ウォーターセブンという島は、水の都って聞いていたけど。
「すっげぇ~」
「きれい~」
まるで街全体が1つの噴水みたい。
建物が段々と連なっていて、その境界には水の滑り台ができている。そんな噴水を囲むように、また海面には別の街があって、高めの柱を支えに建物が立ち並んでいた。
海底はそこまで深くなさそうだけど、元々は島でもあったのかな?
それにしても私たちの船がドクロの旗を掲げていても、街の人たちは優しく声をかけてくれるね。海軍の船は特に見当たらなかったけど、街の警察や自警団でもいるのかな。
オススメされるように岬にメリー号を停泊させる。でも、帆を畳んでいるうちに、バキバキってマストがまた折れちゃった。
ここに来るまでに船底から水が何度か入ってきたし、嵐の影響なのか甲板の板はボロボロだし、材料や技術も含めて船大工の人たちにはしっかり修理してもらわないとね。
私たちにはチョッパーがいて、怪我も病気も治してくれる。今度はメリー号のだよね。船大工の人たちに直してもらって、ちゃんと良くなってくれるといいけど……
「よーし! すぐに船大工のところに行こうぜ!」
「新しい仲間もそこで見つかるかな~!」
「待って、ルフィ、ウソップ」
急いで街に向かっていこうとする2人をナミが呼び止めてくれる。私は少し準備してから行こうとしていたから助かった。ルフィのことだから、迷子になったりトラブル起こしたりしそうじゃん。
「ココロさんに紹介されたガレーラカンパニーに行くこと、黄金を換金できる場所を聞くこと、それにあんたらだけでアイスバーグって人を探せる?」
ナミが指を3本見せながら伝えたけど、ルフィとウソップはポカーンってした。
「アイス? ハンバーグ?」
「そうだった、黄金がなけりゃ支払いができねぇな」
「そうと分かったら運んで来なさい。私とウタが一緒に行くから」
2人が運び出してくれる間に、私は女子部屋に走る。
というかナミが気を利かせてくれてよかった。私はルフィと一緒にウォーターセブンを観光してみたかったし。
「お待たせ!」
指でクイクイできる伊達眼鏡とか、黒色のジャケットとかネクタイとかミニスカートとか、せっかく私たちはガレーラカンパニーってところのお客さんらしいから、知的でカッコよくしないとね。
「ははっ、なんか頭いいっぽいな!」
「でしょでしょ~ クールビューティーなウタだよ!」
「はいはい、それじゃあ行くわよ」
ナミもネクタイと濃い青色のブラウスで、いつもよりクールビューティーって感じがするけど、私のほうが完ぺきだね!
「気をつけてね~! ナミさんとウタちゃ~ん!」
「迷子になるなよー」
ゾロにだけは言われたくないかな。
「俺たちも出かけるけど、集合場所はメリー号でいいよな~!」
「そうね! 日が落ちる頃には戻ってくること!」
まあチョッパーやゾロには、ロビンやサンジが付いていてくれるだろうから大丈夫だよね。それにしても、なんだかナミは私たちのママっぽいよね。
私たちはゴツゴツした岩場を歩きながら。
「そうだ、先に換金しておかねぇか?」
ウソップがそう提案するように声を発した。
「なんで? 船大工に宝払いすればいいじゃねぇか」
「あのねルフィ、あれはフーシャ村だから許されたの」
ルフィってホントお財布とか持たないよね。今回ナミからみんなに配られたお小遣いだって、『ルフィはなくすでしょ』って真顔で手渡されて、私が預かっているもん。
「そうねー、紙幣に変えておけば、私たちでも運べるもんね」
ルフィが紐で引っ張って荷台をコロコロさせてくれているけど、確かにこれは人目につくかもね。私やナミやウソップじゃ、かなりの重量の黄金をいざって時に運ぶこともできないし。
「あれが街の入り口?」
「なになに、レンタルブルショップって書いてるぞ」
「ブルって何かしらね」
「すみませ~ん! ブルってやつを貸してくださ~い」
素直なルフィに『まず何か聞け~!』って、私たち3人でツッコミを入れた。
店主のおじさんは笑ってくれて、早速テキパキと準備してくれる。ウォーターセブンにログポースで来たことを驚いていて、小型のボートを2台用意してくれた。
ヤガラって言うらしい魚が街の水路のあちこちを泳いでいて、ボートに乗った人たちを運んでいた。泳ぐ馬みたいな生き物で、可愛い顔をしているね。
1日レンタルで1000ベリーって、相当お得だと思う。
ヤガラたちは人懐っこくて、頬ずりまでしてくれる。
「水に落ちるなよ~ 能力者ども」
「ルフィ、黄金絶対に離すんじゃないわよ」
「それじゃあ気をつけてな~」
特別に地図までくれたおじさんは、私たちはガレーラカンパニーや換金所がある中心街に向かうことにする。
「かしこい子だね」
「黄金があっても沈まない力強さだな!」
手綱を握っていなくても進んでくれるし、揺れもほとんどない。
波の音とか風とかも心地いい。
ウォーターセブンは観光地としても有名って聞いていたけど、街並みがとても綺麗だね。しかも街の人たちも温かくて、メリー号に乗っていた時と同じく、中心街の場所を教えてくれる。
私やナミが可愛いからって、窓から声をかけてくる人もたくさんいる。思わずファンサで手を振っちゃったけど、奥さんに見つかって耳を引っ張られてるじゃん。
なんだかサンジみたいな紳士がいっぱいいるのかもね。
「おもしれぇところだなぁ~!」
きょろきょろと見ながら私たちが笑っていて、ヤガラたちも楽しそうに首を振っている。
商店街まで出ればもっと賑やかで、ボートを使った露店がたくさんあった。綺麗な仮面や服を身に着けている人もいて、今は仮装カーニバルってのも行っているらしいね。
「タコ焼き~ 唐揚げ~ うまそ~!」
「ちょっとあんたら! 迷子になるわよ!」
「ごめんね! ちょっと待ってて~!」
ルフィと、彼に1番懐いたヤガラが我慢できるはずもなく、早速お店でお肉を購入する。
今は黄金が入った袋で手が塞がっているから、私がルフィやヤガラに『あ~ん』してあげる。
「やわらけぇ~ うめぇ~」
「なにこれトロトロ~!」
「ひひ~ん!」
ミズミズ肉ってお店の人が言っていたけど、トロトロなのに脂がしつこくないや。
今度はエレベーターっていうのがあって、そこへ他の人たちやヤガラも集まってきた。扉が閉まったと思ったら、周りから水が流れ込んでくる。
「なるほど、だから水門エレベーターなのね!」
「なるほど分からん」
「なんだか上がってる気がするよ!」
「上がってるんだな!」
どうやって街の上に行くのかと思っていたけど、こういうのも水の応用なんだね。
街のてっぺんにある噴水を間近で見ると、とにかく巨大だし、なんだか涼しいし。造船所が有名なだけじゃなくて、街全体がとっても頭が良い人によって設計されて、発展してきたんだなって感じた。
「なんだなんだ、人が集まってるぞ」
「わわっ、強そうな人たちがいる!」
「よーし! 見に行くぞ、ヤガラぁ!」
「ちょ、あんたら! お尋ね者でしょうが!」
ルッチさん、パウリー、ルル、タイルストン、いろいろと人の名前が聞こえてきて、街の人たちにとって人気者なのかな。
ここからじゃよく見えないけど、見聞色の覇気で何人も強い人たちがいるって感じ取れた。
「なぁ、おっさん、何かあったのか?」
ルフィが話しかけた人が教えてくれたけど、この1番ドックって場所で、暴れた海賊たちを船大工たちが倒したんだって。
というか海賊船すら、修理したり造ったりしてくれるんだ。
「へぇ~ 良いやつらなんだな」
「そりゃあな。なんせガレーラの職人たちは、戦える船大工たちさ!」
ガレーラカンパニーのことなのかな、街を守っているってのもポイントが高い。
「ししし 船大工に会うのが楽しみだな」
「だね♪」
私たちは先に換金所に向かうことにするけど、ガレーラカンパニーでは船大工の仲間探しもできそうだね。
あちこちで立派な船が造られていて、私たちと同じくらいメリー号のことを大切にしてくれる人が意外とすぐ見つかるかも。