午前9時ごろ、金沢駅。
ある1人の男が、金沢駅で特急に乗って新潟行の列車に乗り込んだ。
まもなくー、9時16分発の北陸本線・信越本線経由特急「北越5号」新潟行が発車します、ドアが閉まります、ご注意ください。
と、アナウンスが流れた。
この日、金沢駅で新潟へ行かれる深田伸二さんが特急「北越5号」に乗って越後路へ向かった。
ファーン!
9時16分、深田と男が乗った特急「北越5号」は金沢を発車して、新潟へ向かった。
金沢と新潟を結ぶ、特急「北越」はその名の通り、北陸と越後の文字を取って「北越」と名付けている。
ヘッドマークには日本海にちなんで海のイラストが描かれている。特急「北越5号」は金沢を9時16分に発車し、高岡、富山、魚津、黒部、入善、糸魚川、直江津、柿崎、柏崎、新津、終着新潟へは12時51分に到着する。
「すいません、乗車券を拝見。」
「はい。」
と、特急券と乗車券を車掌に見せた。
特急「北越」は金沢から直江津までは北陸本線を通り、直江津からは信越本線に入るのだ。
12時02分、特急「北越5号」は長岡に到着した。
そこに、1人の女が長岡で下車していくのであった。
長岡を発車した直後の事だった。
「お客さん、お客さん、もうすぐ新潟ですよ、起きて下さい。」
と、深田は1人の男を起こそうとした。
その時だった。
「えっ、この人死んでるよ。」
と、深田は車掌を呼びに出かけた。
「どうしました、お客様。」
「大変です、人が死んでいるんです。」
「えっ、何だって。」
車掌は男の様子を覗った。
「これは、大変だ、直ちに鉄道公安と警察に連絡しておきます。」
車掌は、終着の新潟で鉄道公安と警察に連絡した。
12時51分、特急「北越5号」は定刻通り新潟へ到着した。
現場には、新潟の鉄道公安隊と新潟県警の刑事たちがやって来た。
「警部、被害者の身元が分かりました。」
「おう、本当か。」
「はい、被害者は東京在住の私立探偵の天野孝弘さん32歳です。」
「ほう、それで死因は。」
「恐らく被害者は、ナイフによる出血でしょう。」
「と言う事は、誰かにナイフで刺して逃走したって事か。」
「ええ、それも考えられます。」
そして、新潟駅で起きた特急「北越5号」の刺殺事件は特捜班にも伝えられた。
「はい、天野孝弘、32歳、ええ、わかりました、早速調査いたします。」
と、高杉は電話を切った。
「高山、新潟県警から捜査協力の要請だ。」
「早速、当たって見ます、主任行きましょう。」
「ええ。」
「ここの住所だな。」
南と高山は、早速天野探偵事務所へ向かった。
「一昨日から金沢へ行ったまま帰ってこなくて心配していたんです、まさか「北越」で殺されるなんて。」
「天野は何で、金沢へ行ったんでしょうかね。」
「ん、あれっ。」
「どうした、高山。」
「女の人が映っているな。」
「何か、調査してたんですかね。」
「そうか、わかったぞ。」
「えっ。」
「天野は、能登へ行って浮気調査をしていたんだよ。」
「それで、翌日に金沢から特急「北越」に乗って新潟から新幹線に乗って東京へ帰京したんだよ。」
「なるほど、特急「北越」やL特急「雷鳥」の場合は、新潟から上越新幹線に乗って東京へ帰京するのは可能ですね。」
「ええ。」
一方、小海と菅原は1人旅をしていた女が帰宅し、話を聞くことにした。
「ええ、私は初日に京都へ行って、次の日は京都からL特急「雷鳥」に乗って金沢へ行ったわ、次の日に七尾線の「急行能登路1号」に乗って輪島へ行ったわ、旅館から徒歩で見附島へ行って、そして事件の現場へ行ってたわよ、それが私の友人なんです。」
「なるほど、その海岸へ行った時に死体現場へ行ってたんですね。」
「はい、私の学生時代の友人だったから。」
彼女の名前は瀬島智子、瀬島は3泊4日で京都と金沢と奥能登へ行っていた事が分かった。
「ええ、私は京都へ行く時は新幹線「ひかり」に乗って京都へ行って、京都から「雷鳥」に乗って、金沢からは急行「能登路」に乗って輪島へ行ったんだから、その後は見附島へ行って、そこで、死体現場に行ったのよ、そして、旅館に戻ったのは16時ごろ、次の日には輪島の朝市を見物して、帰りは金沢駅で特急「加越」に乗って米原から新幹線「ひかり」に乗って帰ってきたのよ。」
「そうか、それで京都と金沢と能登へ行ったのか。」
「ええ、そうよ。」
高山と南と小海と菅原は特捜班に戻り、高杉班長に報告した。
「そうか、瀬島はアリバイありか。」
「ええ、彼女は金沢へ行って観光し、次の日に七尾線に乗って輪島へ行ったんだから。」
「そうだろうな。」
「和倉温泉には泊まっていないのは、確かですね。」
「ええ。」
そこへ、鶴岡がやって来た。
「主任、和倉温泉へ行っていた男と一緒だった人が公安隊の方へ用があるそうです。」
「えっ、本当かそれ。」
「はい。」
「私は当日は、そこで和倉温泉の駅で3人の女の子と駅で一緒に写真を撮っていたんです。」
「ほう、と言う事は彼は和倉温泉駅に来ていたんですね。」
「はい、温泉は別の部屋でしたが、次の日は能登を観光中に3人の女の子と一緒だったな、確か虹ヶ咲の女の子だったな。」
「そうです、じゃあその女の子に聞いてみようか。」
「ええ。」
南は、歩夢としずくと侑に聞き込みをすることにした。
「えっ、この人でしょ。」
「じゃあ、奥能登の輪島へは一緒だったのか。」
「ええ、一緒だったわよ。」
しずくは南に行った。
「じゃあ、あなたは旅行へは一緒だっただな。」
「ええ、だって私、能登と言ったらお父さんが行方不明の事を思い出すから。」
「そうか、もう1年になるか。」
「あの後、母と2人で暮らしているんだよね。」
「そうよ、しずくちゃん可哀そうだよ。」
「じゃあ、歩夢ちゃん達はその男と一緒だったんだね。」
「ええ、間違いないわよ。」
「そうか、ありがとう。」
南か戻って、高杉に報告した。
「そうか、歩夢ちゃんと侑ちゃんとしずくちゃんの証言通り、旅館も確認したし。」
「アリバイ成立ですね、班長。」
「ええ。」
鶴岡は、時刻表を持って来て南と高山と高杉に話をした。
「歩夢ちゃん達の足取りを確認してみました。」
「おう、本当か。」
と、時刻表を見て見ると。
歩夢としずく達のルート
東京発7時07分発 東海道新幹線「ひかり3号」に乗車
名古屋着8時59分 下車
名古屋発9時12分 北陸本線特急「しらさぎ3号」に乗車
和倉温泉着13時06分 下車
和倉温泉で泊まった後は、輪島を観光
金沢発12時43分 北陸本線特急「かがやき7号」に乗車
長岡着15時12分 下車
長岡発15時20分 上越新幹線「あさひ318号」に乗車
東京着16時52分 下車
瀬島のルート
東京発7時07分 東海道新幹線「ひかり3号」に乗車
京都着9時42分 下車
京都発8時39分 北陸本線特急「雷鳥13号」に乗車
金沢着11時01分 下車
金沢発8時02分 七尾線急行「能登路1号」に乗車
輪島着10時16分 下車
見附島と輪島朝市を見物
輪島-金沢へは、七尾線に乗り
金沢発13時27分 北陸本線特急「加越8号」に乗車
米原着15時27分 下車
米原発15時35分 東海道新幹線「ひかり252号」に乗車
東京着17時56分 下車
「なるほど、乗った列車は違うのか。」
「ええ、瀬島の場合は1人用個室を利用していた事が分かりました。」
「そうか、車掌も覚えていたのか。」
「はい。」
「後、先ほど来ていた男は、名前は相場 裕介は上越新幹線に乗って能登へ行った事が分かった。」
相場のルート
東京発10時08分 上越新幹線「あさひ309号」に乗車
長岡着11時41分 下車
長岡発11時49分 北陸本線特急「かがやき4号」に乗車
和倉温泉着15時23分 下車
和倉温泉へ1泊 輪島朝市を見物 能登金剛へ観光
輪島-金沢へは、七尾線に乗り。
金沢発14時31分 北陸本線特急「しらさぎ10号」に乗車
名古屋着17時25分 下車
名古屋発17時33分 東海道新幹線「ひかり260号」に乗車
東京着18時56分 下車
「そうか、彼は行きは上越新幹線、帰りは東海道新幹線を利用したんだな。」
「でも、問題は犯人はどんな列車トリック使ったかだ。」
「ええ。」
その後の捜査で、長岡駅で女性が下車して新幹線ホームで東京へ向かった事が分かった。
「えっ、長岡駅で怪しい女が下車して上越新幹線に乗って東京へ向かった。」
「ああ、今新潟県警の小森警部から連絡があった。」
「それで、何歳ぐらいの女性ですか。」
「そうだな、20代か30代ぐらいのね。」
「うーむ、今回の事件は能登と特急「北越」で連続殺人が起きたから、この女が犯人なのかな?。」
「ええ。」
「つまり、その女は金沢に来ていたのかな。」
「ええ、調べたところ女は京都からスーパー雷鳥に乗って和倉温泉で泊まり、その後恋路海岸へ行き、輪島朝市を見物して、次の日は金沢へ観光し、金沢から加越に乗って米原から新幹線に乗って東京へ帰京したと言っているんだ。」
「うーむ、何か引っ掛かるんだよな。」
「高山もそう思うのか。」
「ええ、何か引っ掛かるんだ。」
次の日、高山は特急「北越5号」で起きた殺人事件の捜査を追うため、金沢へ向かった。
「やはり、能登の事件と関係しているんですかね。」
「ああ、現段階ではな。」
小沢警部は高山に言った。
「恐らく、この女が犯人ではないかと。」
と、その時だった。
「はい捜査一課、何、小松で被疑者と思われる女性がタクシーに乗って金沢へ向かってる。」
「えっ。」
と、高山は驚く。
「とにかく、我々は小松から来たタクシーを追うぞ。」
「はい。」
「警部、非常線を張ってください。」
「了解。」
すぐに小沢警部は無線で緊急手配した。
「緊急手配、緊急手配、能登と特急「北越5号」殺人事件の被疑者と思われる女性が小松から金沢方面へ向かって逃走中、付近のパトカーは検索に当たれ。」
高山は城島刑事と香取刑事の覆面パトカーに乗ってタクシーを追跡した。
「犯人が乗ったタクシーは加州タクシー15号、緊急手配。」
「了解、直ちに手配します。」
女が乗ったタクシーは小松インターから北陸自動車道を通って金沢方面へ向かった。
そこへ、1台のパトカーが犯人と思われる女性が乗ったタクシーを発見した。
「おい、あの車。」
「間違いない。」
「こちら交機301、手配中のタクシーを発見。」
と、パトカーはサイレンを鳴らしてタクシーを追った。
そして、覆面パトカー1台とパトカー3台でタクシーを追跡した。
タクシーはパトカーに囲まれ停車した。
「あのー、何か。」
「すいません、石川県警の物ですが、被疑者が小松空港でタクシーに乗って逃走したと通報がありまして、調べさせてください。」
「わかりました。」
「すいません、鉄道公安の物ですが。」
高山は手帳を見せた。
「えっ、私が能登と特急「北越」で殺人を。」
「そうです、ご同行願いますか。」
被疑者の名前は井上京子、彼女は東京から小松空港で金沢へ行く途中であった。
「あなたは、和倉温泉に行かれたことはありますか?。」
「えっ、私が毒殺をしたって。」
「そうです。」
「そんなの知りませんよ、私は和倉温泉へは行ったけど、毒殺なんてありえないわ。」
「じゃあ、あなたは9時16分発の特急「北越5号」には乗りましたか?。」
「北越、私はそんなの乗らないわ。」
「えっ、どういう事それは。」
井上は、能登と特急「北越」の殺人は知らないと言っている。
「私が能登へ行った時は、あの時は上野から夜行に乗って金沢へ行って、そこから急行に乗って輪島へ行ってその後は恋路海岸へ行ったんだから、そして帰りは金沢発の特急「しらさぎ」に乗って東京へ帰ったんだから。」
上野発22時44分 寝台特急「北陸」に乗車
金沢着6時33分 下車
金沢発8時02分 七尾線急行「能登路1号」に乗車
輪島着10時16分 下車
輪島市内観光、朝市見物
輪島からバスに乗って、珠洲へ
見物した後に和倉温泉で1泊
金沢市内を観光
金沢市内のホテルで1泊
金沢発9時43分 北陸本線特急「しらさぎ6号」に乗車
名古屋着13時20分 下車
名古屋発13時33分 東海道新幹線「ひかり110号」に乗車
東京着15時28分 下車
「なるほど、特急「北越5号」に乗るのは無理ですね。」
「だから言ったでしょ、無理だって。」
「でも、どうして能登に。」
「彼が別れたから、傷心旅行に行っていたんです。」
「なるほど、あなたは上野から寝台特急「北陸」に乗って能登へ行ったのか。」
「ええ、ただ、珠洲へ行った時に和倉温泉に行く時に1台のスポーツカーに乗せてもらったの。」
「それ、いつの事です。」
「私が珠洲へ行った時に、私に声を掛けたの。」
「ほう。」
「和倉温泉に行く時に「何処まで行くの?。」と言って、私は「和倉温泉まで」と言って、車に乗って和倉まで送ってあげるからと言ってその車に乗せてもらったの。」
「なるほど、それでその車の色と特徴は覚えている。」
「ええ、確か赤いスポーツカーだったわ。」
「ちょっと待て、小松から飛行機で来ただろ。」
「だってあの時は、列車が満員だったから飛行機に乗って小松へ行ったんだから。」
「それで、帰りの方は。」
「私は、金沢から特急「かがやき」に乗って新幹線で東京へ帰るんだから。」
「ほう、小松から金沢へ行って、次の日に帰京するのか。」
「ええ、間違いないわよ。」
「その時に何か気づいたことはなかったか。」
「ええ、温泉に行く前に車で能登島へ向かってたんだから。」
「能登島へか。」
「ええ。」
「その赤いスポーツカーに運転していたのは男か女が分かるか。」
「女の人だったよ。」
「何歳ぐらいか、覚えている。」
「ええ、確かサングラスかけていたから、年は30代ぐらいかな。」
「なるほど。」
その後の石川県警の調べで井上は輪島へ行った後珠洲へ行き、そこから赤いスポーツカーに乗った30代ぐらいの女が井上を乗せて和倉温泉へ送ってもらった事が分かった。
その後、南と鶴岡と小海は石川県警本部にやって来た。
「高山、何か分かったか。」
「ええ、実は珠洲辺りで赤いスポーツカーに乗った女に乗せて貰い、和倉温泉まで送ってくれたんだ。」
「と言う事は、このスポーツカーの女が怪しいって訳か。」
南は高山に言った。
「ええ。」
「と言う事は、この女が怪しいんだな。」
「なるほど、この女を調べる必要があるわね。」
「問題は、この女の列車トリックだ。」
「ええ。」
「怪しいな、この女は。」
と、鶴岡は言った。
犯人は、どんなトリックを使ったのか
果たして、アリバイは崩れるのか?