PSYCHO-PASS -confrontation of orphen-   作:鈴夢

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隠された真実

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

同日、昼過ぎ

食堂で至福の時間を過ごしていた霜月のデバイスに着信が入る。

映し出された相手のIDに、小さくため息を吐いた。

 

「…お疲れ様です。霜月です。」

 

「こんにちは、霜月監視官。

うちの可愛い部下は、活躍してるかしら?」

 

相手は"いけ好かない金髪"こと、花城フレデリカ

定期的に来る連絡に、どこか不機嫌そうだった。

 

「昨晩も無茶苦茶してくれて、本当に困りましたよ。

…というか、常守監視官に連絡してくださいよ、私よりちゃんとした話が出来ると思いますよ」

 

「だって、あなたが舞白の育成担当じゃない?

定時連絡ごとき、"それくらい"の事、あなたならできるでしょ?」

 

上からの物言いに、イライラとする。

いつか、この女と対等の立場になった時、ギャフンと言わせてやると心の底からいつも考えていた。

 

 

「相変わらず!狡噛監視官補佐はちゃんと仕事をこなしてます。

もう外務省に戻しても問題ないかと思われますが?」

 

「ダメよ、期間は3ヶ月とそちらの局長とも取り決めをさせて頂いたの。しっかり、公安局で基礎を身に付けて貰う為にもね?」

 

「うちは新人の育成所じゃないんです。

だったら、公安局のキャリア研修所に異動させてください」

 

はぁ、とため息を漏らすと。

突如、花城の声色が変わる

 

「舞白はともかく元気なら良いわ

……それより、霜月監視官。あなたに聞きたいことがあって」

 

和やかに会話をしていたが、急に声色が変わる。

なんだろうかと、霜月は神妙な面持ちに。

 

 

「昨年の2月、あなたが乗り込んだ

"特別行政区サンクチュアリ"について」

 

「……はい?

……なんでしょうか?」

 

かなり久しい名前に、ポカンとした様子。

今更、その施設の名前が出るなんて、と考える。

 

「あなたがあの場所で見たものは、一体なんだったの?」

 

ドキッと、霜月の心臓が大きく脈打つ。

そもそも、あれからサンクチュアリは完全封鎖され、中の実態については箝口令が敷かれていた。

 

地層封印しなければならなかった"高レベルの放射性廃棄物"

旧時代の混乱期の中で、杜撰に扱われていた結果、あの場所で密かに再封印されていたのだった。

 

責任者の烏間議員……、実態はシビュラシステム。

白日に晒さないと、その真実を公表しないという取り決めを、霜月は約束していたのだった。

 

夜坂泉と久々利武弥の命の保証と引き換えに―――

 

 

「……なぜ、外務省がその件について知っているの?」

 

そもそもあの特区は、厚生省と経済省が管轄を担い、合弁事業を推進していた場所。外務省が知る由も、必要も無い。

 

 

「その言い方だと、やはり何かあったのね?」

 

「………………」

 

霜月の言葉と声色に、花城は何かに勘づいていた。

しかし、話そうとしない相手から、無闇矢鱈に聞き出す程、花城も薄情ではない。

 

「まあ、いいわ。

…ちょっと気になることがあっただけ。公安局さんは気にされなくて結構よ」

 

「……そうですか」

 

霜月は微かに動揺していた。

その様子は勿論、花城に十分伝わるほど不自然だった。

 

「じゃあ、話したかったことはそれだけだし。

舞白によろしくね?あと2ヶ月、公安局に貸しをしっかり作ってくるようにって」

 

「はいはい、分かりました。失礼します」

 

相変わらず"いけ好かない"相手だと、盛大なため息を吐く。

通話を終えれば、視線を天井へと向ける。

 

 

「……なんで、外務省があの場所を……」

 

霜月の脳内に複数の?が思い浮かばれる。

 

 

 

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・・・・・・

 

 

通話を終えた花城。

デスクにて、険しい顔つきになると、向かいに立っていた狡噛に目を向ける。

 

 

 

「ビンゴ、

やっぱり、経済省と厚生省はなにか隠してるわ。

…それに、現地調査に赴いた、あなたの古巣の刑事課一係もね」

 

デスクのキーボードをカタカタと叩き、目の前のデスクトップに映し出される様々なデータに目を移す。

狡噛は怠そうに、頭を搔くと、花城の背後に回り、同じくデスクトップに目を向ける。

 

 

画面には、極秘で入手した欧米人らしき人物たちの顔写真などが映し出される。

 

"日本棄民" "ZEUS" "○○作戦"

何やら、怪しげな情報も映される。

 

「あんたが調べてた日本棄民の行方。

アジア圏は、ほぼほぼ調査済みだそうだが、欧米は……」

 

「なかなか、欧米までは手を出せないのよ。規模も違えば、危険度もね。」

 

日本棄民

かつて同盟国に日本政府が技術者を派遣していた時期があった。

しかしそれは、シビュラシステムが本格稼働した後に唐突に終了。

各地に派遣された技術者達の帰国は許されること無かった。

 

技術者達は、当時試験運用中だったシビュラシステムにより選別されていた。

要するに、シビュラに不適合だと判断され、国外通報された様なものだった。

 

アジア圏では、チベットヒマラヤ同盟王国。

そして欧米にも同時期に派遣を行っていたが、規模も違えば、紛争も続いており、簡単には足を踏み入れることは出来ない。

 

 

「…やっぱり、舞白は早めに行動課に合流させた方が良さそうね。こっちもこっちで早めに手を打ちたいわ。

近々、局長にまた話をつけに行かないと……」

 

 

「……厄介な話だ……」

 

狡噛はデータの一部の、とあるマークに目を向けていた。

 

雷を手にした男、恐らくは"ゼウス"

ギリシア神話の主神たる全知全能の存在といわれている存在。

 

 

このマークが何を意味するのか。

それはまだ、誰にも分からなかった。

 

 

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