転生したら死食鬼だった件。   作:パイナップル人間

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⚠原作にはいない敵が出ます


第12話...首領救出

リムルから指示されて、すぐに俺とソウエイは影移動で洞窟の前までやってきた。

血の匂いが鼻を突く。

武器がぶつかる音が洞窟に反響して聞こえてくる。

リザードマンとオークは戦闘中のようだ。

首領が死んでないといいが…。

ソウエイに声をかけて1歩踏み出そうとしたところで俺の魔力感知が警告を鳴らした。

 

頭を右に傾けると、矢が横を掠めていった。

後ろから攻撃してくるなんて礼儀のないやつだ。

ゆっくりと振り向くとそこには2人のエルフがいた。服はボロボロでそこら中怪我だらけ。

けれども1番目を引くのは首元だ。

内側に棘の着いた首輪をはめている。

棘は肌にくい込み、肉を割いて血を流す。

あいつらの服は首の方は元々その色だったかのように赤黒く染まっている。

なかなかいい趣味だ。

 

「ラルタ様、片方は俺が…」

「いい。ソウエイ、お前は先にいけ」

「ですが…」

「聞こえなかったか?」

 

2度は言わせるな、という意味を込めて聞いてやるとソウエイは黙って洞窟の中へと進む。

それを止めたいのだろう、弓を持っていない方が魔法を繰り出す。

 

「行かせない…!雷球(サンダーボール)!」

 

雷を圧縮した球体が、ソウエイの元へと放たれる。あれになんの抵抗もせず当たれば魔物だって感電死するだろう。

けれど、ソウエイは振り向かない。

俺がどうにかするとわかっているから。

ちょうど球体が隠れるように手を伸ばす。

意識を球体の中に向けて風を起こす。そうすれば、圧縮された雷が完全に解けて姿を消す。

 

「あーあ。止めたかったのにね?行っちゃったよ、あいつ」

悔しそうに顔を歪めるエルフはすぐに俺に同じ魔法を打ってきた。

学習能力が乏しいらしい。さっきと同じ容量で球体はすぐに姿を消してしまう。

 

「まだ全力じゃないだろ?2人がかりでかかって来い。遊んでやるよ」

俺の手から諂諛者の血液が現れる。それは結晶に、そして杖へと姿を変える。

せっかくなんだ、俺もちゃんと相手をしてやらないとな。

なんたって、あいつらが命尽きる最後の戦いなんだから。

 

弓を持ったエルフが自分の魔素を具現化させて三本の矢をつくり出す。

「雷よ、我が矢に纏いて敵を射れ!サンダーアロウズ!!」

エルフが矢を上空に放つと、それは雷を纏って俺に降り注ぐ。

どうやらどちらのエルフも雷系の魔法が得意なようだ。

俺が矢を避けると、軌道を変えて追ってくる。

いいね、楽しくなってきた。

飛び回る矢を避けながら諂諛者の血液で槍を作り出す。矢に槍だなんて卑怯かな?

まぁ、いいか。槍に風を纏わせる。

杖があるおかげか、いつもより抵抗なく魔法を使える。

槍が飛び回っていた矢を切り刻んでエルフの方へと向かっていく。

受け止めようと弓を持っていない方が前に出る。別に誰も貫こうなんてしてないさ。

槍が球体に姿を変えて爆発する。

纏っていた風は爆発の威力に任せてエルフ達を切り刻む。

血飛沫が上がり、弓を持った方のエルフの右手が俺の足元まで転がってきた。どうやら、切れてしまったらしい。

それを拾い上げて1口齧る。

程よく柔らかい肉が舌の上を転がる。滑らかな食感が俺の舌を喜ばせた。

でも、少し血の味が薄い。やっぱり首からダラダラと血を流してるせいで体全体に血が行き届きてないんだな。

 

「貴様…私の腕を!」

「あっはは、そんな騒ぐなよ。結構いい味してるって」

 

残った部分も口に放り込む。

弓は血に濡れて地面に落ちてしまった。右手が無くなった以上、もう弓は使えない。

出血が増えすぎたのだろう、もう立つことさえ困難なようだ。

 

「んー、お前はもうダメだな。戦えないならこの場にはいらない。だから、バイバイ」

 

首の骨を中心にして広がる魔法陣。

今から死ぬその子に手を振りながら、魔法を使う。

血飛沫を上げながら首が宙に舞って、体が崩れ落ちる。

 

「スレー!!」

「へぇ、その子…。スレーっていうんだ。ねぇ、君のことも教えてよ。教えてくれたら君を苦しみから解放してあげる。名前は?」

 

地面に転がった頭を抱きかかえて静かに泣くエルフの元に近づいてそう言う。

すっと首輪を指でなぞる。

「………イブ」

「スレーにイブ。ぷっ、あっはっはっはっ!なるほどね、スレイブ。奴隷って意味じゃん」

「お前…!私たちを馬鹿にするな!」

 

Slave、意味は奴隷。

この格好といい、名前といい。飼い主はなかなかいい趣味をしている。

でも、口が悪いし我も強い。調教は不十分だな。

「発言には気をつけろよ。次の質問だ、お前の飼い主は?」

「…………ゲルミュッド」

飼い主の名前もあっさりと吐いてしまった。

首輪には取り付けた本人しか外せないように魔法がかかっているのに、詰めが甘いな。

ゲルミュッド。オーガの里にやって来た奴と同じ名前、ビンゴだな。

 

「そっか、じゃあ約束通り君を解放してあげる」

 

スレーを殺した時と同じように、首に魔法陣が発動する。

 

「なんで...なんで!ちゃんと話したじゃない」

「うん、君はちゃんと話してくれたよ。だから俺もちゃんと約束を守ってあげる。片割れが死んで、苦しいでしょ?もう会うことのできない片割れを思いながら生きるなんて苦しいでしょ?だから、君も同じように殺してあげる」

 

やだ、やだと声をあげて泣き叫ぶイブにさっきと同じように手を振ってやる。

鈍い音を立てて首が飛ぶ。

抱えられていたスレーの頭が転がってイブの頭が当たってちょうど寄り添うように止まった。

ほら、幸せ。

 

「諂諛者、食べていいぞ」

2人の体に血液が絡みつく。

獣に似せて形作られた口を大きく開けて体を引き裂く。ブチブチと肉の裂ける音がして、諂諛者の口から血が零れ落ちる。

寄り添っていた頭も気づけばそこにはない。全部、俺と諂諛者の餌になった。

 

背を向けていた洞窟の入口に早足で入る。

少し進むと、開けた場所に出た。

そこにはソウエイとリザードマンがいた。

どうやら全て片付いた後のようだ。

少し遊びすぎたな。

 

「こんばんは、お前がリザードマンの首領さん?」

「そうだが…あなたは」

「このお方は、ラルタ様。リムル様の同格にあられる方だ」

「さっ、左様でしたか」

「うん、まぁそうなんだけど。あれ、君は側近の子だね。どこから入ったの?入口には俺がいたはずだけど」

「抜け道を使ってここに入って来ました」

「あっ、本当?良かった」

 

いや本当に良かった。

あの光景を見られてるのはさすがにまずい。同盟結んだ相手の1人がエルフを甚振っている絵面は今後の関係に傷をつけかねない。

 

「ラルタ様」

「ん、何っ」

ソウエイに話しかけられて振り向くと何故か顎を持たれてソウエイの指が口に運ばれる。

「お食事をされましたか。口に血が着いていますよ」

ぐいっと口を拭われる。拭いてきたつもりだけれど、少し付いていたみたいだ。

リザードマンに疑問を持たれなくて良かった。

 

「あぁ、悪い。不快なものを見せたな」

「いえ、ラルタ様のお食事に関して俺が不快に思うことはありませんよ」

 

少しだけ微笑んでソウエイがそう言う。

こいつ、少し倫理観がいってるのかもしれない。まぁ、周りにこれくらいイカれた奴がいてくれた方が気は楽なのかもしれない。

 

「お前ら、これは俺からの回復薬だ。食べろ」

回復薬の入った結晶を負傷したリザードマンに投げる。首領には手渡ししてやる。

怪我が治ったものから口々に俺に感謝の言葉を投げかけている。

 

「さて、リムルからの指示はこれでクリアだな。合流しよう」

「はい」

念の為、ソウエイに分身体をここに残させて俺たちは影移動でリムルのところに向かう。

 




ラルタはリムルと違って男性体なので、ソウエイとのシーンはBLに入るのでは?と思ってタグ追加しました。
途中からの追加、申し訳ありません。
でも、追加したからにはそれっぽいシーンもちょこちょこ入れたいですね。
守ると決めたやつ以外にはとことん酷いやつなラルタの回でした。
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