麦わらのウタ   作:ヒラメもち

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・本来の過去を含めて、妹のことも話題に出して、独自設定まで出したけど、でもやっぱりアーロンはいっぱいぶん殴ってやりたい。筆者もそう思いました。


第15話 アーロン

 ルフィは確かにアーロンの腹に全力のゴムゴムのバズーカを打ち込んだ。でも、今のアーロンはしっかりと受ける体勢で構えたとはいえ、バズーカを至近距離で受けて耐えれるなんて。

 

 今まで私たちが戦ってきた海賊の中でも、飛びぬけて強いかもしれないね。

 

「ハッ! なかなかやるが、所詮は下等種族だな」

 

 そしてアーロンは攻撃の体勢に入る。

 強力な拳がルフィの頬へぶつかったけど。

 

「効かんっ!!」

 

 打撃に耐性があるルフィは、アーロンの頬を殴り返したけど、有効打にはならない。今のルフィの地力では完全に負けてるかも。

 

「やはり悪魔の実の能力者ッ! 忌々しいッ!」

「そうかよっ!!」

 

 銃弾(ブレッド)を再び腹にぶち込もうとするけど、水かきのついた巨大な手のひらで遮られた。でもルフィはそこからガトリングに繋げ、護衛に来た魚人の人たちを吹き飛ばしていく。肝心のアーロンにはそれもあまり効いてないし、ルフィにも援護(ウタ)が必要だよね。

 

「うおおおクソ野郎ども! よくも俺のナミさんを!」

「貴様らこそまた俺たちを虐げるのか!!」

 

 たぶんエイで重厚で大きなヒレだ。

 

 ルフィに続いて華麗な足技で次々と倒していたサンジの一撃を、難なく防いでいる。それに、今のゾロは刀1本しかない状態で、たぶんタコの六刀流を相手している。更に、水鉄砲を吐きながら距離を詰められたウソップは追いかけられてる。

 

 あの3人も幹部クラスで突出しているけど、魚人という種族は、魚の特徴を持っていることが共通みたい。ある意味、能力者集団を相手にしている気分だ。

 

「わるいけど、まだボクが話してる途中なんだ」

「ウタウタ指揮者(コンダクター)♪」

 

 (ウタ)いながらレイピアを振るって、ルフィに向かってくる弾丸(みず)を弾き飛ばす。何発かアーロンには当たった気がするけど、水だからか意にも介していない。

 

「ん、ありがとう! ウタ!」

「ちっ、あの女も能力者か?」

 

 ルフィたちの喧嘩に横槍を入れたのは、シャボン玉に乗っている人魚の人かな。

 

「うおおお! そういや美しいにん…ぎょ……?」

 

 彼の見た目が1番違うところは、まさしくサメのような下半身だ。フードを被っていて黒い髪で左目を隠しているけど、その容姿はとても整っている。サンジも一瞬メロメロになりかけたくらいだ。

 

「……なんだい、あいつ?」

 

 少し太い声が、この人魚が男性だって確定する。

 クルクルと貝の装飾のある(ピストル)を回した。

 

「貴様、無礼だぞ!」

「うっせぇ! 人魚のレディーに会いたかったのにぃ~」

 

 再び喧嘩に戻っていったけど、ますますサンジの技にキレが増した。

 

「とりあえず全員大人しくしてもらいたい」

「無理。ルフィはもう完全に怒っちゃってるし」

 

 片方の(ピストル)はあのシャボン玉は作るものなんだ。大きくなったシャボン玉でフワフワと浮いていって、そしてもう片方の(ピストル)弾丸(みず)を撃ってくる。そういう戦い方かな。

 

「私もアーロンのやつ、いっぱい ぶん殴ってやるつもりだから」

「怖い女の子だ」

 

 だから、貴方にルフィの喧嘩は邪魔させないよ。

 

「空がステージってことね よっと♪」

 

 私はウタを変えて、フワリと風に乗る。

 難しいけどいつまでも未完じゃ勿体ないよね。

 

「風に乗って♪」

 

 えーと、集中、集中……

 

「それ、無防備じゃない?」

「あ! いったぁ!?」

 

 肩に弾丸(みず)が当たったこともあって、(ウタ)が途切れて落ちそうになるけど、どうにか立て直す。

 

 そうだった、相手は浮くための(ピストル)と、攻撃のための(ピストル)の両方を持ってるんだ。

 

「そうだ!」

 

 私の身体は一度落ちていく。

 

「歌はやめるのかい?」

 

 いいや間奏だよ。

 こういう(ウタ)はどうかな。

 

「旋風よ♪ 巻き上げて♪」

 

 巻き起こる竜巻が私の身体ごと空へ押し上げる。

 風で形を変えるシャボン玉が、パンッって割れる音。

 

「くっ、勿体ないんだけど」

 

 改めて空中でシャボン玉を形づくっているけど、弾丸(シャボン)には限りがあるってわけね。だったら畳み掛ける。

 

「ウタウタ弓矢(アロー) セット」

 

 風の(ウタ)だから、緑色の五線譜を指でまとめて、弓矢を形づくる。そして緑色の音符の付いた矢をつがえる。

 

「よっと♪ シュート♪」

「まずいっ!?」

 

 風を纏った(ウタ)はいつもより速くて、フワフワしてるだけのシャボンなんて貫いた。

 

「……くそっ! 仕方ない!」

 

 地面へ向かって落ちていく彼の身体のあちこちから、毛が生えてきた。姿も少しずつ、何か別の動物のように変化していく。

 

 あれってまさか。

 スタッと微かな音を立てて着地したけど。

 

「ネコは高いところから落ちても平気らしいね」

 

 サメの下半身すら様変わりして、大きな4足歩行のネコになっちゃってる。紺色1色でかわいいネコだ。たぶん動物(ゾオン)系の。

 

「もしかして、ネコネコの実?」

「名前は知らないけどね」

 

 戦意はなく、その能力で戦うことはないみたいだ。彼はネコの姿から元に戻って、サメの下半身を自然と折り畳んで地面に座った。絵本で出てきそうな人魚の姿は美しさを感じるけど、ここは地上だ。

 

 彼の後ろには海水を引いたプールがあるけど、そうかこの人、人魚だけどカナヅチなんだ。だから水中じゃなくて、空中をステージにしたんだ。

 

(ダイアル)は水に落ちた。ボクの負けだよ」

 

 風の(ウタ)を終えて私も地面に降り立つ。

 って、この空気が割れる音、まずいっ!

 

「てめぇ! 俺の弟によくも能力を!」

「ガ……かはっ……」

 

 私は蹴られて地に伏せられ、おなかを踏みつけられる。上手く息ができなくて、(ウタ)えない。それがとてもつらい。どんな悲しいときだって(ウタ)は元気をくれるのに。

 

「ちっ、麦わらァ!」

「ぐ……ッ! お前こそ!!」

「っ! ル……フィ……」

 

 サメの歯のような剣をルフィが代わりに手で受けてしまった。ゴムの身体は打撃には強いけど、斬撃には弱いのに。

 

「お…お前こそ、ウタを狙いやがって……」

「知るか! 下等種族がッ!!」

 

 両手から血を出しながらも、刀身を握ってなんとか押し返そうとしている。漏れているルフィの苦痛な声が、何よりも、とても痛く感じちゃう。いっぱい涙が出てくる。

 

「人間はいつもそうだ。人間という種族が世界一素晴らしく偉いんだと思い込んでる。子はまたそれを見て育ち、つけ上がる…!!」

「ぁぐ……知るかぁ……」

「……ぁ……」

 

 ウタを、どうにかウタを。ルフィを癒すウタを。

 

「もうやめよう! 兄さん!!」

「俺の弟も人間に余興だなんだのと、悪魔の実を食べさせられた! よりにもよって地上の獣なんかになる能力だ! そのせいで妹と共に海を泳げなくなったんだ!!」

 

 『だから』と叫んで、ルフィへ顔をぶつける。

 ルフィはまだ耐えている。私も耐えるから。

 

「だから! 人間を支配して作ったんだ!

 俺ら兄弟妹(きょうだい)の居場所をッ! その自由を奪うのかッ!!」

 

「ギア……2(セカンド)ッッ!」

 

 ルフィのゴムの足がポンプのように膨らみ、一気に剣を押し返した。おかげで私は呼吸ができるようになった。

 

「はぁ……ガハッ……無事か!?」

「いたいの……いたいの……とんでけ♪」

 

 無理やり発動した未完の強化(ギア)の負担で、血を吐いてまで、ルフィは私を心配してくれている。そんな愛しい幼馴染へ向かって、癒しを(ウタ)う。

 

「君たち、危ない!!」

 

 弟くんが教えてくれたけど、この音、たぶんアーロンがロケットのように飛んできてる。

 

(シャーク)・ON・DARTS!」

「ウタが俺に強さをくれる!!」

 

 ルフィが再びギアを無理やり上げて、強力な両拳でアーロンを地面に叩き伏せた。けれど、それでもアーロンは地面に両手を当てて勢いよく立ち上がる。最初にルフィと戦っていた時より、強くなってる気がする。

 

 まるで戦いの勘を取り戻したみたいだ。

 

「ちィ! この女がそんなに大切かぁ!」

「てめぇ! なんてことするんだーーッ!!」

 

 浮遊感とともに、たぶん投げられたかな。

 ドガンと、壁を突き破ったみたいだけど。

 

 私は、ゴムの身体に守られていた。

 

「ウタ、無事か!?」

「けほっ……ルフィこそ……」

 

 赤いシャツに自分の血がいっぱい付いているし、口元だって血がいっぱいだ。剣を抑えてくれたから、手のひらからもいっぱい血が流れている。『あの鮫を消し飛ばしたいわね』

 

 私は麦わら帽子を被り直す。

 ルフィは、ナミに貸したままだったね。

 

「なんだこの部屋」

「えっと、紙がクッションになってくれたみたい」

 

 撒き散らされた1枚をとって、顔を拭いてあげる。

 たぶん海図かな。

 

「ナミが描いたんだと思う」

「これ、全部か」

 

 たぶんここはナミの部屋として作られている。もしこれを楽譜に置き換えたとしたら、ゾッとする。誰が見ても、途方もない年数と時間をここで過ごしたことが分かるから。

 

「このペン、血がしみ込んでる」

「古い包帯も残ってるね」

 

 新品らしい包帯をルフィの両手にしっかり結んであげてから。

 

 よし、壊そう。

 換気もしたいからね。

 

「おらぁ!」

「えいっ!」

 

 ルフィが部屋の壁を破壊すると、次々と海図が風に舞う。机とか本棚とかもどんどん投げ捨てる。私は(ウタ)ってナイフに火を纏わせて、海図を燃やしていく。木でできた部屋の壁に燃え移るけど、この島の支配の象徴とも言えるこの城なんて1回壊したほうがいい。

 

「てめぇら、一体何の真似だッ!」

 

 私とルフィは燃える城を背中に、ステージへ再び降り立った。アーロンは弟くんと何か怒鳴り合って口論してたみたいだけど、サンジやゾロに手を出す前に戻ってこれてよかった。

 

「海図は俺のものだッ! この城は俺たちの居場所だッ!」

「兄さん! 元々この島はボクらのものじゃないだろ!?」

 

「魚人がどう偉いとかっ、海図がどうとか、お前らの事情とか、よくわからねぇけどな!」

 

 ルフィは地面に向かって拳を、ガンッって当てる。

 

「お前はナミを泣かせたし!!

 ウタまで傷つけたし!!」

 

 『それと!!』、と付け加えるように叫ぶ。

 

「兄貴なら弟が泣いてるくらい! 分かれ!!」

「なっ!? 麦わらァーー!!」

 

 アーロンは激昂しながら奥義の体勢に入った。

 私は(ウタ)う。かけがえのない貴方のために。

 

「ウタウタの行進曲(マーチ) ギア御手(アッパー)♪」

 

 たくさんの音符がルフィの身体へ溶け込む。

 負担が少しでも和らぎますように。

 

 ルフィの足がポンプみたいに膨らんで、血液の流れを速めて、身体は熱を持って、蒸気を放ち始める。

 

「ギア2(セカンド) ゴムゴムのぉ~」

 

 左の掌を向けて右腕は大きく伸ばす。

 今なら発揮できるよね、一段階進化した技が。

 

(シャーク)・ON・DARTS!!」

「JET(ピストル)!!!」

 

 進化したゴムのパンチは、この場の誰にも反応できないくらい速くて、強靭なアーロンの身体を真っ向から押し返した。本来はギアを上げると、全ての技の威力が1段階進化するんだよね。だからルフィはまだまだ強くなれる。

 

 地面に倒れたままだけど、ギザギザ鼻は完全にへし折れたみたい。

 

「ガハッ……俺は人間に復讐するって誓ったのに!!」

「勝てないやつから逃げて、ただ虐めてただけだろ!」

 

 アーロンの過去はまだ分からないことが多いけど、この島を何年も支配したことは分かっている。昔はいわゆる奴隷として虐げられたんだろうけど、逆に自分がその立場になって他人に同じことをやるというのは、復讐の連鎖というか、いや、そうじゃないか。

 

「そ、そうだ! 俺があいつらを支配するんだ!!」

「じゃあナミたちは全然わるくないじゃん! ただのやつあたり野郎!! あんたは自分がやられた痛みとか憤りとかを晴らしたいだけでしょ!!」

 

「お、俺があいつら人間と同じだってのかッ!」

そんなの自分で考えろ! ゴムゴムのJET(ピストル)!!!

 

 バキューン、と追撃の(ピストル)が地に伏せたアーロンへ再び突き刺さった。

 

 空中から高速のパンチを叩きつけられた衝撃で、アーロンパークの地面には広範囲に亀裂が入っている。もう1発殴ろうかとルフィは拳を構えたけど、やがてその熱は冷めていく。(ウタ)の効果が切れたのもあるけど、弟くんも見ていることだし。

 

「……兄さんの完敗だよ」

 

 白目をむいたアーロンへ向かって、弟くんがそう呟いた。

 私の(ウタ)を聴いたルフィは最強なんだから。

 

 そして。

 ザバーンって、海まで続くプールを通ってやってくる音が。

 

「「あ、牛魚だ」」

 

 でもここに来るときに会った牛魚くんとは違うみたい。

 

「結局ボクの言葉は届かなかったし、兄さんの凶行を君たちが止めてくれて良かった。ありがとう」

 

 大きく頭を下げたあと、彼は4足歩行のネコの姿となった。

 

 肉体的にも精神的にも、ルフィがボコボコにしたアーロンを器用に背中へ(かつ)いだ。他にも、牛魚くんが引いてきたボートからは、あまり戦えなさそうな魚人の人たちも入り混じって降りてきて、倒れている人たちを回収していく。

 

 魚人や人魚の人たちにもいろいろいるんだろうな。

 

「そうだ。君にはいい風の歌を聴かせてもらったよ。なんだか、ボクもこの能力が少し好きになれそうだ」

「ありがとね、弟くん♪」

 

 元が美しいからか、紺色の毛並みのネコの姿も可愛いからね。

 

「あっ、1人向こうの林にいると思う」

「助かる。いつか、魚人島で会えるといいね」

 

 軽やかに4本脚で彼は船へ飛び乗った。

 牛魚くんによって海へ戻っていく。本当の故郷へ。

 

 

 城の炎もいつの間にか消えて、残ったのは瓦礫だけだ。

 

 

「おーい! みんな~! 俺も幹部倒したぞ~」

 

 傷を負いながらもサンジもゾロも相手を倒していて、ウソップもボロボロの身体で満足そうに帰ってきた。ヨサクとジョニーも、この島の人たちも、心配して見に来てくれている。

 

「ナミ!!」

 

 そしてナミはいっぱい涙を浮かべている。

 ルフィは彼女の名前を叫んだ。

 

「お前は、俺たちの仲間だ!!」

 

「……うんっ!!」

 

 麦わら帽子を胸に抱えて、ナミは精一杯の幸せな笑顔を見せた。

 

 

 

 

****

 

 傷の療養も含めて、ナミの故郷の村に滞在させてもらうことになった。

 

 そこに行く途中で海軍のネズミっぽい人たちが絡んできたけど、ルフィがかかと落としで地面に叩き伏せた。アーロンパークへ向かって、輸送していたらしいナミの1億ベリーはしっかり返してもらったよ。

 

 そして、村の解放を喜ぶ宴の翌日。

 

「はい、あ~ん♪」

 

 ミカンをルフィの口の中へ入れるとシャクシャクと食べてくれる。ルフィはいっぱい食べてくれるから、私がいっぱい剥いて食べさせてあげるね。

 

「てめぇルフィ! どうせもう治ってるだろ!」

「だって包帯巻いたままじゃ食べづらいでしょ!!」

 

 サンジにちょっとキツめに言っちゃったけど、シュンとしちゃった。ごめんだけど、これくらいルフィの隣を保持してないと、何か危険な気がするんだよね。

 

「兄貴、お元気で!!」

「この東の海からご活躍を願ってやす!!」

「次会うときは世界一の大剣豪になったときだな」

 

 ヨサクとジョニーとは、ここでお別れみたい。

 一から鍛え直す意味もあって賞金稼ぎを続けるらしい。

 

「ナミのやつ遅いな」

「久しぶりにお姉様に会えたんだ。積もる話もあるさ」

 

 ウソップが呟くと、涙を浮かべて何かを諦めた瞳のサンジが相槌を打った。もう立ち直ってくれたサンジが煙草を吸いながら、たぶんナミが来ることには嬉しそうな声と涙を隠せていないんだよね。

 

 そういえばナミと一緒に航海するのはこれからだもんね。

 

「船を出して!」

「は~い ナミさん♡」

 

 昨晩、船にミカン畑を移す時もそうだったけど、ナミに指示されたときのサンジって働き者だよね。最終的なメリー号の出航準備をテキパキと終わらせる。

 

「おいおい、いいのかよ」

「はっはっはっ 面白いことやってんな」

「うわっ、手癖も性格もわりぃ」

「ナミらしい挨拶だね♪」

 

 私はなんとかだけど、ルフィやゾロにはナミの盗みがはっきり見えるみたいだ。村の人たちや、お姉さんすらも、名を呼ぶ声には応じず、ナミは足を止めずに駆け抜けた。

 

 メリー号に跳び乗ったナミは、ようやく振り返った。

 

「みんな元気でね♡」

 

 肩が見えているくらいずいぶんと薄着だけど、どこに挟んでいたのかっていうくらい、たくさんの財布が甲板に落ちる。大騒ぎして怒っている村の人たちだけど、そこには活気があって、みんな結局『いってらっしゃい』をナミへ伝えてる。

 

「じゃあねみんな! 行ってくる!!」

 

 大きく手を振るナミの腕には、新しい入れ墨が描かれていた。

 

 そして、ルフィと私へ振り向く。

 幸せそうな笑顔はホントに自然体だ。

 

「これからもよろしくねっ!」

「ししし おうっ!」

「ナミさぁ~ん♡」

「うん、よろしくね♪」

 

 そしてたぶん女にしか分からないくらい、ナミの表情がちょっと変わる。

 

「みんな、ありがとねっ!」

 

 ねぇナミ、その泥棒猫みたいな笑顔は何カナ?

 ねぇルフィ、モテるのやめなよ。

 

 

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