転生したら死食鬼だった件。   作:パイナップル人間

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第15話...覚悟への応答

他の魔物を喰う事は罪なのか。

それなら、俺は死ぬまでにどれだけの罪を背負うことになるんだろう。

あのエルフ達を喰ったのも罪になるんだろうか。

 

生きていたいだけなのに、生きるために必要なだけなのに。

それじゃあまるで、生きていることが罪みたいじゃないか。

俺はそんなこと認めたくない。

俺はそれを罪だなんて言わない。言いたくない。

戦って負けたから喰われる、それだけ。

 

守りたかったから、戦って勝って喰った。

ゲルドはそうだった筈だ。

そして負けたから喰われた。

それだけ...。

 

それは、罪なんかじゃないはずだ。

「覚悟」そう呼ばれてもいいはずのものだ。

生きるため、守るための覚悟だ。

他の魔物を喰らう事で、生き残りから恨まれることなんてわかっている。

貪る様が、酷く醜いこともわかっている。

 

それでも、その生き方を貫くんだ。

それは覚悟があるからなんじゃないのか。

 

あぁ、少し違うのかもしれない。

ゲルドにとって、その行為を罪と表することが覚悟だったんだ。

守りたい者のためにはそうする事しか出来なかったから。

飢餓者(ウエルモノ)」は守りたい者全てと繋がっていたから。

罪と表することが、繋がった者達に同じような行為を強いる覚悟だったんだ。

全部自分のせいにして、それでやっと守れたんだ。

 

本当にそうだったのかなんて、もう確かめようのない事だ。

けれど、もし本当にそうなんだとしたら俺は?

俺の生きていくための行為も罪と表するべきなのか。

違う。それこそ、違う。

俺は、この生き方を誇る。俺が、守りたい者を守れる事を誇る。

だから、俺は罪だとは言わない。

 

どこか卑しくて、小賢しくて、わがままで、それでも我武者羅に生きれるんだ。

 

興味の無いものを甚振って楽しんで。

死肉を貪って強くなって。

守りたい者を守るんだ。

醜くても、非道でもそれでもいい。

 

死食鬼(グール)として生まれて、この町の副主として今ここにいる。

俺の今までの行為も、これからする行為も全部俺が俺として生きていくためにすることだ。

 

これは覚悟だ。

他の言葉でなんて言い表せない。

俺が俺として生きていく覚悟だ。

 

自分に嘘はつかない。

苦い汁を啜ってでもこの立場に立ち続ける。

それら全てが俺の覚悟。

 

俺は他人から見たら最低な奴かもしれない。

それでもいい。

ラルタ=テンペストは覚悟の中で生きていく。

どこぞの欲張りさんだって喰えない覚悟だ。

 

 

夜の闇に包まれた町を見る。

今頃、リムル達は会議中だろうか。

 

町に向かって手を伸ばす。崖の上からは町がすっぽりと手で覆われた。

俺が守りたい者の全てが詰まった町。

命をかけてもいいと思える町。

 

リムルとは考え方が違うのかもしれない。

でも、それでもいい。

だって、あいつはリムルで俺はラルタ。

違くて当たり前だから。

 

今まで悩んできたことが、なんやかんや解決して俺の中での答えが見つかった。

スッキリしたせいか笑みがこぼれる。

 

《告。ユニークスキル「諂諛者」から進化の申請を確認。》

 

突如としてそんなことが頭に響く。

急なことに理解が追いつかない俺を置いて、話は進む。

 

《...確認しました。ユニークスキル「諂諛者」はユニークスキル「近侍者」へと進化しました。》

 

助言者かとも思ったが、きっとこれは世界の言葉だ。どうして、いきなり進化なんて...。

俺を主だって認めてくれたのか?

 

《解。ユニークスキル「近侍者」と主様(マスター)の主従関係を確認。》

 

もしかして、お前は俺が覚悟を決めるのを待っていてくれたのか?

近侍者と呼びかけると俺の腕に、血液が巻きついてくる。

 

「ずっと、見ていてくれたんだな。ありがとう、近侍者。これからも、よろしく」

近侍者は俺の言葉に答えるように、少しだけ強く俺の腕に圧をかけた。

助言者、近侍者の権能を教えて。

 

《解。ユニークスキル「近侍者」

収集:対象を結晶化させ、体内に取り込む。

体内に取り込んでから結晶化させること

も可能。対象に意識がある場合成功率が

低下。効果の対象は有機物・無機物に限

らずスキル・魔法にも及ぶ。

解析:取り込んだ対象を解析・研究する。作成

可能アイテムを想像する。

術式の解析に成功すると、対象のスキル

・魔法の解析が可能になる。

倉庫:捕食対象を結晶化の形で収納する。また

解析により生成された物質の保管も可能

   倉庫に収納されると時間効果が及ばない

隔離:解析の及ばない有害な効果を収納する。

無害化を行い、魔力に還元する。

血液:諂諛者の血液を操作可能。接触した対象

を結晶化し、代わりに吸収する。

   スキル・魔法などの媒介、回路とする事

が可能

自己再生の能力を持つ。

以上5つが主な能力です。》

 

そこまで大きな変化はないけど、意思があっても収集できるようになったのはありがたいな。

ていうか、俺との主従関係の確立で自由自在に血液を動かせて、近侍者自身も俺の思考に合わせて動いてくれる。

リムルが帰ってくるまでの間に近侍者との連携が上手くできるように練習しなきゃな。

 




ステータス
名前:ラルタ=テンペスト
種族:死食鬼
加護:暴風の紋章
称号:魔物を支える者
魔法:元素魔法、精霊魔法
ユニークスキル:近侍者、助言者、変貌者
エクストラスキル:魔力感知
獲得スキル:熱源感知、毒霧吐息、身体装甲、影移動
耐性:物理攻撃耐性、痛覚無効、熱変動耐性ex、毒耐性


全てのきっかけがあって、ラルタは覚悟を決める。
その覚悟に、君は答える。
自分の形を変えてでも。
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