「奇遇だな。俺もそう思ってたところだ」

「あたしも」

 

 マスクの下の目で頷き合い、三人は同時に必殺技を発動した。百合ブラックとBLホワイトは片手を繋ぎ、空いた片手を掲げた。

 

「ブラック・サンダー!」

「ホワイト・サンダー!」

 

 黒と白の稲妻がツカサとカイリの頭上で渦を巻き、二人の手に吸い込まれていった。虹の輝きが、固い絆と愛で結ばれた戦士たちの全身を染め上げる。

 

 

「百合とBLの、美しき魂が!」

「邪悪な心を、打ち砕く!」

「「百合&BL・マーブルスクリュー‼」」

 

 螺旋状に合体した稲妻が、百合ブラックとBLホワイトの突き出した手のひらから勢いよく放たれた。

 

「『オメガ天衝』!」

 

 振り下ろされた珈琲サイブレードから、巨大な斬撃が飛んだ。

 

「……ぐあああああっ⁉」

 

 稲妻が槍となって腹部を貫き、斬撃が袈裟懸けに胴体を抉る。ついに致命傷を負わされた無貌は、崩れ落ち、激痛に悶えた。

 

 

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