日本国召喚 ~天照の咆哮~   作:イーグル

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作者のイーグルです。
まず、最初に沢山アンケートに回答していただきありがとうございます。

皆さんのパーパルディア皇国への恨み、どんだけあるんですか・・・。


今回は、フェン王国での話です。
色々と、おかしな部分があるかもしれませんが、そこはご了承ください。
それでは、どうぞ!



パーパルディア皇国編-06

フェン王国沖 

 

フェン王国を目指して航行しているパーパルディア皇国監察軍東洋艦隊の竜母から、パーパルディア皇国自慢のワイバーンロードが20騎ほど、出撃していた。

この艦隊の目的は、栄えある皇国の顔に泥を塗った、フェン王国に懲罰を行う事であった。

更に、現在フェン王国で行われている軍祭の場を襲撃する事で、軍祭に参加している文明圏外の国々に、パーパルディア皇国の力を見せつける事も目的の一つであった。

この東洋艦隊を指揮するポクトアールは、作戦の成功は確実であると考えていた。

相手は、ワイバーンすら持たない弱小国。負けるはずがない、と確信していたのだ。

この考えはポクトアールだけでなく、この東洋艦隊の全員が抱いていた物だった。

 

まさか、水平線の彼方から全てを見通す事が出来る存在がいるなど、夢にも思っていなかったのである。

 

日本海上防衛軍第七艦隊 戦艦さつま

 

「なに?それは間違いないのだな?」

 

「はい、艦対空レーダーに感あり。西の方角より数、20。時速180ノットでこちらに向かってきています。あと、数分で本艦上空に達すると思われます。」

 

「フェン王国にはワイバーンは存在していないはずだ。という事は、この接近している飛行物体の所属は、例の問題児パーパルディア皇国か。」

 

「恐らく、そうかと思います。」

 

「・・・全艦、対空戦闘用意。」

 

「戦闘配置ですか・・・。」

 

「これは私の独論なのだがね。もしかすると、パーパルディア皇国はアルタラス王国の様にこの国にも非常識な要求をしたのかもしれない。そして、この国はその要求を断った。」

 

「まさか、たったその程度の事で実力行使を行おうとしていると言うのですか!?」

 

「ああ、我々からしたら非常識な事だがここは異世界だ。我々の常識は、通用しないと考えた方が良い。」

 

「了解しました!総員、対空戦闘用意!繰り返す、対空戦闘用意!これは、訓練ではない!」

 

第七艦隊に所属する全ての軍艦の艦内に、戦闘配置を告げる警報が鳴り乗組員たちは、突然の警報に驚きつつも訓練通りにそれぞれの配置に就いた。

 

「全艦、対空戦闘用意!空母ほうりゅう、戦闘機発艦準備完了!順次発艦します!」

 

「いいか、まだ所属不明騎が敵とは断定できない!相手が攻撃して来た時のみ、攻撃を許可する!それまで、待機せよ!」

 

いざというときに備えて、攻撃態勢を整える日本艦隊。

そして、それは直ぐに役に立つことになる。

 

数分後、アマノキ上空

 

パーパルディア皇国監察軍所属のワイバーンロードが、遂にアマノキ上空に到達した。

この飛竜部隊の指揮官は周りを見渡し、攻撃目標を見定める。

アマノキに居るものの中で、決して攻撃してはいけないのは、ガハラ神国の風竜である。

ワイバーンはより上位な竜である風竜に、逆らうことが出来ない。事実、彼らが乗っているワイバーンロードは風竜に目を合わせようとしない。

 

「ガハラの風竜には、決して手を出すな!フェン王国王城と・・・、あの巨大艦二隻に攻撃を加えろ!よし、行くぞ!!」

 

ワイバーンロード20騎は、二手に分かれ降下していく。

フェン王国王城を攻撃する部隊は、ある程度降下した所で竜は口を開け、口内に火炎弾を形成し始める。

 

「全騎、攻撃開始ーー!!」

 

隊長の合図で、一斉に火炎弾が発射された。

 

戦艦さつま CIC

 

「所属不明騎二手に分かれました!そのうちの一部隊が、フェン王国王城に攻撃しました!」

 

「なに!?くそ、やってくれたな!現時点をもって所属不明騎を敵と断定する!王城を攻撃した奴らは、上空待機している空母艦載機に相手をさせろ!もう片方は!?」

 

「もう一方は、本艦隊に接近中!!進路からして、攻撃目標は本艦とほうりゅうです!!」

 

「艦隊全艦、対空戦闘を許可する!!一騎も逃すな!確実に、全て叩き落せ!!」

 

さつまの艦長は、怒りに満ちた声で迎撃を命じる。

一方、日本艦隊を攻撃する為に降下していたワイバーン隊は、眼前に停泊しているさつまとほうりゅうの巨体に驚愕していた。

 

「なんてデカさだ・・・。まるで、島そのものだ。」

 

「あのような巨大艦を蛮族が作ったというのか・・・?」

 

艦隊との距離が縮まり、細部までよく見えるようになったことで竜騎士達は、攻撃目標にしたさつまとほうりゅうの大きさに恐怖を感じ始めていた。

 

「臆するな!あれは蛮族が力を誇示する為に作った、ただの張りぼての木偶の坊だ!我々の前では、敵ではない!攻撃用意!」

 

指揮官である竜騎士は、配下の竜騎士達を鼓舞し、攻撃を指示する。

 

「敵ワイバーン、本艦に急降下、接近中!本艦への攻撃態勢に入ったものだと思われます!」

 

「対空戦闘、目標右舷のワイバーン!パルスレーザー砲、近接防御火器、攻撃用意!」

 

「了解!目標右舷のワイバーン!パルスレーザー砲、近接防御火器、攻撃用意!」

 

パーパルディア皇国のワイバーン隊は、火炎弾を発射する体制にはいる。

さつまもまたワイバーンを迎え撃つために、対空性能の高い砲口火器の射撃準備を整える。

 

「喰らえ、蛮族!火炎弾発射!!!」

 

「対空戦闘、攻撃はじめ!!」

 

奇しくも、ワイバーンロード隊の火炎弾発射とさつまの対空射撃開始は同じタイミングであった。

火炎弾を放ったワイバーンロード隊は、すぐさま上昇しようとするが超音速で飛行するミサイルを撃ち落とすために作られた、日本自慢の防空システムが見逃すはずがない。

あっという間にハチの巣となって、海へと墜落していく。

 

「ぷはっ!」

 

パーパルディア皇国の竜騎士レクマイアは、重い装備品を脱ぎ捨てて何とか海面に顔を出す。

彼はさつまの対空砲火の前にあっけなく撃墜されてしまったが、とても幸運な事に海面近くで攻撃を受けて墜落したおかげで、一命をとりとめることが出来た。

 

「隊長、みんな・・・。チクショウ、全員やられたのか!でも、奴にも致命傷が!?」

 

自分達が操るワイバーンロードの導力火炎弾の一斉射を喰らって、無事な船は一隻もいなかった。彼の頭の中では、火に包まれている巨大艦の姿が浮かんでいた。

だが彼が、自分達が攻撃を加えた巨大艦の方を向いた瞬間、彼は絶望の表情を浮かべることになった。

なぜなら、そこには攻撃前と何一つ変わらない、さつまの姿がそこにあったからだ。

 

「嘘だろ、あれだけの攻撃を喰らってびくともしていないというのか・・・。」

 

自分達の攻撃を物ともしない巨大艦の姿に絶望している彼に、さらなる追い打ちが襲い掛かる。

自分の頭の上で、爆発音が複数木霊したことにふと気付いたレクマイアが、空を見上げるとそこには最悪の光景が広がっていた。

フェン王国王城を攻撃した仲間たちが、見た事のない形をした飛行物体に追い掛け回され一方的に攻撃され、爆散していたのだ。

 

「そんな、馬鹿な・・・。我々は第三文明圏で最強のはず・・・。悪い夢であってくれ・・・。」

 

海面を漂いながら、レクマイアは目の前の光景を否定する言葉を呟き続ける。

 

さつま CIC

 

「全騎撃墜を確認!」

 

「被害知らせ!」

 

「第一、第二主砲周辺に十発被弾!火災が発生しましたが、自動消火装置が作動!すでに消し止められています!他に、被害はなし!」

 

「ふぅ~、大した被害が出なくて良かったですな。フェン王国の城の一部が燃えてしまいましたが・・・。」

 

「いや、まだ安心するのは早い。あのワイバーン隊を放ったパーパルディアの本隊がまだ近海にいるはずだ。レーダー出力最大!奴らの本隊の位置を洗い出せ!!」

 

「はっ!」

 

 

日本艦隊が反撃の為の索敵を行っているのと同じ頃、シハンらフェン王国の面々は目の前で起きた戦いの結果に言葉を失っていた。

攻撃して来たワイバーンロードは、間違いなくパーパルディア皇国のものだろう。フェン王国がワイバーンロードを落とすためには、大部隊の犠牲が必要だろう。それは、何故か?

それは、唯々単純にワイバーンロードの鱗が弓矢を通さないほど、硬いからである。

 

文明圏外の国がワイバーンロードを落とすことが出来れば、その事はその国の誇りになる。

「我が国には、ワイバーンロードを落とすことが出来る軍事力がある。」と、世界に宣伝することが出来るのだ。

そんな驚異的な性能を持つ、天空の王者を日本艦隊はハエを叩き落とすかのように、あっという間に殲滅してしまった。自分には、大した被害を被らずに、だ・・・。

 

「これは、天運だ・・・。なんとしても、二ホン国と同盟を結びパーパルディア皇国に対抗しなければ・・・。ふふふ、笑みが止まらんわい。」

 

シハンは笑いながら、ワイバーンの攻撃を受けて炎上している自分の城を眺めていた。

 

 

勿論、シハン達が見ていた日本艦隊とワイバーンロードの戦いは、軍祭に参加していた他の者も見ていた。

アマノキの上空を飛行していたガハラ神国の騎士スサノウと相棒の風竜は、日本の軍艦の対空戦闘力の高さと、日本の戦闘機に舌を巻いていた。

 

「すごいものだな・・・。あの巨大艦と鉄竜は。」

 

風竜は、念話で感嘆の声を上げる。

 

「そんなに凄い物なのか?」

 

「ああ、あの艦隊の全ての船から空飛ぶトカゲ共に、人間には不可視の光線を浴びせ、巨大船に装備された多数の砲が不可視の光が反射した方向を向き、トカゲどもの飛行する未来位置に向かって撃っている・・・。あの軍艦らは、見た目以上の技術力で造られたものだな。あの空飛ぶ鉄竜も見事なものだ。」

 

「お、お前がそこまで言うのか!?」

 

「うむ、大きいだけではないようだ。古の魔法帝国の魔導戦艦以上の性能を有しているようだ。あの鉄竜も、少なくとも天の浮舟と対等に戦うことが出来るだろう。」

 

「へ、へぇ~。そんなに凄い存在なのか・・・。これは、報告書作成が大変になりそうだ・・・。」

 

 

フェン王国沖合い 

 

 

「て、提督!ワイバーンロード隊からの通信が途絶しました!」

 

「何だと!!??」

 

ポクトアールは、懲罰艦隊の旗艦の一室でワイバーンロード隊が消息不明の報告を受けていた。

部屋を静寂が支配する。とても、有り得ない事であったからだ。

フェン王国には、ワイバーンロードを撃墜する戦力はないはず。つまり、フェン王国とは別のナニカがいるという事である。

 

「アマノキで一体、何があった?」

 

「ガハラの風竜を攻撃してしまったのではないか?」

 

「ワイバーンロードを撃破できるのは、ミリシアルかムーぐらいだ・・・。だが、どちらとも戦争状態にはない。だとすると、未知の勢力がいるのかも知れないな・・・。」

 

ポクトアールは、現状に嘆きたかった。今すぐにでも、本国に帰投したかった。だが、今回の一件は皇帝からの命令である。皇帝の命令は絶対であり、逆らう事は出来ない。

皇国監察軍東洋艦隊22隻は、フェン王国に確実に懲罰を加える為に風神の涙の出力を上げて、最大船速でフェン王国アマノキへと向かう。

 

ワイバーンロード襲撃から一時間後、アマノキ

 

「どういう事か、説明していただけますか?」

 

最初の会談の時とは、明らかに違う強い口調で柳田は質問する。

パーパルディア皇国の攻撃を受けた日本は、フェン王国に事情の説明を求めていた。

 

柳田が強い口調なのには、ある確信ともいえる考えが頭にあったからである。

それは、「フェン王国がパーパルディア皇国との紛争に、日本を巻き込んだ。」と、いうものだった。

少なくとも、パーパルディア皇国は第三文明圏の中では、最強といえる存在である。

そんな存在に目を付けられ、亡国の機に陥ったフェン王国。

そんな時に現れたのが、日本国である。

日本の国力、戦力を見抜いたフェン王国は日本を、パーパルディア皇国との争いに巻き込むことで存続する事を計画し、模索したのではないかと疑っているのだ。

 

「何の事ですかな?」

 

「貴国は、すでにパーパルディア皇国と戦争状態にあるのではないのですか?そして貴国は、我が国を巻き込むために、あえてこの事を伝えなかった。違いますか?」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「我が国は、我が国と同盟国の民を守る為になら、躊躇なく武力を行使します。ですが、貴国とはまだ国交すら開いていない。率直に言いましょう。たとえ、貴国がパーパルディア皇国に攻め込まれたとしても、我が国は動かないという事です。」

 

柳田の言葉を聞いて、フェン王国の面々は顔を蒼くする。

それに構わずに、柳田は話を続ける。

 

「我が国は、信用できる相手としか同盟を結びません。本当なら今すぐにでも出国したいのですが、最後にもう一度だけチャンスを与えます。本当の事を包み隠さず、話してください。」

 

「わ、分かった。本当の事を話そう、ヤナギダ殿。」

 

柳田の怒涛の口撃に、遂にフェン王国側は観念して、事実を話し始める。

フェン王国の事情を一通り聞き終わった時、柳田達はフェン王国に対して「アルタラス王国の様に最初から、素直に全て話してくれ。」と思い、パーパルディア皇国に対しては「またか・・・。本当に先進国なのか?」と呆れてしまった。

 

「・・・と、いうわけです。我が国の争いごとに巻き込んでしまったのは、済まないと思っています。」

 

「お詫びとして、一つ大切な事を話しておきましょう。もしパーパルディア皇国が貴国の事を知れば、我が国以上の報復を受けることになりますぞ。」

 

「と、言うと?」

 

「今から数年前、我が国と同じように懲罰攻撃を受けた国があった。その国は、奇襲攻撃でワイバーンロードの騎手を殺すことに成功した。だが、その後に待っていたのは非道ともいうべき虐殺だった。王族は皆殺しにされ晒し首となり、民衆は皆奴隷となってしまった。」

 

「貴国は、そのパーパルディア皇国のワイバーンロード20騎を撃墜した。間違いなく、報復攻撃が来ることになるでしょう。」

 

パーパルディア皇国の実情を聞き、驚きのあまり言葉が出ない日本使節団だったが、柳田が何とか言葉を発する。

 

「なるほど、ご忠告感謝します。ですが、ご安心ください。」

 

柳田の言葉に今度はフェン王国の面々が驚く。

 

「我が国は、先のロウリアとの戦争の直後から、パーパルディア皇国への対策を進めています。彼の国の軍事力や軍事拠点の把握、それを踏まえた戦略の構築を行っています。それに・・・。」

 

「それに?」

 

「はっきりと言いますが、我が国からしたらパーパルディア皇国は超弱小国なのです。やろうと思えば、一週間足らずで滅ぼす事が出来る程度の存在なのです。」

 

柳田の言葉に、シハンは生涯で一番の衝撃を受ける。

第三文明圏で最も豊かであり、誰もが恐れる国パーパルディア皇国を、柳田は、二ホン国は超弱小国と言い放ったのだ。シハンが家臣の方を見ると、誰も彼もが同じような表情で固まっていた。

 

「本当の事を話していただいたので、国交開設及び同盟の締結は行う方向で行きましょう。それと本国で決まった事は直ぐにお伝えする事を約束いたしましょう。では、これにて失礼します。」

 

そう言うと、柳田ら日本使節団は椅子から立ち上がり、部屋を後にし始める。

最後に部屋を出ようとしていた柳田は、ふとある事を思い出し放心状態のシハンらに告げる。

 

「ああ一つだけ、言うのを忘れていました。貴国主催の国際行事に飛び入り参加した無粋な奴らについてですが、此方でしっかりと「お仕置き」をしておきますので、ご安心ください。では、今度こそ失礼します。」

 

柳田は、頭を下げたのち退出した。

部屋の中には、未だに放心状態のシハンらだけが取り残された。

 

 

同時刻、護衛艦しまかぜCIC

 

 

「艦長、敵艦隊への攻撃許可下りました。」

 

「よし、敵艦隊への艦砲射撃を実施する!いいか、撃沈してもいいが全滅だけはさせるなよ!」

 

「了解!対艦戦闘用意!目標、パーパルディア皇国艦隊戦列艦!」

 

此方へと向かっているパーパルディア皇国艦隊を捕捉した第七艦隊は、被害を抑える為に公海上で迎撃する事を決定し、護衛艦しまかぜとたちかぜの二隻を迎撃任務に充てた。

 

「主砲発射準備完了。」

 

「主砲、攻撃始め!」

 

「主砲、てぇーー!!」

 

しまかぜとたちかぜに備え付けられた12.7㎝速射砲が、パーパルディア皇国の戦列艦へ向かって火を噴いた。

 

 

パーパルディア皇国 監察軍東洋艦隊

 

 

「て、提督!東から巨大艦が接近してきます!」

 

「何だと!?隻数は!?」

 

「数、二隻!信じられないような速度でこちらに向かってきます!!」

 

「狼狽えるな!砲戦準備!我らの力を奴らに思い知らせてやるのだ!」

 

接近してくる護衛艦に砲戦を仕掛ける為に、速度を上げ舷側に並べられた沢山の魔導砲を向ける為に、舵を切り始める。

すると、向かって来ていた二隻の船の船首が光った。

 

「提督、敵艦が発砲した模様!」

 

「この距離でか?何を考えているのだ?」

 

「威嚇でしょうか?」

 

パーパルディア皇国の常識では、あり得ないほどの距離で発砲した二隻の船の行動に、疑問を抱くポクトアール達。

 

「とりあえず、回避行動をしておこう。面舵一杯!」

 

ポクトアールは当たるはずはないと考えつつも回避行動をするように命令する。

操舵手が舵を切り出した次の瞬間、艦隊の先頭を走っていた戦列艦二隻が突然爆発した。

 

「な、なんだーーー!!??」

 

「いきなり爆発したぞ!!」

 

突然の出来事に驚き、混乱状態に陥る船員達。

恐怖と混沌が船の中に瞬く間に広がる中で、ポクトアールは何故味方の戦列艦が爆発したのかを考える。

 

「まさか、敵からの砲撃だというのか!?そんな、馬鹿な!我が国の魔導砲の数倍の射程と破壊力、命中精度を有しているというのか!?」

 

ポクトアールが考えている間にも、謎の船からの攻撃によって味方の戦列艦は次々と爆沈していく。旧式の30門級戦列艦だろうが最新鋭の100門級戦列艦だろうが、関係なく一方的に撃沈されていく。

艦隊の半数近くを失った時、不意にポクトアールは出航前のある出来事を思い出していた。

 

(確か、出航前に第三外務局のカイオス様が激励に来てくださった時、何かを言われたような・・・?そうだ、「白地に太陽の様な紋様が描かれた旗を掲げた軍艦がいたら、決して攻撃しない様に。もしも、攻撃してしまった場合は、すぐに撤退する事。」とおっしゃっていたな・・・。ま、まさか!!??)

 

カイオスの言葉を思い出したポクトアールは、懐から折り畳み式の望遠鏡を取り出し、謎の敵艦へと向ける。

そして、敵艦のマストに翻っている旗を見た時、彼は望遠鏡を取り落としそうになった。

マストには、「白地に太陽の様な紋様が描かれた旗」が翻っていたのだった。

 

(そ、そんな!!カイオス様のおっしゃっていた「白地に太陽の様な紋様が描かれた旗」を掲げた軍艦に、敵対してしまうとは!?しかし、何故敵対を?・・・まさか、アマノキでワイバーンロード隊が攻撃してしまったのか!?なんてこった・・・。と、兎に角本国に帰らなければ!)

 

「て、撤退だ!今すぐ撤退する!!」

 

「は、はいいい!!!」

 

ポクトアールの撤退命令に、悲鳴のような返事を返す船員達。

転舵している間にも、しまかぜとたちかぜの攻撃を受け続ける東洋艦隊。

結局、無事にパーパルディア皇国への帰途につくことが出来たのは、意図的に攻撃されなかった二隻のみであった。

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