「織斑のISだが、準備が少々遅れるようだ」
金髪ドリルと戦う事になったり、嫉妬の炎に塗れたり、扱いに困る贈り物を受け取ったりした翌日の授業中織斑先生が唐突にそんな事を言い出した。
一夏の専用機、原作通りならブレオン、悪燃費のロマン溢れる上級者向けの機体(扱いづらい欠陥機とも言う)なのだがもし俺があの機体を渡されたらぶちぎれる自信がある。
「予備機が無いのだ、学園で専用機を用意するので少し待て」
「へ?」
一夏はまったく事情が飲み込めていない様子。
「せっ専用機!一年の、しかもこの時期に!?」
「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで・・・」
「ああ~。いいなぁ・・・・・・私も早く専用機欲しいなぁ」
残念、欲しいなぁで専用機がもらえるのはコネのあるぼんぼんだけだ、篠ノ之さんとか、俺とか。
「織斑、教科書6ページを音読しろ」
「は、はい。えーと『現在、幅広く国家・企業に技術提供が行われているISですが、その中心たるコアを作る技術は一切開示されていません。現在世界中にあるIS467機、そのすべてのコアは篠ノ之博士が作成した物で、これらは完全なブラックボックスと化しており、未だ博士以外はコアを作れない状況にあります。しかし博士はコアを一定数以上作ることを拒絶しており、各国家・企業・組織・機関では、それぞれ割り振られたコアを使用して研究・開発・訓練を行っています。またコアを取引することはアラスカ条約第七項に抵触し、すべての状況下で禁止されています』・・・と、言う事は・・・」
「つまりそういうことだ。本来ならISの専用機は国家、あるいは企業に所属する人間にしか与えられない。だが、お前の場合は状況が状況なのでデータ収集を目的として専用機が用意されることになった。理解できたか?」
「え、ええまぁおおまかには・・・」
やっとー知ってるよいっぴーは理解できてないって。
「せ、先生、夜刀のISはどうなるんですか?」
「藤井は既に専用機を所有している」
親のコネ万歳である、因みにAeFの所有しているISコアの数は五個という事になっている。
この五個という数は一企業としては破格の数でありぶっちゃけこれだけで下手な小国より戦力があるし発言権も大きい。
という事になっているという言い回しをしたのは、ラインハルトさんが信頼できんと義父さんに言った結果義父さんお手製のコアを作ったからである。
つまり実際には騎士団全員分の水銀製コアがあり正規コアはもっぱらテストにしか使われていない。
水銀製コアというと胡散臭く碌でもない物のように感じるが、唯既存のコアネットワークを取り払い変わりに騎士団用のネットワークを付けただけであり他は正規コアと変わりない、決して聖遺物とかではない。
まぁ聖遺物ではないにしろISコアをジェパンニが一晩でみたいなノリで作る辺り流石であるが。
「あの先生。思ってたんですけど、篠ノ之さんって・・・もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」
「そうだ、篠ノ之はアイツの妹だ」
プライバシーとはなんだったのか・・・
まぁ確かに隠しきれる事じゃないとは思うけどさぁもうちょっと配慮ってものが
「ええええー!すっすごい!このクラス有名人の身内が二人も居る!」
悲報 義父さんは有名人のカテゴリに入っていなかった。
あれでも世界有数の企業の社長だというのに・・・
あぁそういえば俺が身内だって言ってないからか、姓も違うし。
「ねぇねぇ!篠ノ之博士ってどんな人!やっぱり天才なの!?」
一つ言っておこう天才と呼ばれる人物の半数以上は変人である。
ソースはAeF
「篠ノ之さんも天才だったりするの!今度ISの操作教えてよ!」
あかんそれは禁句や
「あぁ、私の自慢の姉だ、私は姉のような才は無いが姉の名に恥じぬように精進したいと思っている」
あんるぇ~、俺の知ってる篠ノ之姉妹と違う・・・
まぁ姉妹仲いいことはよきかなよきかな。
「話はそこまでだ、授業を始める、山田先生」
「はい!」
そして休み時間
「安心しましたわ。まさか訓練機でこの私と対戦しようと思ってなど居なかったでしょうが」
やせいの金髪ドリルがあらわれた!
いやまじ名前なんだっけ?
いやさぁ、転生してから十五年立ってるわけでして、それに原作介入の為に準備してたわけじゃなく野球一筋だったから大筋は覚えてるけど忘れてる事も多いんだよ
「まぁ、一応勝負は目に見えてますが流石にフェアではありませんものね?」
「?・・・なんでだ?」
「あらご存知ないのですか?まぁいいですわ、庶民の貴方方に教えて差し上げましょう。この私、セシリア・オルコットはイギリス代表候補・・・つまり、今の段階で専用機を持っていますの」
俺、御曹司なんだけどなー
まぁ親の教育方針で全然贅沢してないから庶民と言われても仕方ないのだが。
それからお前がこちらにあわせて訓練機でやるという発想はないのだろうか。
「へー、そりゃ凄いな」
「・・・馬鹿にしてますの?」
「いや、本当に凄いなって思っただけだけど・・・いや、何が凄いのかは分からないけどとりあえず凄いのは分かった」
「ソレを一般的に馬鹿にしていると言うのでしょう!」
ドリルさんいっぴーは馬鹿なんだ許してやってくれ。
「・・・こほん。先ほど授業でも言っていたでしょう?ISは世界で467機。その中でも専用機を持っているのはつまり、全人類六十億人超の中でもエリート中のエリートなのですわ!」
「・・・そうなのか」
「そうですわ」
「人類って六十億超えてたのか!」
「そこは重要ではないでしょう!」
机を叩くドリル嬢、当学園は台パン禁止でございます。
「あなた!本当に馬鹿にしているの!」
「いやそんな事は無い」
「だったら何故棒読みなのかしら!」
「何でだろうな・・・わかるか箒、夜刀」
おーっとここで一夏君のキラーパスだあ!
「いや俺はお前じゃないからわかんないわ」
「そういえば貴方にはまだ言っておりませんでしたわね、素人といえども一切容赦しませんので」
そういえば俺はクラス決めの時の口論に参加してないのになんでこんなに敵視されているのだろうか。
あれか、ドリル嬢にとっては男=敵なのか?
世界の半数を敵に回しているのか、凄いなドリル
「まぁ訓練に励んで頑張らせてもらいますよ」
実際ドリルが原作通りの強さでも勝てるかかなり怪しいしな。
そりゃ特典使えば創造位階なんて使わなくても活動~形成あたりで勝てるだろうけど、それはなんか違う気がするし地力で勝ちたいものだ。
「そうだ、試合の時は全力でやってくれ、こっちも胸借りたいんで」
俺の当面の目標は特典無しでラインハルトさんに勝つ事なのだ使える物は使いたい。
無理ゲー臭いけど・・・
「言われなくてもそのつもりですわっ!」
そういいながら無駄に華麗なターンを見せながら教室を出て行くドリル嬢、あー遊戯王したくなってきた、俺の、タァーーン!!
どうでもいいが入学早々こんな騒ぎを起こしているドリル嬢は一緒にご飯を食べてくれる人はいるのだろうか・・・
「一夏と篠ノ之さんは幼馴染なんだっけか」
場面は変わって食堂である、今回は一夏と篠ノ之さんと昼食を取っている。
「ああ、小学生の時に一夏がうちの道場に通っていてな、その後私が転校したのでここであったのは六年ぶりとなるな」
「道場って剣道とか?」
「ああそうだ、そういえば私の事は箒でいいぞ」
ここらへんは変わり無しか・・・転校っていうのもIS絡みの事だろうになぜ姉の事を嫌っていないのだろうか。
ちょっとぶっ込んでみるか。
「IS学園に来たのはやっぱりお姉さん絡み?」
「ああ、姉さんの作ったISに携わっていればそれは姉さんの夢の手助けになるからな」
なんだこの出来た妹は・・・
「仲良いんだな」
「一時期は疎遠となって私も姉さんの事を嫌っていたのだがな」
「それがどうして?」
「数年前にいきなり電話がかかってくるようになってな、何でも変態につかまったとかなんとか」
あんるぇ~
「未知がなんだ女神がなんだ黄金がなんだと訳の分からない事言っていて、なんだか馬鹿らしくなってな、それからちょくちょく話をするようになったんだ」
すいませんその変態に心当たりがあります。
「いやそれ束さん大丈夫なのかよ」
「なんだかんだで楽しくやってるようだしかまわないだろう」
うちの者が迷惑をかけます・・・
「それより一夏お前はオルコットに勝つ見込みがあるのか」
「え、えーっと・・・」
「まぁ普通は時間もないし訓練あるのみなんだが、専用機が来てないからなぁ、座学と体動かすくらいしか出来ないな」
訓練機で訓練するという手ももちろんあるがいくら一夏が特例で優先されるといっても一週間で一回か二回乗れればいい方だろう。
「俺はアリーナで訓練してるから一夏は箒にまかせるよ」
原作箒ならいざしらずこの箒ならよもや剣道オンリーという事はないだろう。
「悪いな箒」
「あぁ、任せるがいい!」
畜生、恋人よ 枯れ落ちろ
さくさくっと場面は変わって放課後のアリーナである。
流石にこの時期に訓練機を借りているのは二年か三年がほとんどである。
「こい、
俺の専用機Zarathustraは見た目は灰に近い黒に赤いラインが入っていて装甲は薄め。
機体性能的には高機動型の万能機といった具合か、防御薄いけど。
最初は義父さんが設計すると聞いて最悪ギロチン一本の阿呆みたいな機体かと覚悟していたがそんなことはなかった。
むしろ面白みに欠けるといってもいいかもしれない、性能はともかく世代で言ったら第二世代っぽいし。
武装は、中距離ライフルx2 高威力レーザーライフルx2 狙撃ライフルx1 内臓型レーザーソードx2 といった具合である
なんというか義父さんあるまじき詰まらない機体である、パッケージもスラスター兼ミサイルポットみたいな物とか言っていたし義父さんはどうしてしまったんだろうか。
義母さん成分不足で頭が普通になってしまったのだろうか。
「相手が原作通りなら射撃戦になるか、いやそれだと確実に負けるし距離つめたほうがいいんかね・・・」
とりあえず射撃訓練をしながらない頭捻って作戦を考える。
因みに俺の射撃の師匠はエレオノーレさんとシュライバーさんである、というよりこの二人くらいしか騎士団で銃を使う人が居ない。
まごうことなき脳筋騎士団である、エレオノーレさんも射撃というより爆撃だが・・・
うーむやっぱり俺に作戦を考えるのは無理だ、最初は強くあたって後は流れで、かドーンと行ってガシャーンとするくらいしか思いつかん
脳筋が伝染したか・・・
そんなこんなで訓練を終え続いては整備である。
騎士団にいた頃は、脳筋の俺に整備など出来る訳もなくルサルカさんかリザさん、シュピーネさん辺りにお願いしていたのだが今はそうも行かない。
自分の手で整備をしなくてはならない、しかし今の俺には心強い味方がいる!
それがこれ、【ルサルカちゃんのヒャッハーとアホタルでも解る!整備指南書】である、因みにヒャッハーというのはヴィルヘルムさんでアホタルは螢さんである。この二人の頭は・・・いや、やめておこう。
「えーっとこの数値がこれだから・・・」
流石ルサルカさん、解り易いことこの上ない、実は義父さんと玲愛さんからも似たような物を貰ったのだが義父さんのは前書きの時点でうざすぎて破り捨ててしまったし、玲愛さんのは読んでて心が折れた。
そうして黙々と整備を進めていると、なにやら物音が。
「何奴ッ!」
「ヒッ!」
なんか女の子が居た。
「えーっと、どちら様で?」
「ご、ごめんなさい!」
とりあえず落ち着かせて話を聞いてみると、彼女は更識簪である事が判明する。
そういえばこんな子だったな。
なんでも俺が来る前から整備室で作業をしており、普段だれも来ない時間に俺が来たからとりあえず隠れていたとの事。
小動物か。
「驚かせてわるかったよ、俺は藤井夜刀だ」
「知ってる、二人目でしょ」
「そりゃ知ってるか、どうでもいいがその二人目っていう呼び方辞めてくれ、なんかわたしは3人目だと思うからみたいな感じで嫌なんだよ」
人類補完計画とか始まりそう
「エヴァ・・・」
「お、知ってるのか」
「Qはどうしてああなった・・・」
「庵野は庵野だったとしか言えないな・・・結構詳しいんだな」
「ロボットアニメと特撮は好きだから」
「特撮もいけるのか、いいよなぁー、誰かの涙を見たくないから!とか」
「クウガは伝説」
「掴み取れよ 今度は君たちの夢を」
「良作だった、ディケイドは見習うべき」
この子とは解りあえそうである。
兎さんは変態に捕獲される不憫枠