転生したら死食鬼だった件。   作:パイナップル人間

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第104話...贋物

「おっと......派手に揺れるねぇ」

 

 

ケタケタと響く笑い声が、真っ白で神聖な穢れを知らない空間に響き渡る。

まぁ、清い空間も俺の通った道を振り返ってしまえば真っ赤でぐちゃぐちゃ。けれどこの光景も何度も見てきて、最近は花が足りないと思うのだ。死体が中身を剥き出しにして積み上がる光景は好きだし、一面に広がる血肉の匂いも好きだ。多分一生飽きることは無い。だが人間、視覚情報に大分左右される分、見慣れるというのはあまりよろしくない。なんか、もっと楽しい殺し方は無いものだろうか。

今日の所は、神の住まうこの場所で、この光景が生成されたという愉悦で満足する事にする。改善は後ほど、時間の空いた時にでも。

 

大理石なのか、それに近い成分の石なのかは知らないが丁寧に磨かれた床は、血肉の挟まった靴ではどうも歩きにくい。

しかし、ねちゃねちゃと音が鳴るのは悪くないから、靴を洗う気には慣れないのだ。もちろん乾燥してしまえば洗うが。

 

鼻歌交じりに歩いている間も、何度も何度も地震の様に激しい揺れが発生した。

 

一つは、ラズルとかいう蟲型魔獣が大聖堂を襲撃している音。

もう一つは、リムルが死食鬼爆弾の上でダンスを踊っている音だ。演奏会当日に音と一緒に踊るなんて、通なものだ。

 

けど、リムルは多分すっごいイライラしているだろうな...なんだそれ、見たすぎる。

アイツ案外短気なとこあるから、ちまちま一体一体作業しなきゃいけないのは相当なストレスだろう。あー、イライラしている所をちょっかいかけに行きたい。

まぁ行かないけど。死にたくない。

 

 

「......ん? 大聖堂からディアブロの気配が消えたな」

「縺ゥ縺?@縺溘? ?」

「おっ、丁度いいタイミングで出てきたじゃん。アカ・マナフ、昼寝はもういいのか?」

「ガゥ゛!」

「ならお使い行ってこい。ディアブロの事だ、ラズルから逃げたとは思えないし、目の前の戦闘より優先順位の高い事なんてどうせ真っ赤な悪魔様だけだろ。

ちょっと、ギィの動向見に行ってこい」

「ゥゥウ゛」

「嫌がるなって、ギィがルベリオスに来ないようならそれでいいんだ。戦闘をお願いしてる訳じゃない。後で美味いものでも食べさせてやるから、な?」

「.........繧上°縺」縺?」

「いい子」

 

 

いつもお使いをお願いすれば、元気に頷いて駆け出していくというのに。それだけ前回ギィに襲われたのが嫌だったらしい。

というより、ギィ自体も嫌だが、同じくらい純素(しそ)が嫌だったのだろう。アレは余りにも痛くて不快だから。まるで全身を虫が歩き回ってるみたいなゾワゾワ感がある。

 

とぼとぼと姿を消したアカ・マナフは耳が垂れていて...その、なんというか、流石に申し訳ないなと思った。安心しろアカ・マナフ、俺には多分無理だけど父さんならギィの事もどうにか出来るから...多分ね。俺あの人がどれくらい強いのか知らないけど。

 

それにしても、俺は本当にレブルという存在がどう戦うのか知らない。予想も出来ない。

どうしようか...案外拳で!のスタイルだったら。ちょっと萎えるかもしれない。

 

 

《告。無駄な思考はそこまでにしてください。マリアがルミナスと接触した模様です。》

 

............。

最初の一文は要らなかった気がする。

 

マリア、それは簡単に言えばグランベルの奥様である。顔はマリアベルに似ている。

しかし美味しそうでは無い。

なんともまぁ、悲しいかな彼女は人類至上主義の男の女でありながら人間に殺されたのだ。

今は、死霊魔法「死霊蘇生(レイズデッド)」で異世界人の魂を詰め込んだ使い魔として蘇った姿なのだ。

だから美味しそうでは無いし、あまつさえ気持ち悪い。グランベルの気が知れない。ぐちゃぐちゃの魂で、一度死んだ体で、隣に居てもらたって意味は無いだろうに。

俺は生前のマリアを知らないが、知っていてもきっと今と同一人物だとは言えない。

もし俺がそれを言える人間だったなら、俺の隣には今頃ヘラヘラと笑う宝石があった。

 

 

《......主様(マスター)、マリアとルミナスの戦闘が激化しています。速やかに計画に移ってください》

 

 

成程、メーティスには感傷だとか言う風情は持ち合わせていないらしい。

だいたい俺は絶賛移動中なのだから、小言を言われる筋合いは無い。

 

《私と、口喧嘩をしますか?》

 

勘弁して欲しい。

 

 

玄室はもぬけの殻だった。

ルミナスはマリアと絶賛戦闘中。元気で宜しい。

ギュンターとルイの気配がしない当たり、ルミナスは勘づいた上で探すように命じたのだろう。マリアの中に混じった異物の創造主を。流石は神様風情だ。

悪素と霊子を混ぜて作った時限爆弾。

死食鬼のものよりもずっと強力で、起動すれば簡単に国が無くなる。ちなみに製作者は父。

グランベルの目を盗んでマリアの腹を割いた時は流石にビビったものだ。素手で人の腹を割くのは、怖いと思う。メスとか使うべきだ。

割かれた腹に爆弾突っ込まれても無表情なマリアにもビビったが、なんかもうそこまでくると愉快だ。気分はB級ホラー映画鑑賞会。

定価は千円台だろうか、この世界だと銀貨一枚...うん、払うには高すぎる。

マリアの価値は偽金銀貨程度で十分だ。あのチョコに包まれた銀紙でどうだろう。

 

 

そんなマリアとルミナスの戦闘は激化の一途を辿っているらしい。引導を渡すまで終わることは無いだろう。

 

しかし...こうも簡単に、大事な大事な勇者様の元を離れるとは、流石は蚊だ。虫は進化の過程で「思考」を排除した存在だ。やはり、蚊という表現は余りに適当である。

 

 

目の前には純粋な霊子のみで出来た聖櫃。

霊子を寄せ集めると、淡く発光するらしい。俺にしてはらしく無く、綺麗だと純粋に思ってしまった。霊子もそれに追随する魔法も嫌いだが、この勇者は鑑賞物としてはとても好ましい。

マリアに支払わなかった、本物の銀貨一枚の使い道はこの勇者様としよう。

 

 

しかし──────。

どうしたものか、この勇者様。制御など出来たような代物でも無い。というより、よくこの聖櫃でどうにかなっているなと思う。

これを壊したなら、きっと勇者に施されているであろう封印の力に全てを頼る事になる。

さて、下手したら世界を破滅できるとグランベルが言っていた勇者を、薄皮一枚で封じ続けられるだろうか。

 

まぁ、いいか。何でも。

 

体に多少の害はあれど、聖櫃は簡単に砕く事が出来た。

 

現れたのは、勇者クロノア。

かつて暴風竜すらも封じた時の人。

 

「初めまして、勇者様。俺は......って聞こえてないか。棺に居るうちは誰であれ死体だもんな。

いいよ、その死束装は俺が脱がせてやる。

お使いって言うと完遂したか怪しいけど、まぁ、どうせお前は真っ先にリムルの居る所へ向かうんだろうから」

 

そうだろう?

スライムに心奪われた少女のそっくりさん?

 

身体を覆う衣服は、棺よりも重く頑丈で、それでいて憎たらしいくらいに純粋だった。

霊子以外、何一つとして他の元素が触れてこなかったのだ。ウブもウブ。

悪素はさぞ、よく効く事だろう。

箱入り娘ならぬ、箱入りの封印は、聖櫃よりも静かにその力を失った。

 

 

静かに開かれる目は、黒の混じった青色。

その瞳がきちんと俺を写して、次には───

 

 

「あーあ、行っちゃった。真っ裸だけどいいのかな...」

 

忽然と姿を消したその場所には、まだ微かに空気の揺れが残っていた。

服くらい着てから、向かえばいいものを。

 

それにしても、変な魂だった。

そう、“魂”。一つの様で複数あって、けれどそれが一つとして体裁をなした重複物。

 

「レオンももう来てるのに...ちょっと悪い事しちゃったかな?」

 

大聖堂の方も問題に問題が上乗せされているらしい。

リムルは言わずもがな死食鬼に頭を抱え、ヒナタは立っているのがギリギリ、レオンは...この中だと一番まともに状況把握をしている。リムルを信じた事が、その行動から読み取れる。

 

 

ルミナスに見つかって、神の手に首を絞められたくは無いのでそそくさとその場を後にする。

地下から出る階段を登り始めた頃で、ちょっと不機嫌なアカ・マナフも帰ってきた。どうやらギィはディアブロと仲良しこよしをしている最中らしい。この分なら、例え父の気配がルベリオスからしてもやって来ることはない。

逆に、父の気配がしたなら、自国に帰って戦闘準備を始める方が得策と判断するだろう。

 

ルミナス、レオン、リムル...魔王が三名。

そして聖騎士達と勇者様。

父はどう動くのか、鑑賞出来ないのが残念だ。

 

地上までは、まだもう少し掛かるだろうか。

今のテンポで階段を登り続ければ、後数分。

 

けれど、そうもいかないらしい。

 

余りにも驚異的すぎる“怒り”が、ここら一体を包んだ。それは確かに一瞬、誰がやった事かは容易に想像がつく。

どうやら、ルミナスは勇者様が居なくなった事に気がついたらしい。

 

「おいおい、確かに大切ものだとは聞いてたけどこれは......逆鱗に触れたか? 転移は地上に出るまで使いたく無かったけど、あんな暴れ蚊に見つかってみろ。血が無くなるぞマジで」

「そうだろうね。君はそれだけの事をしたのだから......生きては帰れない」

「─────────ッ!」

 

 

空間を切り裂くように起きた斬撃が障害物諸共を切り裂いた。ましてやそれに伴った衝撃はで、危うく身体が吹っ飛ばされるところだった。

奇襲に近いその攻撃を、避けるときに見えた姿はルイとギュンター。一人欠けた三公の残り物達だった。

 

 

「チッ...おいおい、どうした? 探し物は別にあったと思うけど? 」

「あぁ、探していたよ。そして見つけた。ルミナス様の逆鱗に触れた愚か者をね。それが君で好都合だよ、セイヤ・カミシロ。君の頭はよく回る、例えマリアの中にあるふざけた代物が君の仕業じゃ無くても、どうせ全てを知っているのだろう?」

「成程、とても効率的な思考だ。けれど早急すぎるな。わざわざ死食鬼風情に三公を二人も必要とするのか? 嬉しい話だ」

 

 

ルイは何も言葉を返さなかった。

代わりに、動いたのはギュンター。執事の成りをした三公一の実力者。

 

今日は戦闘する気が無かったが、仕方が無い。

蚊に飛びつかれたなら、叩き潰さなくては。

腹に貯めた誰かの血が破裂するように、汚れた黄色の液体が薄く皮膚に伸びるように。最後は紙で拭ってゴミ箱だ。

 

「君は、今日ここで死ぬのだ」

「舐めた口を聞くじゃねぇか、血を吸うから偉いと思ってるなら、自分の立場を分からせてやらないとな? 足三対でハイエナの体にとまれると思うなよ!」

 

 

父さんへ。

もう一個のお使い、少し予定が遅れそうです。

なんでって? ものっすごく、こいつらを殺してやりたいなって思ったから。

だってほら、蚊って居るだけで不快で不快で堪らないでしょう?

 

「視界に写ったなら、最悪だよ」

 

 

 

 

 

 

「......弱い」

 

そう吐き捨てて、グランベルは剣を下ろした。

下ろしたと言っても何も戦闘を終わらせた訳では無い。何時でも攻撃を再会出来るよう、最低限に剣を下にしている。

それは一時、時間を与えているようだった。

 

 

 

 

大聖堂前は、見るも無惨な状況だ。

美しく塗装を施された床一体は血に濡れ、死体がそれを埋め尽くしていた。真っ直ぐに走ることすら出来やしない。しかし、群れた死食鬼は仲間を想い地面に目を向ける事すら許さない。

かつての仲間に踏み潰された死体は、栄光を忘れて薄汚れていた。

 

けれど、泥沼かと思われた戦況は微かにこちらに傾いている。レオンの参戦が幸を期したのだ。

突然に現れたレオンに向かって俺は叫び散らかした「すました顔で現れてんじゃねーぞ、手伝え!」とそれはもう盛大に叫んだ。

レオンの豆鉄砲食らった鳩みたいな顔には、少し申し訳なくも思ったが、俺がすこぶるイライラしている中で私怨孕んでますって顔で来る方が悪い。

 

レオンは正統派な剣術だった。

ヒナタやグランベルそうだが、癖もなく基礎を大切にした剣術というのは一応に積み上げられた努力が物を言う。

勿論我流を貫いた奴が、基礎から逃げたと言う訳では無いが。

 

ややこしい罠や仕掛けは変な事をしなければ発動しない。

レオンの参戦は死食鬼を殲滅するにあたって、勝機を見出すには十分だった。残党は残り30を切っただろうか、その時に異変は起きた。

 

 

「弱い...」

 

その一言が、騒がしいはずの戦場に木霊した。

煽りの意思はない、ただひたすらに事実を嘆く声だ。時間がゆっくりになったのかと錯覚する程に、声の主の方を見るのに時間がかかった。

 

グランベル、長い時を生きた男の嘆きはあまりに重い。

 

ようやく視界に写った光景は、ヒナタの敗北。

死んではいない。あの怪我では死には至らない。しかし、立ち上がる事も出来やしない。

見るも無惨に腹を切り裂かれ、蹲るヒナタがそこにはいた。

 

 

「ッ───ヒナタ!」

「はぁ......弱い、弱すぎる。これが教会の頂点だと言うのか? 嘆かわしい......このままでは、人類は本当に滅亡してしまうだろう。立て、ヒナタよ。意識があるならば立ち上がれ、それが貴様の使命なのだ。剣を手放すな、厄災は待ってはくれぬぞ」

 

 

その言葉に煽られてか、地に突き刺した剣を杖にして、ヒナタはまた立ち上がろうとする。

腹からは血が吹き出て、込み上げる血液に濡れた口内は言葉さえも詰まらせる。

それなのに何故立ち上がるというのか。

 

もうヒナタはダメだ。このまま戦い続ければ本当に死んでしまうだろう。

幸いにも、レオンが居る。気絶していたレナード達も目を覚まして戦っている。

彼らに死食鬼を任せて、グランベルを殺してしまうのが吉だろう。

 

 

「リムル......」

 

掛け出そうとした俺を止めたのは、レオンだった。何処か気まずそうな顔をしている。

グランベルには聞こえないように、小声でその呼びかけに答える。

 

「なんだ、今は時間が無い」

「あの男だが、妙ではないか? こちらを殺そうという気がしない。どちらかと言えばまるで“試練”を与えているような......」

「馬鹿言ってんじゃね、今どれだけがアイツのせいで死んだと思ってんだ。試練? その結果が死体になるかもしれないんだぞ!」

「............少し、冷静になれ」

「俺は今至って冷静だ! お前こそさっきから何だ? そんなにヒナタを見殺しにしたいのかよ」

 

 

こんな所で喧嘩をしている場合では無いのに。

レオンは一呼吸置いて、また口を開いた。

 

「......少し前までの貴様は、相手を知ろうとしていた。きっと、あの男の言葉の節々にもきちんと疑問を持てていたはずだ」

「言葉? 疑問? 何言ってんだ。あぁいうのは会話なんてまともに成立しないだろうに」

「出来ない可能性があっても、試みていた。貴様は...少なくとも俺にはそうしていたでは無いか」

「......それは」

「リムル、今の貴様は思考を放棄したに過ぎない。よく考えろ、“元勇者”の言葉を。

──────焦るな、冷静でいろ」

 

 

ふと、前の自分が敵に対してどういう行動を取っていたのか思い出せない事に気づいた。

何となく“リムル=テンペストを思い出せない”、そう思った。

馬鹿な話だ、俺は確かにリムル=テンペストでそれ以外の名前なんてないと言うのに。

 

覚悟に、もがき苦しい様な糸が何層にも絡まってしまったようだ。何処か息が詰まる。

 

焦るな、冷静であれ。

 

何だろうか、昔はよく自分に言い聞かせていた気がする。気の所為かもしれない。

 

きっと気の所為だ、そうでなくては困る。

 

───そうでなくては、悪意は殺せない。

 

 

 

レオンには何も言い返せなかった。

それを、時間は許さなかったからだ。

 

 

突如、地下からの高魔力反応を感知した。

石材を飛び散らせて開いた穴、そこから現れたルミナスは美しい女性、マリアを横抱きに怒気を揺らす。

 

 

「ヒナタよ、お主は少し休め。もう良い。その愚か者には妾自ら死をくれてやる」

「流石はルミナス様です。私が用意した使い魔(サーヴァント)なんぞでは相手にもならない」

「愚かだ...お主は本当に愚かだ。死者に何を詰め込もうとも、それは紛い物にしかなりえぬ。本物には勝てぬのだ。それすらも理解出来なくなったか!」

「いいえ、ルミナス様...私はきちんと理解しております」

「ならば何故......」

「この時、この瞬間に必要であったからです。私はこの時を待っていた......」

「何を言ってッ」

「時間が無い、ヒナタがもう立ち上がれないならば貴方がお相手をしてくれるのでしょう?」

「相手? 違うな、これは決着じゃ」

「左様ですか......」

 

それならば、厄災が来るその前に、私を殺してください.....神よ、人類に栄光を。

 

 

何処か切なげに微笑んだグランベルが左手の手袋を脱ぐ。そこに刻まれた紋様が光を帯び、それに呼応するようにマリアの体も光りだした。

光は粒子となって、紋様へと吸い込まれていく。

 

マリアに注ぎ込まれていた力が、グランベルへと帰り、その力を漲らせる。

膨大な力は、細胞を活性化させ見える形となって現れた。

白髪は金髪へ、枯れた肌は潤う。

その姿は往年の“勇者”───若き日のグランベル・ロッゾだった。

 

 

「闇を克服し、光を受け入れる。それこそが勇者の心得であり、勇者たり得ずとも強者のものとなる。闇に飲まれるな...所詮それは幻覚だ」

 

 

あぁ、太陽だ。そう思った。

全てを照らす優しい光、けれども近づき過ぎれば簡単に全てを無にしてしまう。そんな光。

 

《告。個体名グランベル・ロッゾの存在値が大幅に増加。ユニークスキルが───》

 

 

そんな事、言われなくてもこの場にいる全員が分かっている。

 

こんな化け物が、自ら殺してくれと言うのだ。

 

「乗り越えろ」と言うのだ。

 

 

光の勇者、その者の本質は──────

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