「チッ……!CP、CP!こちらヘルメット団第一小隊!
『こちらCP了解!残存部隊を連れ、速やかに撤退せよ。
『ーーーカタカタヘルメット団、
「わぁ☆私たち、勝ちましたねぇ〜!」
「はっはっは〜!どうよ!思い知ったか!ヘルメット団め!」
カタカタヘルメット団を見事撃破し、残党が撤退する様子を見届けたアビドスの面々は自分たちが白星をあげれらたのを素直に喜んでいた。
『みんなお疲れ様。とりあえず学校に帰還してくれ』
ーーーーーー
「いやぁ〜まさか勝っちゃうとはねぇ。ヘルメット団も結構な覚悟で仕掛けてきたみたいだけど」
「まさか勝っちゃうだなんて……じゃありませんよ、ホシノ先輩……。負けたら学校が不良のアジトになっちゃうじゃないですか……」
欠伸をしながらぼやいたホシノのジョークにセリナは苦笑いをしながらツッこむ。
「先生の指揮が良かったね。まるで私たちだけの時とは段違い。これが大人の力……すごい量の資源と装備、それに戦闘の指揮まで……。ほんとに大人ってすごい」
それもそうだ。的確に与えられる指示、たとえばどこに隠れるべきか、火力や後方支援のタイミングetc…、一歩間違えば何もかも破綻しかねない程に精緻な指揮でスムーズに動くことが出来、いつもの倍以上の戦果を叩き出せたたのだから。
「あははは……まー、ありがとう?」
「おぉ、パパがいなくて寂しかったんだねシロコちゃん。これでママはゆっくり眠れまちゅ」
ホシノは元太を褒めちぎるシロコを見て、そう揶揄った。まぁ、普通なら軽く受け流す程のジョークなのだがーーー
「……ぱ、パ?あっ、はは……いや、なんでもないよ……うん」
ーーー彼には少し刺さったらしい。その証拠に指で頬を掻きながら宇治抹茶を口に放り込まれたが如くな苦笑いを浮かべている。
「いやいや、変な冗談はやめて!先生困ってるじゃないの!……っていうか委員長はそこかしこで寝てるでしょーが!」
「そうそう。可愛そうですよ」
「あははー……ごめんなさい先生、うちの先輩が。……では、少し遅れちゃいましたけど、改めて自己紹介しますね、先生」
元太のように苦笑いを滲ませるアヤネは、ヘルメット団の襲撃によりやりそびれてしまっていた各々の自己紹介をし始めた。
「私たちはアビドス対策委員会です」
「私は、書記とオペレーターを担当する一年のアヤネ……こちらは同じく一年のセリカ」
「どうも!」
快活そうな黒髪猫耳の少女ーーーセリカはヒラヒラと手を上げる。
「二年のノノミ先輩とシロコ先輩」
「よろしくお願いします、先生〜」
「ん。さっき抱っこして運んだのが私。……あ、別にマウントを取ってるわけじゃない」
おっとりとしていながら、自身の身長の何倍の
「そして三年。対策委員会の委員長、ホシノ先輩です」
「いやぁ〜よろしくぅー、先生」
欠伸をしながらだらりとしている小柄な少女ーーーホシノも挨拶を他のメンバーと同じようにーーー惰眠を貪りかけているがーーー零す。
「それじゃあ俺も。ーーー五十嵐元太、よろしくね!」
「はい!よろしくお願いします!ーーーでは本題に。ご覧になった通り、我が校は現在危機にさらされています……。そのため『シャーレ』の支援要請を受理して先生がいらしてくれたことで、その危機をひとまず乗越えることができました」
「そう、か。……ところでー、対策委員会ってなにかな?」
元太はおざなりにされてた疑問をぶつけた。
「あ、そうですよね!ご説明します。対策委員会はこのアビドスを蘇らせる為に有志が集った部活なんです」
「うんうん!全校生徒で構成される、校内唯一の部活なのです☆あ、全校生徒といっても、私たち五人なんですけどね」
(へぇー五人かぁ〜……………………ご、五人!!??)
「ん。他の生徒は転校したり、学校を退学して町を出て行った。前提として学校がこのありさまだから、学園都市の住民もほぼいなくなってカタカタヘルメット団みたいな三流のチンピラに学校を襲われてる惨状なの」
ーーー彼女らの事情は蓋を開ければそれはもう惨憺たる様相であった。元太は頭の中で簡単な仮説を組み立てるがどう足掻いても胸糞悪い結論にしか行き着かない。
バカげた話だが、この町がそうなるように仕向けた奴らがいるに違いない。それはどこぞの大企業か、それとも
(……やっぱどこか寂れてたりってのは気の所為じゃなかった、か。にしても、この子たち心が強すぎないか?たった五人とか普通絶対に心が折れそうなのに諦めないとか……)
「現状、私たちだけじゃ学校を守りきるのが難しいの。ほんとに在校生としては赤っ恥ものだけど……」
「シロコ先輩の言う通り……もし『シャーレ』の支援がなかったら今度こそ万事休すってところでした……」
「だねー。補給品も空っぽだったし、さすがに今回ばかりは覚悟したね。んま、なかなかいいタイミングに現れてくれたよ、先生」
ホシノは欠伸をしながらそう言った。
「うんうん!これならもうヘルメット団なんてへっちゃら、大人の力ってすごいです☆」
「でも……かといって攻撃をやめるようなヤツらじゃない」
「あー……確かに、なかなかしつこいよね。連中」
「はい。ここまで不毛な消耗戦を続けてたら、キリがありません……」
がくりと、項垂れる元太と対策委員会の面々。だが、彼らに光明を示すかのように、だらりとしていたホシノが突然人が変わったように案を出した。
「それについて私からみんなに提案なんだけどさ」
「へ?ホシノ先輩が、案を……!?」
「へ?いやいやいや〜、さすがにその反応はおじさんでも傷ついちゃうな〜、おじさんでもやる時はやるんだよ?」
「……で、何?続けて」
「ヘルメット団は数日経てばまた襲撃する。ま、この数週間そんな負のサイクルがギコギコ回ってるわけだけどーーーーーこのタイミングで、奴らの前哨基地ぶっ壊しちゃわない?」
「は?それって……今から!?」
「だって先生のおかげでさっきの奴らは撃退して少なからず消耗させてるし、補給があるからこっちの装備の消耗は気にしないでトコトンやれるからねぇ〜。ど〜う?妙案でしょ?」
「えっと……先生?どうしますか?」
いきなり饒舌になり的を得た作戦立案をしてきたホシノに一同は困惑の目を向け、その中でも一番困惑していたアヤネは思わず元太に助け舟を出した。
「うーん。いいんじゃない?少しでも戦力とか物資を削げばこの先ヘルメット団とかち合うときも楽になるだろうし、理にかなってると思うよ」
元太は賛同の意を示す。……彼は知らないが対策委員会はヘルメット団だけでなく他の問題も山積みだ。ホシノは委員長として『手近な問題は早めに終わらせるべきだ』という意図も含めて発言したのである。
「うへへ〜。よぉし、そうとなれば善は急げー。早速乗り込むとしますかぁ〜」
元太の賛同を確認し、ホシノは手に持ったショットガンを怠く掲げながら、出撃の合図をし、各自がえっさほいさと忙しなく武装のチェックを始めようと……
「……じゃあ、今回は俺も行こうかな」
「「「「「……!?」」」」」
……した矢先、元太はとんでもない発言をかました。
「うへぇ!?先生、正気を疑うよー。だって、外から来たんなら、弾が一発でも当たったら死んじゃうんじゃないの〜?」
「先輩の言う通り。私達はかすり傷で済むけど、先生はダメ」
ーーーと、口々に先生を諭そうとホシノですら比定意見を出す。
だが、彼も考え無しに『一緒に行く』などと酔狂なことを口走った訳でも無い。
「だ、大丈夫だって!ちゃんと、策があるんだ!それに……君達生徒に戦わせてばっかりなんて、いい歳した大人として、ダサいでしょ?」
ーーー元太のその発言を聞いていたホシノは、誰にも見られないようにひっそりと歯軋りをした。近くにいるシロコにすら聞こえないほどの音量で。
そう、彼女は
そしてーーー
ーーー何も出来なかった、愚鈍で、愚かで、哀れな程に無力であった
「ーーーー先輩。ホシノ先輩!」
「……んへぇ!?し、シロコちゃん?どうしたのさ〜、おじさんに何か用?」
黝い感情が雪崩出てきそうな寸前、ホシノはシロコの呼び声で正気に引き戻された。対するシロコは一瞬、ホシノの瞳に
「……いや、なんでもない。とにかく、先生と一緒に、行くよ」
□■□■□■
アビドス郊外の市街地区エリア。ここはホシノが言っていたヘルメット団の前哨基地エリア、つまり敵の腸ど真ん中。一行は各々の銃を構え、戦闘態勢を整える。
『ヘルメット団、前哨基地エリアに到着。半径15km圏内に敵反応多数!恐らく敵もこちら側に気付いています!皆さん、迎撃の準備を!……ですが、先生はあまりを無茶をしないでください。私たちと違ってパラベラム弾でも致命傷になりかねませんから。危険だと思ったら即、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー
オペレーターであるアヤネの声に続き、前方から数台の戦車がけたたましくキャタピラを唸らせながら現れる。
「うへぇ……ただの前哨基地って割にはあっちもやる気満々だねぇ……」
「何言ってんの先輩!戦車だろうが知ったこっちゃないわ!とっちめてやる!」
ーーーセリカの鼓舞を合図に、元太はデストリームドライバーを腰元へ装着する。
「?先生……?」
「へぁ!?先生、それは……!?」
対策委員会は突然元太が取り出し、彼の腰に自動装着されたベルトに目を剥く。
「…………!?」
「なんだ、ありゃあ……?」
ーーー対するヘルメット団側も、ベルトに奇異な視線を向ける。
そんな様々な感情が孕んだ視線を意にも介さず、彼は天面の『アクティベートノック』を押しバイスタンプを起動させる。
カブト!
そして、バイスタンプパッドに押印。
Deal…
待機音を轟かせ、多色発光する『アーキオーインジェクター』に押印。
Bane Up!
「……変身」
彼の声に応えるかのように空へ舞い上がる金のカブトムシ。そして背後から漏れ出る赤黒い霧が戦車すらも貪り喰らいそうな程の異形の相貌を象り、彼の身体を呑み込んだ。
「「「「『!!?!?』」」」」
その光景に遠方からモニターしているアヤネを含めた対策委員会の面々が絶句する。
破壊!(Break)
世界!(Broke)
奇々怪々!(Broken)
仮面ライダーベイル!
ーーーそして霧が晴れ、顕れたのは異形の戦士。
悪魔を
仮面ライダーベイルが、キヴォトスに顕現した。
「ひっ、ヒイイイィイイイイィ!!」
その姿に不良たちは恐怖のあまり泡を吹いて倒れたり、絶対的な恐怖に脳を支配され、錯乱したかのように逃げ惑う。
「ど、どうせ安物のオートマタみてぇに見かけ倒しだ!撃て!撃ちまくれェェ!!」
だが、全身から滲み出る脂汗を必死に拭いそう啖呵を切った隊長の声に正気を取り戻し、何人もの団員たちはアサルトライフルやサブマシンガンをベイルへ向け、乱射する。
「ーーーっ!先生、逃げて!!」
いち早く危険を察知したシロコが元太にそう声をかけるも一足遅く、彼はヘルメット団が作り出した銃弾の雨を容赦なく浴びせられてしまった。
「……はぁ、はぁ。どうだ、これで、これでくたばーーーーーーーーは???」
ゼェゼェと肩で息をするヘルメット団員。だが、硝煙が作り出した煙幕が晴れ、現れたその姿に団員だけでなく、対策委員会すらも絶句する羽目になる。
「あー……いたたた」
彼自身、多少は痛がってるもののそのスーツは何処も壊れていない。というか傷すらも付いていない。それもそう、全身に展開された強化スーツ『アーキゲノミックスーツ』によって、悪魔か同じライダーの攻撃でも喰らわない限り、傷など付かない仕様になっているのだから。
「あ、あはは、はははは…………どう勝てばいいんだよあんなバケモン……」
そう零した団員の一人はへたりと、地面へ倒れる。
ーーーそんな敵も味方も放心状態の最中、真っ先に動いたのはホシノであった。
折り畳まれた携帯式防弾
「!?」「ぶふぅっ!?」「ぐぁぁああっ!?」
それを見たベイルーーー元太はニヤリと仮面越しに笑みを浮かべ、ホシノにサムズアップ。気を取り直しインカムをオンにしてから、指示を出した。
「さぁ、総員!彼女に続けぇ!!」
まえがきにも書いた通り、待たせすぎて本当に申し訳ない。言い訳をさせてもらうと、この小説ほんへに出てくる新たな設定とか、イベントは書くかどうとか色々考えてたらこのザマだよ!!!!
…………とにかく、これ以上失踪せずに物語完結させるよう死にもの狂いで頑張るのでゴミのような目で見守っててください。