転生したら死食鬼だった件。   作:パイナップル人間

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第8話...大森林の異変

「おっお待ちください。名付けとは本来大変な危険を伴うもの。それこそ高位の...」

「大丈夫だって、お姫様。そんなことでリムルのこといちいち心配してると疲れるよ?」

 

どうせリムルも名付けの危険性なんてわかってないんだろうし。命に関わるようなことは大賢者はさせないだろう。

助言者、あの6人に名付けしたらリムルは低位活動状態になる?

《解。その可能性が高いと思われます。》

やっぱりねー

 

「じゃあ、始めよう。実は最初に見た時から閃いてたんだ」

 

 

 

 

 

6人の名付けが行われた。オーガの若様に「紅丸」、お姫様に「朱菜」、それから「紫苑」「白老」「蒼影」「黒兵衛」

髪色から連想したんだろう。どの名前もカッコよくて似合ってると思う。

こういう時のリムルのセンスの良さはピカイチだ。

「うっ、う...」

「あーあー、おやすみリムル」

助言者の言った通り、リムルは低位活動状態(スリープモード)にはいった。上位の魔物に名付けをする場合、それに見合った魔素を消費する。

こいつら6人で数百人分のゴブリンに匹敵するという訳だ。

「リムル様は大丈夫なのですか、ラルタ様...」

「大丈夫だよ。最初に言ったろ?シュナ。こいつの心配なんてするだけ無駄だよ」

 

健気にリムルに駆け寄る姿は何とも可愛らしい。

皆がリムル様、リムル様と声をかけている中ベニマルが倒れた。

兄を心配して、近づいたシュナも同じように。

次々と倒れていき、6人全員が地面に倒れた。

静かな寝息が聞こえてくる。

今回は案外ゆっくりだったな。

ゴブリン達はもっと早くから眠くなってたと思うんだけど、魔物の強さに関係するのかな。

「うっ、ぐっ...」

「あ?何、まだ寝てないの。良い子は寝んねしな、ベニマル」

 

何故かベニマルが進化に抗うように、抵抗している。腕に爪を立てて、もがいている。

俺はハイエナの姿から人の姿になって近づく。

ベニマルの頭を撫でてやれば、小刻みに震えているのがわかった。

「里が...、ここも...」

「はっはは。何?心配してくれるんだ、嬉しいね。大丈夫だよ、お前が起きてきた時何にも変わってないよ。誰も居なくならない」

 

俺が守っていてやる。

そう言ってやれば、とうとうベニマルも眠りについた。

進化の眠りというのは抗おうと思えば抗える物なのか。俺は進化したことないから分からない。

でも、覚醒した意識の中で、自分の姿形が変わるくらいなら寝てた方がいいだろう。

諂諛者を使って皆を並べて掛け布団をかけてやる。リムルは放置。後でゴブリナの誰かにでもぶん投げておこう。

こいつらはどんな姿で目を覚ますんだろうか。

楽しみである。

 

リムルが名付けをして、俺が見守る。

最近はこんな構図が勝手に出来上がっていた。

これじゃあリムルは名前だけつけて育児に協力しない旦那と一緒だな。

俺はあと何度、仲間の進化を見届けることになるのか。でも、悪い気はしないんだ。

 

 

 

 

 

 

「ん...、朝、か?」

「おはようベニマル。一番乗りのお目覚めで」

一晩たってベニマルが目を覚ました。

無事進化を終えてオーガから鬼人になっていた。体は少し小さくなったけどシュッとしてて何ともイケメンである。

魔素量も進化前と比べると天と地程の差がある。

「リムル様は」

「おきて開口一番それ?物好きだね。リムルなら他の子にぶん投げたよ」

「ぶん投げたって...」

「ベニマル、町のみんな誰も居なくなってないから。お前たち6人も誰も欠けてない」

「あっ...ありがとうございます。ラルタ様」

 

その後、他のみんなが目を覚まし始めた。

例に埋もれず、全員が鬼人への進化を果たしている。後、顔がいい。

名付けをしたからと言ってこうも簡単に鬼人が生まれる訳ではない。もし仮に俺がこの6人に名付けをしても鬼人には進化しなかっただろう。

「おはよう、みんな」

「はい、おはようございます」

「朝ごはんを用意させるよ、その後はこの町を案内してやる。最近は町の至る所が発展してるんだ」

どうせ、リムルはまだ目覚めない。

その間に、鬼人達に色んな物や人を紹介しておいてやろう。あぁ、リムルが起きた時の驚いた顔が楽しみで仕方がない。

 

皆、朝食を美味しそうに食べてくれていた。

「本当に美味しい...、ラルタ様この食事は誰が?」

モリモリと食べるシオンの横でシュナが口を袖で隠して聞いてくる。さすが、オーガの里のお姫様。仕草がいちいちお美しいこと。

「ゴブイチっていう、ホブゴブリンだ。料理がすごく上手でね。気になるなら案内する時そこをよろう」

「はい!私も厨房を使いたいのですが、よろしいですか、ラルタ様!」

 

さっきまで、ひたすらに朝食を食べていたと思ったら顔をこちらに近づけて興奮気味に聞いてくる。シオンは料理が好きなのかな。

「あぁ、構わないけど」

「ありがとうございます!今度私の作った料理を振る舞わせてくださいね!」

「うん、わかった。ありがとう」

人に料理を振る舞える程上手なのか。進化前が結構野性味溢れてたからそんなん出来ないんだと思ってた。決めつけは良くないな。

 

(ラルタ様...その、シオンの料理はお気をつけください。)

(は?何いきなり。)

シオンが俺の好みを根掘り葉掘り聞いている中、ベニマルが思念伝達を送ってきた。

目の前にいるんだから口で話せばいいのに。

(シオンの料理は...その、生死に関わるので)

(生死?え、シオンもしかして料理下手なの)

(下手という言葉で括るのは何とも...)

 

まじか、俺死ぬの?

いや、でも食べるって言っちゃったし今更断るのもな。もし出てきた料理がすっごいヤバいやつだったら諂諛者に食べさせよう。

「ラルタ様?どうかされましたか?」

「いっ、いや!なんでもない!厨房だったな、あとで案内する...よ」

少し先の自分の安否が酷く気になる朝食であった。

 

 

 

 

 

「凄いですね。水も何もかもが綺麗で」

「水は特に綺麗だよ。リムルがすっごい推してるからね」

「リムル様が。先程のカイジン殿の手さばきを見てもこの町の発展具合に驚きを隠せませんよ」

 

朝食を終えて、町の案内を始めると各々の興味のある場所に残っていった。

シオンは厨房に、シュナはガバルの元に、クロベエは工房に。

今残っているのは、ベニマル、ハクロウ、ソウエイの3人だけである。

「ホッホッホッ、この町の者たちも活気があっていいですな。リムル様とラルタ様が守ってくださるおかげですのう」

「この町の事が気に入ってくれたなら嬉しいよ」

 

ベニマルもハクロウもこの町を気に入ってくれたようで、俺も嬉しい。リムルもきっと喜ぶだろう。

ソウエイは朝から一言も話さずに静かに俺たちの後を着いてきていた。

 

「ラルタ様、あれはなんですかな」

ハクロウが指をさす方向では、ゴブタやリグルが訓練を行っていた。特にリグルなんかはオーガに手も足も出なかったことが悔しいようで、誰よりも真剣に訓練をしていた。

 

「訓練だよ、ホブゴブリン達はよくここに集まって剣の訓練をしてる」

「あれでは、正しい剣技も己の強さも見定められませんなぁ」

「指南役がいないんだよ。俺は剣はからっきし出し、リムルも練習中みたいでさ」

「ほぉ、でしたら儂が少しばかり扱いてしきましょうかなぁ」

「おっ、いいな。俺も混じってこよう」

 

どうやら、ハクロウがホブゴブリンの訓練の相手をしてくれるらしい。

先の戦闘でも、ハクロウの剣術はすごいものだった。素人の俺でもわかるんだ。

剣を齧ったことのある奴からしたら恐ろしい爺さんなのかもしれない。

「あぁ、一通り案内も終わったし混じってきたらいいさ」

どこか浮き足立って、2人がホブゴブリンの元へと向かっていく。戦闘種族らしいし訓練も好きなのかもしれない。

 

「ソウエイ、お前はどうする?一通り案内も終わったけど...」

「ラルタ様」

「ん?何」

「.........」

 

朝から黙りだったソウエイがやっと話したと思ったらまた黙り出した。

きっと数分だったと思う。

向こうからゴブタ達の悲鳴が聞こえても、横を子供達が駆け抜けて言ってもソウエイは黙ったまま。

俺は何か試されてるのか?

どうする、こういう時は俺からグイグイ行ってやるのが正解なのか、待っててやるのが正解なのか。

 

「先の戦い。ラルタ様は俺に失望なさいましたか」

どうやら、待っているのが正解だったらしい。

それにしても、失望?

一体なんのことを言ってるんだ、先の戦いってあれだよな...俺がソウエイの頭叩きつけたやつ。まさか、あれが俺の失望に繋がると思ってるのか...

 

「まさか、失望なんてしないよ」

「ですが、俺は貴方様に手も足も出ませんでした」

「そんなこともあるよ、今は進化して強くなったんだろ?きっと俺も、肉弾戦だけじゃソウエイには勝てない」

「では、あの時は手加減をしてくださっていたのですね」

「殺すなって言われてたしね」

「俺は...」

 

なるほど、俺に失望されたか以前にソウエイは自分の弱さに失望しているらしい。

確かにあの時のソウエイは俺に触れることも出来ずに負けた。

でも、それがなんだと言うのか。魔物は進化することで飛躍的に力が上がる。

今のソウエイだったらあんな事にはならないだろう。

「大丈夫」この言葉は自分の存在に失望した者にどれだけ届くのだろうか。

きっとこの失望は俺に負けたことだけじゃない、オークに里を滅ぼされたこともきっと自分を失望する理由の1つだ。

 

「ソウエイ、失望はしていない。だけどこれから先お前が強くなることを怠るのなら、いつまでもウジウジと下を向くのなら俺はお前を失望する」

「ラルタ、様...」

風が吹く。草木の音がソウエイのか細い声をかき消す。

言ってやらなきゃいけない。俺は、こいつを鬼人達をリムルと一緒に導いていかなきゃ行けない。

 

「俺を失望させるな、ソウエイ。お前が、俺に自分の必要性を示せ」

遠くで聞こえる、剣と剣のぶつかる音も悲鳴も、笑い声や草木の音にだってかき消されないように。はっきりと、目を見て言う。

 

「ソウエイ、その名に恥じない働きをしろ」

「はい、ラルタ様...」

少し1人にしてやるべきだと思って俺は来た道を戻った。ソウエイはついてこない。

 

 

 

 

 

 

「俺を失望させるな、ソウエイ。お前が、俺に自分の必要性を示せ」

 

俺の目を見つめながらラルタ様がそう言う。

先の戦い、ラルタ様は明らかに手加減をしてくださっていた。

心臓から凍らされたいか?

あの時のラルタ様の言葉は今まで感じたことのない恐怖を俺に刻み付けた。強者に屈服し、小刻みに震える己の体が憎かった。

一瞬で俺を殺せるのにも関わらず殺さぬように調整された力加減が酷く俺を苦しめた。

 

宴会の席でリムル様は町の者に囲まれて食事をなさっていたのに、ラルタ様はうっすらとしか光の届かない木の上にいた。

リムル様は情に厚くお優しい方なのだと思う。勘違いで襲ってきた魔物を許し、歓迎してくれた。あまつさえ、こうして名まで与えてくださった。

けれど、ラルタ様の事はよく分からない。

リムル様に殺すなと言われていなければ、俺はラルタ様に殺されていただろう。

俺たちを迎え入れることも、配下となることもリムル様がお決めになった。その時、ラルタ様は何も言わずにいた。本当は俺たちのことをどう思っているのだろうか。

 

人の姿の時もそうでない時も、無表情で光の無い目が遥か遠くに向いている。

出会ってからの短い時間の中でラルタ様についてわかったことはよく笑う方だということ。

戦闘は高揚したように口角を上げ、会話をする時は小馬鹿にしたように声を出して笑う。

けれど、時折優しく微笑まれるのだ。

リムル様もラルタ様も、この町を愛しているのだとひしひしと伝わる。

 

リムル様とは魂の系譜で繋がっているけれど、ラルタ様との繋がりのなさが俺を焦らせた。

あの目に自分を写して貰えないかもしれない。あの声で名を呼んで貰えないかもしれない。

本当は俺たちをどう思っているのか分からない。失望されれば、細くあるのかも分からない繋がりが切れてしまう。

だから聞いてしまった。

俺に失望していないかを。俺は俺に失望していた。オーガの里の者たちをまともに守れずここに逃げてきた。勘違いだったとは言えど、仇討ちとして挑んで負けた。

自分の弱さに、失望した。

もしラルタ様にも失望されたら、ラルタ様からリムル様にあいつは要らないと言われたら、俺はどうしていいか分からなくなってしまう。

ベニマルと姫様について行く事すらできなくなってしまう。

 

けれど、ラルタ様は失望していないと言ってくださった。

俺のこれから先の話をしてくださった。

ラルタ様は、俺との繋がりがこれから先もあるのだと信じてくださっている。

真っ黒なその目には確かに俺が写っていた。

 

顔を上げて、ラルタ様の背中を見る。

あぁ、こんな所でいつまでも立っては居られない。立ち止まっては居られない。

強くならなければ、あの背中を追わなければ。

ラルタ様にとって必要である部下でなければ。

深い森の中に足を進める。

 

 

 

 

 

その数日後、リムルが目を覚ました。

鬼人に進化した皆を見た反応が想像通りで中々に笑わせて貰った。

ハクロウがゴブタ達の指導をしてくれている事を伝えるとリムルも参加すると言い出した。

どうやらリムルは剣術を極めるらしい。

俺?俺は剣は諦めてる。

1度、リグルとゴブタの2人に剣術を教えてもらったんだけど剣が俺の言う事を聞かない。

何故か手からすっぽ抜けたたし、抜けないように握っていれば折れた。

2人からもどうしようもない目で見られた。

だからもうやらない。

リムルには後方支援に力を入れたいと言って誤魔化しておいた。多分、気づかれてるけど

 

木刀のぶつかる音と悲鳴が町から少し離れた場所で響いている。

リムルとベニマルもハクロウの指導に参加しているが随分と扱かれている。

木の上から眺めていても中々の鬼っぷり。

ハクロウが俺の剣術なんて見たらショックで気絶しちゃうかもしれない。

 

木の上でその光景を眺めているとベニマルとリムルの話し声が聞こえてきた。

その声に反応して、耳がピクピクと動く。

 

豚頭帝(オークロード)?なんだそりゃ」

「まぁ、簡単に言うと化け物です。」

「おい、ってことは今俺たちの目の前にいるハクロウはオークロードか?」

「あぁ、あれも似たようなものですね」

「ホッホッ、言ってくれますな。稽古したいと言ったのはリムル様ですのに」

「俺ちょっと休憩」

「仕方ありませんのう」

 

ハクロウの鬼コーチっぷりに早くも根を上げたリムルがベニマルと共に俺のいる木の下にやってくる。

「何?ギブアップかな、リムル」

「休憩だよ、休憩。お前も一緒にやればいいのに」

「俺はいいんですー。で?ベニマル。オークロードってのは何?」

「あぁ、オークロードというのは数百年に1度生まれるというオークの特殊個体(ユニークモンスター)です。なんでも、味方の恐怖の感情すらも喰らうため異常に高い統率能力を持つんだとか」

 

まぁ、なんとも効率のいい統率方法だこと。

そんな能力があるなら、万単位でも簡単に動かせる。

恐怖は本能だ。本能を失った人形なんて子供でも操れる。

 

「里を襲ったオーク共は仲間の死にまるで怯むことがなかった。あるいは…と思いまして」

「里が襲われた理由はそれだけか?他に心当たりとか」

「…そうですね。関係あるかは分かりませんが、襲撃の少し前にある魔人が里にやってきて名をやろうとだとか言ってきたんです。俺を含め、全員から突っぱねられて結局悪態付きながら帰っていきましたが」

 

魔人か…。無関係だとは思えないけど。

わざわざ面識のないオーガに名前をつける理由なんてない。名付けという行為は危険なものだし、意味がなきゃそんな事しない。

何かその魔人に陰謀があるのか?

いや、陰謀があるなら名付けを断られる可能性のあるオーガだけとは思えない。

名前をばら蒔いてるんだとしたら。

意味は?配下を増やしていた…とか。

んー、いや。ユニークモンスターを探していたのかも。

 

「俺は関係あると思うよ。タイミングが良すぎるもん。その魔人、何か陰謀があるのかもしれない。名前をばら蒔いてる理由とかは分からないけど、オークロードを利用しようとしてるのは確かだと思う」

「そうだな…。もしオークロードと魔人に関係があるとしたら、それがいちばん面倒だ。その線で考えていた方がいいかもな」

「この町にも、被害が及ぶかもしれない。魔人にもオーク達にも警戒しておかないと。ベニマル、その魔人の名前は?」

「なんだったかな。確かゲレ…ゲロ…」

「ゲルミュッドだ」

 

何も無いところからソウエイが出てきた。

スマートなフォロー。かっこいい。

あの件以来、森で修行しているようだ。遠回しにいった強くなれという言葉がきちんと伝わっているようで何よりである。

 

「報告がございます。リザードマンの一行を目撃しました。湿地帯を拠点とする彼らがこんな所まで出向くのは異常ですので、取り急ぎご報告をと」

 

また、新しいのが出てきた。

魔人にオーク、それからリザードマン。

全部が敵だとしたら最低だな。

 

「何やら近くのゴブリン村で交渉に及んでいるようでした。ここにもいずれ来るかもしれません。」

交渉ね。内容までは分からないけど、どうせオークの事だ。

逆にそれ以外だったら、お引き取り願うわ。

 

「リムル様ー、ラルタ様ー!お昼ご飯の用意が整いましたよ。今日は私も手伝ったんです」

シオンが駆け寄ってくる。

やばい…すっかり忘れていた。

こいつらが鬼人に進化してすぐにした約束。

それが、今日!

ベニマルの言った通り、生死に関わる料理が出てくるのだとしたら...。

大丈夫、約束をした日に決めた通りにすればいい。やばかったら諂諛者に食べさせる。

大丈夫、俺は死なない。

ちなみに、リムルも誘われたらしいのだが、シオンの料理がやばい可能性は伝えてない。

ちらっとベニマルが俺を見る。

うるっせぇ。俺の為にご飯を作るなんて言われて断れるか!

「ラルター、いくぞ」

「あっ、うん...。今、行くよ」

 

ヒョイっと、木から飛び降りて4足の足でしっかりと着地する。

シオンの足元でちょこちょこ歩きながら腹を括る。俺の耳とシッポは完全にたれてしまった。

生きるんだ、俺。

大丈夫、こんな所で死ぬほどやわじゃないだろ。死ぬな、俺。

向かうは戦場。

 

 




シズの件から、少し笑い声だとかを増やしてみました。
あとは少しお茶目な思考とかも。
諂諛者も少しだけラルタの言うことを聞いてくれるように。
それにしても、ソウエイの独白が難しかった…。
でも、他の人から見たラルタを書くならここだ!と思ったので頑張って見ました。
事前に、生死を彷徨うかもしれないと言われた料理を自分から食べに行くのはさすがに誰でも怖いですよね。
大丈夫、ラルタは死にません。

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