先ずは、皆様の沢山の回答をありがとうございます。
お知らせしたい事とは、回答の打ち切りについてです。このロウリア王国編が終わった段階で、打ち切ろうかと考えています。アンケート入力がまだの方は、お早めにお願いします。
2022年11月14日 一部文章を編集しなおしました。
ロウリア王国 ワイバーン本陣
ロウリア艦隊からの支援要請を受けて、この本陣を飛び立った350騎は3時間が経っても、全く帰ってこなかった。
司令部に重苦しい沈黙が流れる。
なぜ全く通信がないのか?最後の通信は、「敵艦を発見、これより攻撃する。」だった。それから、全く音沙汰がない。司令部は焦燥に包まれていた。
「ワイバーン隊は、何故帰ってこないのだ?」
顔を蒼くする基地司令の問いに、答えることが出来る者はいない。
(まさか、全滅したのか?馬鹿な、そんなことがあり得るはずがない。)
ロデニウス大陸の歴史上最強の生物とされるワイバーン。馬より速く飛ぶことができ、口から発射することのできる導力火炎弾は、あらゆるものを焼き尽くすことが出来る。しかし、とても貴重な種であり、数を揃えるのは、とても難しい。
ロウリア王国の揃えた500騎という数は、ロデニウス統一を条件に、第三文明圏最強のパーパルディア皇国からの援助と6年の年月をかけて、ようやく用意することが出来たものだった。
圧倒的な大戦力であり、確実にロデニウス大陸を統一できるはずだった。
そして、敵の主力艦発見の報を受けて、飛び立っていった精鋭の竜騎士たちの駆るワイバーン350騎は、歴史に残る大戦果を挙げて、この本陣に凱旋してくるはずだった。
しかし、現実は一騎たりとも帰還してこないし、通信も全く音沙汰がない。
考えたくはないが、ワイバーン隊は、敵に一騎残らず殲滅された可能性が高い。
常識的に考えて、敵が大船団だったとしても、歴史に残るレベルの大戦力が全滅するとはとても考えることが出来ない。まさか、敵は神龍でも味方に付けたとでも言うのだろうか。ロウリア王になんと報告すればいいか、彼には分らなかった。
それに彼には、もう一つ懸念事項があった。それは、先遣隊とも全く連絡が取れないということだ。クワ・トイネ公国の予想外の反撃に苦戦しているのかと、最初は考えていたが、攻略予定日を1週間も過ぎても一切の連絡がない。何度か、先遣隊に呼び掛けてみたものの一切の反応がなかった。一体何が起きているのか、彼には解らなかった。
その時、一人の兵が司令部に飛び込んできた。ノックすらしていないので、相当慌てているようだ。
「何事だ!!」
「はっ!先程、この本陣に先遣隊の一部が撤退してきました!!臨時の指揮官によると先遣隊は、ギム郊外で殲滅されたとのことです!!それと、先遣隊を指揮されていたパンドール将軍は戦死されたとのことです!!」
「な、なに---!!では、先遣隊のワイバーン隊はどうなった!?」
「すべて、撃墜されたとのことです・・・。」
「そ・・・、そんな馬鹿な・・。」
基地司令は、大きな絶望に打ちひしがれた。
クワ・トイネ公国 政治部会
「・・・・以上が、ロデニウス沖大海戦の、戦果報告になります。」
参考人として招致された観戦武官ブルーアイが、口頭での報告を終えて着席する。彼の隣には、ギムを守り切ったモイジの姿もあった。
政治部会の各々の手元には、ロデニウス沖大海戦とギム攻防戦の戦果が記載された印刷物が配布されている。政治部会の面々に沈黙が流れる。とても信じられないことが記載されていたからだった。
やがて、沈黙を破り一人が口を開く。
「では、何かね?二ホン艦隊は敵艦隊4400隻の内、3分の2以上の敵船を撃沈し、さらに350騎のワイバーンまでも、無傷で撃破した。しかも、たった二隻の船で。まるで、御伽噺だ。ギムの話もだ。3万以上の敵兵に、150騎のワイバーンを、我が軍と共に、一切の被害なく撃退しただと・・・。とても、信じられない。この政治部会で、観戦武官のブルーアイ殿や、ギムで実際に戦ったモイジ殿がわざわざ嘘をつくとは、とても思えないが、あまりにも現実離れしていて、我々は素直に信じることが出来ないのだよ。」
誰もが同じ思いだった。中には、頷いている者もいる。二人でさえ、信じることが出来ない大戦果だった。
「一万に満たない部隊で、この戦果を挙げることが出来るとはとても信じられませんぞ。外務卿!本当に彼らは防衛用の戦力しか持ってないのですか?」
この事を信じ切れない者から、野次が飛ぶ。
本来なら、勝てるはずのないロウリアの大軍勢の侵攻を防ぎ、国の危機が去ったので喜ぶべきことなのだが、常識外れの大戦果に政治部会には、ある種の恐怖が宿っていた。
喧騒に包まれる政治部会を、片手で制した首相カナタが発言する。
「いずれにせよ、今回のロウリア王国による我が国への侵攻は、防ぐことが出来た。まだ、敵の戦力は残っているがここまで一方的にやられたら、警戒してしばらくの間は、再侵攻してこないだろう。しかし、この報告書を読む限り敵は、二ホン製の武器に手も足も出なかったと書かれている。国力から、二ホンは桁外れの性能の兵器を使っていると考えていたが、ここまでのものとは思ってもいませんでした。君は、このことについてどう思う、軍務卿?」
「正直に申し上げると、二ホン製の兵器は驚異的な性能を持っているというしか、言いようがありません。例えば、我が国が輸入したNF-01戦闘機は、かの古の魔法帝国の天の浮舟、そのものです。神話で語られるような兵器が、二ホン国ではすでに旧式化していて、使用されていないということは驚愕に値します。」
政治部会に、大きなどよめきが起きる。
つまり日本は、この世界の誰もが恐れるラヴァーナル帝国よりも、強力な兵器を保有しているということだ。少なくとも、ミリシアルやムー以上の実力があることは確実だ。
騒めきが小さくなるのを見極めて、軍務卿は新たな資料を配布し、話を再開する。
「これからの事ですが、二ホン側から提案がありました。手元の資料を確認してください。」
日本から輸入した上質な紙に書かれた文章を見て、全員が驚愕する。
「ロ・・・、ロウリア王国首都攻撃計画!?」
「二ホン国は我が国の基地から発進した航空機と、ギムから進軍した陸軍で、ロウリア王国の首都を強襲攻撃し、ロウリア王のハーク・ロウリア34世の身柄を確保したいとのことだ。併せて侵攻軍を攻撃したいとの事です。」
ザワザワザワ・・・・・、と会議場は騒めき立つ。
「別に良いのではないのか?我々には得しかないぞ。」
「いや、ロウリアと我が国の戦争において、敵国の首都に他国の軍が侵攻し、攻撃するのは・・・。」
「二ホンは我が国と結んだ、集団的自衛権の行使という形で、この戦争に参戦してきた。問題はないだろう。」
「いくら二ホン国といえど、敵首都への攻撃・・・。うまくいくとは私には思えないが・・・。」
「しかし、計画通りにいけば戦争の早期終結につながる・・・。最も被害が少ない方法だ。それにあの二ホン国だ。うまくいくだろう。」
議論を重ねた結果、クワ・トイネ政治部会は全会一致で、日本軍によるロウリア王国に対する、陸、海、空の戦闘行動を許可する事になった。
ロウリア王国 首都 ジン・ハーク ハーク城
ロウリア王国を治める大王、ハーク・ロウリア34世は、机に置かれた二つの報告書を前に、震えていた。
一つ目は、クワ・トイネ公国の町ギムの攻略失敗についてだった。ワイバーン150騎と、3万の軍勢が僅かの兵を遺して全滅してしまった。しかも、敵には全く被害を与えることが出来なかったとの事だ。
生き残りの兵によると、
「幾つもの、爆裂の魔法で味方の軍勢が吹き飛ばされた。」
「翼を羽ばたかせずに飛ぶ、鉄竜に味方ワイバーンが一方的に蹂躙された。」
「クワ・トイネ公国の他に、二ホン国という国が参戦していた。」
などだった。
報告には荒唐無稽な部分が多く、信じることが出来ないが3万の軍勢が全滅したのもまた事実だった。
頭を抱えるしかない。
もう一つの報告書は、ロデニウス沖大海戦に関するものだった。こちらもまた、二ホン国という国の城のように巨大な軍船が二隻現れ、3200隻が撃沈され上空支援のために向かった350騎のワイバーンが全て撃墜されたとの事だ。こちらもまた、報告には荒唐無稽な部分が多かった。
「敵艦が爆発したと思ったら、空に太陽のような巨大な火球がいくつも現れ、それが消えたらワイバーン隊が消滅していた。」
「敵艦から、光弾がいくつも発射されて、味方がハチの巣になって撃沈された。」
「敵艦は鋼鉄製のようで、まるでムーの軍艦のような見た目だった。」
と、報告書には書かれていた。
正直に言えば、全く意味が解らない。どうやって、ワイバーン隊を殲滅したのか?どうやって、敵は船を撃沈する魔導を連続で打ち出したか?
疑問が尽きない。まさか神話に登場する古の魔法帝国でも復活したのだろうか?彼は、自国が何を相手に戦っているのかが解らなかった。
ロウリア王国は、昔から人口がとにかく多いが、人的な質が悪いという問題があった。
しかし、列強であるパーパルディア皇国の助けを借りて、ロデニウス攻略のためにそこそこの数で、圧倒的な数を6年かけて揃えることが出来た。
しかし、敵には自分たちの兵器が通用しない可能性が高い。
数がものを言う陸戦で何とかするしかないが、果たして通用するだろうか。
王は、その日遅くまで頭を悩ませていた。
第三文明圏 列強国 パーパルディア皇国
光の精霊の力を閉じ込めたガラス玉が、オレンジ色にほのかに輝き、薄暗い部屋に二つの影を映し出す。
二人の男達は、国の行く末に関わる話をしていた。
「・・・・・・二ホン国?聞いたことのない国だが・・。」
「調べたところ二ホン国は、ロデニウス大陸の北東方向にある島国です。」
「いや、それは理解したが、今までこのような国があったか?大体、ロデニウス大陸から1000㎞ほど離れた場所にある国なら、我々がなぜ今まで一度もこの国のことを認識をすることが出来なかった?そのことについての理由を考えることが、私には出来ない。」
「あの付近の海域は、海流や風が大変乱れておりますので、船の難所となっております。なるべくこの海域に近寄らないようにしていたので、発見に至らなかったのではないでしょうか?」
「ふむ・・・。しかし、文明圏から離れた蛮地であり、海戦の方法も、敵艦に乗り込み戦うという野蛮なロウリア王国とはいえ、たった2隻に3000隻以上撃沈されるとは、いささか現実離れではないかね?」
「報告書によれば、ムーの軍艦のような見た目をしていた、と記されていますが蛮族にはあり得ないことです。きっと、観戦武官も、長い蛮地生活による心労で精神異常をきたしてしまったのかもしれません。今度交代して、静養させてやりましょう。」
「しかし閣下、我々の100門級戦列艦フィシャヌス級が仮に、ロウリア艦隊と戦ったら、相手から沈められる事は、まずありえません。一撃で船を破壊することが出来る射程2㎞の大砲の弾が続く限り、ロウリア艦隊の艦船を、一方的に撃沈できます。いずれにせよ、第三文明圏で我が国は最強の国です。二ホンが何隻の船でロウリア艦隊を撃退したのかは、解りませんが、二ホン国も大砲を作ることが出来る技術水準があると判断するべきなのでしょう。」
「蛮族の分際で、大砲か・・・。今までロデニウス大陸や周辺国に接してきて来なかったのは、ようやく大砲を作れる技術に達したのかもしれないな。」
「ところで、この戦争でロウリアがまさか負けることはあるまいな?もし、ロウリアが負ければ、我々第三外務局による資源獲得の為の国家戦略に、大きな支障が出るぞ。」
「陸戦は、数が物を言います。ロウリア王国は人口だけは、列強国並みなので大砲を持ち始めたレベルの国を前にして、大敗することはまずありますまい。」
「兎に角、今回の海戦の報告は荒唐無稽だ。真偽を確かめるまでは、陛下に報告はしない。解ったな?」
「了解いたしました。」
今回の一件に関わったパーパルディア皇国第三外務局と国家戦略局に所属する面々は、観戦武官の交代と真偽の確認を行うことにした。ただ、真偽の確認はあまり積極的に行われなかった。理由としては、
・日本を、大砲を持ち始めたばかりの国だと認識していたこと。
・列強のパーパルディア皇国が、僻地の蛮族の国に負けるはずがない。
と、考えていたからだった。
しかし、それが大きな間違いだったことに彼らが気づくには、かなりの時間をかけることになった。そして、この事に気づいた時にはすべてが手遅れの状況になっていた。
クワ・トイネ公国 ギム郊外の日本国陸上防衛隊基地
ドッドッド・・・、と暖機運転して出撃の時を待つ、日本国ロウリア王国王都攻撃隊。
攻撃隊の主力たる15式戦車は、2015年に正式採用されたばかりの新型だった。時速90キロの最高速度と、500㎞を超える行動可能範囲を持つが、最も特徴的なのは主砲だろう。主砲には155㎜の滑腔砲を二門装備している。この戦車は日本初の、連装砲を装備した戦車だった。そして、データリンクと自動化を徹底したために、乗員は二名で済むという破格の性能を持っていた。今回の作戦では、この戦車が80両参加することになっている。
12式陸上指揮車の車内で、この作戦をの指揮を執ることになった大内田が、作戦開始の時を待っていた。
「師団長、本部から通信です。「ロデニウスに日が昇る」です。」
「よし、分かった。全車進軍を開始せよ!目標敵陣地!」
15式を先頭に、攻撃隊は基地を後にした。
クワ・トイネ公国ギム防衛隊の面々は、この戦争を終わらせるために、敵地へと赴く日本軍に対して、直立不動で敬礼をした。
数日後、ロウリア王国 ワイバーン本陣
ギム郊外の戦いと、ロデニウス沖大海戦での大敗北を受けてこの基地にやってきたロウリア三大将軍の一人、スマークはこの基地の強化を命令していた。二つの戦いによって、大きな損害を受けたロウリア軍だが、まだこの基地には10万人の兵力があった。この戦力ならば、たとえ圧倒的な質を持つ二ホン国が来ようと、量によって互角に戦うことが出来るだろう。スマークはそう考えていた。
上空には、付近の基地からかき集めてきたワイバーンが20騎、空を力強く羽ばたいていた。スマークは、基地上空で哨戒飛行をしているワイバーン隊を見てつぶやく。
「ふむ、見事なものだな。ワイバーンと、10万の戦力があればそう簡単に負けることはないだろう。」
その時だった。
ワイバーン達が爆発を起こして、バラバラに寸断された。
「なっ何だ!?何が起こったあ!」
スマークが叫んでいる間にも、光弾が超高速で次々と飛行して来て、避けようとするワイバーン達に喰らい付き、その身をバラバラにしていく。あっという間に、ワイバーン隊は全滅することになった。
「あああああああああ!!!」
「バカな・・、そんなバカなぁ!」
基地内からは様々な声が聞こえてくる。
基地上空を「それ」は凄まじい速度で通り過ぎた。矢じりのような形、灰色に塗られた機体、後ろから炎を2本吐きながらそれは通り過ぎた。
ドーーーーン!!!!!!
衝撃波が彼らを襲う。
ロウリア王国ワイバーン隊を殲滅したのは、マッハ2という猛烈な速度で基地上空をフライパスしたVTOLF-11だった。
「な、なんて速さだ・・・。」
スマークに、今まで経験したことのない恐怖が彼に襲ってきた。
しかし、恐怖は彼らに時間を与えてくれなかった。
クワ・トイネ公国方面を監視していた、見張り兵から悲鳴のような報告が飛んでくる。
「な、何だ!?あれは!?将軍、見たことない化け物がこちらに来ます!!数、凡そ70!!」
「何だと・・・。すぐに迎撃せよ。バリスタと攻城兵器も使用して応戦するのだ。急げ!!」
スマークの出した指令に従って、本陣の兵たちは迎撃の準備を急ぐ。
数分後
「敵が来るぞ!気を引き締めろ!」
馬に跨ったロウリア軍の現場指揮官の発した叫びに、ロウリア軍の緊張がより一層高まる。
クワ・トイネ公国の方角から来た謎の敵は、見たことのないものだった。
二本の巨大な角を前に突き出し、幾つもの足で土煙を上げながら走るその物体に、彼らは驚愕する。
「あれは・・・生き物なのか?」
土煙を上げて走る15式戦車を見て、ロウリア軍の兵たちは恐怖に襲われるが、現場指揮官の号令で我に返る。
「臆するな!!この世に倒せぬもの等存在しない!!必ず倒せる!歩兵隊、騎兵隊、敵に突撃せよ!!」
「弓隊、矢を放て!!」
弓隊が矢を放ち、歩兵や騎兵が15式戦車の部隊に向かって突撃を始める。
しかし、放たれた矢が届く前に、戦車の砲口が光る。
ズドォー-ン!
主砲から放たれた155㎜の砲弾は、寸分狂わずに着弾しロウリア兵を吹き飛ばす。
前世界において各国の軍関係者から、「世界最強の戦車砲」「これを防ぐことが出来る戦車は存在しない」とまで言われた155㎜砲は、歩兵や騎兵隊相手には過剰ともいえる破壊力を生み出した。次々に、ロウリア軍は爆発によって吹き飛んでいく。
ロウリア軍を殲滅するために主砲をマシンガンの様に発射する15式。その発射間隔は2.5秒に一発という驚異的なものだった。
15式の主砲装填にかかる時間は、約5秒である。
では、どの様に2.5秒間隔で発砲しているかというと、二門の主砲を交互に撃っているのである。
歩兵隊や騎兵隊、さらに彼らから離れたところにいた弓隊も、雨あられのように飛んでくる砲弾によって消し飛ばされていく。この光景に、ロウリア軍の心が折れ、士気が落ちる。
もちろん、日本一の練度を持つと言われている第七師団がこの隙を見逃すこともなく一気に、ロウリア軍ワイバーン本陣に接近し攻撃を畳み掛ける。むろん落とされまいと、ロウリア側も奮戦しバリスタを15式に向けて放つが全て複合装甲に弾かれた。
「スマーク様!奴には、バリスタですら全く歯が立ちません!!」
「陣地内に敵歩兵が侵入しました!!戦線が維持できません!!」
スマークや士官たちは、次々と入ってくる報告に絶望と恐怖を感じていた。
数はこちらが圧倒的に優勢だったはずなのに、戦いが始まってみれば敵の新兵器と思われる物に、全く歯が立たない。敵の攻撃は、こちらを容易く蹂躙できるほどに強力だった上に、当たればワイバーンにさえ致命傷を与えることが出来るバリスタですら、敵には全く効かなかった。
「もはやこれまでか・・・。通信士、王都に魔伝を打て。「敵が王国に侵入した。敵の攻撃によって、我が基地は壊滅した」と。」
ドーン!!ババババっ!!
轟音が響く中、スマークは通信士に最後の命令を下した。
通信士がスマークの指示した魔導通信を発した直後、ワイバーン本陣司令部に155㎜砲弾が着弾した。
スマークは、自分の体が燃えながら千切れていく光景を最後に、意識を永遠に手放した。
ここに、ロウリア王国のクワ・トイネ公国攻略のために作られたこの基地は、地図上から姿を消すことになった。
用語説明
15式戦車
全長 11.6m
車体長 9.2m
全幅 4.9m
全高 3.9m
最高速度 90km/h
行動距離 550㎞
主砲 連装式155mm滑腔砲
副武装 12.7mm重機関銃
7.7mm主砲同軸機関銃×2
乗員 2名
日本が2015年に正式採用したばかりの最新型の主力戦車。その最大の特徴は、日本史上初の連装砲を採用した戦車である事だろう。その攻撃能力は、世界最強戦車と呼ぶにふさわしい性能を持っている。また、徹底した自動化によって乗員は二名である。外見は、機動戦士ガンダムに登場した61式戦車5型である。
転移時には、300両ほどが生産されていて、そのうちの80両がクワ・トイネ公国に派遣されている。
最後に
UAが皆様のおかげで、一万回を超えることが出来ました。本当にありがとうございます。
パーパルディア皇国について
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原作通りに存続する
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滅亡一択、慈悲はない
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作者が自由に決めて