だぁ………
裁人の平日の朝は早い。
大学に行っている為、その準備や居候している例の堕天使の世話など、様々な仕事が朝から待っているのだ。
ピピピ ピピピ ピピp
「………」
「はぁ…」
寝起き一番ため息をつく。
視点の先にはタオルをほっぽりだし、腹をまるまる出している寝相の悪い堕天使が寝ている。
寝顔はかなり幸せそうだ、よだれが口から垂れている。
「おい……おきろ」
ゆさゆさ
「すぴーすぴー」
出している腹をさすり起こそうと試みるが睡眠は続行。
寝返りをうつ。
そして段々と足が上がっていき
ドムッ
裁人の顔面に柔らかい足での蹴りが入る。
「………もきろ」(起きろ)
裁人は顔面に足をめり込ませながらも尚起こそうと試みる。
だが起きない。
堕天使はむにむにのロリとこの前説明したが身長やその他諸々を見て見るに小学生2年生辺りともとれる肉体だ。
小学生2年生に蹴られながら起こそうとする大学生。
犯罪の匂いしかないが、相手は堕天使なので万が一レイプが起きたとしても悪魔なのでセーフ…な訳が無いが、とてもシュールな絵面だ。
実を言うとこの堕天使、身長や身体的特徴がその日その日の調子で変わるのだ。
本気の場合はもうそれは美しい女性の姿になるらしい(堕天使談)
じゃあ何故このようなロリの姿になってしまうのかというと、パワーセーブだという。
パワーを意図的に下げないと近辺に甚大な被害を及ぼしてしまうという(堕天使談)
裁人は起こすのを諦め、朝食を作ることにした。
なんとこのロリコン、自炊が出来るのだ。
お米は昨日の内に炊いていた分をそのままジャーから取り出す。
おかずも基本的に前日の余りをそのまま流用するのだが、今回のおかずは前日の内に堕天使がうまいうまいと言いながら食べきってしまったので無し。
だがこれもほぼ毎回なので目玉焼きを仕方なく作ることにした。
手軽な物なら時間もかからない。
どうやら堕天使が起きたようだ。
「むぅぅ…おはょう……」
「ああ、おはよう」
眠たそうに目を擦りながら歩く。
背中の小さな羽がパタパタと音をたてている。
ジュゥゥゥ
フライパンの上で卵が焼かれる。
音だけでも腹に響く良い音だ。
「顔洗って目ェ覚ませてこい」
「あいー」
裁人は寝ぼけた堕天使を洗面台に向かわせるように促す。
そして堕天使は言葉に従うようにおぼつかない足取りで洗面台へと歩いていった。
「………時間がちっと少ないな」
「味噌汁はインスタントのパックになるか…」
準備に少し手間取ってしまったらしい。
「ぬおー!おはよおーぉぉぉぉ………」
「元気なのか眠いのかどっちかにしてくれ」
「ぐぅぬぬぬ」
「ちょっと俺今日時間無いから飯食ったらすぐ出る」
「そしたら留守番は頼んだ」
「わかったー」
「いただきます」
裁人は一足先に黙々と食べ始めた。
さきほど作った目玉焼きをご飯の上に乗せ、醤油をかける。
そしてそのまま黄身を割り、醤油と黄身が混ざった白身をご飯と共にかき込む。
「ごちそうさまでした、っと」
「堕天使ー聞いてるか?」
「キイテルヨー」
洗面台の方向から堕天使の元気な声が聞こえる。
「皿洗いよろしくな」
「エー」
非難の声も聞こえてきた。
裁人は大学に行くために外に出ても大丈夫そうな服装に着替え始める。
黒色が多めだが、一般人としてそこらに溶け込むのなら100点のようなモブの服装だ。
「よし、こんなもんで…うおっ」
足に何かが衝突する。
「うだぁ〜」
「大学頑張ってこいやぁああ〜〜〜」
「………」
ポスッ
裁人は堕天使のその丸い頭に手を置いた。
「頑張って来るわ」
ワシャワシャワシャ
その置いた手で、思いっきり頭を撫でる。
「うおぁああっ髪がっやめいやめい!」
「……ムフッ」
「気持ち悪い笑い方すんなぁあああ」
「んじゃ行ってくるわ」
「ぉおおおおおおい!待てぇぇぇい!」
「待てと言われてホントに止まる馬鹿が居るか?」
「いなぁぁぁいぃぃぃ…………」
ガチャ
裁人はドアノブに手をかけ、開ける。
外からの光が部屋の中へと入り込む。
「………ヨシ」
「行ってきます」
「むぅ…ま、まあ許してやろう」
「行って来いやぁ!」
「ったく、何様なんだかね」
「神様…いや堕天使様か」
「………グッwははっww」
裁人くんはまあまあ笑いのツボが浅いです。