百合レンジャーvsBLレンジャー   作:クリスタルスカイ

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明けましておめでとうございます。この拙い作品の連載をいつまで続けられるのか、正直作者にも分かりませんが、今年もよろしくお願いします。


16 電撃・SPEED・LOVE

 新宿歌舞伎町の一番街。何やら目立つ格好をした若者らが、そこにたむろしていた。

 

「レッツ、マンジ!」

「OK!」

 

 特攻服に身を包んだ五人の不良が、掛け声とともに変身ブレスを左腕に付ける。しゃがみ込み、すぐに立ち上がりながらブレスを天に掲げることで、強化スーツが自動的に装着された。

 

「マ~ンジ・ドラゴン!」

「マ~ンジ・グリフォン!」

「マ~ンジ・ペガサス!」

「マ~ンジ・マーメイド!」

「マ~ンジ・フェニックス!」

 

 原典の影響か、「マンジ」の部分をやや伸ばすような感じで名乗りを上げる。伝説獣の力を宿した赤、黒、青、白、桃の五色の戦士が現れたことで、繁華街は騒然となっていた。

 

 

「何だ、こいつら?」

「もしかして、卍帝国の奴らか?」

「その通りだ!」

 

 リーダーと思しきマンジ・ドラゴンが、民衆の声に応える。

 

「俺は東京卍帝国の元リーダー、マイティー。ちなみにこっちの四人は、順にドラゲン、パージン、武一、半田だ」

 

 なお、半田という男の名前が出るのは、今回が初めてである。彼は以前、ショタレンジャーに敗れてボロボロになっていたツカサとカイリを強襲した。両手の甲に「罪」「罰」の刺青を入れており、「ダリィ」が口癖だ。

 

「ムショにぶち込まれている間、俺たちは鬼軍曹のような刑務官に毎日しごかれてきた。心身ともに軍隊式に鍛え上げられた今の俺たちは、『卍レンジャー』として戦っていた頃より遥かに強くなっている!」とドラゲン。竜の刺青を入れているにもかかわらず、変身しているのはマンジ・グリフォンだ。

 

「ついでに、装備も改良しておいたぜ。このパワードスーツの出力は、以前の十倍だ!」とパージン。

 

「俺は……俺たちは! 卍レンジャー改め、『電撃戦隊・マンジマン』っス!」

 

 最後に、武一ことマンジ・マーメイドが締めくくった。

 

 

「今こそ、俺たちの真の実力を見せるときだ。ハートに火がつくぜ、燃え上がるぜ!」

 

 テンション高めに半田が叫び、脱獄した不良たちは進軍を開始した。

 

「まずはこの一帯を制圧し、東京卍帝国の栄光を再び世界へ見せつけてやる」

 

 マイティーは威勢よく言った。

 

「高次元生命体ショタレンジャーからの技術提供はもう受けられないだろうが、パワーアップした俺たちには必要のないものだ。これからは、パワードスーツも巨大ロボも自前で作る。人々の記憶を書き換える装置も、もはや不要! 純粋な力のみで、俺たちは日本を、いや世界征服を果たすんだ!」

「さすがは無敵のマイティー!」

「黒い衝動が見え隠れしてるぜ!」

 

 やんややんやと手下たちが囃し立てるのを遮って、パトカーのサイレンが近づいてきた。降り立ったのは、ツカサとカイリ。

 

 

「そこまでよ、マンジマン!」

「俺たちが相手になってやるぜ!」

「げっ、お前らは……」

 

 嫌な過去を思い出し、マイティーは顔をしかめた。BLエックス・百合エックスへ変身する彼らとは、巨大ロボ「卍キング」と「百合カイザー」「BLカイザー」で激しくやり合い、そして敗北している。

 

「フン。今までの俺たちと同じだと思ったら、大間違いだ。行くぞ! 『マ~ンジ・ソード』!」

 

 腰のホルダーから抜き放った光線銃――名称は「ソード」だが――を構え、五人はマイティーに続いてビームを連射した。咄嗟に左右へ跳び、ツカサたちは回避する。

 

「警察チェンジ!」

「怪盗チェンジ!」

 

 着地と同時に金と銀のアーマーを纏い、エックスチューナーを構えたのを見ても、不良どもは怯まなかった。むしろ、対抗心を燃やしている。

 

 

「撃ち合いなら負けないぜ。『ドラゴン・卍ズーカ』!」

「『グリフォン・卍ズーカ』!」

「『ペガサス・卍ズーカ』!」

「『マーメイド・卍ズーカ』!」

「『フェニックス・卍ズーカ』!」

 

 五人は、どこからはバズーカ型の武装を召喚した。合体させて「パワー・卍・バズーカ」とし、エネルギー弾を発射する。

 

「こっちも行くわよ。『推し推し砲』!」

「豚の角煮~!」

 

 対する百合エックスとBLエックスも、同系統の武器で応じた。威力はパワー・卍・バズーカの方が僅かに上回っていたようで、二つの光弾が衝突して爆発が起こる。

 

「見たか、俺たちの新たなる力! お前らなど敵ではない!」

 

 ガハハハッ、と勝ち誇るパージンを横目に、カイリとツカサは苦笑した。

 

 

「何だ。何がおかしい!」

「「――デュアル・百合&BL・ウェーブ!」」

 

 答える代わりに、二人が手を繋いで叫ぶ。天から降った光に包まれたのち、彼らは白と黒の、フリルやハートマークが付いた衣装を金銀の鎧の上に重ね着していた。

 

「光の使者、百合ブラック!」

「光の使者、BLホワイト!」

 

 ビシッとポーズを決めて名乗った戦士を目の当たりにして、不良たちの間に動揺が走る。当たり前のことではあるが、長い間投獄されていたマイティーらは、ツカサたちのこの形態を見たことがなかったのだ。

 

「ば、馬鹿な。こんな強化フォームがあるだなんて、聞いてないぞ⁉」

「さてはお前ら、進歩しているのが自分たちだけだと思っていやがるな。生憎、俺たちも日々強くなってるんだよ」

「幾度も死線をくぐり抜けてきた、あたしたちの成長スピードに、あんたたちじゃ追いつけないわ!」

 

 

 もう一度パワー・卍・バズーカを放とうとしたマンジマンに、二人は手のひらを向け、必殺技を繰り出した。

 

「「百合&BL・マーブルスクリュー‼」」

 

 ヒーローの全身が虹色の光に覆われたのも束の間、手のひらに圧縮されていた黒と白の稲妻が螺旋状に合体し、勢いよく放出される。バズーカのエネルギー弾ではそれにまったく、太刀打ちできず、マイティーらは「どわあああ~っ⁉」と絶叫して大爆発に呑まれた。

 

「……ふう」

 

 変身解除し、ツカサは額の汗を拭った。あとは、BL警察の部下たちが彼らを拘束し、再び刑務所送りにしてくれるだろう。

 

「一仕事終えたことだし、明日はのんびりできそうね」

「ああ。楽しもうな」

 

 同じく素顔に戻ったカイリが、ニッと笑う。

 脱獄した囚人のすべてを収監できたわけではない。だが、高次元生命体の侵攻から始まった一連の事件は、確実に終わりへと近づいている。戦いを経て強くなったヒーローたちなら、きっとどんな敵でも怖くない。

 

 

「よし。何となく信州そばが食べたい気分だから、明日は長野まで行こうぜ!」

「いいわね。善光寺にも参拝してみたいし……って、長野⁉ ちょっと遠すぎない?」

「いいじゃん、長野。山に囲まれていて、緑が豊かでさ。ちなみに、そのせいで輸送費がかさむからか知らねえけど、長野県内はガソリン価格が他県よりちょっとだけ高い! ドライブで行く場合は、長野県外でガソリン入れてから行くのが無難かもしれないぜ!」

「いつ使うのかも分からない豆知識を披露されても、リアクションに困るわよ⁉ あたし、どちらかというと新幹線で旅行する派だし!」

「なら、俺は車で、ツカサは新幹線で行くか。お前は天を往け! 俺が地を、お前が天を制するんだ!」

「せっかくのデートなのに、何で別々に行くのよ。ていうか、車と新幹線ってどっちも地よね⁉」

 

 彼らを照らす眩しい午後の日差しは、二人の明るい未来を象徴しているかのようだった。

 




今回、ご迷惑をおかけした作品
・チェンジマン
・仮面ライダーカブト
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