日本国召喚 ~天照の咆哮~   作:イーグル

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皆さん、お久しぶりです。
作者のイーグルです。

まず最初に、投稿が遅くなってしまい誠に申し訳ありません。
遅くなってしまった理由をあげますと、

・文章の構成が中々思いつかず、難産となってしまった事。

・9月の中旬にコロナに罹ってしまい、体調があまり良くなかった事。

・転職することになった為に、色々とドタバタとしていた事。

です。
本当に申し訳ありません。

更には、難産だった影響もあって、今回はかなり短く内容もかなり荒いです。
それでもよろしければ、どうぞご覧ください!


パーパルディア皇国編-20

パーパルディア皇国 アルーニ

 

パーパルディア皇国の北東に位置する都市アルーニ。

この地方都市は様々な物資が行き来する交易拠点であるのと同時に、パールネウス共和国と名乗っていた時代から、国境を守る要塞都市としての顔も持っていた。

二重の城壁に多数備え付けられたパーパルディア皇国自慢の魔導砲が、周辺国に睨みを利かせていた。

 

そんな幾度となく、パーパルディア皇国を守ってきた鉄壁の地方都市アルーニは、その自慢の二重の城壁に幾つもの大穴を開けられ、街のあちこちで火の手が上がり、途切れる事の無い砲声と銃声が轟いていた。

 

その響いている銃声には、主に二つの音があった。

一つは、「パン、パン」というパーパルディア皇国の魔導マスケット銃の銃声。もう一つは、「ダダダダダダッ」という断続的に発生する銃声であった。

 

 

アルーニの一角に存在する公園に設けられた防衛線では、パーパルディア皇国兵達が悪態をつきながら、都市内に侵入してきた敵兵の撃退をしていた。

 

「クソ!このアルーニが、ここまで敵兵の侵攻を受けるとは!?」

 

「黙って撃ち返せ!!これ以上侵攻、ガハッ!!」

 

「テム!?テムがやられた!!」

 

「チクショウ!何なんだよ、あの銃は!?何であんな銃を属領の奴らが持っているんだ!?」

 

悪態をつきながらも、「フィルアデス大陸解放軍」に反撃を行うパーパルディア皇国兵達。

だがしかし、現実は非情であった。

 

数分後、公園に設営された防衛陣地は「フィルアデス大陸解放軍」によって占領された。

なお、最後の最後まで抵抗したために、パーパルディア側に生存者は一人もいなかった・・・。

 

フィルアデス大陸解放軍司令部

 

激戦の続くアルーニの郊外に設けられた「フィルアデス大陸解放軍」の司令部内では、なりゆきで司令官となったハキが各地からあがって来る様々な報告を受けていた。

 

「第41部隊がパーパルディア皇国が設営した防御陣地を占領しました。敵に生存者は無しとの事です。なお、弾薬が二割を切ったため補給に戻るとの事です。」

 

「第22部隊が、「携行式タイセンシャ噴進弾発射器」で地竜を撃破したとの事です!死傷者はなし!」

 

「第9部隊が敵の猛反撃に苦戦中、援軍を要請しています!」

 

「二ホン国軍の方々に支援を要請してくれ!彼らのセンシャならば、敵陣を突破する事が可能だろう。」

 

「了解!二ホン国軍、聞こえますか?此方は、フィルアデス大陸解放軍司令部・・・・。」

 

休む暇もなく入って来る戦況に若干目を回しながらも、「フィルアデス大陸解放軍」の各部隊に指示を出しながら、ハキは日本から提供された武器の性能に唯々驚愕していた。

 

(凄い・・・、凄すぎる・・・。なんて高性能な武器なんだ。あれ程恐れたパーパルディア皇国軍を、まるで赤子の手を捻るかのように簡単に撃破することが出来る・・・。そんな武器が、二ホン国では倉庫に長年眠っていた旧式だという事だ。二ホン国、なんて恐ろしい国なんだ・・・。)

 

アルーニ攻略戦の戦況から、日本製の武器の性能の高さに驚愕するハキ。

 

此処で時間は、アルーニ攻略戦が始まる数日前に戻る。

アルーニに向かって進軍していく「フィルアデス大陸解放軍」の面々の前に、突然日本のヘリコプターが現れた。初めて見る奇妙奇天烈な飛行物体に、最初ハキ達は強い警戒心を抱いたが、その飛行物体が彼らの希望である日本の物であると知ると、それまでの態度を180度変え、大いに彼らを歓迎した。

 

フィルアデス大陸解放軍と無事に接触することが出来た日本は、フィルアデス大陸解放軍に参加している各属領との戦時条約を結ぶと、日本はフィルアデス大陸解放軍に結んだばかりの戦時条約に基づいた兵器を無償で譲渡した。

譲渡したのは、万が一の為にと倉庫の片隅で保管されていた52式小銃や59式対戦車噴進弾発射器(一般的には、バズーカと呼ばれる兵器)などの旧式武器である。

更にはアルーニ攻撃までに、可能な限りの貸与した兵器の取り扱いなどを訓練した。近代的な銃など触った事のないフィルアデス大陸解放軍の面々だったが、幸いな事にこの解放軍に参加している多くの兵たちが、かつて軍事に携わっていた者たちばかりだった。

その為、僅かな時間で最低限度の練度ではあるが、日本製武器の取り扱いを習得することが出来たのだった。

 

そして、現在・・・。

各属領から集まった圧倒的な人員数と日本製の兵器、そして少数とはいえ日本国の援軍、この三つが組み合わさった結果が、現在の戦況であった。

 

因みに「フィルアデス大陸解放軍」に供与した武器はどこから持ってきたのかと言うと、パーパルディア皇国の海軍を壊滅させた海上防衛軍第一艦隊に予め積載されていた物をヘリコプターでピストン輸送したのであった。

 

(いける、いけるぞ!!俺達でもあのパーパルディア皇国にも勝つことが出来るんだ!!・・・これからの第三文明圏は二ホン国を中心に回っていくだろう。パーパルディア皇国に勝利し、祖国を取り戻した暁には二ホン国と親密な関係を作り上げなければならないな。)

 

圧倒的に有利な戦況に、今まで感じた事のない高揚感を覚え、確実に来るであろう未来に他死しての考えを巡らしながら、ハキは「フィルアデス大陸解放軍」の指揮を執り続ける。

アルーニの戦いは、佳境へと入ったばかりであった。

 

 

日本 防衛省

 

日本の軍事行動を司る防衛省の一室では、防衛大臣の厳田が最新の戦況情報を受け取っていた。

 

「ふむ、アルーニの戦況は「フィルアデス大陸解放軍」の優勢か・・・。いくら我が国では旧式化している兵器と言え、近世程度の技術力しか持っていないパーパルディア皇国では拠点を防衛する事すらままならないという事か・・・。彼ら「フィルアデス大陸解放軍」を構成する国々が独立した暁には、良き隣人となるだろうな・・・。だが、問題はリーム王国か・・・。」

 

厳田を現在進行形で悩ませている一つの問題、それは「無宣告で勝手に対パーパルディア皇国戦に参加しようとしているリーム王国」である。

この問題が発覚したのは、アルタラス王国での共同宣言の後である。

 

フィルアデス大陸を監視しているアークバードから、「第三文明圏の文明国であるリーム王国の大軍勢がパーパルディア皇国に侵入した。」との報告が入ったのだ。

宣戦布告なしでの大軍勢の派遣。

覇権国家が多いというこの世界の常識やリーム王国の過去の行いなどを照らし合わせた結果、日本政府はリーム王国がパーパルディア皇国の領土や彼の国が保有する技術をかすめ取る、火事場泥棒をしようとしているのではないかと判断した。

 

「全く、後々に禍根になるような事をする国がこの世界にもあるとはな・・・。お陰で対パーパルディア皇国戦の戦略を大幅に修正しなければならなくなったではないか・・・。クソ!めんどくさい事をやってくれたものだ!」

 

リーム王国の首脳部への苛立ちを落ち着かせる為に、コップに注がれていた冷たい麦茶を一気に飲み干すと、新たな書類に目を通す。

 

「だが、アルーニへの攻撃のお陰で、この戦争を早期に終わらせる可能性が出て来たのも事実だ。しかし、まさかパーパルディア皇国側からあんな事を頼み込んでくるとはな・・・。」

 

書類に目を通し終えると、厳田は窓から外の風景を眺めながら呟く。

 

「この戦争の早期終結は、君達に掛かっているぞ。頼むぞ、第一艦隊・・・。」

 

 

二日後、エストシラント沖

 

日本最強の艦隊の一つ、海上防衛軍第一防衛艦隊はエストシラントの沖合に10日ぶりに現れた。

艦隊旗艦天照を先頭に戦艦ふそう、とさとその護衛が単陣形で朝焼けの大海原を進む。

 

無論、この艦隊がエストシラントに接近している事をパーパルディア皇国側は知る由もなかった。

この戦争以前ならば毎日哨戒の小艦隊が航行していて、敵や所属不明の艦隊の接近を知ることが出来るのだが、主力艦隊が第一艦隊の攻撃によって壊滅した現状では哨戒任務用として運用されていた二線級戦列艦ですら、パーパルディア皇国の貴重な海軍戦力として港に温存されていた。

 

その為、海上警戒網は全くと言っていいほど機能していない状況となり、第一艦隊はパーパルディア皇国に知られる事無くエストシラントの沖合まで侵入することが出来たのだ。

 

「艦隊司令、もう間もなく作戦ポイントです。付近の海域に敵の姿は認められません。」

 

「了解した。後は「のろし」が来るのを待つだけだな。」

 

「はい。この作戦を成功させれば、この戦争を何とか終わらせることが出来ますね。」

 

「ああ、戦争程国民を圧迫する事は無いからな・・・。しかも火事場泥棒も現れそうだとの事だ。絶対に失敗は許されないぞ。」

 

佐々木と倉田が話していると、日の出の時間となり太陽が水平線から昇ってきた。

美しい日の出に、一部の防衛軍人はこの作戦の成功を祈っていた。

ちょうどその時、第一艦隊に通信が入った。

 

「司令!「のろし」が上がりました!」

 

「よし、作戦開始だ!!全艦に作戦開始を伝達せよ!倉田艦長、天照の船速を増速せよ!」

 

「はっ!!増速30ノット!!これよりエストシラント港に突撃する!!」

 

アルタラス王国征服艦隊の撃破から約一ヵ月、泥沼化する可能性のあるパーパルディア皇国との戦争を早期に終わらせる為の、最後の作戦が今開始された。

 

パーパルディア皇国の悪夢は、目覚めの時を迎えようとしていた。




用語説明
52式小銃

1952年に正式採用され30年間運用された陸上防衛軍の小銃で、弾薬は5.56㎜を使用している。
特徴として、命中精度の高さと壊れにくい構造を使用している事である。その代わり、威力はそこまで高くないのが弱点で、退役の数年前は威力不足の観点から専ら訓練用に利用されていた。
フィルアデス大陸解放軍に譲渡されたのは最後まで運用されていた銃の中で、状態が良好だった銃が選ばれ送り出された。
なお、クワ・トイネ公国やクイラ王国に輸出された兵器の中には、本銃を改良し威力の向上を図った52式小銃改が存在している。

59式対戦車噴進弾発射器

1959年に正式採用された無誘導の再装填型対戦車ロケットランチャー。
本兵器の前に運用されていた使い捨て型の一式対戦車噴進弾では、当時の新型戦車の装甲には力不足になりつつあり、その問題点を解決するために本兵器が開発された。
この兵器の登場によって、歩兵が当時の各国が運用する最新鋭戦車を真正面から撃破することが出来るようになった。
ただ、現役の期間は短く僅か6年後に開発、正式採用された65式対戦車誘導噴進弾によってあっという間に防衛軍内から駆逐されてしまった悲しい兵器でもある。
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