「嘘...だろ」
「これが残念、ホントなんだなー」
リムルが狼鬼兵部隊と共に町に帰ってきた。
町をいつまでも留守に出来ないと言うことで先に戻っていた俺に、ジュラの森大同盟の副盟主という地位を土産を持って...。
事のあらましはこうだ...
リムルがオークに罪を問わないと決めた事で、残った15万のオークをこの森に受け入れることとなった。
そこで、各種族間で大同盟を結びオークには労働力を他の種族には食料や住む場所の提供を求めた。ここまでは、まぁいい。
いや、随分とスムーズに夢物語みたいな話が進んだと思うけどそれはもういい。
リムルは盟主にはトレイニーがなると思っていたのに、何故か自分が盟主になることになっていたという。
1人で担うのは荷が重いぞ...そうじゃん、ラルタも半分罪背負ったんだから副盟主してもらお!
みんないいー?OKー!
という流れで、俺の知らないところで俺に地位が与えられたという訳だ。
その後、15万のオークに名付けをして安定の
「いや、お前...。せめて思念伝達で俺に確認取れよ!何勝手に決めてんだ!正式な場で決まった以上断れもしないじゃんか!」
「しょーがないだろ!俺だってテンパってたんだから!」
もう、いいです。
わかりました、わかりましたよ。
俺は、この町の副主でありジュラの森大同盟の副盟主をしているラルタ=テンペストです。
仕事内容は主にこの馬鹿スライムの助手です。
皆さん、以後お見知り置きを。
「あっ、そうだ。1人紹介したいヤツがいるんだ」
あっそうだ、じゃねーんだよ。
ため息をつきながら、リムルの後について行く。たどり着いた先には、他の
「ラルタ、こいつはゲルドだ」
「あー、うん。よろしく」
リムルは
リムルの魔素を結構持っていったようでゲルドは
「ラルタ様、お会いできて光栄でございます。」
ゲルドはハイエナの姿をした俺に合わせて膝をつけて頭を下げる。
「別にそんなに固くならなくていいよ。俺はお前の主な訳でもないし...。気楽にね」
テシテシとゲルドの頭を叩いてやる。
この感じだと、ゲルドも俺にとって大切な存在になるんだろうな。
まぁ、いいか。喜ばしいことだ。
今、俺とリムルは頭を抱えている。
あれから数日後、滞っていた決め事も片付けなきゃいけないということで、まずはレグルドの提案であった憲法作りをすることになった。
俺たちの前世で馴染み深い憲法を引用して作ろうということになったんだが...。
はっきりいって憲法の内容なんて細かく覚えていないのである。
とりあえず、人権的なものを保証できるようにしようという事になったのだが、さて人権の種類はどれだけあっただろうか。
自由権やら社会権やら色々あったはずだが、それを保証する文章はどんな風に書かれてたか。
考え出したら分からないことだらけで、話し合いを初めて2時間ほど経っているのに何一つ進展していない。
「あー、ダメだ。ぜんっぜん決まる気配がない」
「大体さ、俺たちみたいな前世一般人がどーやって憲法なんて決めるんだって話だよ」
「んな事言ったて、憲法の話を持ってきたのはラルタだろうが」
「リムルだって、レグルドにそう提案されたら引き受けるだろ」
「まぁ、そうだけど...」
あー、うーと唸り続ける。
参考資料があれば楽なんだけれど、社会科の教科書は俺たちの手元にはない。
とりあえず、リムルが決めた3つのルールを取り入れるとして、三権の役割も明記しなきゃいけないよね。あれ、人権って拷問を受けないーみたいなやつもあったけ?
「あーー!無理だ!俺たちだけで決められるもんじゃねぇ!ラルタ、いつもの会議メンバーを集めるぞ!それからゲルドも呼べー!」
リムルが思考の限界突破したのか荒くれている。でも、他のみんなの意見を聞くのはいいかもしれない。ベニマル達とかなら里にあった暗黙のルールとかを聞けるだろうし、カイジンならドワーフ王国の憲法を覚えてるかもしれない。
その後、会議メンバーを集めて話し合いをして...何故か1週間も憲法作りに時間を割くことになった。
魔物の思想としてある弱肉強食を否定することなく、リムルの平和主義的思考を織り交ぜて憲法を作るのはなかなか骨が折れたが、第80条まであるご立派な憲法ができた。
この憲法なら、リムルが言っていたのちのちは国として発展したいという夢がかなった時に作り直しにならずに住むだろう。
これ、カイジンがいて俺たちが前世人間だったから作れたようなもんだな...。
他のみんなは弱肉強食の思想とリムルが決めた3つのルールだけでいいみたいなスタンスだったし。
でも、これで基盤が出来たわけだしゆっくりと法律を作って行けるだろう。
あと決めなきゃ行けないことは、仕事の振り分けか...。
実を言うと、憲法決めをしている間にも町の発展を聞きつけたゴブリン達が仕事を求めてやって来たりて結構な数が集まっているのである。
とりあえず、リムルが名付けをしたのだがどの仕事に付けるかとかは完全の後回しになってしまっていた。
力自慢は工業に当てて、ゴブリナは衣服の精製。他は農業でいいかな。
あー、でも農業にもゴブリナは欲しいな...。
あと医療系もそろそろ人数を増やさないと行けないか。
でも、ひとまずは何をやりたいのか聞かなきゃダメかな。
ベニマル達の事も気になるな。新しく役職をリムルから貰ったみたいだし不自由がないか確認したい。
不自由って言ったら猪人族にも確認しなきゃな。この町以外にいる奴らにも会っておかないと。
それから、リザードマンの方にも副盟主として正式に挨拶に行かなきゃいけないか。
やることが、次から次へと出てくる。
忙しくはあるけど、町が発展してるからだと思えば頑張れるような気がする。
それでも疲れるは疲れるから休息を挟みつつ。
やらなきゃいけない事は山ほどあるけれど、ここに住む全員に家が行き届いて大体の体制が整ってきた。
ようやく、魔物の町が出来たのだ。