いつも、「超日本国召喚」をご愛読していただき、ありがとうございます。
今回なのですが、会話がかなり多くなってしまっています。
この様なことになってしまったのは、自分の力不足なのです。許してください。
日本、東京
日本国内では、急速に反パーパルディア皇国という考えが浸透していった。
アルタラス王国への非常識かつ私欲にまみれた要求と、フェン王国でのパーパルディア皇国軍との戦闘が、この考えを後押ししていた。
特に日本国民が許せなかったのは、アルタラス王国王女ルミエスを奴隷にしようとしたことである。
日本とアルタラス王国の国交開設、及び同盟締結を宣言した会見で登場した彼女は、その美しさとスピーチから感じる事が出来る彼女の健気さ、そして何より日本人の心をつかんだのは、「手を差し伸べてくれてありがとう、日本の皆さん」と涙を浮かべながら発言したことである。
そんな彼女と彼女が愛するアルタラス王国を害する、パーパルディア皇国を日本人が嫌悪することになるのは自然な事であっただろう。
ネット上では、「パーパルディア皇国を滅ぼせ」などの過激な意見が飛び交い始め、各種報道機関もパーパルディア皇国との戦争が近づいている事、避けることが出来ない事を何度も報道し始めていた。
国内で反パ皇が叫ばれ始めている中、首相官邸ではこの世界に転移してから何十回目の緊急会議が開かれていた。
「・・・以上が、フェン王国での出来事の全てです。」
「そうか・・・。大変ご苦労だった。使節団と第七艦隊、第九艦隊の諸君には、ゆっくりと休んで英気を養ってほしいと伝えてほしい。さてと・・・。」
使節団からの報告書を受け取った武田は、使節団と護衛していた艦隊の軍人達にねぎらいの言葉を伝える様に言うと、会議室に集まっている官僚たちに視線を向ける。
「今回の外交で、無事にムーとアルタラス王国の間に国交を開くことが出来た。フェン王国との国交開設も間近だろう。ただ、同時に各国の抱える問題も浮き彫りとなった。今回は、その対策について練ろうと思う。」
「今一番警戒しなければならないのは、パーパルディア皇国でしょう。アルタラス王国とフェン王国の両国に、理不尽かつ非常識な要求をし、要求が通らなかった場合は武力を行使する、とても危険な国です。防衛省の見解では、本年中にどちらかの国、もしくは両国に武力侵攻をする可能性が高いと出ています。
両国の防衛の為に、更なる軍事力の派遣が必要と私は提案します。」
防衛大臣である厳田の発言に続くように、外務大臣の吉田が発言する。
「アルタラス王国に常駐する部隊の更なる強化に関係する事ですが、アルタラス王国本土にあるムーが開港した空港の使用、及び改造許可が取れました。」
「おお!本当ですか!!」
「はい、ムーの大使は『アルタラス王国の許可を取れば、好きなようにしてよい』と、発言していました。」
「それは、有難い。これで、パーパルディア皇国の首都を爆撃することが出来るようになる。ムーには、何かお礼をしなければな。」
「吉田さん、この一件についてアルタラス側はなんと?」
「『国民に害が無いのならば、遠慮なくやってよい』と。」
「分かりました。早速、空港の改良工事を手配する事にしましょう。改良工事が終わり次第、航空戦力の拡張を行います。」
「航空戦力の強化は、これでいいとして他に強化すべき事は?」
「パーパルディア皇国の軍の動きを、24時間監視する必要があります。早期警戒機を増やせませんか?」
「無理だ、これ以上は本土の警備が疎かになってしまう。何か、いい案はないか?」
アルタラス王国の航空戦力の強化が決定した所で、次の議題「パーパルディア皇国の監視」に移る。
ただ、問題なのが早期警戒機の不足。もっと詳しく言うのならば、早期警戒機に乗って仕事をすることが出来る人員が不足していたのである。
地球ならば、同盟国各国がレーダーなどの索敵網を自前で用意し運用していたが、この異世界では地球程高度な警戒態勢を持っている国は存在していない。せいぜい、ワイバーンか艦船を使った見回り程度であった。
その為、それぞれの国の警戒網強化を日本が全てを負担する事になってしまい、前世界では十分に足りた早期警戒機が不足状態に陥ってしまうという事態が発生してしまったのである。
「人員育成には時間が掛かる。なんとか、他から回せないのですか?」
「いや、ダメだ。もし、パーパルディア皇国との戦争状態になった場合、我が国の同盟国という理由でクワ・トイネ公国やクイラ王国、ロウリア王国が攻撃を受ける可能性が十分にある。数を減らすことはできない。」
「では、どうするのですか!?アルタラス王国防衛には、航空機を使った警戒網の構築が必要不可欠なはずだ!」
「そのことについてですが、「特別な一機」を配備する事で解決することが出来ます。」
「厳田君、まさか「アークバード」を投入するというのか!!??」
アークバード、それは日本が「Project A」の下、長い月日をかけて開発した大気機動宇宙機である。
航空機と人工衛星の機能を併せ持つ、この巨人機の役割は「軌道上での敵国の監視、ミサイル等の迎撃、及び即座の反撃」等の、軍事的な物と「衛星軌道上の清掃プラットフォーム、宇宙空間での観測や実験を行う研究施設」等の、平和的な物の二つである。
この世界に転移した直後に完成した白き巨鳥は、計画に携わった多くの人々に見守られながら大空へと羽ばたいていった。
現在は、様々なテストを行いつつ飛行している白き巨鳥を、厳田はアルタラス王国警備の任に就かせるつもりなのである。
「正気ですか!?厳田防衛大臣!?」
「正気です。あの機体には艦船や早期警戒機に搭載されている物より、遥かに強力なレーダーや各種センサーが搭載されています。その上、数十ヵ月無着陸で飛行できる。早期警戒機としては、破格の性能です。それに、あの機体は元々国土防衛の為に開発された物。同盟国防衛の為の戦力として、運用しても何ら問題はありません。」
「しかしアークバードは、まだテスト中です。それを!」
「ですが、早期警戒機の不足とアルタラス王国の警戒網強化の二つの問題を解消できるのは、アークバードだけです。これ以外の方法はないのです。」
アークバードの実戦投入に、賛成、反対の意見が怒号を添えながら会議室を飛び交う。
十数分後、今まで沈黙を守って来た武田が、発言の為に手を挙げる。
一瞬で静まり返る会議室。
誰もが、武田の言葉に耳を傾けていた。
「皆の意見、聞かせてもらった。そのうえで私が決断したことを話そう。厳田君の意見は、筋が通っていると私は判断した。よって、アークバードをパーパルディア皇国監視任務に就かせることを許可する。ただし、全ての性能確認テストが終わるまでアークバードの戦闘投入は、厳禁とする。皆、納得してくれたか?」
「・・・分かりました。総理がおっしゃるのならば、引き下がりましょう。ですが、厳田さん!くれぐれもアークバードを壊さない様に、大切に扱ってくださいよ!あれは、日本の新たな象徴なのですかね!」
「無論、その事は十分承知しております。あの美しき翼に傷一つたりとも、負わせないことをここに誓いましょう。」
「さて、アルタラス王国の一件はこれでよいとして・・・。次は、フェン王国か。」
アルタラス王国の話が一段落したところで、次の議題フェン王国の話に移る。
ただ、アルタラス王国の時とは違い、官僚たちは余り乗り気ではない。
何しろ彼の国の策略で、紛争に巻き込まれたのかも知れないのだ。フェン王国の印象があまり良くないのは、必然の事だろう。
「ふ~む、どうしますかな?無難に一艦隊を派遣しておきますか?」
「ああ、その程度で大丈夫だろう。フェン王国での一件で、パーパルディア皇国の戦列艦の戦闘能力は大体判明した。一艦隊でも十分に対処できるだろう。それに、恐らくパーパルディア皇国は、公に反抗したアルタラス王国の方が目障りのはずだ。主戦力は、間違いなくアルタラス王国攻略に使うはずだ。となると、フェン王国には主力部隊をあまり割けないはずだ。」
「分かりました。その方向で行きましょう」
極めて短時間でフェン王国の一件は粗雑に片付けられ、ここ一番の問題児の一件に取り掛かる。
「パーパルディア皇国ですか・・・。フェン王国での一件、抗議しますか?」
「抗議したら、逆ギレしてきませんか?悪い噂しか聞きませんよ、あの国。」
「してくるだろうな。何しろ、提案を断っただけで武力行使に出る国だからな。間違いなく、戦争を吹っ掛けられることになる。」
「下手したら、抗議の場で『属国になれ!貢物を毎年納めろ!』とか、言ってくるかもしれないですよ。で、断ったらその場で宣戦布告を受ける可能性も・・・。」
「十分にあり得るな。だが、戦争状態になれば遠慮なく攻撃することが出来る。相手から、非常識な要求を受けたうえで宣戦布告されれば、更に良い。なぜなら、大規模攻撃の口実を得ることが出来る。『我が国に住む、全ての国民の人命と財産を守る為』というこれ以上はない、口実がな。」
「兎に角、抗議の為の外交官の派遣は行う事にしましょう。」
会議の結果、抗議の為の外交官を派遣する事が決定し、その護衛の為に転移してから新たに編成された第11護衛艦隊がその任に就くことが決定した。
パーパルディア皇国 皇都エストシラント
「ありがとう!釣りはいらない!」
「お、お客さん!?」
アルタラス王国から帰国したクロムは、すぐさま乗り合い馬車を捕まえて第三外務局へと直行した。
料金のお釣りを受け取る時間も惜しいほど、彼はとても焦っていた。
「急がなければ!急がなければ!いそが、イデェ!!??」
「ガァ!!??」
第三外務局の玄関で、クロムは誰かにぶつかり倒れてしまった。
「す、済まない!急いでいたので、前を見ていなか――」
「誰かと思ったら、クロムじゃないか!戻ってきていたのか!」
「ヴァルハル!君だったのか!ここに君がいるという事は、何か二ホン国の情報を手に入れたのかい?」
「ああ、いやという程にな。お前の方は?」
「俺もだ。兎に角、カイオス様に報告しなければな。」
ぶつかった相手が自分の親友だったことに驚いた二人だったが、すぐに揃って建物の中に入りカイオスの下へと向かった。
カイオスは机に積み上がっていた書類を粗方片付けると、息抜きの為に紅茶を淹れていた。
パーパルディア名産の高級茶葉とお茶を淹れるのに最適な水を使った、シンプルだが贅沢な一品を飲むのが彼の日々の小さな楽しみの一つだった。
これから小さな至福の時を過ごそうとしていた、まさにその時部屋の扉が強く叩かれた。
至福の時を邪魔した扉を叩いた無粋な奴に、若干の殺意を抱きつつも、カイオスは応える。
「誰だ!?」
「カイオス様、クロムです。ただいま帰りました。」
「おお!クロムか!待っていたぞ!」
扉の向こうからの声に、カイオスの不機嫌は跡形もなく吹き飛び自ら扉を開けた。
扉を開けると、服装が少し乱れている二人がいた。
走って来たのか、と思いつつも二人を部屋に入れ、ソファーに座らせる。
「カイオス様、アルタラス王国の一件、誠に申し訳ございません。私の力不足でした。」
開口一番、クロムはカイオスに謝罪する。
自分の力不足で、パーパルディア皇国最大の魔石の取引相手を失ってしまったのだ。まじめな彼が、責任を感じてしまうのも仕方ない。
「気にしなくてよい。アルタラス王国との国交断絶は、時間の問題だった。お前が全ての責任を背負う必要はない。そんなことは良い、アルタラスで二ホン国の艦隊を見て来たのだろう?二ホン艦隊を見て、何を感じた?」
「はっ、率直に申し上げますと驚異の一言に尽きます。二ホン国の艦隊はミリシアルの魔導戦艦より遥かに洗練された軍艦で構成されていました。そうそう、魔写を撮ってきましたので、ご覧ください。」
そう言うと、クロムはカバンの中から大きな封筒を取り出すと、封筒の中身を机の上に置いていく。
机の上に並べれた魔写には、第七艦隊の所属艦艇がはっきりと映っていた。
そのうちの一つ手に取り、カイオスは凝視する。
「なんと、これは・・・。確かにミリシアルの物より立派だな。少なくとも、我が国の戦列艦より頼りになりそうな姿をしている。」
「はい、この魔写では分かりにくいかもしれませんが、間違いなくアルタラスの戦列艦より、遥かに巨大な事には間違いありません。・・・カイオス様、此方の魔写もご覧ください。」
「・・・おい、なんでミリシアルの「天の浮舟」が映っているんだ!?」
「いえ、よく見るとミリシアルの物とは全然違うもののようです。信じられない事ですが、どうやら二ホン国は独自開発したものと思われる「天の浮舟」を保有しているようなのです。」
「なんてことだ・・・。我が国よりも国力が上なのは確定、という事か・・・。」
アルタラスで撮られた魔写を見て、日本の国力が上という事実に絶望にくれるカイオス。
そんな中、今まで沈黙を守っていたヴァルハルが口を開く。
「フソウ型戦艦に、タケミカズチ型空母か・・・。この本通りの姿だな。」
「ん?おい、まて!ヴァルハル!何故、二ホンの軍艦の艦級名を知っているのだ!?」
「ああ、それはだな、ロウリアで手に入れたこの本を熟読したからさ。」
ヴァルハルはそう答えると、パーパルディアの物とは比較にならない程の彩り豊かな表紙の本を二人に見せる。
「この本の題名は、「決定版!!二ホン国防衛軍の兵器特集」。題名通り、二ホン国軍が運用している兵器が掲載された本だ。この本によると、その魔写に移っている戦艦は「フソウ型」という二ホン国最新鋭の戦艦らしい。全長390m、排水量20万トン超えの化け物だ。」
「デ、デカすぎる。しゅ、主砲の口径は!?」
「聞いて驚かないでくださいよ、カイオス様?フソウ型の主砲口径は61㎝です。」
「「はっ!!??ろ、61㎝ーー!!??」」
予想以上に巨大な口径の大砲に、声を揃えて驚くカイオスとクロム。
ただ、驚いてしまうのは仕方ない事である。
世界最強と呼ばれるミリシアルのミスリル級魔導戦艦の主砲は38㎝、ムーの最新鋭戦艦ラ・カサミの主砲は30㎝なのである。
つまり、ふそう型の主砲はミスリル級の1.6倍、ラ・カサミの2倍という破格の大きさなのである。
大砲の口径が大きいという事は、その分破壊力も上がっているいる事は容易に想像が出来るだろう。
二人の脳裏には、ふそう型からの砲撃で一方的に撃沈されていく自国の戦列艦の姿が浮かんでいた。
数十秒程、フリーズしていた二人だったが、何とか立ち直りヴァルハルにさらなる質問をする。
「・・・ヴァルハル、二ホンの戦艦の脅威についてはよく分かった。では、この「天の浮舟」を載せている平べったい軍艦はなんだ?」
「それは、「空母」と呼ばれている艦だな。分かりやすいように、我が国の艦に当てはめると「竜母」が、これに該当するな。まあ、要するに飛行機械用の竜母だな。だが、性能は空母の方が遥かに上だぞ。クロム、お前は竜母の弱点を知っているか?」
「確か、航行しながらワイバーンを飛ばせない事だったかな?」
「正解。我が国の物を含めた竜母という艦種共通の弱点だ。何しろ、航行に必要なマストや帆がワイバーンの発艦や着艦の邪魔になる。だから、ワイバーンを発進させるときは帆を畳み、必要ならマストも折りたたまなければならない。ところがだ、この魔写の空母にはマストや帆が無いだろう?つまり」
「航行しながら、飛行機械を展開できるという事か・・・。」
「その通り。」
「では、私からもいいかな、ヴァルハル君?二ホン国はどの様な「天の浮舟」を運用しているのだ?」
「ええとカイオス様、二ホン国が運用しているのは「天の浮舟」ではなく「航空機」、つまり飛行機械です。現在、二ホン国では複数の戦闘用航空機が運用されています。そのどれもが、非常に高速で飛行することが出来ます。最も遅い飛行機械でも、ワイバーンロードや開発されたばかりのワイバーンオーバーロードを余裕で振り切ることが出来ます。」
「何だと、そんな馬鹿な!!??ワイバーンオーバーロードは、ムーのマリンに対抗する為に開発されたものだぞ!その速度は、時速400㎞を優に超えると聞いている。それよりも、速いのか!?」
「は、はい。二ホン軍の飛行機械は一部の例外を除き、時速800㎞以上の速度での飛行が可能です。最速となると、音の三倍以上の速度で飛行することが出来るそうです。」
「お、音の三倍だと・・・・。」
日本の戦闘機の予想以上の速度に、再び爆沈するカイオス。
尊敬する上司の心が壊れないか、心配しながらクロムは同じ様にカイオスのメンタルを心配するヴァルハルに質問を続ける。
「・・・ヴァルハル、この魔写に写っている砲を一門しか載せてない軍艦はなんだ?いくら何でも、これでは碌な戦闘できないだろう。何の為に、この様な船を造るのだ?」
「お、おう。それは、「護衛艦」という二ホン海軍の主力艦だ。で、お前が疑問に思っている事についてだが、それは単純。護衛艦の主力兵装が砲ではないからだ。」
「砲ではない?では、何を主兵装にしているのだ?」
「腰を抜かすなよ?護衛艦の主兵装は「ミサイル」という誘導式飛翔爆弾だ。」
「なっ!!??そ、それはまるで・・・。」
「古の魔法帝国、「ラヴァーナル帝国」の「誘導魔光弾」そのものだ。俺もこの事を知った時、冷や汗が滝のように出たさ。しかも、ミサイルには様々な種類があって、対艦用、対地用、対空用など用途に合わせたものがあるようだ。」
「まさか、二ホン国の技術力は「ラヴァーナル帝国」と同等というのか!?なんて、国だ・・・。我が国に、全く勝ち目がないではないか。」
「全くだ。しかも、二ホン国には今まで紹介した兵器以上の「化け物の中の化け物」というべき、切り札が存在している。」
「・・・おい、まだあるのか?」
「だが、外交に携わる者として聞かないわけにはいかないだろう、クロム。・・・覚悟はできた、話してくれ、ヴァルハル君。」
今まで聞いてきた物より、遥かに強力な存在が日本国にある。
胃がキリリと痛むのを感じたが、聞かなければならない立場にある事を自覚している二人は、テーブルに置かれたすでに冷えてしまった紅茶を、一気に喉に流し込み覚悟を決める。
「二ホン国には、ニホン人から「守り神」「国の誇り」「最後にして最大の希望」とまで呼ばれている3隻の超巨大戦艦が存在しています。名前は、アマテラス型戦艦。」
「アマテラス・・・。」
「全長1200m、排水量500万トン超。主砲に80㎝三連装砲を六基。そして、ありとあらゆる攻撃を防ぐ鉄壁の装甲。正しく、兵器の王者「超兵器」の名前が相応しい戦艦です。そして、二ホン国は同盟国となったアルタラス王国を守る為に、一番艦アマテラスを旗艦とする艦隊を派遣しました。」
「はぁ・・・?・・・・済まない、クロム。どうやら私の耳は、いかれてしまったようだ。全長1000m超えとか、主砲が80㎝とか、アルタラスにこの空想上の化け物のような奴がいるとか聞こえたが、全て幻聴だよな?」
「いえ、私にも聞こえました。残念な事に、私たちの耳は正常なようです。」
「はは、ははははははは・・・。」
規格外の話を聞き続け心が疲弊していたカイオスだったが、天照の事を聞いた事で遂に彼は壊れてしまった。彼の薄気味悪い、生気のこもっていない笑い声は、尊敬する上司の壊れてしまった姿を見続ける事に耐えることが出来なくなったクロムが、
「ご無礼をお許しください、カイオス様!」
と、思いっきり頬をビンタするまで続くことになる。
用語説明
「Project A」
日本が次世代型警戒システム及び迎撃システムの構築のために、大気圏内から衛星軌道までの様々な空間での飛行が可能な「大気機動宇宙機」を含めた、複数の超大型航空機を開発する計画。
最初は完全な軍用機開発計画だったが、計画の途中で一部の機体の設計変更が行われ、平和的利用を盛り込んだものへと変化していった。